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公開番号2024145525
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057915
出願日2023-03-31
発明の名称心拍データ解析装置及びプログラム
出願人KDDI株式会社,東京都公立大学法人
代理人個人,個人
主分類A61B 5/352 20210101AFI20241004BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】心拍データを解析して効果的に帯域評価を行うことのできる心拍データ解析装置を提供する。
【解決手段】被験者の心拍データから算出されるRR間隔を順次読み込んで、心臓の拍動1拍分ごとに値が定まる中間関数を生成(11)し、直流成分を除去(12)して交流中間関数とする第1処理と、前記交流中間関数のサンプリング信号(13)に処理対象のウィンドウを設定(14)する第2処理と、前記ウィンドウ内のサンプリング信号に周波数解析を適用(16)してパワースペクトル密度を算出(17)する第3処理と、前記パワースペクトル密度のLF帯域とHF帯域のそれぞれでの加算値を自律神経指標として算出(18)する第4処理と、を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被験者の心拍データから算出されるRR間隔を順次読み込んで、心臓の拍動1拍分ごとに値が定まる中間関数を生成し、直流成分を除去して交流中間関数とする第1処理と、
前記交流中間関数のサンプリング信号に処理対象のウィンドウを設定する第2処理と、
前記ウィンドウ内のサンプリング信号に周波数解析を適用してパワースペクトル密度を算出する第3処理と、
前記パワースペクトル密度のLF帯域とHF帯域のそれぞれでの加算値を自律神経指標として算出する第4処理と、を実行し、
前記第2処理では、サンプリング信号の元となるRR間隔が等しい個数だけ連続した範囲のそれぞれを、拍動基底ウィンドウとして設定する、または、互いに等しい長さの時間基底ウィンドウを設定することを特徴とする心拍データ解析装置。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記第2処理では、サンプリング信号の元となるRR間隔が等しい個数だけ連続した範囲のそれぞれを、拍動基底ウィンドウとして設定することを特徴とする請求項1に記載の心拍データ解析装置。
【請求項3】
前記第3処理では、パワースペクトル密度を算出したうえで、対応するデータ長さで除算する等値化処理をさらに適用することを特徴とする請求項2に記載の心拍データ解析装置。
【請求項4】
前記第2処理では、互いに等しい長さの時間基底ウィンドウを設定することを特徴とする請求項1に記載の心拍データ解析装置。
【請求項5】
前記第2処理では、前記交流中間関数のサンプリング信号に加えて値がゼロとなるダミー信号も追加したものとして、処理対象のウィンドウを設定することを特徴とする請求項1に記載の心拍データ解析装置。
【請求項6】
コンピュータを請求項1ないし5のいずれかに記載の心拍データ解析装置として機能させることを特徴とするプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、心拍データ解析装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
自律神経系を評価する従来技術の例として、特許文献1では疲労を客観的に評価するための指標として自律神経活動量(ccvTP)を、LF値+HF値の総和を時間中の心拍数で補正したものとして利用している。具体的には、トータルパワー(TP)の平方根を,時間中(Window)の平均心拍数「平均(RR)」で除算することで式(PR1)のようにccvTPを算出する。TPは低周波成分LFと高周波成分HFの和「TP=LF+HF」として求める。この低周波/高周波成分LF,HFには式(PR2)~(PR4)を用いる。式(PR4)のC(t)はRR間隔の自己相関関数である。
【0003】
TIFF
2024145525000002.tif
58
142
【0004】
このLF,HFに関して、上記(PR2),(PR3)では自律神経と相関がある周波数帯についてLF:0.04-0.15Hz,HF:0.15-0.4Hzとの定義を利用しており、この定義は多くの論文で引用されている非特許文献1でも提唱されおり、一般的に広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-149262号公報
【非特許文献】
【0006】
Heart rate variability-Standards of measurement, physiological interpretation, and clinical use-European Heart Journal 1996
座位状態での心拍測定を用いたリアルタイムなストレス緩和システム、マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム 平成5年,7月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術ではこのように自律神経と相関があることから自律神経活動の推定指標として使える周波数帯LF,HFをリアルタイムで効果的に周波数解析したい際に発生する要望について考慮されていなかった。
【0008】
● 単位時間当たりの自律神経系のLF,HFの各周波数成分を定量的に比較したい。
すなわち、周波数解析を行うに際してFFT(高速フーリエ変換)の精度(分解能)の時間分解能と周波数分解能との間のトレードオフが制約として存在するが、当該制約された分解能のもとで、比較的狭い周波数帯LF,HFのそれぞれの帯域積分値を求めようとしても、ポイント数が不足して積分値の精度が確保できない(実際の周波数特性曲線の面積と、これの近似値としてのポイント毎の長方形面積の和と、の間の数値積分誤差が大きくなる)という問題がある。例えば非特許文献2では、周波数解析を行っているものの、このように比較的狭い周波数帯LF,HFに限定した帯域積分はそもそも行われておらず、帯域積分の精度を確保することが想定されていない。
【0009】
● 解析対象時間を極力短くしたい。
また、リアルタイムでの周波数解析の精度を確保するにはウィンドウサイズを小さくすることが望まれるが、従来技術はウィンドウサイズを比較的大きく設定しており、小さなウィンドウを扱うことが想定されていない。例えば非特許文献2では180秒の長さのウィンドウサイズを用いており、リアルタイムでの急激な自律神経活動の変化を捉えようとしても、比較的長い180秒のウィンドウでは急激な変化となるべき波形が鈍ってしまう。
【0010】
上記従来技術の課題に鑑み、本発明は、心拍データを解析して効果的に帯域評価を連続的に行うことのできる心拍データ解析装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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