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公開番号2024156621
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-06
出願番号2024065747
出願日2024-04-15
発明の名称データ通信バスを用いる乗り物の音声信号等化装置および方法
出願人アルカミ,Arkamys
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G10K 11/175 20060101AFI20241029BHJP(楽器;音響)
要約【課題】データ通信バスを用いる乗り物の音声信号等化装置および方法を提供する。
【解決手段】乗り物100において、等化装置114は、速度値と速度マスキングフィルタとゲイン値とを関連付けた速度フィルタデータセットおよびエンジン回転数値又は換気値とエンジンマスキングフィルタ又は換気マスキングフィルタとゲイン値とを関連付けた機能フィルタデータセットを記憶する記憶部と、乗り物の速度、乗り物のエンジン回転数および換気データセットからなる群から選択される機能パラメータとを定める通信バスで入手可能な、少なくとも2つのパラメータを受け取るように設けられた収集部と、騒音マージン値と2つのパラメータとを入力として受け取り、そこから速度フィルタデータセットおよび機能フィルタデータセットを導出し、これらを音声信号に適用されるマスキング等化フィルタとして組み合わせるように設けられた演算部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
データ通信バスを用いる乗り物の音声信号等化装置であって、
-速度値と、速度マスキングフィルタを定める係数に対応付けられたゲイン値と、を関連付けた三項目からなる、速度フィルタデータセット、および、エンジン回転数値又は換気値と、エンジンマスキングフィルタ又は換気マスキングフィルタを定める係数に対応付けられたゲイン値と、を関連付けた三項目からなる、機能フィルタデータセットを記憶するように設けられた、記憶部(200)と、
-前記乗り物の速度と、前記乗り物のエンジン回転数および換気データセットからなる群から選択される少なくとも1つの機能パラメータとを定める、前記通信バスで入手可能な少なくとも2つのパラメータを受け取るように設けられた、収集部(210)と、
-騒音マージン値と、前記通信バスで入手可能な前記少なくとも2つのパラメータとを、入力として受け取り、そこから少なくとも1つの速度フィルタデータセットおよび少なくとも1つの機能フィルタデータセットを導出し、これらを前記音声信号に適用されるマスキング等化フィルタとして組み合わせるように設けられた、演算部(220)と、
を備える、装置。
続きを表示(約 3,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記演算部(220)が、
-前記収集部(210)により決まる、前記少なくとも2つのパラメータから、前記記憶部(200)内の速度フィルタデータセットおよび機能フィルタデータセットを決定し、
-少なくとも、決定された前記速度フィルタデータセットの前記ゲイン値および前記騒音マージン値から、速度ゲイン値を計算し、そこから速度フィルタデータセットを導出し、
-少なくとも、決定された前記機能フィルタデータセットの前記ゲイン値、前記速度ゲイン値、および前記騒音マージン値から、機能ゲイン値を決定し、そこから機能フィルタデータセットを導出するように、
設けられている、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、前記演算部(220)が、決定された前記速度フィルタデータセットの前記ゲイン値および前記騒音マージン値のうちの、最小値を保持することで、前記速度ゲイン値を計算し、決定された前記機能フィルタデータセットの前記ゲイン値および前記騒音マージン値と前記速度ゲイン値との差のうちの、最小値を選択することで、前記機能ゲイン値を計算するように設けられている、装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の装置において、前記演算部(220)が、エンジン回転数機能パラメータおよび換気データセット機能パラメータの存在下で、
-前記エンジン回転数機能パラメータおよび前記換気データセット機能パラメータから、主要な機能フィルタデータセットおよび第2の副次的な機能フィルタデータセットを、該主要な機能フィルタデータセットのゲイン値が該副次的な機能フィルタデータセットのゲイン値よりも大きくなるように決定し、
-少なくとも、前記主要な機能フィルタデータセットの前記ゲイン値、前記速度ゲイン値および前記騒音マージン値から、第1の機能ゲイン値を決定し、そこから第1の機能フィルタデータセットを導出し、
