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公開番号2024158708
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074118
出願日2023-04-28
発明の名称楽譜を描画するための情報処理装置、楽譜生成方法およびプログラム
出願人個人
代理人弁理士法人MIP
主分類G10G 1/00 20060101AFI20241031BHJP(楽器;音響)
要約【課題】 高い自由度でのデザイン性のある楽譜を描画するための情報処理装置を提供すること。
【解決手段】 情報処理装置100は、少なくとも音高を表す情報を含む楽譜データ102に基づいて、五線の領域の位置情報および複数の音符の位置情報を抽出する抽出部122を備える。情報処理装置100は、また、五線の領域の位置情報および複数の音符の位置情報に基づいて、複数の音符のうちの五線の領域外に延在する1または複数の五線外部分および五線の領域を包含し、内側に配置される音楽記号を背景から視覚的に区別する五線コンテナを描画するコンテナ描画部141を備える。情報処理装置100は、さらに、五線コンテナおよび楽譜データに基づく複数の音楽記号が描画された楽譜の画像を生成する画像生成部145を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも音高を表す情報を含む楽譜データに基づいて、五線の領域の位置情報および複数の音符の位置情報を抽出する抽出部と、
前記五線の領域の位置情報および前記複数の音符の位置情報に基づいて、前記複数の音符のうちの前記五線の領域外に延在する1または複数の五線外部分および前記五線の領域を包含し、内側に配置される音楽記号を背景から視覚的に区別する五線コンテナを描画するコンテナ描画部と、
前記五線コンテナおよび前記楽譜データに基づく複数の音楽記号が描画された楽譜の画像を生成する画像生成部と
を含む、情報処理装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記抽出部は、音部記号、変化記号および複数の五線を連結する括弧の位置情報をさらに抽出し、前記コンテナ描画部は、前記五線の領域外に延在する前記音部記号、前記変化記号および前記括弧の部分の領域、前記1または複数の五線外部分の領域および前記括弧により連結される複数の五線の領域を結合して結合領域を生成し、前記結合領域に基づいて前記五線コンテナを描画することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コンテナ描画部は、(1)前記五線に平行な線分が含まれないことを条件として前記結合領域を囲む輪郭線を画定すること、(2)前記結合領域の輪郭の近傍に複数のオブジェクトを配置すること、(3)前記結合領域を囲むよう画定された輪郭線に対し作図上の操作を施すこと、または(4)前記結合領域が被覆される確率が高くなるように確率的にオブジェクトを繰り返し配置すること、によって前記五線コンテナを描画することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記楽譜の画像は、背景画像を含み、前記五線コンテナは、前記背景画像の前景への画像の配置および前記背景画像における前記五線コンテナに対応した領域への画像加工の適用の少なくとも1つを規定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記楽譜データに対して、(1)複数の音符間の音高の差分に対する許容範囲の指定および(2)指定したサンプルの音型との音高に基づく類似度または相違度の指定の一方または両方に基づいて、複数の音型を照合し、それぞれ前記複数の音型のいずれかに合致する複数の音符を含む1または複数の音符集合を抽出する音型照合部と、
前記1または複数の音符集合各々について、該音符集合に含まれる複数の音符の位置情報に基づいて、該音符集合に含まれる複数の音符を修飾する音型ハイライトを描画するハイライト描画部と
をさらに含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数の音型は、それぞれ、事前定義された音型照合ルールに基づく指定音型、前記楽譜データから逆生成された音型照合ルールに基づく頻出音型、前記事前定義された音型照合ルールおよび前記逆生成された音型照合ルールに対し、照合項目の許容幅の拡張および照合項目の一部の省略の少なくとも1つを適用した音型照合ルールに基づく前記指定音型または前記頻出音型に類似する類似音型のいずれかである、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記音型ハイライトは、前記音符集合に含まれる複数の音符の画像の変更、前記音符集合に含まれる複