TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2024151508
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023064889
出願日
2023-04-12
発明の名称
極低温冷却装置及び極低温冷却装置の流量測定方法
出願人
株式会社東芝
,
東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人
弁理士法人東京国際特許事務所
主分類
F25B
9/00 20060101AFI20241018BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約
【課題】極低温冷却装置の大型化及びガス冷媒配管の圧力損失の増大を招くことなく、安価な熱式流量計によりガス冷媒の流量を測定できること。
【解決手段】超電導コイルを収納する第1真空容器と、冷却源を収納する第2真空容器と、冷却源にて冷却されたガス冷媒を超電導コイルへ導いて循環させるガス冷媒配管14を備えたガス循環手段と、第1真空容器と第2真空容器を接続してガス冷媒配管を収容する断熱配管とを有し、ガス冷媒配管を含む断熱配管の一部に、撓み変形可能な可撓部20が設けられた極低温冷却装置において、ガス冷媒配管内のガス冷媒の流量を測定する熱式流量計30が、上流側温度計27、下流側温度計28及び流量計ヒータ29を有して成り、上流側温度計と下流側温度計が可撓部内で且つ可撓部の両端に対応するガス冷媒配管の外面に設けられ、流量計ヒータが、可撓部内におけるガス冷媒配管の外面で且つ上流側温度計の下流側近傍に設けられる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
被冷却物を収納する第1真空容器と、
前記被冷却物を極低温に冷却可能な冷却源を収納する第2真空容器と、
前記冷却源にて冷却されたガス冷媒を前記被冷却物へ導いて循環させるガス冷媒配管を備えたガス循環手段と、
前記第1真空容器と前記第2真空容器に接続されて前記ガス冷媒配管を収容する断熱配管と、を有し、
前記ガス冷媒配管を含む前記断熱配管の一部に、撓み変形可能な可撓部が設けられた極低温冷却装置において、
前記ガス冷媒配管を流れるガス冷媒の流量を測定する熱式流量計が上流側温度計測手段、下流側温度計測手段及びヒータを有して構成され、
前記上流側温度計測手段と前記下流側温度計測手段が、前記可撓部内で且つこの可撓部の両端に対応する前記ガス冷媒配管の外面にそれぞれ設けられ、
前記ヒータが、前記可撓部内における前記ガス冷媒配管の外面で且つ前記上流側温度計測手段におけるガス冷媒の流れの下流側近傍に設けられたことを特徴とする極低温冷却装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記熱式流量計は、上流側温度計測手段と下流側温度計測手段により計測されたガス冷媒の温度差と、ヒータによるガス冷媒への入熱量とに基づいて、前記入熱量を一定に制御して前記温度差からガス冷媒の流量を測定し、または前記温度差が一定になるように前記入熱量を制御してこの入熱量からガス冷媒の流量を測定するよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
【請求項3】
前記可撓部の両端の長さは、ヒータによるガス冷媒配管内への入熱によりこのガス冷媒配管内でガス冷媒の温度が均一になる温度助走区間よりも長く設定されたことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
【請求項4】
前記ガス冷媒配管は、可撓部を構成する一部が、前記可撓部内の他の一部である直管部に比べて外径の大きなコルゲート管部として形成され、前記可撓部の両端付近に位置する前記コルゲート管の両端と、このコルゲート管の両端に接続される前記直管部との間に段差が設けられ、
熱式流量計の上流側温度計測手段と下流側温度計測手段は、前記可撓部内における前記直管部の外面で且つ前記コルゲート管部の両端側の前記段差に対応する部位にそれぞれ設けられ、
前記熱式流量計のヒータは、前記可撓部内で前記上流側温度計測手段が設けられた前記直管部の外面における前記段差に対応する部位で且つ前記上流側温度計測手段におけるガス冷媒の流れの下流側近傍に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
【請求項5】
前記冷却源が液体水素、液体ヘリウム、液体ネオン、液体窒素、液体アルゴン、液化天然ガスのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
【請求項6】
前記冷却源が極低温冷凍機であることを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
【請求項7】
前記ガス循環手段が、低温ファンを備えたことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
【請求項8】
前記ガス循環手段が、室温に設置された圧縮機を備え、この圧縮機と冷却源との間に熱交換器が、第2真空容器に収納されて配置されたことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
【請求項9】
前記ヒータは、ガス冷媒配管の外面に密着して設けられたリング状の金属製のブロックに設置されたことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
【請求項10】
前記ヒータは、可撓部内における前記可撓部の両端に対応するガス冷媒配管の外面で且つ上流側温度計測手段と下流側温度計測手段の間にそれぞれに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ガス冷媒配管を流れるガス冷媒の流量を測定する流量計を備えた極低温冷却装置、及び極低温冷却装置の流量測定方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
