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公開番号2024153446
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-29
出願番号2023067348
出願日2023-04-17
発明の名称水処理方法及び水処理装置
出願人オルガノ株式会社
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類C02F 3/34 20230101AFI20241022BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】アンモニア態窒素が溶存された被処理水を生物処理する際に、適切な量の栄養剤を供給することが可能な水処理方法を提供する。
【解決手段】水処理方法は、硝化槽10aにおいて、アンモニア態窒素が溶存された被処理水を生物処理する生物処理工程と、硝化槽10aに栄養剤を供給する栄養剤供給工程と、硝化槽10aに流入する前記被処理水の流量を測定する流量測定工程と、硝化槽10aに流入する前記被処理水の一部をサンプル液として測定槽24に流入させ、アルカリ性条件下で、前記サンプル液に溶存しているアンモニア態窒素をアンモニアガスとして測定槽24の気相部に移行させて、アンモニアガス濃度を測定する測定工程と、前記アンモニアガス濃度から推定される被処理水中のアンモニア態窒素濃度と、前記被処理水の流量とに基づいて、前記栄養剤の供給量を制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
生物処理槽において、アンモニア態窒素が溶存された被処理水を生物処理する生物処理工程と、
前記生物処理槽に栄養剤を供給する栄養剤供給工程と、
前記生物処理槽に流入する前記被処理水の流量を測定する流量測定工程と、
前記生物処理槽に流入する前記被処理水の一部をサンプル液として測定槽に流入させ、アルカリ性条件下で、前記サンプル液に溶存しているアンモニア態窒素をアンモニアガスとして前記測定槽の気相部に移行させて、アンモニアガス濃度を測定する測定工程と、
前記アンモニアガス濃度から推定される被処理水中のアンモニア態窒素濃度と、前記被処理水の流量とに基づいて、前記栄養剤の供給量を制御する制御工程と、を有することを特徴とする水処理方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記測定槽の水理学的滞留時間は、前記生物処理槽の水理学的滞留時間の1/4以下であることを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
【請求項3】
前記栄養剤は、リン源、微量金属、水素供与体のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理方法。
【請求項4】
前記測定槽に酸剤を供給して、前記測定槽内を洗浄する酸剤供給工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理方法。
【請求項5】
アンモニア態窒素が溶存された被処理水を生物処理する生物処理槽と、
前記生物処理槽に栄養剤を供給する栄養剤供給装置と、
測定槽を有し、前記生物処理槽に流入する前記被処理水の一部をサンプル液として前記測定槽に流入させ、アルカリ性条件下で、前記サンプル液に溶存しているアンモニア態窒素をアンモニアガスとして前記測定槽の気相部に移行させて、アンモニアガス濃度を測定する測定装置と、
前記アンモニアガス濃度から推定される被処理水中のアンモニア態窒素濃度と、前記被処理水の流量とに基づいて、前記栄養剤の供給量を制御する制御装置と、を有することを特徴とする水処理装置。
【請求項6】
前記測定槽の水理学的滞留時間は、前記生物処理槽の水理学的滞留時間の1/4以下であることを特徴とする請求項5に記載の水処理装置。
【請求項7】
前記栄養剤は、リン源、微量金属、水素供与体のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の水処理装置。
【請求項8】
前記測定槽に酸剤を供給して、前記測定槽内を洗浄する酸剤供給装置を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の水処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、アンモニア態窒素が溶存された被処理水を処理する水処理方法及び水処理装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
公共水域にアンモニア態窒素が溶存された排水が流入すると富栄養化を引き起こすため、アンモニア態窒素は生物学的処理によって除去されている。硝化脱窒処理では、好気条件において硝化菌がアンモニア態窒素を亜硝酸態窒素または硝酸態窒素態へ酸化し、無酸素条件において脱窒菌が水素供与体存在下で亜硝酸態窒素、硝酸態窒素を窒素ガスへ還元する。これら2つの微生物反応を化学式で表すと、例えば、以下のようになる。
硝化:NH

