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公開番号
2024156626
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2024069184
出願日
2024-04-22
発明の名称
エポキシ樹脂組成物粒子、タブレット、および柱状タブレットの製造方法
出願人
住友ベークライト株式会社
代理人
個人
主分類
C08L
63/00 20060101AFI20241029BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】スキュー構造時に充填したときのギャップ抑制に優れたエポキシ樹脂組成物粒子を提供する。
【解決手段】本発明のエポキシ樹脂組成物粒子は、磁石固定に用いられるエポキシ樹脂組成物粒子であって、エポキシ樹脂と、繊維状または針状フィラーと、を含み、所定の手順で測定される破壊靭性値(K1c)が、3.0MPa・m
1/2
以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
磁石固定に用いられるエポキシ樹脂組成物粒子であって、
エポキシ樹脂と、
繊維状または針状フィラーと、
を含み、
下記の手順iで測定される破壊靭性値(K1c)が、3.0MPa・m
1/2
以上である、エポキシ樹脂組成物粒子。
(手順i)
トランスファー成形装置を使用して、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の成形条件に基づいて、当該エポキシ樹脂組成物粒子から成形体を成形する。
ASTM D5045-14に規格されているKIc法に準拠し、得られた成形体を、長さ50mm、幅B5mm、厚みW10mmの大きさとし、長さ方向中央部に厚み方向の深さ3.5mmのノッチを形成し、175℃で4時間硬化し、硬化物を得る。更に硬化物のノッチ先端部分に厚み方向の深さ0.1mmの傷を剃刀で施し、合計クラック長a=3.6mmを有する試験片を作製する。
その後、得られた試験片について、引張圧縮試験機を用いて、測定温度25℃、速度10mm/分、支点間距離S=40mmで3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき破壊靭性値(K1c(MPa・m
1/2
))を算出する。下記式中、P
Q
は最大荷重(N)である。
KI
C
=((P
Q
×S)/(B×W
3/2
))×f(a/W)
ただし、f(a/W)=(3(a/W)
1/2
[1.99-(a/W)(1-a/W){2.15-3.9(a/W)+2.7(a/W)
2
])/(2{1+2(a/W)}{1-(a/W)}
3/2
)
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
下記の手順Aで測定される、前記繊維状または針状フィラーの数平均繊維長が、5μm以上500μm以下である、エポキシ樹脂組成物粒子。
(手順A)
当該エポキシ樹脂組成物粒子をアセトン溶解させて樹脂成分を除去した後、ガラスプレートに不溶分を分散させて、光学顕微鏡を用いて前記不溶分中のフィラーを撮影し、画像解析装置を用いて繊維長を測定する。繊維長が長いものから、100個の前記フィラーの繊維長の平均値を、上記数平均繊維長とする。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
下記の手順Aで測定される、前記繊維状または針状フィラーの数平均繊維長をLとし、下記の手順Bで測定される、前記繊維状または針状フィラーの数平均繊維径をDとしたとき、
L/Dが、3以上100以下である、エポキシ樹脂組成物粒子。
(手順A)
当該エポキシ樹脂組成物粒子をアセトン溶解させて樹脂成分を除去した後、ガラスプレートに不溶分を分散させて、光学顕微鏡を用いて前記不溶分中のフィラーを撮影し、画像解析装置を用いて繊維長を測定する。繊維長が長いものから順に測定し、100個の前記フィラーの平均値を、上記数平均繊維長とする。
(手順B)
走査型電子顕微鏡を用い、当該エポキシ樹脂組成物粒子の横断面から繊維状フィラーの横断面を100本計測し、各繊維断面の最小径の平均を数平均繊維径として求める。
【請求項4】
請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
前記繊維状または針状フィラーが、ワラストナイト繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、繊維状酸化アルミ、アラミド繊維、炭化ケイ素ウィスカ、窒化珪素ウィスカ、およびチタン酸カリウムウィスカからなる群から選択される一または二以上を含む、エポキシ樹脂組成物粒子。
【請求項5】
請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
下記の手順iiに従って測定されるスパイラルフローが、30cm以上である、エポキシ樹脂組成物粒子。
(手順ii)
低圧トランスファー成形機を用いて、EMMI-1-66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で当該エポキシ樹脂組成物粒子を注入し、流動長(cm)を測定する。
【請求項6】
請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
前記繊維状または針状フィラーの含有量が、当該エポキシ樹脂組成物粒子100質量%中、5質量%以上80質量%以下である、エポキシ樹脂組成物粒子。
