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公開番号2024143557
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056295
出願日2023-03-30
発明の名称インクジェットインク
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人,個人
主分類C09D 11/322 20140101AFI20241003BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】印刷膜の平滑性を高める技術を提供
【解決手段】ここで開示されるインクジェットインクは、電子部品の製造に用いられるインクジェットインクである。インクジェットインクは、無機粉末と、バインダ樹脂と、分散剤と、有機溶剤と、を含む。ここで、有機溶剤は、20℃における蒸気圧P1が100Pa以下であり、表面張力が22mN/m以上31mN/m以下である第1の有機溶剤と、20℃における蒸気圧P2が前記蒸気圧P1よりも小さく、かつ、4Pa以下である第2の有機溶剤と、を含む。有機溶剤全体を100体積%としたときに、第2の有機溶剤の体積割合は、30体積%以下である。インクジェットインク全体を100体積%としたときの第2の有機溶剤の体積割合Vs2と、インクジェットインク全体を100体積%としたときの無機粉末の体積割合Vpとの比(Vs2/Vp)は、1.5以上である。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
電子部品の製造に用いられるインクジェットインクであって、
無機粉末と、
バインダ樹脂と、
分散剤と、
有機溶剤と、
を含み、
ここで、
前記有機溶剤は、
20℃における蒸気圧P

