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公開番号2024162877
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023078834
出願日2023-05-11
発明の名称蒸発燃料処理システムの故障診断方法及び故障診断装置
出願人日産自動車株式会社
代理人弁理士法人後藤特許事務所
主分類F02M 25/08 20060101AFI20241114BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】エバポエミッションへの影響を抑制しつつ複数のリーク等を診断可能な方法を提供する。
【解決手段】蒸発燃料処理システム1の故障診断方法において、コントローラ20が、診断開始とともに、パージ配管5に介装されたパージバルブ7を開き、パージ配管5内の実圧力のモニタリングと、グロスリークが生じているものとしてパージ配管5内の圧力変化を推定するグロスリークシミュレーションと、パージシステムに故障が生じているものとしてパージ配管5内の圧力変化を推定するパージ故障シミュレーションと、を開始し、グロスリークシミュレーションによる圧力変化の方が実圧力の変化よりも早くグロスリークシミュレーションで想定される第1基準圧力に到達し、かつ、実圧力の変化の方がパージ故障シミュレーションによる圧力変化よりも早くパージ故障シミュレーションで想定される第2基準圧力に到達する場合に、グロスリークが生じていると判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
車両用の蒸発燃料処理システムの故障診断方法において、
コントローラが、診断開始とともに、キャニスタと内燃機関とを接続するパージ配管に介装されたパージバルブを開き、パージ配管内の実際の圧力である実圧力のモニタリングと、グロスリークが生じているものとして前記パージ配管内の圧力変化を推定するグロスリークシミュレーションと、パージシステムに故障が生じているものとして前記パージ配管内の圧力変化を推定するパージ故障シミュレーションと、を開始し、
前記グロスリークシミュレーションによる圧力変化の方が前記実圧力の変化よりも早く前記グロスリークシミュレーションで到達すると推定される第1基準圧力に到達し、かつ、前記実圧力の変化の方が前記パージ故障シミュレーションによる圧力変化よりも早く前記パージ故障シミュレーションで到達すると推定される第2基準圧力に到達する場合に、前記グロスリークが生じていると判定することを特徴とする、蒸発燃料処理システムの故障診断方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の蒸発燃料処理システムの故障診断方法において、
前記コントローラは、前記パージ故障シミュレーションによる圧力変化の方が前記実圧力の変化よりも早く前記第2基準圧力に到達する場合に、前記パージシステムに故障が生じていると判定する、蒸発燃料処理システムの故障診断方法。
【請求項3】
請求項2に記載の蒸発燃料処理システムの故障診断方法において、
前記コントローラは、診断開始とともに、さらに、燃料タンクと前記キャニスタとの間に詰まりが生じているものとして前記パージ配管内の圧力変化を推定するベント詰まりシミュレーションも開始し、
前記実圧力の変化の方が前記ベント詰まりシミュレーションによる圧力変化よりも早く前記ベント詰まりシミュレーションで到達すると推定される第3基準圧力に到達する場合に、前記燃料タンクと前記キャニスタとの間に詰まりが生じていると判定する、蒸発燃料処理システムの故障診断方法。
【請求項4】
請求項3に記載の蒸発燃料処理システムの故障診断方法において、
前記コントローラは、
前記グロスリーク、前記パージシステムの故障、及び前記燃料タンクと前記キャニスタとの間のつまり、のいずれも生じていないと判定した場合に、
前記パージバルブを閉じて、前記グロスリークに比べて漏洩が少ない微細リークが生じているものとして前記パージ配管内の圧力変化を推定する微細リークシミュレーションを開始し、
前記微細リークシミュレーションによる圧力変化の方が前記実圧力の変化よりも先に前記微細リークシミュレーションで到達すると推定される第4基準圧力に到達する場合に、微細リークが生じていると判定する、蒸発燃料処理システムの故障診断方法。
【請求項5】
燃料タンクと、
前記燃料タンク内の燃料が蒸発することで生じたガスであるガソリンベーパを吸着するキャニスタと、
前記燃料タンクと前記キャニスタとを接続するブリーザ配管と、
前記キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ配管と、
前記キャニスタと大気とを連通させるドレイン配管と、
前記パージ配管に介装されたパージバルブと、
