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公開番号
2024142576
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023054765
出願日
2023-03-30
発明の名称
中空シリカ粒子の分散液、及びその製造方法
出願人
日揮触媒化成株式会社
代理人
弁理士法人前田特許事務所
主分類
C01B
33/146 20060101AFI20241003BHJP(無機化学)
要約
【課題】粒子径が小さく、屈折率の低い、高純度な中空シリカ粒子の分散液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】この粒子は、珪素を含む外殻と、その内側に空洞を有する粒子であって、その平均粒子径が15~150nm、屈折率が1.08~1.35であって、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Ni、Ti、Zn、及びZrから選ばれる金属不純物の含有量の合計が、金属として、粒子に対して1000ppb以下である。この粒子を含む分散液をレジスト材に使用した場合、パターン形成時に高い現像性が実現できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
珪素を含む外殻と、その内側に空洞を有する粒子であって、
前記粒子の平均粒子径が15~150nm、屈折率が1.08~1.35であって、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Ni、Ti、Zn、及びZrから選ばれる金属不純物の含有量の合計が、金属として、前記粒子に対して1000ppb以下であることを特徴とする中空シリカ粒子の分散液。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記粒子のpH12.5のアルカリ水溶液中における前記金属不純物の溶出量の合計が、金属として、前記粒子に対して100ppb以下であることを特徴とする請求項1記載の分散液。
【請求項3】
前記粒子のpH12.5のアルカリ水溶液中におけるAlの溶出量が、金属として、前記粒子に対して1000ppb以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項4】
前記粒子のシアーズ測定法によって算出される粒子表面のシラノール基の数密度が0.5~2.5個/nm
2
であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項5】
前記粒子のヘリウムガスによる密度と窒素ガスによる密度との差が、0.2~1.4g/cm
3
であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項6】
前記粒子の水分散液のパルスNMR測定から求められる粒子の比表面積(A1)と、前記粒子の平均粒子径から求められる粒子の比表面積(A2)との比(A1/A2)が0.60以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項7】
前記粒子の
29
Si-NMR解析において、ケミカルシフトが-78~-120ppmに現れる珪素原子のQ
1
~Q
4
構造を表す各々のピークの面積の合計に対する、ケミカルシフトが-108~-120ppmに現れるQ
4
構造を表すピークの面積の割合が90%未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項8】
前記粒子が、アルキル基、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、メルカプト基、及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基と、
水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項9】
アルカリ水溶液を準備する第一工程と、
珪素を含む化合物の溶液と、アルカリ可溶の前記珪素以外の無機元素の化合物の水溶液とを、前記珪素の酸化物をSiO
2
と表し、前記無機元素の酸化物をMOxと表した時、添加終了時の反応液のモル比(MOx/SiO
2
)が0.2~15となるように、前記アルカリ水溶液中に同時に添加して、複合酸化物粒子aの分散液を調製する第二工程と、
次に、前記第二工程のモル比よりも小さいモル比(MOx/SiO
2
)で、珪素を含む化合物の溶液と、アルカリ可溶の前記珪素以外の無機元素の化合物の水溶液と、を添加して、平均粒子径が15~150nm、かつ、前記平均粒子径から前記複合酸化物粒子aの平均粒子径を減じて2で除した値が3~14nmとなる複合酸化物粒子bの分散液を調製する第三工程と、
次に、複合酸化物粒子bの分散液に酸を加え、前記複合酸化物粒子bを構成する珪素以外の元素の少なくとも一部を除去して、シリカ系粒子の分散液を調製する第四工程と、
次に、前記シリカ系粒子分散液から、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Ni、Ti、Zn、及びZrから選ばれる金属不純物を除去し、前記金属不純物の含有量の合計が、金属として、1000ppb以下のシリカ粒子の分散液を調製する第五工程と、
次に、前記シリカ粒子の分散液を、60~200℃まで加温し、その後50℃未満に降温する第六工程と、
を含む中空シリカ粒子の分散液の製造方法。
【請求項10】
