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公開番号2024168882
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085912
出願日2023-05-25
発明の名称有価物回収方法
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人サクラ国際特許事務所
主分類C25C 1/20 20060101AFI20241128BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】有価物を効率的に回収する。
【解決手段】有価物回収方法は、電気化学デバイスから有価物を回収する方法である。電気化学デバイスは、貴金属の酸化物からなる触媒を有する。方法は、酸化物を還元する工程と、貴金属と錯体を形成できるイオン種および化学種からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む溶液を供給し、触媒を有する対象物に溶液を接触させる工程と、溶液に接触する対象物に電圧を印加し、電圧の極性を周期的に反転させて電解反応を行うことにより、還元された貴金属をイオンとして溶液に溶解させる工程と、を具備する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電気化学デバイスから有価物を回収する方法であって、
前記電気化学デバイスは、貴金属の酸化物からなる触媒を有し、
前記方法は、
前記酸化物を還元する工程と、
前記貴金属と錯体を形成できるイオン種および化学種からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む溶液を供給し、前記触媒を有する対象物に前記溶液を接触させる工程と、
前記溶液に接触する前記対象物に電圧を印加し、前記電圧の極性を周期的に反転させて電解反応を行うことにより、還元された前記貴金属をイオンとして前記溶液に溶解させる工程と、
を具備する、有価物回収方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記酸化物を還元する工程は、
還元剤を含む溶液を供給して前記対象物に前記還元剤を接触させる第1の方法、
還元性ガスを供給して前記対象物に前記還元性ガスを接触させる第2の方法、または、
電解液を前記対象物に接触させ、前記対象物に電圧を印加し、前記電圧の極性を反転することなく電解反応を行う第3の方法
により行われる、請求項1に記載の有価物回収方法。
【請求項3】
電気化学デバイスから有価物を回収する方法であって、
前記電気化学デバイスは、貴金属の酸化物からなる触媒を有し、
前記方法は、
前記貴金属と錯体を形成できるイオン種および化学種からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む溶液を供給し、前記触媒を有する対象物に前記溶液を接触させる工程と、
前記溶液に接触する前記対象物に電圧を印加し、前記電圧の極性を周期的に反転させて電解反応を行うことにより、前記酸化物を還元するとともに還元された前記貴金属をイオンとして前記溶液に溶解させる工程と、
を具備し、
前記貴金属を溶解させる工程は、前記電圧の極性を負から開始することにより行われ、
各周期において、前記電圧の極性が負である時間は、前記電圧の極性が正である時間よりも長い、有価物回収方法。
【請求項4】
前記溶液を前記対象物に供給する工程および前記貴金属を溶解させる工程は、前記電気化学デバイスから前記対象物を取り外し、取り外した前記対象物を有価物回収装置に取り付けた後に行われる、請求項1または請求項3に記載の有価物回収方法。
【請求項5】
前記溶液を供給する工程の前に前記酸化物を還元する工程を有しない、請求項3に記載の有価物回収方法。
【請求項6】
前記対象物は、酸化物触媒を有する電極である、請求項1または請求項3に記載の有価物回収方法。
【請求項7】
前記電気化学デバイスは、PEM型水電解装置である、請求項1または請求項3に記載の有価物回収方法。
【請求項8】
前記触媒は、電解質または溶質の電解反応を促す、請求項1または請求項3に記載の有価物回収方法。
【請求項9】
前記貴金属の酸化物は、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化白金、酸化金、および酸化レニウムからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む酸化物である、請求項1または請求項3に記載の有価物回収方法。
【請求項10】
前記溶液は、塩酸を含む、請求項1または請求項3に記載の有価物回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、有価物回収方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
世界的なカーボンニュートラル社会への移行が進むにつれ、化石エネルギーの代替として水素が着目されつつある。現在考えられている水素利用方法の一つとして、水素と酸素を電気化学的に反応させ電気エネルギーを得る燃料電池がある。燃料電池のうち、電解質に固体高分子膜を用い且つ100℃以下の温度で運転させる固体高分子形燃料電池(PEFC)は、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(商品名:エネファーム(登録商標))として2009年に発売が開始されている。また、PEFCは、燃料電池自動車(FCV)やフォークリフトやバス、トラックといった移動体にも搭載され始めており、PEFCの需要は今後さらに増加することが見込まれる。
【0003】
これと同時に、PEFCで使用する多量の水素を水の電気分解で製造する技術開発も行われている。この水電解には種々の方法があるが、数百度の水蒸気を原料とする高温水蒸気電解と、室温付近で運転する固体高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrane:PEM)型水電解が主に開発されている。PEM型水電解装置は、高温運転が不要であることや、水電解装置の構成がPEFCに似ているためセル開発が進めやすい、といった特徴があり、世界各国でメガワット規模のPEM型水電解装置が導入されている。
【0004】
PEM型水電解装置は、PEFCと同様の部品で構成されており、電解質膜、電極触媒、ガス拡散層(GDL)から構成される膜電極接合体(MEA)で水の電気分解反応が進行する。電気分解反応時のエネルギーを削減する目的で、電極触媒には通常、水素発生反応、酸素発生反応が起きやすい貴金属元素が用いられる。現在、水素発生反応が起きるカソードは白金を用いて形成され、酸素発生反応が起きるアノードはイリジウムを含む触媒が用いて形成されている。
【0005】
水素社会化にとってカーボンニュートラル社会を実現するためには、PEFCやPEM型水電解装置の導入が必然的に増えることとなり、これら機器に用いられる貴金属元素等の有価物の確保が必須となる。貴金属元素の確保手段としては、新たな鉱山の開発、採掘技術の開発、リサイクル技術の開発が挙げられる。しかし、我が国は、白金、ルテニウム、イリジウム等の貴金属元素の大部分を海外に依存して確保しており、鉱山開発や採掘技術開発だけでは、紛争や資源争奪といった状況には対応できない。このため、既に世の中に出回った機器から貴金属元素を回収する技術開発が重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第1626036号公報
特許第6652518号公報
特許第6652454号公報
特許第6109769号公報
特開昭63-270421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、有価物を効率的に回収することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の有価物回収方法は、電気化学デバイスから有価物を回収する方法である。電気化学デバイスは、貴金属の酸化物からなる触媒を有する。方法は、酸化物を還元する工程と、貴金属と錯体を形成できるイオン種および化学種からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む溶液を供給し、触媒を有する対象物に溶液を接触させる工程と、溶液に接触する対象物に電圧を印加し、電圧の極性を周期的に反転させて電解反応を行うことにより、還元された貴金属をイオンとして溶液に溶解させる工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る有価物回収方法によれば、有価物を効率的に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
有価物回収方法の第1の例を説明するためのフローチャートである。
有価物を回収する対象物の例を示す模式図である。
有価物回収方法の第1の例の変形例を説明するためのフローチャートである。
電解溶解工程S3の第1の例を説明するためのフローチャートである。
電解溶解工程S3の第2の例を説明するためのフローチャートである。
貴金属回収方法の原理の例を説明するための模式図である。
実施形態の有価物回収方法の原理を説明するための模式図である。
式(1)~式(3)についての25~100℃での標準反応自由エネルギーを示す図である。
式(4)、式(5)についての25~100℃での標準反応自由エネルギーを示す図である。
有価物回収方法の第2の例を説明するためのフローチャートである。
有価物回収方法の第2の例の原理を説明するための模式図である。
MEAを有する電気化学デバイスの構成例を示す模式図である。
有価物回収装置の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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