一般に、超電導コイルは、液体ヘリウム等の寒剤や極低温冷凍機等の冷却源により極低温に冷却されて使用される。ここで、超電導コイルと冷却源との間で伝熱する方式としては、伝導冷却方式と冷媒循環方式がある。このうちの冷媒循環方式には、液体冷媒を循環させる方法とガス冷媒を循環させる方法がある。液体冷媒を用いる方式は、冷却温度が液体冷媒の沸点に制限されるが、ガス循環方式では冷凍機によって冷却温度を自由に変えられるため、使用温度によってはガス循環方式を用いることが合理的であると考えられる。
【0003】
ガス循環方式は、冷凍機により冷却されたガス冷媒を、圧縮機やファンを用いて超電導コイルへ送り、この超電導コイルを冷却した後に、戻りのガス冷媒を再度冷凍機で冷却して循環させる方式である。このガス循環方式の長所は、冷凍機と超電導コイルとの温度差が両者間の距離に依存しないことである。これは、温度差が距離に比例する伝導冷却方式とは対照的で、距離が離れている場合にはガス循環方式が有利になる。
【0004】
ガス循環方式では、超電導コイルからの熱をガス冷媒が受熱するときにガス温度が上昇するため、ガス出口温度T
out
はガス入口温度T
in
よりも高くなる。このとき、伝熱量Qと温度差(T
out
-T
in
)には式(1)の関係がある。但し、mはガス冷媒の流量、Cはガス冷媒の比熱である。
Q=mC(T
out
-T
in
) ・・・(1)
【0005】
一方、超電導コイルでは、超電導状態を維持するために、超電導コイルのコイル温度を臨界温度以下に維持する必要がある。このコイル温度はガス出口温度T
out
と略等しくなるため、コイル温度を低くするためには、ガス出口温度T
out
を下げることが重要になる。また、式(1)から伝熱量Qが同一の場合には、ガス出口温度T
out
とガス入口温度T
in
との温度差(T
out
-T
in
)は流量mに反比例するため、ガス循環方式の冷却系の制御では流量が重要になる。
【0006】
流量を測定する方法としては、渦式、コリオリ式、熱式等が知られている。渦式やコリオリ式のような極低温用の流量計は高価であると共に熱侵入源にもなるため、中小型の極低温機器では通常使用されない。これに対し、熱式流量計の一種であるトーマスガスメータ方式は、構成がシンプルで比較的安価に製作できる。また、この熱式流量計では、可動部が無いことから極低温での測定に向いている。極低温ではグリース等が凍結するため使えず、機械稼働部分があると故障する確率が高くなるからである。
【0007】
トーマスガスメータ方式の熱式流量計は、ガス冷媒をヒータ部で加熱し、ヒータ部の前後の温度差(T
out
-T
in
)から式(1)を用いて流量mを求める。構成としては、図5(A)の熱式流量計100に示すように、ヒータ部101とその前後の2つの温度計102、103のみのシンプルな構成である。しかしながら、ガス冷媒配管104内にヒータ部101及び温度計102、103を組み込むことは、極低温機器ではガス冷媒配管104から、超電導コイルを収納する真空容器へのガスリークのリスクがある。ガスリークが発生すると真空断熱性能が劣化し、熱侵入量が増加する。
【0008】
このため、図5(B)に示す熱式流量計105のように、ガス冷媒配管104の外面に温度計102、103とヒータ部101を取り付ける構成が実用的である。この場合、図5(B)に示すように温度境界層が十分に発達し、ガス冷媒配管104の内部でガス冷媒の温度が十分に均一になる必要がある。そのためには、ヒータ部101と下流側の温度計103との距離を温度助走区間L
T
よりも大きく設定する必要がある。この温度助走区間L
T
は式(2)で計算される。但し、Dは配管直径、Reはレイノルズ数である。
L
T
=4.4D(Re)
1/6
・・・(2)
【0009】
従って、熱式流量計105が長くなって、極低温冷却装置が大型化することと、熱式流量計105の圧力損失が大きくなる課題がある。圧力損失が大きくなると流せるガス冷媒の流量が減少して、ガス出口温度T
out
が高くなってしまい、超電導コイルは温度が上昇し、最悪の場合にはクエンチに至る恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2006-284213号公報
特開平11-63697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社東芝
台車
1か月前
株式会社東芝
センサ
15日前
株式会社東芝
固定子
1か月前
株式会社東芝
センサ
22日前
株式会社東芝
搬送装置
1か月前
株式会社東芝
除去装置
2か月前
株式会社東芝
回転電機
1か月前
株式会社東芝
開閉装置
29日前
株式会社東芝
計画装置
1か月前
株式会社東芝
光スイッチ
15日前
株式会社東芝
遠心送風機
10日前
株式会社東芝
光デバイス
1か月前
株式会社東芝
直流遮断器
1か月前
株式会社東芝
真空バルブ
2か月前
株式会社東芝
駅務システム
1か月前
株式会社東芝
電力変換装置
1か月前
株式会社東芝
電力変換装置
29日前
株式会社東芝
対策提示装置
8日前
株式会社東芝
合成ユニット
2か月前
株式会社東芝
駆動システム
1か月前
株式会社東芝
蓋の開閉装置
17日前
株式会社東芝
電動機制御装置
1か月前
株式会社東芝
潤滑油供給装置
29日前
株式会社東芝
有価物回収方法
29日前
株式会社東芝
靴用絶縁カバー
2か月前
株式会社東芝
紙葉類処理装置
9日前
株式会社東芝
電子計算機装置
8日前
株式会社東芝
開閉器駆動装置
2か月前
株式会社東芝
電気車制御装置
29日前
株式会社東芝
オゾン発生装置
1か月前
株式会社東芝
磁気ディスク装置
15日前
株式会社東芝
積雪検出システム
1か月前
株式会社東芝
液体の貯蔵タンク
1か月前
株式会社東芝
埋込磁石型モータ
2か月前
株式会社東芝
画像取得システム
29日前
株式会社東芝
ガス絶縁開閉装置
1か月前
続きを見る
他の特許を見る