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公開番号2024175505
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2023093339
出願日2023-06-06
発明の名称加圧器水位制御方法、加圧器水位制御プログラムおよび加圧器水位制御装置
出願人三菱重工業株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G21D 3/00 20060101AFI20241211BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】充てん流量制御弁の不調時において加圧器の水位の上昇を抑制すること。
【解決手段】加圧器水位制御方法は、原子炉の定常運転時に一次冷却材系に接続された加圧器の水位を取得するステップ(S1)と、加圧器14の水位に基づいて一次冷却材系10からの一次冷却材の抽出流量と一次冷却材の充てん流量から一次冷却材の充てん流量を調整するステップ(S1,S2)と、充てん流量の調整に基づく推定充てん流量と実充てん流量が不整合で(S3)、かつ加圧器14が水位高の場合(S4)、一次冷却材の抽出量を増加するステップ(S5)と、を含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
原子炉の定常運転時に一次冷却材系に接続された加圧器の水位を取得するステップと、
前記加圧器の水位に基づいて前記一次冷却材系からの一次冷却材の抽出流量と前記一次冷却材の充てん流量から前記一次冷却材の充てん流量を調整するステップと、
前記充てん流量の調整に基づく推定充てん流量と実充てん流量が不整合で、かつ前記加圧器が水位高の場合、前記一次冷却材の抽出量を増加するステップと、
を含む、加圧器水位制御方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記一次冷却材の抽出量を増加した一定時間後に、前記推定充てん流量と前記実充てん流量が不整合で、かつ前記加圧器が水位高の場合、前記一次冷却材の抽出量をさらに増加するステップをさらに含む、請求項1に記載の加圧器水位制御方法。
【請求項3】
前記一次冷却材を抽出するオリフィスを複数系統配置し、前記一次冷却材の抽出量を増加するステップは、開通する前記オリフィスの系統数を増加する、請求項1に記載の加圧器水位制御方法。
【請求項4】
前記加圧器の水位高は、前記加圧器の所定水位を超えた場合である、請求項1に記載の加圧器水位制御方法。
【請求項5】
前記加圧器の水位高は、前記加圧器の水位が上昇傾向となる場合である、請求項1に記載の加圧器水位制御方法。
【請求項6】
前記推定充てん流量と前記実充てん流量の関係に替えて、前記抽出流量と前記実充てん流量の関係とする、請求項1に記載の加圧器水位制御方法。
【請求項7】
原子炉の定常運転時に一次冷却材系に接続された加圧器の水位を取得するステップと、
前記加圧器の水位に基づいて前記一次冷却材系からの一次冷却材の抽出流量と前記一次冷却材の充てん流量から前記一次冷却材の充てん流量を調整するステップと、
前記充てん流量の調整に基づく推定充てん流量と実充てん流量の整合、および前記加圧器の水位変動を判定するステップと、
前記推定充てん流量と前記実充てん流量が不整合で、かつ前記加圧器が水位高の場合、前記一次冷却材の抽出量を増加するステップと、
をコンピュータに実行させる、
加圧器水位制御プログラム。
【請求項8】
原子炉の一次冷却材系に接続された加圧器の水位を計測する水位計と、一次冷却材の抽出流量を計測する抽出流量計と、前記一次冷却材の充てん流量を計測する充てん流量計と、に接続され、前記一次冷却材系から一次冷却材を抽出する抽出部と、前記一次冷却材系へ一次冷却材を充てんする充てん部と、を制御する加圧器水位制御装置であって、
前記原子炉の定常運転時に前記水位計の水位に基づいて前記抽出流量計の抽出流量と前記充てん流量計の充てん流量から前記充てん部による充てん流量を調整する充てん流量調整部と、
前記充てん流量の調整に基づく推定充てん流量および前記充てん流量計の実充てん流量が不整合で、かつ前記加圧器が水位高の場合、前記抽出部による抽出量を増加する抽出量調整部と、
を含む、加圧器水位制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、加圧器水位制御方法、加圧器水位制御プログラムおよび加圧器水位制御装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
