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公開番号
2024161944
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2023077020
出願日
2023-05-09
発明の名称
水又は水溶液を分散媒とした金属酸化物の分散方法及びその水分散体
出願人
日本メナード化粧品株式会社
,
名古屋市
,
公益財団法人名古屋産業振興公社
代理人
主分類
C09C
3/06 20060101AFI20241114BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】
本願発明の課題は、化粧料において金属酸化物の良好な水分散体を提供することである。
【解決手段】
水中にシリコンを主成分とする半導体又は合金を電極として設置して、金属酸化物の分散体にプラズマ処理を行う。この処理により、簡易な手法で金属酸化物上にシリカを被覆することができる。また、それによって中性のpH範囲において金属酸化物表面のゼータ電位が特異的に低下し、静電的斥力による分散効果によって、金属酸化物の沈降や浮上の無い均一な水分散体や、沈降していても再分散が容易な水分散体が得られる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
金属酸化物を含有する水又は水溶液に対し、水中にシリコンを主成分とする半導体又は合金を電極として設置して対電極間に電圧を印加してプラズマを発生させ、金属酸化物表面をシリカで被覆する方法。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
請求項1記載の方法により、pHが6~8である中性付近の水又は水溶液中における金属酸化物のゼータ電位を低下させ、静電的斥力により金属酸化物を水又は水溶液へ分散させる方法。
【請求項3】
対電極として1つ以上の電極を気中に設置し、かつ1つ以上の電極を水中に設置することを特徴とした、請求項1記載の金属酸化物の被覆方法又は請求項2記載の分散方法。
【請求項4】
プラズマ処理する前の金属酸化物を含有する水又は水溶液のpHが6.0~11.0である請求項1記載の金属酸化物の被覆方法又は請求項2記載の分散方法。
【請求項5】
当該金属酸化物が微粒子酸化チタンであり、かつ一次粒子径が100nm以下であることを特徴とする請求項1記載の金属酸化物の被覆方法又は請求項2記載の分散方法。
【請求項6】
pHが6~8の中性領域における金属酸化物のゼータ電位が-25mV以下である請求項2記載の金属酸化物の分散方法。
【請求項7】
シリカで表面の少なくとも一部が被覆された微粒子酸化チタンがpH6~8の中性領域において分散していることを特徴とする微粒子酸化チタン水分散体。
【請求項8】
pHが6~8の中性領域における酸化チタンの平均分散粒子径が300nm以下である請求項7記載の微粒子酸化チタン水分散体。
【請求項9】
請求項7又は8記載の微粒子酸化チタン水分散体を含有することを特徴とする化粧料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願発明は、水又は水溶液を分散媒とした金属酸化物の分散体に対し、気中-水中又は水中-水中対電極間に電圧を印加してプラズマを発生させることで、金属酸化物表面をシリカで被覆し、pHが6~8である中性付近の分散媒中において金属酸化物を良好に分散させる方法、及びこの方法により得られた金属酸化物の水分散体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
金属酸化物は電子材料、化粧料、塗料、セラミックス等の多様な分野において、その電気特性や光学特性、調色性といった機能から、幅広く利用されている。
【0003】
この金属酸化物を水性製剤として利用する場合、水又は水溶液中における金属酸化物の分散安定性は上記機能を発揮するために非常に重要であることが分かっている。
【0004】
例えば、化粧品分野においては酸化セリウム、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物をUV防御剤として製剤中に分散させた状態で配合されており、金属酸化物の分散状態が良好である程、肌に塗布した時に透明感があり、UV防御能も大きくなる。
【0005】
金属酸化物を水又は水溶液中に分散させるために効果的な手法の一つとして、金属酸化物粒子の表面電位をコントロールすることによる、粒子同士の静電的斥力を利用した分散方法が挙げられる。
【0006】
水又は水溶液中に分散する金属酸化物の粒子自身はプラス又はマイナスに帯電しているため、粒子表面には電気的中性を保つために逆符号のイオンが吸着する。そしてさらにその周辺に逆符号のイオンが取り巻くように層が形成され、これらを電気二重層と呼ぶ。粒子の拡散や液体の流動に伴い、粒子を取り巻くイオンの一部が移動する限界部分を「滑り面」と言い、その部分の電位はゼータ電位と呼ばれている。
【0007】
ゼータ電位の大きさは金属酸化物の表面状態や分散媒のpH、系中の電解質濃度に依存しており、ゼータ電位が0になるpHは等電点(IEP)と呼ばれ、IEPよりも低いpHの水又は水溶液中では金属酸化物のゼータ電位はプラスに、IEPよりも高いpHの水又は水溶液中ではマイナスになる。金属酸化物の凝集・分散挙動はゼータ電位の絶対値の大きさと関係があり、ゼータ電位の絶対値が大きいほど同符号電荷同士の斥力が大きいため分散しやすい。一方、ゼータ電位の絶対値が小さいと斥力が小さく、金属酸化物粒子間のファンデルワールス力が優勢になり、凝集しやすくなる。一般に、ゼータ電位の絶対値が25mV以上あると、金属酸化物粒子は水溶液中で安定に分散状態を取りやすい。ただし、特に密度の大きい金属酸化物の場合、サブミクロンサイズ以上の粒子径になるとストークスの式で表されるように重力による沈降の影響が無視できず、ゼータ電位の絶対値が大きくても分散は難しくなる。
【0008】
金属酸化物を水又は水溶液中に分散させるための簡便な方法として、pH調整剤や分散剤等を添加することが挙げられる。例えばpH調整剤を添加して系のpHを金属酸化物のIEPから離れた領域に調整すると分散する。しかし、IEPが約5~6の酸化チタンに代表されるように多くの金属酸化物のIEPは5~9程度の間にあり、中性付近はIEPと近いためにゼータ電位の絶対値が小さく、凝集しやすい。特に金属酸化物を化粧料に用いる場合、肌に直接塗布することを考えれば、中性付近で分散させることが求められる。また、金属酸化物を触媒として利用する場合にはその反応系に及ぼす影響を考慮すると適切なpH範囲や分散剤の成分は限られる。さらに、分散剤を乳化系に用いる際には系の乳化安定性に影響することも考慮しなければならない。
【0009】
このように分散媒のpHを調整する、又は分散剤を添加する方法では適用される機会が限定的である場合、金属酸化物の表面を別の化合物で被覆する方法がよく用いられている。
【0010】
特許文献1では、金属酸化物微粒子の表面をシリカで被覆する製造方法が記載されているが、シリカ被覆には多段階のステップと時間、高温での熟成を要する上、シランカップリング剤や有機溶媒等添加剤の除去も必要となる。また、得られたシリカ被覆酸化チタンの平均粒子径は0.4μmであり、化粧品として十分な紫外線防御能を持つ分散状態とはいい難い。また、特許文献2にはそのようなシリカ被覆金属酸化物外側を疎水性ポリマーで被覆したものの水分散体を利用した化粧料の製造方法が記載されているが、分散の維持には増粘性ポリマーによる保護コロイド効果が必須であることが分かる。また、特許文献1、2においてゼータ電位についての言及はなく、シリカを利用したのは単に感触改良のためであると推察される。
(【0011】以降は省略されています)
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