-少なくとも、前記副次的な機能フィルタデータセットの前記ゲイン値、前記第1の機能ゲイン値、前記速度ゲイン値および前記騒音マージン値から、第2の機能ゲイン値を決定し、そこから第2の機能フィルタデータセットを導出し、
-前記第1の機能ゲイン値、前記第2の機能ゲイン値、前記第1の機能フィルタデータセットおよび前記第2の機能フィルタデータセットから、機能ゲイン値および機能フィルタデータセットを計算するように、
設けられている、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、前記演算部(220)は、前記速度パラメータが所定の閾値未満である場合、
-前記収集部(210)により決まる、前記少なくとも2つのパラメータから、前記記憶部(200)内の機能フィルタデータセットおよび速度フィルタデータセットを決定し、
-少なくとも、決定された前記機能フィルタデータセットの前記ゲイン値および前記騒音マージン値から、機能ゲイン値を決定し、そこから、該機能ゲイン値から機能フィルタデータセットを導出し、
-少なくとも、決定された前記速度フィルタデータセットの前記ゲイン値、前記機能ゲイン値、および前記騒音マージン値から、速度ゲイン値を決定し、そこから、該速度ゲインから速度フィルタデータセットを導出するように、
設けられている、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、前記演算部(220)が、決定された前記機能フィルタデータセットの前記ゲイン値および前記騒音マージン値のうちの、最小値を選択することで、前記機能ゲイン値を計算し、決定された前記速度フィルタデータセットの前記ゲイン値および前記騒音マージン値と前記機能ゲイン値との差のうちの、最小値を選択することで、前記速度ゲイン値を計算するように設けられている、装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の装置において、前記演算部(220)が、エンジン回転数機能パラメータおよび換気データセット機能パラメータの存在下で、
-前記エンジン回転数機能パラメータおよび前記換気データセット機能パラメータから、主要な機能フィルタデータセットおよび副次的な機能フィルタデータセットを、該主要な機能フィルタデータセットのゲイン値が該副次的な機能フィルタデータセットのゲイン値よりも大きくなるように決定し、
-少なくとも、前記主要な機能フィルタデータセットの前記ゲイン値および前記騒音マージン値から、第1の機能ゲイン値を決定し、そこから第1の機能フィルタデータセットを導出し、
-少なくとも、前記副次的な機能フィルタデータセットの前記ゲイン値、前記第1の機能ゲイン値および前記騒音マージン値から、第2の機能ゲイン値を決定し、そこから第2の機能フィルタデータセットを導出し、
-前記第1の機能ゲイン値、前記第2の機能ゲイン値、前記第1の機能フィルタデータセットおよび前記第2の機能フィルタデータセットから、機能ゲイン値および機能フィルタデータセットを計算するように、
設けられている、装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の装置において、前記演算部(220)が、前記騒音マージンと前記速度ゲイン値と前記機能ゲイン値との差に応じて、ハイパスフィルタを前記マスキング等化フィルタに適用するように設けられている、装置。
【請求項9】
データ通信バスを用いる乗り物の音声信号等化方法であって、
a)速度値と、速度マスキングフィルタを定める係数に対応付けられたゲイン値と、を関連付けた三項目からなる、速度フィルタデータセット、および、エンジン回転数値又は換気値と、エンジンマスキングフィルタ又は換気マスキングフィルタを定める係数に対応付けられたゲイン値と、を関連付けた三項目からなる、機能フィルタデータセットを記憶する過程と、
b)前記乗り物の速度と、前記乗り物のエンジン回転数および換気データセットからなる群から選択される少なくとも1つの機能パラメータとを定める、前記通信バスで入手可能な少なくとも2つのパラメータ、ならびに騒音マージン値を受け取る過程と、
c)過程b)のパラメータおよび前記騒音マージン値から、少なくとも1つの速度フィルタデータセットおよび少なくとも1つの機能フィルタデータセットを導出し、これらを音声信号に適用されるマスキング等化フィルタとして組み合わせる過程と、
を備える、音声信号等化方法。
【請求項10】
請求項9に記載の音声信号等化方法において、前記過程c)が、
c1)前記収集部(210)により決まる、前記少なくとも2つのパラメータから、速度フィルタデータセットおよび機能フィルタデータセットを決定する副過程、
