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公開番号2024166361
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024161079,2022021026
出願日2024-09-18,2022-02-15
発明の名称電池、および高分子多孔膜の製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類H01M 4/13 20100101AFI20241121BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】新規な高分子多孔膜を提供すること。
【解決手段】高分子多孔膜は、第1層と第2層とを含む。第1層は多孔質である。第1層は、三次元網目構造を有する。第2層は、拡大倍率が5万倍である画像において、非多孔質である。第2層の割合が0%より大きく10%未満である。第2層の割合は、式「第2層の割合(%)=(t2/t0)×100」により求まる。t0は高分子多孔膜の厚さを示す。t2は第2層の厚さを示す。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1電極と、
第2電極と、
電解液と、
を含み、
前記第2電極は、前記第1電極と異なる極性を有し、
前記第2電極は、電極フレームワークを含み、
前記電極フレームワークは、高分子多孔膜を含み、
前記高分子多孔膜は、第1層と第2層とを含み、
前記第1層は、多孔質であり、
前記第1層は、三次元網目構造を有し、
前記第2層は、拡大倍率が5万倍である画像において、非多孔質であり、
下記式(I):
前記第2層の割合(%)=(t
2
/t
0
)×100 (I)
(t
0
は前記高分子多孔膜の厚さを示し、t
2
は前記第2層の厚さを示す。)
により求まる前記第2層の割合が、0%より大きく10%未満であり、
前記第2電極は、前記第1層内の空隙における、金属の析出反応により充電され、かつ前記金属の溶解反応により放電されるように構成されている、
電池。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第2層は、2~8%の割合を有する、
請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第2層は、0.5~1.5μmの厚さを有する、
請求項1または請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記第1層は、500~2000nmの平均細孔径を有する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記高分子多孔膜は、前記三次元網目構造は、連続気孔構造を含む、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電池。
【請求項6】
前記高分子多孔膜は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリフッ化ビニリデンおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
前記高分子多孔膜は、32~600s/100mlの透気度を有する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電池。
【請求項8】
前記高分子多孔膜は、50~72%の空孔率を有する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電池。
【請求項9】
前記高分子多孔膜は、16~25μmの厚さを有する、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電池。
【請求項10】
(a)高分子材料と良溶媒と貧溶媒とを混合することにより、高分子溶液を準備すること、
(b)前記高分子溶液の液膜を形成すること、および
(c)前記液膜を乾燥することにより、高分子多孔膜を製造すること、
を含み、
前記貧溶媒は、前記良溶媒に比して高い沸点を有し、
前記高分子多孔膜は、第1層と第2層とを含み、
前記第1層は、多孔質であり、
前記第1層は、三次元網目構造を有し、
前記第2層は、拡大倍率が5万倍である画像において、非多孔質であり、
下記式(I):
前記第2層の割合(%)=(t
2
/t
0
)×100 (I)
(t
0
は前記高分子多孔膜の厚さを示し、t
2
は前記第2層の厚さを示す。)
により求まる前記第2層の割合が、0%より大きく10%未満である、
高分子多孔膜の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、高分子多孔膜、電池用セパレータ、電極ユニット、電極フレームワーク、電池、および高分子多孔膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
特開2020-123453号公報(特許文献1)は、相分離法によりセパレータ層を形成することを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-123453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多成分溶液の乾燥過程で誘起される相分離(以下「乾燥誘起相分離」とも記される。)により、高分子多孔膜を形成することが提案されている。高分子多孔膜は、例えば電池用セパレータとして利用され得る。以下、高分子多孔膜が「多孔膜」と略記され得る。
【0005】
多成分溶液は、高分子材料と良溶媒と貧溶媒とを含む。乾燥時、溶液の表面から溶媒が気化する。これにより、溶液の表層と、溶液のバルクとの間に組成差が生じ得る。その結果、多孔膜は、第1層と第2層とを含むように形成され得る。第1層は、多孔膜の基層である。第1層は、三次元網目構造を有し得る。第2層は、多孔膜の最表面に形成され得る。第2層は、非多孔質である。第2層は、5万倍のSEM(Scanning Electron Microscope)画像においても、細孔の存在が確認できない。
【0006】
電池内において、第2層(非多孔質層)は、イオンの透過を阻害し得る。すなわち多孔膜が第2層を含む場合、多孔膜がセパレータとして機能しない可能性がある。
【0007】
本開示の目的は、新規な高分子多孔膜を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本明細書の作用メカニズムは推定を含む。作用メカニズムは本開示の技術的範囲を限定しない。
【0009】
1.高分子多孔膜は、第1層と第2層とを含む。第1層は多孔質である。第1層は、三次元網目構造を有する。第2層は、拡大倍率が5万倍である画像において、非多孔質である。第2層の割合は、0%より大きく10%未満である。
第2層の割合は、下記式(I)により求まる。
第2層の割合(%)=(t
2
/t
0
)×100 (I)
「t
0
」は、高分子多孔膜の厚さを示す。
「t
2
」は、第2層の厚さを示す。
【0010】
本開示の新知見によると、膜全体に対して、第2層(非多孔質層)が占める割合が、10%未満になると、第2層がイオン透過性を示すようになる。すなわち、10%未満の割合で第2層を含む多孔膜は、セパレータとして機能し得る。さらに、第2層が存在することにより、メリットが得られることも分かってきた。すなわち、第2層の存在により、電池の短絡耐性が向上することが期待される。第2層がデンドライトの成長を阻害するためと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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