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公開番号
2024149132
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023062826
出願日
2023-04-07
発明の名称
スイッチトキャパシタアンプ及び電池監視装置
出願人
株式会社デンソー
代理人
弁理士法人サトー
主分類
H03F
3/70 20060101AFI20241010BHJP(基本電子回路)
要約
【課題】テレスコピック型の全差動アンプを用いてコモンモードノイズによる出力誤差を大幅に低減し高CMRR化できるようにしたスイッチトキャパシタアンプ及び電池監視装置を提供する。
【解決手段】 テレスコピック型の全差動アンプ14bは、入力トランジスタM1-M2を含む入力部20を備える。バイアス生成部21はバイアスVbn1を生成する。カスコード部22は、全差動アンプ14bの入力部20にカスコード接続されバイアスVbn1が印加される。バイアス生成部21はバイアスVbn1を入力トランジスタM1-M2のソース電位に依存するように生成する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
全差動増幅回路(14)を備えたスイッチトキャパシタアンプであって、
入力トランジスタ(M1、M2)を含む入力部(20)を備えたテレスコピック型の全差動アンプ(14b)と、
バイアス(Vbn1)を生成するバイアス生成部(21)と、
前記全差動アンプの入力部にカスコード接続され前記バイアスが印加されるカスコード部(22)と、
前記バイアス生成部は、前記カスコード部に印加する前記バイアスを前記入力トランジスタのソース電位に依存するように生成するスイッチトキャパシタアンプ。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記全差動アンプの入力部の入力側にはチョップスイッチ(12a~12d)をさらに備える請求項1記載のスイッチトキャパシタアンプ。
【請求項3】
前記全差動アンプの入力部の入力側にはリーク電流をキャンセルするリークキャンセル回路(5)を接続して構成される請求項2記載のスイッチトキャパシタアンプ。
【請求項4】
前記リークキャンセル回路は、
デジタル指令値を入力して指令電圧を差動出力するDA変換器(6)と、
前記DA変換器の差動出力を入力するシングルエンド構成の2つのバッファ(7a、7b)と、
前記2つのバッファの出力を切替えてキャパシタ(C8a、C8b、C9a、C9b)に充放電して出力するスイッチ(S8a~S8d、S8aa~S8da、S9a~S9d、S9aa~S9da)と、
を備える請求項3記載のスイッチトキャパシタアンプ。
【請求項5】
前記チョップスイッチを切り替えることでキャパシタ(C11、C12)にサンプリングするサンプル期間、前記キャパシタの保持電圧を前記全差動アンプの差動入力端子に入力させるホールド期間を切り替えて電荷を印加する構成であり、
前記リークキャンセル回路は、
前記サンプル期間及び前記ホールド期間の何れの期間でもリークキャンセルするように電荷を印加する請求項4記載のスイッチトキャパシタアンプ。
【請求項6】
電池セル(4a、4b)を組み合わせた組電池(4)の状態の監視に用いられる電池監視装置(1)であって、
請求項1又は請求項5記載のスイッチトキャパシタアンプを前記組電池の電池セルの端子間電圧の電圧増幅に用いる電池監視装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチトキャパシタアンプ及び電池監視装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、出願人は特許文献1に示されるように電池監視デバイスを提案している。特許文献1記載の技術によれば、電圧検知デバイスが、RCフィルタ、マルチプレクサ、サンプリングキャパシタとフィードバックキャパシタを含んで構成された差動スイッチトキャパシタアンプ、及びAD変換器により構成されている。電池監視デバイスは、複数の電池電圧をマルチプレクサにより切替えて入力し、一組の差動スイッチトキャパシタアンプ及びAD変換器を用いて検出している。これにより、小型化/低電力化を図ることができる。電池電圧はノイズが大きいため、電池監視デバイスの入力部には、カットオフ周波数が低周波に設定されたRCフィルタが配置されている。
【0003】
スイッチトキャパシタの全差動増幅回路には、リークキャンセル回路が設けられるものがある。リークキャンセル回路は、スイッチトキャパシタアンプの動作時にサンプリング容量に流れるリーク電流とRCフィルタの抵抗値で決定される電圧ドロップによる誤差をキャンセルして電圧検出を高精度化するために設けられる。従来、リークキャンセル回路は、小型化を目的として全差動増幅回路の片側だけバッファアンプを備えている。このように、リークキャンセル回路が差動非対称となる構成の場合には、CMRRが悪化し精度が悪化する。CMRRはCommon Mode Rejection Ratio の略称である。全差動増幅回路の入力電圧にコモンモードノイズが重畳してしまい検出精度が悪化してしまう。例えば、電池監視用に用いる場合、コモンモードノイズが大きくこの問題が顕著となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許10429447号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的なフォールデッドカスコードアンプ、又は、二段アンプの構成を採用すると、入力コモンモードの許容範囲を広くできるものの消費電力が大きくなる。また、消費電力が比較的少ないテレスコピック型アンプを用いる場合には、入力トランジスタのインピーダンスミスマッチや、入力コモンモード電圧の変動により、バイアス状態が入力トランジスタの飽和領域から外れてしまい、線形性が悪化してしまうことが懸念されている。
【0006】
入力コモンモードノイズがアンプの入力コモンモード電圧の許容範囲を超えてしまうと、アンプのゲインが低下して誤差が大きくなる。特に、電池監視用途に適用するためにはコモンモードノイズが大きくなり問題が顕著となる。
【0007】
本発明の目的は、テレスコピック型の全差動アンプを用いてコモンモードノイズによる出力誤差を大幅に低減し高CMRR化できるようにしたスイッチトキャパシタアンプ及び電池監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、全差動増幅回路を備えたスイッチトキャパシタアンプを対象としている。テレスコピック型の全差動アンプは、入力トランジスタを含む入力部を備える。バイアス生成部はバイアスを生成する。カスコード部は、全差動アンプの入力部にカスコード接続されバイアスが印加される。バイアス生成部は、カスコード部に印加するバイアスを入力トランジスタのソース電位に依存するように生成する。このように構成することで、バイアス状態を入力トランジスタの飽和領域から外れることなく構成できるようになり線形性を良好に保つことができる。この結果、テレスコピック型の全差動アンプを用いてコモンモードノイズによる出力誤差を大幅に低減し高CMRR化できるようにした良好な特性を得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
一実施形態に係る電池監視装置を模式的に示す電気的構成図
一実施形態に係る全差動増幅回路の回路構成例
比較例を示す全差動増幅回路の回路構成例
一実施形態に係るリークキャンセル回路の電気的構成図その1
一実施形態に係るリークキャンセル回路の電気的構成図その2
一実施形態におけるサンプル/ホールド信号とリークキャンセル回路の動作状態を模式的に示す図
一実施形態のホールド期間におけるリークキャンセル時の電荷の流れを模式的に示す図
一実施形態のサンプル期間におけるリークキャンセル時の電荷の流れを模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示す電池監視装置1は、車両に搭載される組電池4などを監視するもので、例えばASICにより構成されている。組電池4は、リチウムイオン電池などの二次電池である複数個の電池セル4a、4b…が多段に直列接続されている。そのため、複数個の電池セル4a、4b…には、コモンモード電圧が重畳されている。
(【0011】以降は省略されています)
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