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公開番号
2024165806
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023082305
出願日
2023-05-18
発明の名称
バッテリパック
出願人
株式会社クボタ
代理人
弁理士法人芳野国際特許事務所
主分類
H02J
7/00 20060101AFI20241121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断できるバッテリパックを提供すること。
【解決手段】バッテリパック40は、バッテリ50と、コンタクタ75、76と、バッテリ50に所定周波数の交流定電流を与える交流定電流源3と、交流定電流がバッテリ50に与えられたときの正極51と負極52との間の電圧値を検知する交流電圧計4と、交流定電流源3を制御することにより交流定電流をバッテリ50に与え、交流電圧計4により検知された電圧値に基づいてバッテリ50の内部抵抗を算出し、内部抵抗に基づいてバッテリ50の劣化度合を診断する制御部85と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックであって、
前記ハイブリッドシステムのモータジェネレータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリの正極と前記モータジェネレータとの間の第1配線および前記バッテリの負極と前記モータジェネレータとの間の第2配線の少なくともいずれかに設けられ前記第1配線および前記第2配線の少なくともいずれかの開閉を行うコンタクタと、
前記バッテリに所定周波数の交流定電流を与える交流定電流源と、
前記交流定電流が前記バッテリに与えられたときの前記正極と前記負極との間の電圧値を検知する交流電圧計と、
前記交流定電流源を制御することにより前記交流定電流を前記バッテリに与え、前記交流電圧計により検知された前記電圧値に基づいて前記バッテリの内部抵抗を算出し、前記内部抵抗に基づいて前記バッテリの劣化度合を診断する制御部と、
を備えたことを特徴とするバッテリパック。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記交流定電流源および前記交流電圧計のそれぞれは、前記第1配線および前記第2配線に接続されたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記コンタクタは、
前記第1配線に設けられ前記第1配線の開閉を行う第1コンタクタと、
前記第2配線に設けられ前記第2配線の開閉を行う第2コンタクタと、
を含み、
前記交流定電流源および前記交流電圧計のそれぞれは、前記正極と前記第1コンタクタとの間における前記第1配線および前記負極と前記第2コンタクタとの間における前記第2配線に接続されたことを特徴とする請求項2に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記交流電圧計が前記第1配線に接続された第1接続点は、前記交流定電流源が前記第1配線に接続された第2接続点と前記正極との間に位置し、
前記交流電圧計が前記第2配線に接続された第3接続点は、前記交流定電流源が前記第2配線に接続された第4接続点と前記負極との間に位置することを特徴とする請求項3に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記交流定電流源および前記交流電圧計は、前記制御部に含まれることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項6】
前記制御部は、前記ハイブリッドシステムに搭載される前に算出した前記内部抵抗を基準とし、前記ハイブリッドシステムに搭載された後に算出した前記内部抵抗が前記基準の前記内部抵抗に対して増加した率に基づいて前記劣化度合を診断することを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項7】
前記制御部は、前記ハイブリッドシステムに搭載された後、前記バッテリの充放電のサイクル数が所定数に到達すると、前記交流定電流源を制御することにより前記交流定電流を前記バッテリに与え前記内部抵抗を算出することを特徴とする請求項6に記載のバッテリパック。
【請求項8】
前記所定数は、6万以上であることを特徴とする請求項7に記載のバッテリパック。
【請求項9】
前記所定周波数は、1キロヘルツであることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のバッテリパック。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
エンジンとモータとバッテリとを併用するハイブリッドシステムは、低公害化と化石燃料の省資源化との要求に伴って、産業機械や自動車等のために開発されている。ハイブリッドシステムは、例えば化石燃料を使用し動力を発生する内燃式エンジンと、内燃式エンジンを補助するモータと、モータに電力を供給する例えばリチウムイオン電池等のバッテリと、を備えている。
【0003】
ハイブリッドシステムでは、例えばリチウムイオン電池を含むバッテリパックが、モータを駆動するための電源として用いられている。リチウムイオン電池では、長期の保管や長期の使用によって内部抵抗が増加し、放電時の電圧降下量が増加していく内部抵抗劣化が生ずる。内部抵抗劣化が生ずると、ECU(Electronic Control Unit:エレクトロニック・コントロール・ユニット)が電圧範囲を抑えるために出力制限を行う場合がある。
【0004】
特許文献1には、リチウム二次電池の閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧の組、および閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧の組の少なくともいずれかの組を検出し、検出された電圧の組より判定値を算出し、判定値と、あらかじめ記憶した基準値と、を比較した結果に基づき、リチウム二次電池の劣化度合いを推定するリチウム二次電池の劣化検出方法および劣化検出器が開示されている。しかし、特許文献1に記載された劣化検出方法および劣化検出器では、閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧の組、および閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧の組の少なくともいずれかの組を検出する必要があり、充電あるいは放電を可能にする放電用抵抗等が必要になる。そのため、例えばDC/DCコンバータ等の放電用抵抗を設けることなく、バッテリパック単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断することは困難である。
【0005】
特許文献2には、放電中の供試蓄電池の内部インピーダンスを測定し、放電終止電圧直前の内部インピーダンスの急激な立ち上がりにおける最大値が良品蓄電池の内部インピーダンスの最大値より大きいことから供試蓄電池の劣化を判定する蓄電池の劣化判定方法が開示されている。しかし、特許文献2に記載された蓄電池の劣化判定方法では、特許文献1と同様に、放電用抵抗等としての負荷が必要になる。そのため、バッテリパック単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断することは困難である。
【0006】
特許文献3には、二次電池と、二次電池の内部インピーダンスを所定周期の交流電圧により測定する回路と、回路の測定した内部インピーダンス値が所定値以上のとき警報を発する警報回路とを具えた二次電池の容量終止警報方式が開示されている。しかし、特許文献3に記載された二次電池は、ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックのバッテリ(すなわちリチウムイオン電池の組電池)ではない。ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックには、例えばコンタクタなどの種々の電気機器が含まれるため、二次電池の内部インピーダンスの測定に基づく劣化診断をリチウムイオン電池の組電池に適用するためには、改善の余地がある。
【0007】
以上より、ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックについて、バッテリパック単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2008-192607号公報
特開平09-134742号公報
特開昭63-157080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断できるバッテリパックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックであって、前記ハイブリッドシステムのモータジェネレータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリの正極と前記モータジェネレータとの間の第1配線および前記バッテリの負極と前記モータジェネレータとの間の第2配線の少なくともいずれかに設けられ前記第1配線および前記第2配線の少なくともいずれかの開閉を行うコンタクタと、前記バッテリに所定周波数の交流定電流を与える交流定電流源と、前記交流定電流が前記バッテリに与えられたときの前記正極と前記負極との間の電圧値を検知する交流電圧計と、前記交流定電流源を制御することにより前記交流定電流を前記バッテリに与え、前記交流電圧計により検知された前記電圧値に基づいて前記バッテリの内部抵抗を算出し、前記内部抵抗に基づいて前記バッテリの劣化度合を診断する制御部と、を備えたことを特徴とするバッテリパック。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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