前記ドレイン配管に介装されたベントバルブと、
前記パージ配管の前記パージバルブと前記キャニスタとの間における圧力を検出する圧力センサと、
を備える車両用の蒸発燃料処理システムの故障診断装置において、
診断開始とともに前記パージバルブを開くバルブ制御部と、
診断開始とともに前記パージ配管内の実際の圧力である実圧力のモニタリングを行うモニタリング部と、
診断開始とともに、グロスリークが生じているものとして前記パージ配管内の圧力変化を推定するグロスリークシミュレーションと、パージシステムに故障が生じているものとして前記パージ配管内の圧力変化を推定するパージ故障シミュレーションと、を開始するシミュレーション部と、
前記グロスリークシミュレーションによる圧力変化の方が前記実圧力の変化よりも早く前記グロスリークシミュレーションで到達すると推定される第1基準圧力に到達し、かつ、前記実圧力の変化の方が前記パージ故障シミュレーションによる圧力変化よりも早く前記パージ故障シミュレーションで到達すると推定される第2基準圧力に到達する場合に、前記グロスリークが生じていると判定する判定部と、
を備えることを特徴とする、蒸発燃料処理システムの故障診断装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸発燃料処理システムの故障診断方法及び故障診断装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
車両の燃料タンクで発生する蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、内燃機関の運転中にキャニスタから内燃機関の吸気系に燃料成分をパージさせる蒸発燃料処理システムが知られている。このような蒸発燃料処理システムのリーク診断を車両の走行中に行うリーク診断として、燃料タンクを含むエバポ系内に負圧を導入し、導入開始から所定時間経過後のエバポ系内の圧力と、リーク判定値とに基づいてリークの有無を判断するものが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-12676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、蒸発燃料処理システムのリークの形態としては、例えば、燃料タンクのキャップが外れている場合、またはパージ配管が外れている場合がある。また、リークの他に、いずれかの配管又はバルブに詰まるなどの故障が生じることもある。そして、エバポ系内に負圧を導入した際の圧力の変化の仕方は、リークや故障の形態によって異なる。その点、上記文献の診断方法では、診断の対象となるリークや故障の形態毎に診断を行う必要があるので、診断用の制御が通常のパージ制御に割り込む時間が多くなり、エバポエミッションが低下するおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、エバポエミッションへの影響を抑制しつつ複数のリーク等を診断可能な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、車両用の蒸発燃料処理システムの故障診断方法が提供される。この方法では、コントローラが、診断開始とともにキャニスタと内燃機関とを接続するパージ配管に介装されたパージバルブを開き、パージ配管内の実際の圧力である実圧力のモニタリングと、グロスリークが生じているものとしてパージ配管内の圧力変化を推定するグロスリークシミュレーションと、パージシステムに故障が生じているものとしてパージ配管内の圧力変化を推定するパージ故障シミュレーションと、を開始し、グロスリークシミュレーションによる圧力変化の方が実圧力の変化よりも早くグロスリークシミュレーションで到達すると推定される第1基準圧力に到達し、かつ、実圧力の変化の方がパージ故障シミュレーションによる圧力変化よりも早くパージ故障シミュレーションで到達すると推定される第2基準圧力に到達する場合に、グロスリークが生じていると判定する。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、エバポエミッションへの影響を抑制しつつ複数のリーク等を診断可能な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、蒸発燃料処理システムの概略構成図である。
図2は、故障診断のルーチンを示すフローチャートである。
図3は、故障診断のルーチンを実行した場合のタイムチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態を適用する蒸発燃料処理システム1の概略構成図である。
(【0011】以降は省略されています)

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