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公開番号2024156375
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-06
出願番号2023070782
出願日2023-04-24
発明の名称磁気記録媒体、磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類G11B 5/70 20060101AFI20241029BHJP(情報記憶)
要約【課題】磁性層表面が適度な摩耗性を示すことができ、繰り返し走行後にも低摩擦係数を示すことができ、かつ繰り返し走行前後での磁性層の表面形状の変化が少ない磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】非磁性支持体と、強磁性粉末を含む磁性層と、を有し、上記非磁性支持体上の磁性層側の部分に窒素含有ポリマーを含み、上記窒素含有ポリマーは、フッ素含有基およびポリエステル鎖を含み、上記フッ素含有基は、上記窒素含有ポリマーの窒素原子と結合し、上記ポリエステル鎖は、上記窒素含有ポリマーの窒素原子と結合し、または、上記窒素含有ポリマーの窒素原子と塩架橋構造を形成し、かつヘキサン洗浄後に上記磁性層の表面において測定される水に対する接触角は90°以上である磁気記録媒体。この磁気記録媒体を含む磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非磁性支持体と、強磁性粉末を含む磁性層と、を有し、
前記非磁性支持体上の磁性層側の部分に窒素含有ポリマーを含み、
前記窒素含有ポリマーは、フッ素含有基およびポリエステル鎖を含み、
前記フッ素含有基は、前記窒素含有ポリマーの窒素原子と結合し、
前記ポリエステル鎖は、前記窒素含有ポリマーの窒素原子と結合し、または、前記窒素含有ポリマーの窒素原子と塩架橋構造を形成し、かつ
ヘキサン洗浄後に前記磁性層の表面において測定される水に対する接触角は90°以上である磁気記録媒体。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記窒素含有ポリマーは、ポリアルキレンイミン系ポリマーである、請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項3】
前記フッ素含有基は、フッ化アルキル基およびパーフルオロポリエーテル基からなる群から選ばれる基を含む、請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項4】
前記フッ化アルキル基は、炭素数1以上6以下のフッ化アルキル基である、請求項3に記載の磁気記録媒体。
【請求項5】
前記接触角は、90°以上110°以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項6】
前記非磁性支持体上の磁性層側の部分に、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドからなる群から選ばれる脂肪酸系化合物の1種以上を更に含む、請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項7】
前記非磁性支持体上の磁性層側の部分に、前記窒素含有ポリマー以外の窒素含有ポリマーを更に含む、請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項8】
前記非磁性支持体と前記磁性層との間に、非磁性粉末を含む非磁性層を更に有する、請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項9】
前記非磁性支持体の前記磁性層を有する表面側とは反対の表面側に、非磁性粉末を含むバックコート層を更に有する、請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項10】
磁気テープである、請求項1に記載の磁気記録媒体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体、磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
磁気記録媒体は、一般に、非磁性支持体上に強磁性粉末および任意に1種以上の添加剤を含む磁性層を形成することによって作製される。例えば、特許文献1の実施例では、強磁性粉末とともにポリアルキレンイミン系ポリマーを含む磁性層形成用組成物を用いて磁性層を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-157252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁気記録媒体へのデータの記録および記録されたデータの再生は、通常、磁気記録媒体を磁気記録再生装置内で走行させ、磁気記録媒体の磁性層表面と磁気ヘッドとを接触させ摺動させることにより行われる。磁性層表面との摺動により磁気ヘッドに異物が付着すると、磁性層表面と磁気ヘッドとの間隔が異物の存在により広がり、その結果、スペーシングロスと呼ばれる出力変動が発生し得る。そのため、磁性層表面が摩耗性を示し、磁気ヘッドに付着した異物を磁性層表面との摺動時に摩耗させて除去することができれば、スペーシングロスを低減できるため望ましい。他方、磁性層表面の摩耗性が高すぎると、磁気ヘッドそのものが摩耗されてしまうため、磁性層表面には、適度な摩耗性を示すことが望まれる。
【0005】
また、磁気記録媒体の走行を繰り返しても磁性層表面と磁気ヘッドとの摺動時の摩擦係数が低いことは、走行安定性の観点から望ましい。更に、繰り返し走行前後で磁性層の表面形状の変化が少ないことは、上記の磁性層表面の摩耗性維持の観点から望ましい。
