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公開番号
2024165433
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023081637
出願日
2023-05-17
発明の名称
アンモニアの分解又は合成反応に用いられる触媒
出願人
堺化学工業株式会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
B01J
23/78 20060101AFI20241121BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】 高価な貴金属類や希土類元素を使用することなく、アンモニア分解反応や合成反応において高い触媒活性を発揮する触媒を提供する。
【解決手段】 チタン、バリウム及びジルコニウムを構成元素として含む複合酸化物(A)を含む担体上にニッケル、鉄、コバルト及びこれらの酸化物からなる群より選択される少なくとも1種が担持された構造を有し、アンモニアの分解又は合成反応に用いられる、触媒。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
チタン、バリウム及びジルコニウムを構成元素として含む複合酸化物(A)を含む担体上にニッケル、鉄、コバルト及びこれらの酸化物からなる群より選択される少なくとも1種が担持された構造を有し、アンモニアの分解又は合成反応に用いられる、触媒。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
前記複合酸化物(A)は、下記式(1);
BaTi
x
Zr
1-x
O
3-δ
(1)
(式中、xは、0.05≦x≦0.9の数を表す。δは酸素欠損量を表す。)
で表される化合物である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の触媒を製造する方法であって、
該製造方法は、チタン、バリウム、ジルコニウムを構成元素として含む複合酸化物(A)を含む担体に対してニッケル、鉄、コバルト及びこれらの酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を担持する工程と、該担持工程で得られた担持物を焼成する工程とを含む、触媒の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の触媒を用いてアンモニアを分解する工程を含む水素の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の触媒を用いてアンモニアを合成する工程を含むアンモニアの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニアの分解又は合成反応に用いられる触媒に関する。より詳しくは、水素の製造等に有用なアンモニアの分解反応又はアンモニアの合成反応に用いられる触媒に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
アンモニアは、古くから化学肥料等の原料として生産されており、また体積あたりの水素密度が高い特徴から、近年は将来の水素社会実現へ向けた有望な水素キャリアとしても注目されている。アンモニアから水素を取り出す方法として電気分解、接触分解等がある。一般的なアンモニア分解法として用いられる熱触媒接触分解反応は吸熱反応であり、600℃以上の高温で進行することが知られている。
近年、燃料電池への適用を見据え、より低温で高活性を示す触媒開発が盛んに行われている。
【0003】
アンモニア分解触媒の活性金属として、ルテニウム、コバルト、ニッケル、鉄等が知られている(例えば非特許文献1及び2参照)。中でも、ルテニウム触媒は低温で高活性を示すことが知られており、特許文献1には、アンモニアまたはアンモニア含有ガスを無機質担体にルテニウムを担持させてなる触媒と加熱下に接触させて、該アンモニアを窒素及び水素に分解することを特徴とするアンモニアの分解方法が開示されている。
【0004】
しかし、貴金属であるルテニウムはコバルトやニッケル、鉄と比較してコストが高いため、ルテニウムの使用量を低減する技術も検討されており、例えば特許文献2には、平均粒径1nm~50nmの超微粒子粉末を所要形状に成形した担体に、ルテニウムおよび促進剤を担持してなることを特徴とするアンモニア分解触媒が開示されている。また、特許文献3には、ルテニウム及び希土類酸化物が、希土類酸化物以外の金属酸化物からなる担体に担持され、前記希土類酸化物の含有量が0.1~30.0質量%である、アンモニア分解触媒が開示されている。
【0005】
また、特許文献4には、ニッケル、コバルト及び鉄から選ばれる1 種以上の元素(A)、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる1種以上の元素(B)、並びにランタンとセリウムとを除いたランタノイドから選ばれる1 種以上の元素(C)を含み、かつ元素(B)を、元素(B)の酸化物換算で0.1質量%~15質量%の範囲で含有する触媒(X)に、アンモニアを含有する原料ガスを接触させる工程を有する水素の製造方法が開示されている。さらに、これらに対し、非特許文献3では、貴金属を使用しない触媒として、SrZrO
3
やBaZrO
3
などのペロブスカイト型酸化物にNiを担持させた触媒についてのアンモニア分解活性が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平8-84910号公報
特開2011-78888号公報
国際公開第2019/188219号
特開2016-203052号公報
【非特許文献】
【0007】
H ムロヤマ(H Muroyama) 他3名、アプライド カタリシス エイ:ジェネラル(Applied Catalysis A:General),2012年,第433巻,p119-124
L ワン(L Wang) 他4名、ケミカル コミュニケーションズ(Chemical Communications)、2013年、第49巻、p3787-3789
K オオクラ(K Okura) 他4名、RSCアドバンシーズ(RSC Advances)、2018年、第8巻、p32102-32110
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のとおり、従来種々のアンモニア分解触媒が開発されており、ルテニウムの使用量を低減するために助触媒として希土類元素を用いる技術等が検討されている。しかし、希土類元素は高価であって、鉱石の産出国に偏りがあり、コストや安定的な供給の点で問題がある。また、従来検討されている貴金属類や希土類元素を用いないものについてはアンモニア分解反応や合成反応の触媒活性において充分ではなかった。したがって、貴金属類や希土類元素を使用することなく、アンモニア分解反応や合成反応において高い触媒活性を発揮する触媒が求められていた。
【0009】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高価な貴金属類や希土類元素を使用することなく、アンモニア分解反応や合成反応において高い触媒活性を発揮する触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、アンモニアの分解又は合成反応に用いられる触媒について種々検討したところ、チタン、バリウム及びジルコニウムを構成元素として含む複合酸化物(A)を含む担体にニッケル及び/又はその酸化物を担持させることにより、高価な貴金属類や希土類元素を使用することなく高いアンモニア分解活性を発揮する触媒となることを見いだした。また、上記触媒は、アンモニア分解反応の逆反応であるアンモニア合成反応に対しても高い活性を発揮する触媒となることを見いだした。このように、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
(【0011】以降は省略されています)
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