c2)少なくとも、決定された前記速度フィルタデータセットの前記ゲイン値および前記騒音マージン値から、速度ゲイン値を計算し、そこから速度フィルタデータセットを導出する副過程、ならびに
c3)少なくとも、決定された前記機能フィルタデータセットの前記ゲイン値、前記速度ゲイン値、および前記騒音マージン値から、機能ゲイン値を決定し、そこから機能フィルタデータセットを導出する副過程、
を含む、音声信号等化方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物の音声信号処理の分野に関し、より詳細には、騒音が大きくなり得る環境、特に、問題となる騒音が経時的に変化し易い場合の、このような音声信号の等化に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
第1の音声信号を第2の音声信号でマスキングするという作用は、第1の音声信号の聴覚閾値を、第2の音声信号の存在によって引き上げる過程のことである。すなわち、第2の信号の存在により、それよりも低い振幅で且つ同じ周波数帯にある第1の信号が検出できなくなると、その所定の周波数帯でスペクトルマスキングが起こっていることになる。
【0003】
車では、この作用が、該車の走行に関連した空力騒音や、エンジンの騒音によって一般的に起こる。騒音の存在下では、一部の周波数がマスキングされるため、車の車室内で発信されている音楽のスペクトルバランスについての知覚が、損なわれてしまう可能性がある。
【0004】
知覚される音調バランスは、発信音声レベルとマスキング閾値との差に左右される。音楽の信号のダイナミックレンジ(最大振幅と最小振幅との差)は一定であるため、dBSPL(「音圧レベル(Sound Pressure Level)」の意味)で与えられる平均レベル値が閾値近辺になる場合、信号の一部の成分は知覚されるのに対し、別の成分はマスキングされてしまう。
【0005】
マスキング現象を回避し、知覚される音調バランスを維持するには、発信される音声信号の一部の周波数をマスキング閾値以上にする必要がある。音響隔離が十分でないことから、マスキング現象を補償するマスキングフィルタを得るための信号処理技術が開発された。
【0006】
従来技術では、2種類の技術が一般的に用いられている。SDVC(「車速連動音量調節(Speed Dependent Volume Control)」の意味)と称される第1の技術は、車速テーブルから計算したゲインを追加することで、音声信号の音量(すなわち、音声信号の全体)をマスキング閾値以上にすることからなる。SDEC(「車速連動等化調節(Speed Dependent Equalisation Control)」の意味)と称される第2の技術は、車速と系全体の減衰量とに依存するパラメータでローシェルフフィルタを適用することからなる。
【0007】
以上の2種類の技術は、演算能力をそれほど必要としない点で有利であり、このことは、自動車の環境において、コストおよび組み込み易さの両方の観点から極めて重要である。
【0008】
しかし、次の例のように、車のような乗り物では、バックグラウンド騒音の騒音源が複数存在する:
-音響隔離や空気力学に関係する乗り物自体の構造、タイヤの種類、エンジンなど;
-HVAC(「暖房換気空調(Heating, Ventilation and Air-Conditioning)」の意味)システム、ハイブリッド車の熱機関の駆動/停止などの、バックグラウンド騒音を変え得る乗り物の一部の機能;
-走行音や空力騒音は、車の車速とともに増加する;
-路面の性質:アスファルト道路や、粒の大きい車道(滑らかなアスファルト道路よりも騒音は大きくなる);
-環境:開けた田舎道は、トンネルよりも騒音が小さくなる。雨や風も、乗り物のバックグラウンド騒音を大きくする。
【0009】
一般的に、バックグラウンド騒音は、高周波数域で1オクターブあたり6dB低下する広帯域騒音として表すことができる。しかし、この定義は、上記の騒音源によっては、実際に遭遇するマスキング現象を記述するのに不十分であり得る。例えば、雨の存在下では、高周波数域がマスキングされる場合もある。同じく、乗り物の性質やその速度によっては、実際にマスキングを受ける周波数帯が、経時的に変化する可能性がある。
【0010】
このような可変のマスキング作用に対し、SDVC機能は、車速の上昇時に信号の全体のレベルを上げることが予想され得る。しかし、発信される音声周波数信号の知覚は、マスキング閾値周辺では非線形となる(例えば、高周波数域は低周波数域よりも知覚され易くなり得る)。つまり、SVDC機能では車速の上昇時に信号の全体のレベルが引き上げられるが、全ての周波数域でこれが必ずしも必要であるとは限らない。
(【0011】以降は省略されています)

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