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公開番号
2024175791
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023093800
出願日
2023-06-07
発明の名称
始動システムの制御器および始動システムの制御方法
出願人
川崎重工業株式会社
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
H02P
6/12 20060101AFI20241212BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】 センサレス制御される同期電動機を用いた回転機械の始動制御が適切かどうかを判定することができる始動システムの制御器および制御方法を提供する。
【解決手段】 始動システムの制御器は、同期電動機と、駆動回路と、を備えた始動システムの制御器であって、処理回路を備え、同期電動機は、回転角度の検出が行われないセンサレス制御により制御され、処理回路は、同期電動機に流れる実電流を取得し、実電流および駆動回路に入力される制御信号を生成するための電圧指令値から同期電動機の誘起電圧の推定値である推定誘起電圧を推定し、回転機械の始動時において推定誘起電圧が所定の電圧基準値以上となるか否かを判定することにより、回転機械の始動に成功したか否かの異常判定処理を行う。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
回転機械に機械的に接続され、前記回転機械の始動を行う同期電動機と、前記同期電動機に電気的に接続され、前記同期電動機を駆動する駆動回路と、を備えた始動システムの制御器であって、
処理回路を備え、
前記同期電動機は、回転角度の検出が行われないセンサレス制御により制御され、
前記処理回路は、
前記同期電動機に流れる実電流を取得し、
前記実電流および前記駆動回路に入力される制御信号を生成するための電圧指令値から前記同期電動機の誘起電圧の推定値である推定誘起電圧を推定し、
前記回転機械の始動時において前記推定誘起電圧が所定の電圧基準値以上となるか否かを判定することにより、前記回転機械の始動に成功したか否かの異常判定処理を行う、始動システムの制御器。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記処理回路は、
前記同期電動機の始動開始から所定の単位時間ごとに前記推定誘起電圧が前記電圧基準値以上であるか否かを判定し、
前記推定誘起電圧が前記電圧基準値未満である場合に、カウント値を加算し、
前記カウント値が所定のしきい値を超えた場合に、異常であると判定する、請求項1に記載の始動システムの制御器。
【請求項3】
前記処理回路は、前記推定誘起電圧が前記電圧基準値以上である場合に、前記カウント値を減算する、請求項2に記載の始動システムの制御器。
【請求項4】
前記処理回路は、
前記同期電動機の始動開始から所定の単位時間ごとに前記推定誘起電圧が前記電圧基準値未満であるか否かを判定し、
前記回転機械の始動時からの時間経過に応じて前記電圧基準値を上昇させ、
前記推定誘起電圧が前記電圧基準値未満である場合に、前記回転機械の始動に成功しなかったと判定する、請求項1に記載の始動システムの制御器。
【請求項5】
前記処理回路は、
前記同期電動機の角速度が所定の基準角速度以上である場合に、センサレスベクトル制御である第1制御を実行し、前記同期電動機の始動開始から前記同期電動機の角速度が前記基準角速度未満である間には、前記第1制御とは異なる第2制御を実行し、
前記第2制御の実行中において前記異常判定処理を行う、請求項1から4の何れかに記載の始動システムの制御器。
【請求項6】
前記同期電動機は、回転子の表面に磁石が配置された円筒型の同期電動機である、請求項1から4の何れかに記載の始動システムの制御器。
【請求項7】
前記回転機械は、エンジンである、請求項1から4の何れかに記載の始動システムの制御器。
【請求項8】
回転機械に機械的に接続され、前記回転機械の始動を行う同期電動機と、前記同期電動機に電気的に接続され、前記同期電動機を駆動する駆動回路と、を備えた始動システムにおける制御方法であって、
前記同期電動機を回転角度の検出を行わないセンサレス制御により制御し、
前記同期電動機に流れる実電流を取得し、
前記実電流および前記駆動回路に入力される制御信号を生成するための電圧指令値から前記同期電動機の誘起電圧の推定値である推定誘起電圧を推定し、
前記回転機械の始動時において前記推定誘起電圧が所定の電圧基準値以上となるか否かを判定することにより、前記回転機械の始動に成功したか否かの異常判定を行う、始動システムの制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、始動システムの制御器および始動システムの制御方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
車両、船舶、航空機等における駆動源であるエンジンを、同期電動機により始動する始動システムが知られている。このようなエンジンを始動するための同期電動機を、回転角度センサによる回転角度の検出が行われないセンサレス制御により制御することが考えられる。センサレス制御とすることで、システムの小型化および故障リスクの低減を実現できる。下記特許文献1には、同期電動機のセンサレス制御において、磁極の回転位置をより正確に把握するために、同期電動機の各相で発生する誘起電圧を検知することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-295750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電圧センサを追加するとセンサレス制御のメリットが減殺される。すなわち、システムの大型化および故障リスクの増大を招く。また、部品点数の増大によりコストも増大する。
【0005】
特に、エンジンを始動するための同期電動機においては、エンジン始動時の低回転状態において同期電動機の回転子における磁極の角度の推定を行うことが困難であり、磁極の角度に基づいた制御が適切に行われない可能性がある。磁極の角度に基づいた制御が適切に行えていない場合、同期電動機の回転数を上昇させることができず、エンジンを始動することができない。また、磁極の角度に基づいた制御が適切に行えていない状態を検出することができなかった。なお、このような問題は同期電動機でエンジンを始動する場合に限られず、同期電動機で回転機械全般を始動する場合にも生じ得る。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するものであり、センサレス制御される同期電動機を用いた回転機械の始動制御が適切かどうかを判定することができる始動システムの制御器および始動システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る始動システムの制御器は、回転機械に機械的に接続され、前記回転機械の始動を行う同期電動機と、前記同期電動機に電気的に接続され、前記同期電動機を駆動する駆動回路と、を備えた始動システムの制御器であって、処理回路を備え、前記同期電動機は、回転角度の検出が行われないセンサレス制御により制御され、前記処理回路は、前記同期電動機に流れる実電流を取得し、前記実電流および前記駆動回路に入力される制御信号を生成するための電圧指令値から前記同期電動機の誘起電圧の推定値である推定誘起電圧を推定し、前記回転機械の始動時において前記推定誘起電圧が所定の基準値以上となるか否かを判定することにより、前記回転機械の始動に成功したか否かの異常判定処理を行う。
【0008】
本開示の他の態様に係る始動システムの制御方法は、回転機械に機械的に接続され、前記回転機械の始動を行う同期電動機と、前記同期電動機に電気的に接続され、前記同期電動機を駆動する駆動回路と、を備えた始動システムにおける制御方法であって、前記同期電動機を回転角度の検出を行わないセンサレス制御により制御し、前記同期電動機に流れる実電流を取得し、前記実電流および前記駆動回路に入力される制御信号を生成するための電圧指令値から前記同期電動機の誘起電圧の推定値である推定誘起電圧を推定し、前記回転機械の始動時において前記推定誘起電圧が所定の基準値以上となるか否かを判定することにより、前記回転機械の始動に成功したか否かの異常判定を行う。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、センサレス制御される同期電動機を用いた回転機械の始動制御が適切かどうかを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本開示の一実施の形態における始動システムの概略構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示す第1電力変換器の回路構成の一例を示す図である。
図3は、図1に示す始動システムにおける処理回路の概略構成を示す図である。
図4は、本実施の形態における始動時異常判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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