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公開番号2024172706
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023090595
出願日2023-06-01
発明の名称コイル基板、モーター用コイル基板、及びモーター
出願人イビデン株式会社
代理人弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
主分類H01F 5/04 20060101AFI20241205BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】配線抵抗や渦電流の影響を低減できるコイル基板、モーター用コイル基板及びモーターを提供する。
【解決手段】コイル基板は、第1面10Fおよび第2面10Bを有する樹脂基板10と樹脂基板10の第1面10Fおよび第2面10Bに形成されているコイル配線100を含む。コイル配線100は、第1導体層110と追加めっき層(第2導体層)150からなり、第1導体層110は、金属箔層120、金属箔層120上に形成された化学めっき層130及び化学めっき層130上に形成された電解めっき層140からなり、追加めっき層150は、第1導体層の上面145及び側面142、132、122を覆い、第1導体層110の上面145を覆う部分の厚みtAは、第1導体層110全体の厚みt1+t2+t3よりも大きい。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
第1面および第2面を有する樹脂基板と前記樹脂基板の第1面および第2面に形成されているコイル配線を含むコイル基板であって、
前記コイル配線は、第1導体層と追加めっき層からなり、
前記第1導体層は、金属箔層、前記金属箔層上に形成された化学めっき層、及び前記化学めっき層上に形成された電解めっき層からなり、
前記追加めっき層は、前記第1導体層の上面及び側面を覆い、
前記追加めっき層の前記第1導体層の上面を覆う部分の厚みは、前記第1導体層の厚みよりも大きい。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
請求項1のコイル基板であって、前記第1導体層の断面形状は、前記樹脂基板と対向する下底と前記下底と反対側の上底を有する略台形である。
【請求項3】
請求項1のコイル基板であって、前記コイル配線の幅は60μm以上400μm以下であり厚みは20μm以上200μm以下である。
【請求項4】
請求項1のコイル基板であって、前記追加めっき層のうち前記第1導体層の上面を覆う部分の厚みM2、前記第1導体層の厚みM1は、1.4M1≧M2>1.0M1 の関係である。
【請求項5】
請求項1のコイル基板であって、前記追加めっき層の側壁は、前記樹脂基板側になるほど厚みが薄くなる逆テーパ部を含む。
【請求項6】
請求項1のコイル基板を略円筒状に巻くことで形成されるモーター用コイル基板。
【請求項7】
請求項6のモーター用コイル基板であって、前記コイル配線の占積率は、50%以上99%以下である。
【請求項8】
請求項6のモーター用コイル基板であって、前記モーター用コイル基板の外周面の円筒度は、0.0mmより大きく0.3mm以下である。
【請求項9】
請求項6のモーター用コイル基板であって、前記モーター用コイル基板の外径は、50mm以下である。
【請求項10】
請求項6のモーター用コイル基板及び磁石のうち一方を回転子に設けるとともに他方を固定子に設けることで形成されるモーター。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、コイル基板、モーター用コイル基板、及びモーターに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、コイル基板の製造方法を開示している。特許文献1は、フレキシブル基板に銅箔を設け、銅箔の表面に設けためっきレジストパターンから露出するシード層上に電解めっき膜を形成し、めっきレジストパターンを剥離し、電解めっき膜から露出するシード層、銅箔を剥離して配線を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-181853号公報
【発明の概要】
【0004】
<特許文献1の課題>
特許文献1の技術では、めっきレジストパターンを剥離後に、電解めっき膜から露出するシード層、銅箔をエッチングにより剥離する。そのため、パターン形成時の配線の幅や厚みを所定範囲内に制御することが難しく、配線の幅や厚みが所定より小さくなると、配線抵抗が大きくなることがあり、逆に配線の幅や厚みが所定よりも大きくなると、渦電流の影響が大きくなると考えられる。特許文献1の技術で形成されるコイル基板では配線抵抗や渦電流の影響を安定して低減するのが難しいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のコイル基板は、第1面および第2面を有する樹脂基板と前記樹脂基板の第1面および第2面に形成されているコイル配線を含む。前記コイル配線は、第1導体層と追加めっき層からなり、 前記第1導体層は、金属箔層、前記金属箔層上に形成された化学めっき層、及び前記化学めっき層上に形成された電解めっき層からなり、前記追加めっき層は、前記第1導体層の上面及び側面を覆い、前記追加めっき層の前記第1導体層の上面を覆う部分の厚みは、前記第1導体層の厚みよりも大きい。
【0006】
本発明の実施形態では、金属箔層、化学めっき層、電解めっき層からなる第1導体層に対し、さらにその第1導体層の上面及び側面を覆う追加めっき層が形成される。そのため、第1導体層によって一次的に形成したコイル配線の幅や厚みを、その後の追加めっき層によって補完し、所定の範囲内に調整できる。特に、追加めっき層のうち第1導体層の上面を覆う部分の厚みによって、コイル配線全体の厚みが所定よりも過小となるのを抑制することができる。実施形態のコイル基板では、配線抵抗や渦電流の影響を低減することができる。また、コイルの占積率を向上できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態のコイル基板を示す平面図である。
図1のII-II間の断面図である。
実施形態のコイル基板を用いたモーター用コイル基板を模式的に示す斜視図である。
モーター用コイル基板を軸方向に沿って見た場合の各端子の位置を模式的に示す断面図である。
図4中のVIII部分の拡大図である。
実施形態のコイル基板に備えられたコイル配線となる導体層を模式的に示す断面図である。
実施形態のコイル基板の製造方法を模式的に示す断面図である。
実施形態のコイル基板の製造方法を模式的に示す断面図である。
実施形態のコイル基板の製造方法を模式的に示す断面図である。
実施形態のコイル基板の製造方法を模式的に示す断面図である。
実施形態のコイル基板の製造方法を模式的に示す断面図である。
実施形態のコイル基板の製造方法を模式的に示す断面図である。
実施形態のコイル基板の製造方法を模式的に示す断面図である。
実施形態のモーター用コイル基板を用いたモーターを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
図1は実施形態のコイル基板2を示す平面図である。図2は、図1のII-II間の断面図である。
【0009】
図1に示されるように、コイル基板2は、フレキシブル基板10と、U相コイル20Uと、V相コイル20Vと、W相コイル20Wと、U相端子40Uと、V相端子40Vと、W相端子40Wと、複数のコイル間接続線50U、50V、50Wと、複数の相間接続線60U、60Vと、戻り線70Wとを有する。
【0010】
フレキシブル基板10は、第1面10Fと、第1面10Fと反対側の第2面10Bとを有する樹脂基板である。フレキシブル基板10は、ポリイミド、ポリアミド等の絶縁性を有する樹脂を用いて形成される。フレキシブル基板10は可撓性を有する。フレキシブル基板10は第1辺E1~第4辺E4の四辺を有する矩形状に形成されている。第1辺E1はフレキシブル基板10の長手方向(図1の矢印LD方向)の一端側の短辺である。第2辺E2は長手方向の他端側の短辺である。第1辺E1と第2辺E2はともに長手方向と直交する直交方向(図1の矢印OD方向)に沿って延びる短辺である。第3辺E3と第4辺E4はともに長手方向に沿って延びる長辺である。後で詳しく説明されるように、コイル基板2が円筒状に巻かれてモーター用コイル基板550(後述の図3参照)が形成される場合、第1面10Fは内周側に配置され、第2面10Bは外周側に配置される。なお、第1面10Fは外周側に配置され、第2面10Bは内周側に配置されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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