【0006】
本発明の一態様は、磁性層表面が適度な摩耗性を示すことができ、繰り返し走行後にも低摩擦係数を示すことができ、かつ繰り返し走行前後での磁性層の表面形状の変化が少ない磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、以下の通りである。
[1]非磁性支持体と、強磁性粉末を含む磁性層と、を有し、
上記非磁性支持体上の磁性層側の部分に窒素含有ポリマー(以下、「フッ素系窒素含有ポリマー」とも呼ぶ。)を含み、
上記窒素含有ポリマーは、フッ素含有基およびポリエステル鎖を含み、
上記フッ素含有基は、上記窒素含有ポリマーの窒素原子と結合し、
上記ポリエステル鎖は、上記窒素含有ポリマーの窒素原子と結合し、または、上記窒素含有ポリマーの窒素原子と塩架橋構造を形成し、かつ
ヘキサン洗浄後に上記磁性層の表面において測定される水に対する接触角は90°以上である磁気記録媒体。
[2]上記窒素含有ポリマーは、ポリアルキレンイミン系ポリマーである、[1]に記載の磁気記録媒体。
[3]上記フッ素含有基は、フッ化アルキル基およびパーフルオロポリエーテル基からなる群から選ばれる基を含む、[1]または[2]に記載の磁気記録媒体。
[4]上記フッ化アルキル基は、炭素数1以上6以下のフッ化アルキル基である、[3]に記載の磁気記録媒体。
[5]上記接触角は、90°以上110°以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[6]上記非磁性支持体上の磁性層側の部分に、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドからなる群から選ばれる脂肪酸系化合物の1種以上を更に含む、[1]~[5]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[7]上記非磁性支持体上の磁性層側の部分に、上記窒素含有ポリマー以外の窒素含有ポリマーを更に含む、[1]~[6]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[8]上記非磁性支持体と上記磁性層との間に、非磁性粉末を含む非磁性層を更に有する、[1]~[7]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[9]上記非磁性支持体の上記磁性層を有する表面側とは反対の表面側に、非磁性粉末を含むバックコート層を更に有する、[1]~[8]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[10]磁気テープである、[1]~[9]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[11]上記窒素含有ポリマーは、ポリアルキレンイミン系ポリマーであり、
上記フッ素含有基は、フッ化アルキル基およびパーフルオロポリエーテル基からなる群から選ばれる基を含み、
上記フッ化アルキル基は、炭素数1以上6以下のフッ化アルキル基であり、
上記接触角は、90°以上110°以下であり、
上記非磁性支持体上の磁性層側の部分に、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドからなる群から選ばれる脂肪酸系化合物の1種以上と、上記窒素含有ポリマー以外の窒素含有ポリマーと、を更に含み、
上記非磁性支持体と上記磁性層との間に、非磁性粉末を含む非磁性層を更に有し、
上記非磁性支持体の上記磁性層を有する表面側とは反対の表面側に、非磁性粉末を含むバックコート層を更に有し、かつ
磁気テープである、[1]~[10]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[12][10]または[11]に記載の磁気テープを含む磁気テープカートリッジ。
[13][1]~[11]のいずれかに記載の磁気記録媒体を含む磁気記録再生装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、磁性層表面が適度な摩耗性を示すことができ、繰り返し走行後にも低摩擦係数を示すことができ、かつ繰り返し走行前後での磁性層の表面形状の変化が少ない磁気記録媒体を提供することができる。また、本発明の一態様によれば、上記磁気記録媒体を含む磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[磁気記録媒体]
本発明の一態様は、非磁性支持体と、強磁性粉末を含む磁性層と、を有する磁気記録媒体に関する。上記磁気記録媒体は、非磁性支持体上の磁性層側の部分に窒素含有ポリマーを含み、上記窒素含有ポリマーは、フッ素含有基およびポリエステル鎖を含み、上記フッ素含有基は、上記窒素含有ポリマーの窒素原子と結合し、上記ポリエステル鎖は、上記窒素含有ポリマーの窒素原子と結合し、または、上記窒素含有ポリマーの窒素原子と塩架橋構造を形成し、かつヘキサン洗浄後に上記磁性層の表面において測定される水に対する接触角(以下、「ヘキサン洗浄後接触角」とも記載する。)は90°以上である。
【0010】
本発明および本明細書において、「非磁性支持体上の磁性層側の部分」とは、非磁性支持体上に直接磁性層を有する磁気記録媒体については磁性層であり、非磁性支持体と磁性層との間に後述する非磁性層を有する磁気記録媒体については、磁性層および/または非磁性層である。「非磁性支持体上の磁性層側の部分」を、単に「磁性層側の部分」とも記載する。ある成分が磁気記録媒体の磁性層側の表面上に存在していることも、その成分が磁性層側の部分に含まれることに包含される。
(【0011】以降は省略されています)

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