が100Pa以下であり、表面張力が22mN/m以上31mN/m以下である第1の有機溶剤と、
20℃における蒸気圧P

が前記蒸気圧P

よりも小さく、かつ、4Pa以下である第2の有機溶剤と、
を含み、
前記有機溶剤全体を100体積%としたときに、前記第2の有機溶剤の体積割合は、30体積%以下であり、
該インクジェットインク全体を100体積%としたときの前記第2の有機溶剤の体積割合Vs2と、該インクジェットインク全体を100体積%としたときの前記無機粉末の体積割合Vpとの比(Vs2/Vp)は、1.5以上である、インクジェットインク。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記無機粉末の平均粒子径が20nm以上200nm以下である、請求項1に記載のインクジェットインク。
【請求項3】
前記無機粉末は、セラミック粉末または金属粉末を含む、請求項1に記載のインクジェットインク。
【請求項4】
前記無機粉末は、チタン酸バリウム粉末またはニッケル粉末を含む、請求項1に記載のインクジェットインク。
【請求項5】
前記第1の有機溶剤は、エーテル類、エステル類、およびアルコール類のうちの少なくともいずれか一つによって構成されており、
前記第2の有機溶剤は、エーテル類、エステル類、および炭化水素化合物のうちの少なくともいずれか一つによって構成されている、請求項1に記載のインクジェットインク。
【請求項6】
前記第1の有機溶剤は、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、および脂肪族アルコールのうちの少なくともいずれか一つによって構成されており、
前記第2の有機溶剤は、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、芳香族エステル、および炭素数が20以下の直鎖アルカンのうちの少なくともいずれか一つによって構成されている、請求項1に記載のインクジェットインク。
【請求項7】
前記有機溶剤全体を100体積%としたときに、前記第2の有機溶剤を少なくとも10体積%含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のインクジェットインク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、インクジェットインクに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
模様や文字などの画像を印刷対象に描画する印刷方法の一つとして、従来からインクジェット印刷が用いられている。かかるインクジェット印刷は、精度の高い画像を低コストかつオンデマンドで印刷でき、印刷対象へのダメージも少ないため、種々の分野への応用が検討されている。近年では、電子部品の製造における導電回路パターン(配線、電極等)の形成に、インクジェット印刷を使用することが検討されている。
【0003】
かかる電子部品の製造では、例えば、金属粒子等を含む無機粉体が導電性材料として添加された導電性インクジェットインクが使用されることがある。かかる導電性インクジェットインクの一例として、銀や銀銅合金等のナノ金属パウダーを含むインクが特許文献1に開示されている。また、酸化銀、酸化銅、酸化パラジウム、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化コバルト等の金属酸化物微粒子を含むインクが特許文献2に開示されている。一般に、インクジェット印刷を適切に行うためには、導電性インクが低粘度であり、かつ、無機粉体の濃度が高いことが求められる。上述した特許文献1および特許文献2では、これらのインクジェット適性を得るための技術が提案されている。
【0004】
また、導電性インクジェットインクでは、印刷時の吐出性や印刷後の導電性等を確保するという観点から、無機粉体を安定的に分散させることも求められる。例えば、特許文献3では、酸点と塩基点とが表面に混在する固体微粒子(無機粉体)の分散性を高めるために、酸性吸着基または塩基性吸着基のいずれか一方のみを有する第一分散剤と、酸性吸着基と塩基性吸着基の両方を有する第二分散剤とを添加する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献4には、スペーサ粒子と有機溶剤を主成分とする溶剤とを含有し、インクジェット装置を用いて基板上の任意の位置に前記スペーサ粒子を配置する際に用いられるスペーサ粒子分散液が開示されている。このスペーサ粒子分散液は、表面張力が30~65mN/mであることを特徴としている。同公報には、かかる構成によって、スペーサ粒子分散液は、インクジェット装置を用いて液晶表示装置の基板上に吐出したスペーサ粒子分散液の液滴が濡れ広がることがなく、スペーサ粒子を基板上の任意の位置に選択的に配置することができるスペーサ粒子分散液、および、スペーサ分散液を用いてなる液晶表示装置を提供することができる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2008-513565号公報
特開2012-216425号公報
特開2015-62871号公報
特開2008-111985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、電子部品の中には、電極層および絶縁層に高い平滑性が求められる積層型製品(例えば、積層セラミックコンデンサ(MLCC)等)がある。かかる積層型の電子部品では、絶縁層にチタン酸バリウム等の強誘電体セラミック材料、電極層にパラジウムやニッケル等の金属材料が用いられる。電極層および絶縁層の製造工程では、まず、表面が平滑となるように処理を施したPETフィルム等のプラスチックフィルム上に、セラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法、スクリーン印刷法等によってセラミック層を形成する。その上に金属スラリー(ペースト)を用いて、例えばスクリーン印刷法によって金属層を形成する。次に、印刷物を全てPETフィルムから剥離して積層したのち、プレス・焼成して積層型の電子部品とする。
【0008】
本発明者は、上記の高い平滑性が求められる電子部品の絶縁層パターンおよび電極層パターンを、チタン酸バリウム粒子を主成分としたセラミックインクジェットインクと、ニッケル粒子を主成分とした導電性インクジェットインクとを用いて、交互にインクジェット印刷することによって積層部品を形成することを検討している。その目的は、MLCC製造において部品の小型・大容量化が進むなか、グリーンシートと導電性ペーストとの組合せでは難しかった、電極層と絶縁層とを共に薄層化することにある。
【0009】
セラミックインクジェットインクと導電性インクジェットインクとを用いて、十分な薄層化を行うためには、各層ごとの表面を平滑にすることで、上下層の金属層がショートしないことが必須となる。このことは、導電性インクジェットインクのみならず、セラミックインクジェットインクにも求められる。セラミック層および金属層を共に平滑化することによって、従来のスクリーン印刷法ではできなかった程度にまで小型化し、PETフィルムを剥離することなく生産できる高い生産性を実現することができる。
【0010】
ただし、チタン酸バリウムを主成分とするインクジェットインクとニッケルを主成分とするインクジェットインクとにおいては、加熱乾燥による有機溶剤の揮発時に、絶縁層および電極層の外周部への集積(いわゆるコーヒーリング現象)が起こりやすい。これによって外周部の厚みが内周部の厚みよりも大きくなると、層の平滑化が不十分となり金属層のショートが起こる可能性が生じる。
(【0011】以降は省略されています)

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