数の音符の符頭、符尾、または、符頭もしくは符尾を結ぶ線に基づく画像の配置、および、前記音符集合に含まれる複数の音符の符頭、符尾、または、符頭もしくは符尾を結ぶ線に基づく画像加工の適用の少なくとも1つを規定する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記楽譜データに基づいて統計処理をし、1または複数の曲想抽出ルールのいずれかに合致する所定単位に対し、該所定単位の曲想を示す曲想属性を付与する曲想情報抽出部をさらに含み、前記曲想属性を判定するための情報は、テンポ、音数、音量、アーティキュレーション、音価の分布、音高の分布、音高の差分または音程の分布または発想記号に基づいた統計情報を含み、前記コンテナ描画部は、前記曲想属性に基づいて、前記五線コンテナにおける前記所定単位に対応する領域に配置する画像または適用する画像加工を変化させることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記楽譜データに基づいて統計処理をし、1または複数の曲想抽出ルールのいずれかに合致する所定単位に対し、該所定単位の曲想を示す曲想属性を付与する曲想情報抽出部をさらに含み、前記曲想属性を判定するための情報は、テンポ、音数、音量、アーティキュレーション、音価の分布、音高の分布、音高の差分または音程の分布または発想記号に基づいた統計情報を含み、前記ハイライト描画部は、前記曲想属性および前記所定単位に含まれる複数の音楽記号の位置情報に基づいて、前記所定単位に含まれる複数の音楽記号を修飾する曲想ハイライトを描画して、前記曲想ハイライトは、前記所定単位に含まれる複数の音楽記号を基準とした画像の配置および画像加工の適用の少なくとも1つを規定する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
1または複数のコンピュータが、
少なくとも音高を表す情報を含む楽譜データに基づいて、五線の領域の位置情報および複数の音符の位置情報を抽出するステップと、
前記五線の領域の位置情報および前記複数の音符の位置情報に基づいて、前記複数の音符のうちの前記五線の領域外に延在する1または複数の五線外部分および前記五線の領域を包含し、内側に配置される音楽記号を背景から視覚的に区別する五線コンテナを描画するステップと、
前記五線コンテナおよび前記楽譜データに基づく複数の音楽記号が描画された楽譜の画像を生成するステップと
を実行する、楽譜生成方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、楽譜生成方法およびプログラムに関し、より詳細には、高い自由度でのデザイン性のある楽譜を描画するための情報処理装置、楽譜生成方法およびプログラムに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、楽譜は、楽曲の表現だけでなく、そのデザインからも人々の注目を集めており、楽譜以外でも、音符や音楽記号を用いたデザインも多く存在する。楽譜の収集家も存在し、視覚的な美しさ、面白さを意識して描かれた楽譜も存在する。また、演奏動画投稿の広まりにより、個人からアーティストまで、作曲およびアレンジ楽譜を提供するケースが増加しており、楽譜に付加価値やブランディング要素としての価値を生み出し始めている。
【0003】
楽譜の視覚的な魅力が認識される一方で、出版されている大半の楽譜は、白黒でデザインも画一的なものとなっている。その主な理由としては、背景画像を使用すると、音符などの音楽記号の視認性が著しく低下し、演奏に適さなくなるため、必然的に白背景となっていることが考えられる。また、音符の描画範囲が上下にばらつくため、楽譜内の描画対象は、楽曲に対してオーダーメードでデザインする必要があり、手間となっていることも理由として考えられる。さらに、楽譜中の音符の数が膨大なため、個別の音符の位置に依存するデザインを行うためには、膨大な作業が必要となり、人が手作業で行うことが非常に困難であることも理由として考えられる。
【0004】
現在提供されている楽譜としては、可読性を重視した従来からの白黒の楽譜と、非可読なアート作品に二極化している。楽譜作成のために、finale(非特許文献1)やMuseScore(非特許文献2)などのいくつかの楽譜作成ソフトウェアが知られているが、可読性重視の白黒の楽譜を作成するためのものである。楽譜作成ソフトウェアにおいては、種々の記譜用フォントが提供されているが、フォント選定以外にはデザイン要素は少なく、作成可能な楽譜のデザイン性の観点から、充分なものではなかった。また、非可読なアート作品に関しては、通常、単一ページの抜粋であり、非特許文献3のように、楽譜以外の描画対象をオーバーレイする表現方法の場合は、楽譜の一部が隠れて、楽譜情報が失われていることが多い。あるいは、非特許文献4のように、背景が描かれているものでは、楽譜情報は保たれつつも、可読性が低くなる傾向にある。
