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公開番号
2024166273
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2024154122,2024121134
出願日
2024-09-06,2020-01-09
発明の名称
被加熱芳香カートリッジ
出願人
Future Technology株式会社
代理人
主分類
A24D
1/20 20200101AFI20241121BHJP(たばこ;葉巻たばこ;紙巻たばこ;喫煙具)
要約
【課題】被加熱芳香発生基材の脱落や落下がない被加熱芳香カートリッジを提供する。
【解決手段】電磁誘導加熱式喫煙具200に装着されて使用される被加熱芳香カートリッジ400であって、被加熱芳香発生基材421が充填された被加熱芳香発生源420と、支持部材331と冷却部材332とフィルター部材333とが被加熱芳香発生源420側から長手方向にこの順で配備されており、被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生基材421を筒状の巻物である被加熱芳香発生基材ラッピング部材422で巻装したものであり、支持部材331とフィルター部材333は個々のラッピング部材で巻装され、支持部材331は中空管、冷却部材332は中空円筒状であり、被加熱芳香発生基材421は、芳香源材としてタバコ植物又は非タバコ植物と、エアロゾルフォーマと、グアーガムと、を含有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
電磁誘導加熱式喫煙具に装着されて使用される被加熱芳香カートリッジであって、
被加熱芳香発生基材が充填された被加熱芳香発生源と、支持部材と冷却部材とフィルター部材とが前記被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順で配備されており、
前記被加熱芳香発生源は、前記被加熱芳香発生基材を筒状の巻物である被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装したものであり、
前記支持部材と前記フィルター部材は個々のラッピング部材で巻装され、
前記支持部材は中空管、前記冷却部材は中空円筒状であり、
前記被加熱芳香発生基材は、芳香源材としてタバコ植物又は非タバコ植物と、エアロゾルフォーマと、グアーガムと、を含有する、
ことを特徴とする、被加熱芳香カートリッジ。
続きを表示(約 84 文字)
【請求項2】
前記冷却部材の貫通穴の内径は、前記支持部材の貫通穴の内径より大きい、
ことを特徴とする、請求項1に記載の被加熱芳香カートリッジ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱式喫煙具に適した被加熱芳香カートリッジに備えられる被加熱芳香発生基材、及び、その被加熱芳香発生基材を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その被加熱芳香発生基材の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【0002】
特に、本発明の被加熱芳香発生基材は、少なくとも、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤を混合した後、圧縮剪断力が付加される成形加工工程を経て製造される、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤が均一に分散及び結着されていることを特徴とする被加熱芳香発生基材である。その結果、本発明の被加熱芳香発生基材から構成される被加熱芳香源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に脱着する際には、被加熱芳香発生基材の変形、脱落、及び、落下等の問題が生じることがなく、喫煙においては、加熱された芳香源材から揮発される芳香を十分に味わうことができ、被加熱芳香発生基材の製造においては、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤が均一に分散及び結着され、成形加工に必要な強靭性及び強度を有しているため、安定した生産が可能である。
【0003】
また、本発明の被加熱芳香発生基材は、芳香剤としてメントールやキシリトール等の清涼化剤を添加した場合に、清涼化剤の経時的散逸が抑制されることを特徴としており、それを含む被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを長期間保管した後も、加熱式喫煙具に装着して喫煙する際に、被加熱芳香発生基材の芳香を十分に味わうことができる効果を奏する。
【0004】
更に、本発明の被加熱芳香発生基材は、乾燥による寸法変化が少ないことを特徴としており、それから構成される被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に装着して喫煙した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、長期間保管した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、ハンドリング性に優れ、加熱式喫煙具の熱源の汚染を防止する効果を奏する。
