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公開番号
2024165477
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023081714
出願日
2023-05-17
発明の名称
ショックアブソーバの減衰係数制御装置
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類
B60G
17/015 20060101AFI20241121BHJP(車両一般)
要約
【課題】変速装置の変速比の変化に伴い駆動系の等価慣性モーメントが変動しても、路面からの上下入力に起因して車輪に作用する前後力を良好に低減することができるよう改良されたショックアブソーバの減衰係数制御装置を提供する。
【解決手段】回転軸線24の周りに回転可能に支持されタイヤ26を有する車輪12と、駆動源としてのエンジン28により変速装置30を介して車輪を駆動する駆動系と、を備えた車両20に適用されたショックアブソーバの減衰係数制御装置であって、減衰係数制御装置は、車輪キャリアと車体との間に配設された減衰係数可変式のショックアブソーバ18と、ショックアブソーバを制御する制御装置44と、を含み、制御装置は、駆動系の等価慣性モーメントI
P
を示す指標の情報を取得し、指標により示される等価慣性モーメントが小さいほどショックアブソーバの減衰係数Cが大きくなるように、ショックアブソーバの減衰係数を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
車輪キャリアにより回転軸線の周りに回転可能に支持されタイヤを有する車輪と、駆動源により変速装置及び駆動軸を介して前記車輪を回転駆動する駆動系と、前記車輪キャリアと車体との間に配設されたサスペンションアームと、を備えた車両に適用されたショックアブソーバの減衰係数制御装置において、
前記減衰係数制御装置は、前記車輪キャリアと前記車体との間に配設された減衰係数可変式のショックアブソーバと、前記ショックアブソーバを制御する制御装置と、を含み、前記制御装置は、前記駆動系の等価慣性モーメントを示す指標の情報を取得し、前記指標により示される等価慣性モーメントが小さいほど前記ショックアブソーバの減衰係数が大きくなるように、前記ショックアブソーバの減衰係数を制御するよう構成された、ショックアブソーバの減衰係数制御装置。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のショックアブソーバの減衰係数制御装置において、前記車輪キャリア及び前記車輪はばね下を構成しており、前記制御装置は、前記ばね下の上下共振周波数を前記駆動軸の反共振周波数と一致させるために必要な、前記ショックアブソーバの目標減衰係数と前記指標との関係を記憶しており、前記指標に基づいて前記関係から目標減衰係数を求め、前記減衰係数が該目標減衰係数になるように前記減衰係数を制御するよう構成された、ショックアブソーバの減衰係数制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のショックアブソーバの減衰係数制御装置において、前記ショックアブソーバの目標減衰係数と前記指標との関係は、前記ばね下の上下共振周波数を前記駆動軸の反共振周波数と一致させるために必要な、前記ショックアブソーバの目標減衰係数と前記等価慣性モーメントとの関係に基づいて設定された、ショックアブソーバの減衰係数制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載のショックアブソーバの減衰係数制御装置において、前記指標は、前記変速装置の変速比であり、前記関係は、前記変速装置の変速比が小さいほど前記目標減衰係数が大きくなるよう設定された前記目標減衰係数と前記変速装置の変速比との関係である、ショックアブソーバの減衰係数制御装置。
【請求項5】
請求項2に記載のショックアブソーバの減衰係数制御装置において、前記変速装置は、多段式の変速装置であり、前記指標は、前記変速装置の変速段であり、前記関係は、前記変速装置の変速段が高いほど前記目標減衰係数が大きくなるよう設定された前記目標減衰係数と前記変速装置の変速段との関係である、ショックアブソーバの減衰係数制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの車両のショックアブソーバの減衰係数制御装置に係る。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
路面からの上下入力に起因して車輪に作用する前後力を低減することにより、車両の乗り心地性を向上させるサスペンションが知られている。例えば、下記の特許文献1には、車両の横方向に見て車輪の回転軸線が車輪の上下変位に伴い後傾した軌跡を描くようにサスペンションアームが配設され、ショックアブソーバが前傾して配設されたサスペンションが記載されている。
【0003】
この種のサスペンションによれば、路面からの上下入力に起因して車輪に作用する前後力を軌跡の後傾により発生される前後力及びショックアブソーバの減衰力により発生される前後力によって少なくとも部分的に相殺し、車輪の前後力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-40349号公報
【発明の概要】
【0005】
〔発明が解決しようとする課題〕
駆動源により変速装置を介して車輪を回転駆動する駆動系を有する車両の場合には、駆動系のねじり共振周波数がサスペンションの上下共振周波数に接近すると、車輪の前後力に起因する前後振動が大きくなる。後に詳細に説明するように、駆動系のねじり共振周波数は、駆動系の慣性モーメント及びねじり剛性により決定され、駆動系の慣性モーメントは変速装置の変速比の変化に伴って変動する。そのため、路面からの上下入力に起因して車輪に作用する前後力は、駆動系の慣性モーメントの変動によって変動し、従って変速装置の変速比の変化に伴って変動する。
【0006】
上記特許文献1に記載されたサスペンションにおいては、車輪に作用する前後力が駆動系の慣性モーメントの変動によって変動することに対処できない。そのため、変速装置の変速比の変化に伴う駆動系の慣性モーメントの変動に拘らず、路面からの上下入力に起因して車輪に作用する前後力を効果的に低減することができない。
【0007】
本発明は、変速装置の変速比の変化に伴い駆動系の等価慣性モーメントが変動しても、路面からの上下入力に起因して車輪に作用する前後力を良好に低減することができるよう改良されたショックアブソーバの減衰係数制御装置を提供する。
【0008】
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、車輪キャリア(22)により回転軸線(24)の周りに回転可能に支持されタイヤを有する車輪(12)と、駆動源(エンジン28)により変速装置(30)を介して車輪を回転駆動する駆動系(14)と、車輪キャリアと車体(34)との間に配設されたサスペンションアーム(16)と、を備えた車両(20)に適用されたショックアブソーバの減衰係数制御装置(10)が提供される。
【0009】
減衰係数制御装置は、車輪キャリアと車体との間に配設された減衰係数可変式のショックアブソーバ(18)と、ショックアブソーバを制御する制御装置(44)と、を含み、制御装置は、駆動系(14)の等価慣性モーメント(I
P
)を示す指標(変速比Rt又は変速段St)の情報を取得し、指標により示される等価慣性モーメントが小さいほどショックアブソーバの減衰係数(C)が大きくなるように、ショックアブソーバの減衰係数を制御するよう構成される。
【0010】
後に詳細に説明するように、路面から車輪への上下入力に起因して車輪に作用する前後力を低減するために、ばね下の上下共振周波数と駆動軸の反共振周波数とを一致させることが考えられる。駆動軸の反共振周波数は、駆動系の等価慣性モーメントに応じて変化し、ばね下の上下共振周波数は、ショックアブソーバの減衰係数に応じて変化する。ばね下の上下共振周波数と駆動軸の反共振周波数とを一致させるために必要なショックアブソーバの減衰係数は、駆動系の等価慣性モーメントが小さいほど大きくなる。
(【0011】以降は省略されています)
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