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公開番号
2024162878
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2023078835
出願日
2023-05-11
発明の名称
光触媒スプレー、光触媒コーティング方法及び光触媒被覆物
出願人
シャープ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C09D
201/00 20060101AFI20241114BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】本発明は、光触媒粒子の施工むら(白化)が発生しないようにコーティングすることを可能とする光触媒スプレーを提供する。
【解決手段】
本発明は、光触媒懸濁液と、前記光触媒懸濁液を収容する噴霧容器とを備え、前記光触媒懸濁液は、水性分散媒と、前記水性分散媒中に分散している光触媒粒子と、ジオール化合物とを含み、前記ジオール化合物は、エーテル結合を有し二重結合を有さない二価アルコール又はアルカンジオールであり、前記光触媒懸濁液に含まれる前記光触媒粒子の重量mに対する前記光触媒懸濁液に含まれる前記ジオール化合物の重量nの比率(n/m)は、(50/100)以上(200/100)以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光触媒懸濁液と、前記光触媒懸濁液を収容する噴霧容器とを備え、
前記光触媒懸濁液は、水性分散媒と、前記水性分散媒中に分散している光触媒粒子と、ジオール化合物とを含み、
前記ジオール化合物は、エーテル結合を有し二重結合を有さない二価アルコール又はアルカンジオールであり、
前記光触媒懸濁液に含まれる前記光触媒粒子の重量mに対する前記光触媒懸濁液に含まれる前記ジオール化合物の重量nの比率(n/m)は、(50/100)以上(200/100)以下であることを特徴とする光触媒スプレー。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
前記ジオール化合物に含まれる炭素原子の数は、6以上11以下である請求項1に記載の光触媒スプレー。
【請求項3】
前記光触媒粒子は、Pt担持酸化タングステン微粒子である請求項1に記載の光触媒スプレー。
【請求項4】
前記噴霧容器に収容された噴射剤をさらに含む請求項1に記載の光触媒スプレー。
【請求項5】
前記ジオール化合物は、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール及び3-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,2-プロパンジオールのうち少なくとも1つを含む請求項1に記載の光触媒スプレー。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載の光触媒スプレーから前記光触媒懸濁液を噴霧するステップを含む光触媒コーティング方法。
【請求項7】
基材と、前記基材上に設けられた光触媒コーティング層とを含み、
前記光触媒コーティング層は、光触媒粒子とジオール化合物とを含み、
前記ジオール化合物は、エーテル結合を有し二重結合を有さない二価アルコール又はアルカンジオールであり、
前記光触媒コーティング層に含まれる前記光触媒粒子の重量mに対する前記光触媒コーティング層に含まれる前記ジオール化合物の重量nの比率(n/m)は、(50/100)以上(200/100)以下であることを特徴とする光触媒被覆物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒スプレー、光触媒コーティング方法及び光触媒被覆物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
一般的に消臭技術としては、主に化学的消臭、物理的消臭、生物的消臭、感覚的消臭の4つに大別される。その中で、化学的消臭法は、臭い成分と消臭剤の成分との化学反応(中和、付加、縮合、酸化など)により無臭の成分にしてしまう方法で、臭いの対象がわかっている場合に優れた効果を発揮する。
化学的消臭材料の1つとして、光触媒の強い酸化力を利用した消臭材料が開発されている。光触媒を利用した消臭材料については、従来から多数提案されている。例えば、光触媒性を有するアナターゼ型の酸化チタン粒子に、ナノメートルオーダーの金属銀および金属銅粒子から選ばれる金属粒子を分散付着させてなる光触媒粒子と、シラン系アルコキシドと、エチルアルコールと、LPGガスとをエアゾール容器に入れている光触媒スプレーが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
光触媒を利用した消臭材料は、有機系の脱臭材料に比べて耐熱性に優れ、製品への加工も容易であり、変色したり変質したりするおそれが小さい。
一方、自動車の車内などの静電気が発生しやすい場所を消臭したいというニーズがある。自動車の車内では、プラスチック部材は触れたり擦れたりすることで簡単に静電気を帯びる。また近年の車室内部材はプラスチックを多く使用した構造になっている。