前記第一工程のアルカリ水溶液が、両性酸化物となる元素を含む、請求項9記載の分散液の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空シリカ粒子の分散液、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子、プリント基板、液晶ディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル等の製造に用いられるフォトリソグラフィでは、基板上に感光性の物質を塗布し、パターン上に露光及び現像させることにより加工する技術が普及している。このフォトリソグラフィに使用される感光性材料(レジスト材)は、基板表面に、例えば、低屈折率膜(或いは高屈折率膜)や絶縁膜といった機能膜をパターン状に形成させる材料である。このため、高感度、高解像度、及び高透明性が要求される。このような機能膜は、レジスト材を用いて所望する形状にパターニングされながら形成される。このレジスト材は、樹脂成分と、重合開始剤、及び溶剤といった成分で構成される。
【0003】
これまで、膜の低屈折率化の手段として、中空シリカ粒子や、粒子内部が多孔質な低屈折率粒子を塗布液に使用することが知られている。例えば、特開2019-119848号公報(特許文献1)や特開2020-166156号公報(特許文献2)には、感光性樹脂組成物として、膜の屈折率を低くするために、粒子内に気体が包含されているシリカ粒子を使用することが示されている。また、特開2013-121911号公報(特許文献3)には、アルカリ金属酸化物の含有量がシリカ系微粒子当たり5ppm以下であるシリカ系中空粒子について記載されている。また、WO第2008/015943号(特許文献4)には、高純度なシリカ原料(アルコキシシラン)を用いることで、シリカゾル中の金属不純物の濃度が1ppm以下であるシリカ粒子分散液の製造方法が示されている。更に、特開2009-020520号公報(特許文献5)には、低誘電性、接着力、耐熱性等に優れた感光性樹脂組成物について記載され、有機シランで表面処理されたコロイド状ナノ粒子無機物の使用について示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-119848号公報
特開2020-166156号公報
特開2013-121911号公報
WO第2008/015943号
特開2009-020520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、回路の高密度化に伴い、パターン部のピッチ幅を数百nm~数μm程度に狭小化することが求められている。この狭小化のためには、パターン部の高い直線性、高い平滑性、及び基板上の残渣が少ないことが求められ、レジスト膜として、高い現像性を実現する必要がある。また、レジスト膜の低屈折率化の手段としては、空隙率の高い中空粒子、即ち、粒子径の大きい中空粒子を配合することが挙げられる。ところが、粒子径の大きい中空粒子を配合すると、パターン部の表面凹凸が大きくなるためシャープなパターンが得られ難い。ところで、このパターン部の表面凹凸を抑制するために粒子径の小さい中空粒子を配合すると、粒子径の大きい中空粒子に比べて、中空粒子の空隙率が低く屈折率が高いため、膜の屈折率の低下が不十分となる。このように、中空粒子の粒子径と空隙率との間には相関性がある。また、膜の低屈折率化を図って中空粒子の配合量を増加しても、粒子間に存在し得る樹脂成分が少ないことに起因して、表面凹凸が大きくなり、シャープなパターンが得られ難くなる。即ち、屈折率と表面凹凸とはトレードオフの関係にある。
【0006】
レジスト用途においては、レジスト膜の製造過程で混入する金属不純物が、基板や設備を汚染し、電気特性や加工形状に異常を発生させる問題がある。また、近年では、パターン部のピッチ幅の狭小化が進んでおり、これに伴い、レジスト材に求められる金属不純物の許容濃度は低くなっている。そのため、レジスト膜の低屈折率化を目的として配合される中空シリカ粒子についても、金属不純物をppbレベルで管理することが求められる。更に、現像の際に使用されるアルカリ溶液(アルカリ現像液)中での中空シリカ粒子の金属不純物の溶出量についても、ppbレベルでの管理が求められる。
【0007】
特許文献1や特許文献2、或いは特許文献3に記載の粒子をレジスト材に使用する場合は、屈折率の低い膜を得ることは期待できるが、金属不純物の含有量が多いため、基板や製造設備の汚染や、電気特性等の異常が発生する問題がある。また、粒子表面のシラノール基の数密度が低いため、アルカリ現像液との相溶性が低く、シャープなパターンを形成することが困難となる問題や、基板上に粒子に由来する残渣が生じる問題がある。特許文献4に記載の粒子を使用する場合は、粒子の屈折率が高いため、所望する膜の屈折率が得られない問題がある。更に、金属不純物の含有量が少ない原料は原料コストが高いため、製造コストが高くなる問題がある。更に、特許文献5に記載の粒子は、有機シランで表面処理されているため、レジスト膜中の分散性は高いものの、アルカリ現像液との相溶性は低く、シャープなパターンが形成することが困難となる問題や、基板上に粒子に由来する残渣が生じる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため、以下のような中空シリカ粒子の分散液を見出した。この中空シリカ粒子は、珪素を含む外殻と、その内側に空洞を有する。この粒子は、平均粒子径が15~150nm、屈折率が1.08~1.35である。この粒子に含まれる金属不純物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Ni、Ti、Zn、及びZrが挙げられる。粒子中の、これら金属不純物の含有量の合計は、金属として、1000ppb以下である。
【0009】
以下、この中空シリカ粒子を単に「粒子」或いは「分散液中の粒子」ということがある。
【0010】
この粒子は、屈折率が低く、金属不純物の含有量が少ない。この粒子をレジスト材に使用した場合、半導体の製造プロセスにおける汚染が少なく、優れた現像性を発揮する。
(【0011】以降は省略されています)
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