加圧水型原子炉において、加圧器は、一次冷却材系の圧力を一定に保持する。加圧器は、原子炉と蒸気発生器との間に設けられたタンク形状のもので、その内部に液相および気相の境に水位が存在している。加圧水型原子炉は、加圧器の水位を制御することで、一次冷却材の水量を適切に維持し圧力が保持される。例えば、特許文献1および特許文献2には、加圧器の水位を制御する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特公平5-79160号公報
実用新案登録第2538894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加圧器の内部の一次冷却材は、水質管理などの観点で常時一定量が抽出されており、それを補うように充てんされて一定の水量が保たれる。ここで、加圧器の水量を維持する手法として、抽出流量を常時一定にし、充てん流量を微調整することで加圧器の水位を一定に保つ仕組みがある。このとき、仮に、抽出される流量よりも充てん流量が大きい状態となった状態で、充てん流量を調整している充てん流量制御弁が固着した場合、加圧器の水位を制御する術がなくなるため、加圧器の水位は上昇を続け、最終的には加圧器の水位が高設定値に到達し得る。その結果、原子炉に危険な状態が予測される場合、速やかに制御棒が原子炉内に挿入されて核分裂連鎖反応を緊急停止(原子炉トリップ)することになる。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、充てん流量制御弁の不調時において加圧器の水位の上昇を抑制することのできる加圧器水位制御方法、加圧器水位制御プログラムおよび加圧器水位制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る加圧器水位制御方法は、原子炉の定常運転時に一次冷却材系に接続された加圧器の水位を取得するステップと、前記加圧器の水位に基づいて前記一次冷却材系からの一次冷却材の抽出流量と前記一次冷却材の充てん流量から前記一次冷却材の充てん流量を調整するステップと、前記充てん流量の調整に基づく推定充てん流量と実充てん流量が不整合で、かつ前記加圧器が水位高の場合、前記一次冷却材の抽出量を増加するステップと、を含む。
【0007】
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る加圧器水位制御プログラムは、原子炉の定常運転時に一次冷却材系に接続された加圧器の水位を取得するステップと、前記加圧器の水位に基づいて前記一次冷却材系からの一次冷却材の抽出流量と前記一次冷却材の充てん流量から前記一次冷却材の充てん流量を調整するステップと、前記充てん流量の調整に基づく推定充てん流量と実充てん流量の整合、および前記加圧器の水位変動を判定するステップと、前記推定充てん流量と前記実充てん流量が不整合で、かつ前記加圧器が水位高の場合、前記一次冷却材の抽出量を増加するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0008】
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る加圧器水位制御装置は、原子炉の一次冷却材系に接続された加圧器の水位を計測する水位計と、一次冷却材の抽出流量を計測する抽出流量計と、前記一次冷却材の充てん流量を計測する充てん流量計と、に接続され、前記一次冷却材系から一次冷却材を抽出する抽出部と、前記一次冷却材系へ一次冷却材を充てんする充てん部と、を制御する加圧器水位制御装置であって、前記原子炉の定常運転時に前記水位計の水位に基づいて前記抽出流量計の抽出流量と前記充てん流量計の充てん流量から前記充てん部による充てん流量を調整する充てん流量調整部と、前記充てん流量の調整に基づく推定充てん流量および前記充てん流量計の実充てん流量が不整合で、かつ前記加圧器が水位高の場合、前記抽出部による抽出量を増加する抽出量調整部と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、充てん流量制御弁の不調時において加圧器の水位の上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態の加圧器水位制御装置を含む原子炉一次冷却材系の概略構成図である。
図2は、実施形態の加圧器水位制御装置のブロック図である。
図3は、実施形態の加圧器水位制御装置の制御ブロック図である。
図4は、実施形態の加圧器水位制御方法のフローチャートである。
図5は、実施形態の加圧器水位制御方法による作動タイミングを示す図表である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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