【請求項7】
請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
前記エポキシ樹脂が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、および/またはビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む、エポキシ樹脂組成物粒子。
【請求項8】
請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
イミダゾール系触媒、およびリン系触媒からなる群から選ばれる一または二以上の硬化触媒を含む、エポキシ樹脂組成物粒子。
【請求項9】
請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
前記エポキシ樹脂組成物粒子を加熱した押出機に供給して溶融させながら混練してエポキシ樹脂成形材料を得る工程と、押出機先端の開口部から、溶融した前記エポキシ樹脂成形材料を連続的に押出しつつ前記エポキシ樹脂成形材料を切断してタブレットを得る工程とを経てタブレットに成形されるのに用いられる、エポキシ樹脂組成物粒子。
【請求項10】
請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
軟化点が110℃未満のエポキシ樹脂または硬化剤を含む、エポキシ樹脂組成物粒子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂組成物粒子、タブレット、および柱状タブレットの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
これまでエポキシ樹脂を用いた繊維強化複合材料の構造材料について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、破壊靱性が1.2~2.0MPa・m
1/2
のエポキシ樹脂が記載されている(特許文献1の実施例1~3等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/053937号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のエポキシ樹脂において、スキュー構造を有する成形体において、成形体の不連続面(成形体のズレた部分)にギャップが発生する現象が確認された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
スキュー構造を有するローターコアにおいて、磁石固定用材料を充填した場合、その流動を阻害する部分となる磁石の角部を起点として、磁石固定用材料に破壊が起こり、ギャップが発生すると考えられる。
本発明者はさらに検討したところ、磁石固定用材料の破壊靭性値を指標とすることにより、スキュー構造に充填したときのギャップ度合を安定的に評価できることを見出した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、繊維状または針状フィラーを使用した上で、適度に高い混練温度を採用することにより、エポキシ樹脂組成物粒子における破壊靭性値を所定以上に高められ、それにより、スキュー構造に充填したときのギャップ発生を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の一態様によれば、以下のエポキシ樹脂組成物粒子、タブレット、および柱状タブレットの製造方法が提供される。
[1] 磁石固定に用いられるエポキシ樹脂組成物粒子であって、
エポキシ樹脂と、
繊維状または針状フィラーと、
を含み、
下記の手順iで測定される破壊靭性値(K1c)が、3.0MPa・m
1/2
以上である、エポキシ樹脂組成物粒子。
(手順i)
トランスファー成形装置を使用して、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の成形条件に基づいて、当該エポキシ樹脂組成物粒子から成形体を成形する。
ASTM D5045-14に規格されているKIc法に準拠し、得られた成形体を、長さ50mm、幅B5mm、厚みW10mmの大きさとし、長さ方向中央部に厚み方向の深さ3.5mmのノッチを形成し、175℃で4時間硬化し、硬化物を得る。更に硬化物のノッチ先端部分に厚み方向の深さ0.1mmの傷を剃刀で施し、合計クラック長a=3.6mmを有する試験片を作製する。
その後、得られた試験片について、引張圧縮試験機を用いて、測定温度25℃、速度10mm/分、支点間距離S=40mmで3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき破壊靭性値(K1c(MPa・m
1/2
))を算出する。下記式中、P
Q
は最大荷重(N)である。
KI
C
=((P
Q
×S)/(B×W
3/2
))×f(a/W)
ただし、f(a/W)=(3(a/W)
1/2
[1.99-(a/W)(1-a/W){2.15-3.9(a/W)+2.7(a/W)
2
])/(2{1+2(a/W)}{1-(a/W)}
3/2
)
[2] [1]に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
下記の手順Aで測定される、前記繊維状または針状フィラーの数平均繊維長が、5μm以上500μm以下である、エポキシ樹脂組成物粒子。
(手順A)