従来から帯電防止剤を含むエアゾールは知られており、これを噴霧することを特徴とする車室内の帯電防止方法が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-349423号公報
特公昭59-066099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光触媒スプレーを用いて光触媒粒子とこれを分散させた分散媒などを含む成分を噴射ノズルから噴射すると、噴射物(噴霧粒子)が帯電する。この静電気を持った光触媒粒子を含む噴霧粒子が対象物へ向けて噴射されると、噴霧粒子が周囲の帯電した部材の影響を受けて帯電圧の大きい部材に吸い寄せられ、噴射した場所の静電気が蓄積しやすい部材に選択的に付着しやすくなり不均一に定着する傾向がある。そのために光触媒粒子の施工むら(白化)が発生して対象物から離脱しやすくなるため本来の消臭効果が発揮できなくなる。
また、特許文献2のような帯電防止剤を含む成分を噴霧したあとに、光触媒を含む成分を噴霧しても、帯電防止剤を含む成分を大量に隙間なく噴霧しない限りは光触媒粒子の帯電部材への選択的付着を抑えることができず、室内全体での光触媒機能を発揮することが困難となる。また光触媒スプレー成分に、特許文献2の帯電防止剤を添加しても、多量の帯電防止剤を加えないと効果が得られない。また、帯電防止剤が光触媒の消臭能を妨害するおそれがある、また、帯電防止剤が光触媒粒子の分散性に影響を与えて成分の凝集が発生することで光触媒粒子の消臭能を妨害するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光触媒粒子の施工むら(白化)が発生しないようにコーティングすることを可能とする光触媒スプレーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光触媒懸濁液と、前記光触媒懸濁液を収容する噴霧容器とを備え、前記光触媒懸濁液は、水性分散媒と、前記水性分散媒中に分散している光触媒粒子と、ジオール化合物とを含み、前記ジオール化合物は、エーテル結合を有し二重結合を有さない二価アルコール又はアルカンジオールであり、前記光触媒懸濁液に含まれる前記光触媒粒子の重量mに対する前記光触媒懸濁液に含まれる前記ジオール化合物の重量nの比率(n/m)は、(50/100)以上(200/100)以下であることを特徴とする光触媒スプレーを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光触媒スプレーを用いて光触媒懸濁液を対象物に向けて噴射することにより、対象物の表面に、施工むら(白化)が少なく高い消臭能を有する光触媒コーティング層を形成することができる。このことは、本願発明者等が行った実験により明らかになった。この理由は明らかではないが、保湿性を有する前記ジオール化合物により噴霧粒子が乾燥し帯電することを抑制することができ、噴霧粒子が凝集することや帯電圧の大きい部材に吸い寄せられることを抑制することができるためと考えられる。
また、比率(n/m)を(200/100)以下とすることにより、前記ジオール化合物が光触媒粒子の光触媒活性を阻害することを抑制することができ、高い消臭能を有する光触媒コーティング層を形成することが可能になる。
また、本発明の光触媒スプレーは水性分散媒を含むため、使用時の引火や燃焼の危険性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態の光触媒スプレーの概略断面図である。
本発明の一実施形態の光触媒スプレーを用いて光触媒コーティング層を形成する方法の説明図である。
ジオール化合物の構造式を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の光触媒スプレーは、光触媒懸濁液と、前記光触媒懸濁液を収容する噴霧容器とを備え、前記光触媒懸濁液は、水性分散媒と、前記水性分散媒中に分散している光触媒粒子と、ジオール化合物とを含み、前記ジオール化合物は、エーテル結合を有し二重結合を有さない二価アルコール又はアルカンジオールであり、前記光触媒懸濁液に含まれる前記光触媒粒子の重量mに対する前記光触媒懸濁液に含まれる前記ジオール化合物の重量nの比率(n/m)は、(50/100)以上(200/100)以下であることを特徴とする。
【0010】
前記ジオール化合物に含まれる炭素原子の数は、6以上11以下であることが好ましい。
前記光触媒粒子は、Pt担持酸化タングステン微粒子であることが好ましい。
本発明の光触媒スプレーは噴霧容器に収容された噴射剤を含むことが好ましい。
前記ジオール化合物は、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール及び3-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,2-プロパンジオールのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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