+ 2O

→ NO


+ 2H

+ H

O …(式1)
脱窒:NO


+ 2H

→ 0.5N

+ 2OH

+ H

O …(式2)
【0003】
アンモニア態窒素が溶存された被処理水に対して、安定な生物処理を行うには、水温、pHなどの環境条件を整えることも重要であるが、被処理水中のアンモニア態窒素濃度に応じて、栄養剤(例えば、リン源、微量金属、水素供与体)の濃度を一定以上に保つことも重量である。生活排水が流入する公共下水と比較すると、産業排水では栄養剤が不足しやすい。特に、化学工場や半導体製造工場から排出されるアンモニア態窒素含有排水では、栄養剤を添加しないと十分に窒素が処理されないことがある。また、栄養剤が過剰に添加されると、処理水への栄養剤のリークや、処理コストの増大といった、水質的、経済的な問題が懸念される。
【0004】
リン源、微量金属、水素供与体といった栄養剤の添加量は、例えば、被処理水流量、被処理水中に溶存するアンモニア態窒素濃度をオンライン測定することで最適化できる。被処理水流量は流量センサを用いて簡便にオンライン測定できる。一方、溶存アンモニア態窒素濃度を測定する従来方法としては、インドフェノール青吸光光度法、中和滴定法、イオンクロマトグラフ法などが用いられてきた。これらの方法は人手によってサンプリングおよび分析を行わなければならず、連続的なアンモニア態窒素濃度の測定が不可能である。オンライン測定方法には、隔膜電極を用いたアンモニアセンサーが実用されている。ただし、電極部は溶液に浸漬するため、電極部に付着する汚れを人手が定期的に洗浄しなければならない。電量滴定法でもオンライン測定が可能だが、ろ過処理によって被処理水のSS成分等を除去しなければならず、人手によるろ過装置の交換が必要である。また、測定に用いる電解液のランニングコストが高いという欠点がある。したがって、保守管理が容易かつランニングコストが安価な溶存アンモニア態窒素濃度のオンライン測定方法が求められている。
【0005】
一般的に、非接液センサは汚れの影響が少なく、測定に伴うコストが低い。溶存アンモニア態窒素濃度を非接液で測定する方法として、例えば、特許文献1には、硝化脱窒工程で発生したN

ガスを検出する方法が提案されている。また、例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7には、採取したサンプル水をアルカリ条件で保持し、発生するNH

ガスをNH

ガスセンサーで測定する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平9-43226号公報
特開昭55-7667号公報
特開昭57-196147号公報
特開昭63-165751号公報
特開平3-61856号公報
特開平8-299988号公報
特開2022-37285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、アンモニア態窒素が溶存された被処理水を安定に生物処理するには、被処理水中に溶存するアンモニア態窒素濃度に応じて、栄養剤の濃度を一定以上に保つことが重要である。しかし、従来には溶存アンモニア態窒素濃度を測定する簡便な方法がないため、被処理水中のアンモニア態窒素の濃度を速やかに把握して、適切な量の栄養剤を供給することが困難となっている。
【0008】
そこで、本開示の目的は、アンモニア態窒素が溶存された被処理水を生物処理する際に、適切な量の栄養剤を供給することが可能な水処理方法及び水処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施形態に係る水処理方法は、生物処理槽において、アンモニア態窒素が溶存された被処理水を生物処理する生物処理工程と、前記生物処理槽に栄養剤を供給する栄養剤供給工程と、前記生物処理槽に流入する前記被処理水の流量を測定する流量測定工程と、前記生物処理槽に流入する前記被処理水の一部をサンプル液として測定槽に流入させ、アルカリ性条件下で、前記サンプル液に溶存しているアンモニア態窒素をアンモニアガスとして前記測定槽の気相部に移行させて、アンモニアガス濃度を測定する測定工程と、前記アンモニアガス濃度から推定される被処理水中のアンモニア態窒素濃度と、前記被処理水の流量とに基づいて、前記栄養剤の供給量を制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、前記水処理方法において、前記測定槽の水理学的滞留時間は、前記生物処理槽の水理学的滞留時間の1/4以下であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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