当該エポキシ樹脂組成物粒子をアセトン溶解させて樹脂成分を除去した後、ガラスプレートに不溶分を分散させて、光学顕微鏡を用いて前記不溶分中のフィラーを撮影し、画像解析装置を用いて繊維長を測定する。繊維長が長いものから、100個の前記フィラーの繊維長の平均値を、上記数平均繊維長とする。
[3] [1]または[2]に記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
下記の手順Aで測定される、前記繊維状または針状フィラーの数平均繊維長をLとし、下記の手順Bで測定される、前記繊維状または針状フィラーの数平均繊維径をDとしたとき、
L/Dが、3以上100以下である、エポキシ樹脂組成物粒子。
(手順A)
当該エポキシ樹脂組成物粒子をアセトン溶解させて樹脂成分を除去した後、ガラスプレートに不溶分を分散させて、光学顕微鏡を用いて前記不溶分中のフィラーを撮影し、画像解析装置を用いて繊維長を測定する。繊維長が長いものから順に測定し、100個の前記フィラーの平均値を、上記数平均繊維長とする。
(手順B)
走査型電子顕微鏡を用い、当該エポキシ樹脂組成物粒子の横断面から繊維状フィラーの横断面を100本計測し、各繊維断面の最小径の平均を数平均繊維径として求める。
[4] [1]乃至[3]いずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
前記繊維状または針状フィラーが、ワラストナイト繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、繊維状酸化アルミ、アラミド繊維、炭化ケイ素ウィスカ、窒化珪素ウィスカ、およびチタン酸カリウムウィスカからなる群から選択される一または二以上を含む、エポキシ樹脂組成物粒子。
[5] [1]乃至[4]いずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
下記の手順iiに従って測定されるスパイラルフローが、30cm以上である、エポキシ樹脂組成物粒子。
(手順ii)
低圧トランスファー成形機を用いて、EMMI-1-66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で当該エポキシ樹脂組成物粒子を注入し、流動長(cm)を測定する。
[6] [1]乃至[5]いずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
前記繊維状または針状フィラーの含有量が、当該エポキシ樹脂組成物粒子100質量%中、5質量%以上80質量%以下である、エポキシ樹脂組成物粒子。
[7] [1]乃至[6]いずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
前記エポキシ樹脂が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、および/またはビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む、エポキシ樹脂組成物粒子。
[8] [1]乃至[7]いずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
イミダゾール系触媒、およびリン系触媒からなる群から選ばれる一または二以上の硬化触媒を含む、エポキシ樹脂組成物粒子。
[9] [1]乃至[8]いずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
前記エポキシ樹脂組成物粒子を加熱した押出機に供給して溶融させながら混練してエポキシ樹脂成形材料を得る工程と、押出機先端の開口部から、溶融した前記エポキシ樹脂成形材料を連続的に押出しつつ前記エポキシ樹脂成形材料を切断してタブレットを得る工程とを経てタブレットに成形されるのに用いられる、エポキシ樹脂組成物粒子。
[10] [1]乃至[9]いずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物粒子であって、
軟化点が110℃未満のエポキシ樹脂または硬化剤を含む、エポキシ樹脂組成物粒子。
[11] [1]乃至[10]いずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物粒子を用いて形成されるタブレットであって、
5cm
3
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スキュー構造時に充填したときのギャップ抑制に優れたエポキシ樹脂組成物粒子、それを用いたタブレットおよび柱状タブレットの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態の一例における押出機の縦断面図である。
本実施形態に係る射出成形装置の一例を示す断面模式図である。
引張圧縮試験機の概要を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
【0010】
本実施形態のエポキシ樹脂組成物粒子の概要を説明する。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物粒子は、エポキシ樹脂と、繊維状または針状フィラーと、を含み、下記の手順iで測定される破壊靭性値(K1c)が、3.0MPa・m
1/2
以上を満たすものである。
(【0011】以降は省略されています)
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