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公開番号2024168656
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085523
出願日2023-05-24
発明の名称円筒ころ軸受
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F16C 33/46 20060101AFI20241128BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】長寿命の円筒ころ軸受を提供する。
【解決手段】柱部23の周方向側面23aは、複数の円筒ころ13の軸心を通るピッチ円PCD上において、円筒ころ13の転動面13aに沿った形状を有し、ピッチ円PCD上における円筒ころ13と柱部23の周方向側面23aとの周方向隙間Cは、円筒ころ13の直径DW×0.01より小さい。また、ピッチ円PCD上に位置する円筒ころ13が、保持器20に対して半径方向外方へ移動可能な距離Xは、軸受10のラジアル内部隙間Zの1/2より大きい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
内周面に外輪軌道を有する外輪と、
外周面に内輪軌道を有する内輪と、
前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、
軸方向において互いに対向する第1円環部及び第2円環部と、前記第1円環部と前記第2円環部を軸方向に連結し周方向に離間して配列された複数の柱部を有し、前記複数の円筒ころを前記第1円環部、前記第2円環部及び複数の柱部によって画成された複数のポケット内に回動自在に保持する保持器と、を備える円筒ころ軸受であって、
前記柱部の周方向側面は、前記複数の円筒ころの軸心を通るピッチ円上において、軸方向に亘って、前記円筒ころの転動面に沿った形状を有し、
前記複数の円筒ころのピッチ円上における前記円筒ころと前記柱部の周方向側面との周方向隙間Cは、前記円筒ころの直径をDWとすると、
C<0.01×DW
であり、
前記軸心が前記ピッチ円上に位置する前記円筒ころが、前記保持器に対して半径方向外方へ移動可能な距離Xは、前記軸受のラジアル内部隙間の最大値をZとすると、
X>Z/2である、
円筒ころ軸受。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記保持器を軸方向から見たとき、前記柱部の周方向側面は、前記円筒ころのピッチ円を跨いで、径方向外側縁部まで形成される単一円弧形状を有する、
請求項1に記載の円筒ころ軸受。
【請求項3】
前記保持器を軸方向から見たとき、前記柱部の周方向側面は、前記円筒ころのピッチ円を跨ぐ直線状の面と、径方向外側縁部から径方向内側に延在する直線状の面とが交差した非単一円弧形状を有する、
請求項1に記載の円筒ころ軸受。
【請求項4】
前記保持器を径方向から見たとき、前記柱部の周方向側面は、前記円筒ころの転動面に沿った形状を有する、
請求項1から3のいずれかに記載の円筒ころ軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒ころ軸受に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
転がり軸受の一種である円筒ころ軸受は、内輪と、外輪と、内輪及び外輪間に配置される複数の円筒ころと、円筒ころをポケット内で回動自在に保持する保持器と、を備える。円筒ころ軸受では、内輪と外輪とが相対回転する際、ボケット内の円筒ころが回転するため、円筒ころと保持器の案内面との摩擦が起因となって保持器の挙動に異常が発生したり、内輪及び外輪と円筒ころとの間に摩擦や滑りが生じて、軸受の寿命に悪影響が生じる場合がある。一方、円筒ころ軸受が用いられる機械装置では、該機械装置の長寿命化が望まれているため、円筒ころ軸受にも長寿命が要求されている。
【0003】
特許文献1には、保持器ポケット形状を外径側に向かって狭まるテーパ形状とし、(ピッチ円上に位置するころとポケット面との間の円周方向隙間であるポケット隙間)<(ポケット内でころが径方向に移動可能な距離である径方向動き量)とすることで、保持器ポケットの両側のテーパ状面でのころの同時接触を回避し、潤滑剤の排出性を向上させて異常な温度上昇の抑制を図ったころ軸受が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-54811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のころ軸受は、ポケット隙間と径方向動き量を規定して、軸受の温度上昇の抑制を図っているが、円筒ころ軸受の長寿命化を図るためには、ころの動きを保持器によって適正に保つためのさらなる検討が必要である。