【0005】
その他、楽譜作成に関連し、例えば特開2009-153068号公報(特許文献1)は、旋律の連続性を認識することが可能な楽譜を容易に作成することを目的とした技術を開示する。特許文献1は、楽譜の画像データの加工する小節などの単位をユーザが用いて設定し、単位ごとに楽譜の画像データを分割し、単位で同一の画像データが連続するか否かを判断し、同一の画像データが連続すると判断された場合、連続すると判断された画像データに、該画像データが表現する楽譜においてユーザが連続する旋律を容易に認識することが可能なよう背景画像を着色する情報など情報を付加する構成を開示する。また、特許文献1には、音符を音階ごとに割り当てた色でそれぞれ着色して表現する方法、楽譜に矢印を記載する方法、演奏の速さや強さ等に関する演奏記号、あるいはその背景を音符の色と異なる色に着色して表現する方法について言及がある。しかしながら、上記特許文献1の従来技術や特許文献1中で言及されている従来技術は、音符の色や、小節などの単位で背景部分の色を変更するといった限定的なものであり、上述した背景がある場合に楽譜の可読性が低下してしまうという点を解消する観点で開示するものではなかった。また、特許文献1の従来技術は、画像の照合をベースとしているため、入力パラメータによって指定された旋律またはその音階上の平行移動に一致する個所のみが画像加工の対象となる。一方、音楽表現における音型(モチーフ)は、音型の出現ごとに微修正が加わるケースが一般的であるため、音楽表現における音型を抽出する観点から充分なものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-153068号公報
【非特許文献】
【0007】
finale,[online],[令和5年4月5日検索],インターネット<URL:https://www.finalemusic.jp/>
MuseScore,[online],[令和5年4月5日検索],インターネット<https://musescore.org/ja>
Etsy,[online],[令和5年4月5日検索],<URL:https://www.etsy.com/jp/listing/572404942/mary-poppins-silhouette-disney>
Etsy,[online],[令和5年4月5日検索],<URL:https://www.etsy.com/jp/listing/267200594/original-watercolor-pen-artwork-on>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、上記従来技術における上記点に鑑みてなされたものであり、本開示は、人手による少ない作業量で、楽譜情報の可読性を維持しながら、自由度の高いデザインの楽譜を作成することが可能な情報処理装置、楽譜生成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示では、上記課題を解決するために、下記特徴を有する、楽譜データに基づいて楽譜の画像を生成するための情報処理装置が提供される。情報処理装置は、少なくとも音高を表す情報を含む楽譜データに基づいて、五線の領域の位置情報および複数の音符の位置情報を抽出する抽出部を備える。情報処理装置は、また、上記五線の領域の位置情報および複数の音符の位置情報に基づいて、複数の音符のうちの五線の領域外に延在する1または複数の五線外部分および五線の領域を包含し、内側に配置される音楽記号を背景から視覚的に区別する五線コンテナを描画するコンテナ描画部を備える。情報処理装置は、さらに、五線コンテナおよび楽譜データに基づく複数の音楽記号が描画された楽譜の画像を生成する画像生成部を備える。
【0010】
また、本開示によれば、下記特徴を有する、楽譜データに基づいて楽譜の画像を生成する楽譜生成方法が提供される。楽譜生成方法は、1または複数のコンピュータが、少なくとも音高を表す情報を含む楽譜データに基づいて、五線の領域の位置情報および複数の音符の位置情報を抽出するステップを含む。楽譜生成方法は、1または複数のコンピュータが、また、上記五線の領域の位置情報および複数の音符の位置情報に基づいて、複数の音符のうちの五線の領域外に延在する1または複数の五線外部分および五線の領域を包含し、内側に配置される音楽記号を背景から視覚的に区別する五線コンテナを描画するステップを含む。楽譜生成方法は、1または複数のコンピュータが、五線コンテナおよび楽譜データに基づく複数の音楽記号が描画された楽譜の画像を生成するステップをさらに含む。
(【0011】以降は省略されています)

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