【0005】
ところで、従来、上記「被加熱芳香発生基材」は、「エアロゾル形成基材」と呼称されることが多かったが、加熱することによって、エアロゾルを形成するエアロゾルフォーマと共に、芳香源材や芳香剤の香り成分も揮発され、エアロゾルの煙と芳香源材や芳香剤の香りを喫煙によって楽しむことから、本発明においては、「被加熱芳香発生基材」と呼称する。これに基づき、エアロゾル形成基材が充填された「エアロゾル形成体」、エアロゾル形成体を備えた「電子タバコカートリッジ」を、それぞれ、「被加熱芳香発生源」、「被加熱芳香カートリッジ」と呼称する。ただし、「被加熱芳香カートリッジ」の呼称は、限定されるものではなく、「喫煙カートリッジ」や「電子タバコ互換カートリッジ」と呼称されても良い。
【0006】
また、芳香の源材になるものは、限定されるものではなく、ナス科タバコ属のタバコ植物及びその同属植物及びタバコ成分を含まない非タバコ植物を使用することができる。「芳香」は「良い香り」の意味であり、素材そのものから漂う香り(フレグランス)、加熱されたときに空間に漂う香り(アロマ)、吸引したときに口に漂う香り(フレーバー)等を喫煙時に感受できることであり、「喫煙」は、一般的に、紙巻タバコや葉巻タバコ等を吸うことを意味することが多いが、ここでは、単に、「煙を楽しむ」、「芳香を味わう」、「煙や芳香を堪能する」の意味である。従って、ここでの「煙」は、燃焼によって発生するものではなく、例えば、エアロゾル等の空気中に分散した液滴のように、「煙に見えるもの」や「煙状のもの」である。
【背景技術】
【0007】
近年、タバコの禁煙が、職場や飲食店等の人が集う空間に幅広く普及する傾向にある。これに対し、タバコメーカーによって、加熱式喫煙具のチャンバー内に装着すると、電子制御されたブレード型熱源から伝達される熱によってエアロゾルを発生する被加熱芳香カートリッジを喫煙する方式が開発された(特許文献1)。この被加熱芳香カートリッジには、エアロゾルフォーマ、ナス科タバコ属のタバコ植物を含む芳香源材、及び、結合剤等を含有する被加熱芳香発生基材を用いて形成される被加熱芳香発生源が備えられており、被加熱芳香発生基材が加熱されると揮発物が生成し、エアロゾルフォーマの揮発物は冷却されて煙に、芳香源材の揮発物は芳香になり、燃焼式タバコに類似した喫煙を楽しむことができる。この加熱式喫煙によれば、従来のタバコの熱分解及び燃焼によって生成される有害成分の吸引が低減されるため、燃焼式タバコの喫煙人口が激減しているのに対し、加熱式タバコの喫煙人口が急激に増加している。このため、加熱式喫煙をより楽しむための技術開発が活発に行われている(例えば、特許文献1~12)。
【0008】
このような加熱式喫煙のメカニズムは、加熱式喫煙具、被加熱芳香カートリッジ等の形態によって異なるが、その典型的な例を次に示す。一端に被加熱芳香発生基材が充填された被加熱芳香発生源を、他端にマウスピースを備えた被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香発生源を加熱式喫煙具の熱源と接触するように装着されて加熱されると、被加熱芳香発生源からエアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発物等が放出される。この揮発物は、喫煙者の吸引によって空気と共に他端のマウスピース側に吸い込まれる。この揮発物の搬送工程において、エアロゾルフォーマの揮発物は冷却、凝縮して、煙のようなエアロゾルを形成すると共に、その他の揮発物は、喫煙者の口及び鼻に芳香を与え、その結果として喫煙を楽しむことができる。従って、加熱式喫煙の場合、被加熱芳香発生基材に含まれるグリセリンやプロピレングリコール等のエアロゾルフォーマを揮発させることができる200~350℃程度、すなわち、タバコの葉の熱分解が開始する程度の温度で喫煙できるため、燃焼による有害物質の発生を防止できるばかりでなく、熱分解による有害物質の発生も低減できる。
【0009】
このメカニズムから分かるように、加熱式喫煙具においては、煙や芳香の発生に大きな影響を及ぼす熱源及びその制御方式が極めて重要な役割を担っており、開発が長年続けられた結果として、ヒーターによるブレード型熱源が現在に至るまで広く用いられている(例えば、特許文献1~5)。これに対し、最近では、電磁誘導加熱による全方位型熱源が実用化されている。加熱速度が速く、被加熱芳香発生基材との接触面積が大きいことから、揮発物の生成を高め深い味わいを提供できることに狙いがあるものと考えられている(非特許文献1)。
【0010】
一方、煙及び芳香を発生させる源である被加熱芳香発生基材に関する技術開発も、同様に、様々な取組みが行われてきた(例えば、特許文献6~12)。煙の元となるグリセリンやプロピレングリコール等の沸点が180~300℃のエアロゾルフォーマを必須成分としており、芳香発生源となる芳香源材であるタバコ植物、非タバコ植物、及び、香料等と混合することによって均質な粘弾性体に成形する必要がある。そのため、セルロース、グァーガム、アラビアガム等の直鎖状、側鎖状、分岐状多糖類系高分子を結合剤として使用される。また、これらを均一に分散するための湿潤剤等が添加される必要がある。
(【0011】以降は省略されています)
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