【0006】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ころの動きを保持器によって適正に保つことで、長寿命化を図った円筒ころ軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の上記目的は、円筒ころ軸受に係る下記[1]の構成により達成される。
[1] 内周面に外輪軌道を有する外輪と、
外周面に内輪軌道を有する内輪と、
前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、
軸方向において互いに対向する第1円環部及び第2円環部と、前記第1円環部と前記第2円環部を軸方向に連結し周方向に離間して配列された複数の柱部を有し、前記複数の円筒ころを前記第1円環部、前記第2円環部及び複数の柱部によって画成された複数のポケット内に回動自在に保持する保持器と、を備える円筒ころ軸受であって、
前記柱部の周方向側面は、前記複数の円筒ころの軸心を通るピッチ円上において、軸方向に亘って、前記円筒ころの転動面に沿った形状を有し、
前記複数の円筒ころのピッチ円上における前記円筒ころと前記柱部の周方向側面との周方向隙間Cは、前記円筒ころの直径をDWとすると、
C<0.01×DW
であり、
前記軸心が前記ピッチ円上に位置する前記円筒ころが、前記保持器に対して半径方向外方へ移動可能な距離Xは、前記軸受のラジアル内部隙間の最大値をZとすると、
X>Z/2である、
円筒ころ軸受。
【発明の効果】
【0008】
本発明の円筒ころ軸受によれば、ころの動きを保持器によって適正に保つことで、円筒ころ軸受の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1実施形態に係る円筒ころ軸受の側面図である。
図1に示す円筒ころ軸受の保持器の正面図である。
外輪、内輪及び保持器の中心が一致しており、且つ円筒ころが保持器のポケットの中央(ころの中心がピッチ円上で周方向隙間Cが左右均等)にある状態を表す拡大図である。
ピッチ円上における柱部の周方向側面の軸方向形状と円筒ころの転動面との形状を示す拡大図である。
(a)は、図1の円筒ころ軸受に関し、内輪が下方にオフセットして下方に位置する円筒ころが外輪と内輪に接触し、且つ、保持器が上方にオフセットして下方に位置する円筒ころと接触した所定の条件において、上方に位置する円筒ころが保持器と干渉することなく内輪と接触する状態を示す側面図、(b)は、(a)の所定の条件において、上方に位置する円筒ころが、保持器と干渉することなく外輪と接触する状態を示す側面図である。
円筒ころと柱部の周方向側面との周方向隙間を小さくした円筒ころ軸受において、外輪、内輪及び保持器の中心が一致しており、且つ円筒ころが保持器のポケットの中央にある状態を表す拡大図である。
(a)は、比較例の円筒ころ軸受に関し、内輪が下方にオフセットして下方に位置する円筒ころが外輪と内輪に接触し、且つ、保持器が上方にオフセットして下方に位置する円筒ころと接触した所定の条件において、上方に位置する円筒ころが保持器と干渉することなく内輪と接触する状態を示す側面図、(b)は、(a)の所定の条件において、上方に位置する円筒ころが、保持器と干渉する状態を示す円筒ころ軸受の側面図である。
本発明の第2実施形態に係る保持器を用いた円錐ころにおいて、外輪、内輪及び保持器の中心が一致しており、且つ円筒ころが保持器のポケットの中央にある状態を表す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る円筒ころ軸受の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の円筒ころ軸受10は、内周面に外輪軌道11aを有する外輪11と、外周面に内輪軌道12aを有する内輪12と、外輪軌道11aと内輪軌道12aとの間に配置される複数の円筒ころ13と、複数の円筒ころ13を回動自在に保持する保持器20と、を備える。なお、図5及び図7においては、円筒ころ13と他の部材との間の各隙間が分かり易いように、円筒ころ13の寸法を若干小さく示している。
なお、外輪11は、外輪軌道面11aの軸方向両側に内径側に突出する一対のつば(図示せず)を有している。
(【0011】以降は省略されています)

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