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公開番号2024141167
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052658
出願日2023-03-29
発明の名称ペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子およびその製造方法
出願人紀州技研工業株式会社
代理人個人
主分類H10K 30/50 20230101AFI20241003BHJP()
要約【課題】ペロブスカイト化合物による生産性の高い光電変換素子の製造方法の提供
【解決手段】ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物を単独又は2以上混合して構成されたハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物と、メチルメタクリレートまたはポリ(メチルメタクリレート)と、溶媒を含むペロブスカイト化合物溶液であって、ポリ(メチルメタクリレート)は、平均分子量15000以下であり、かつ、メチルメタクリレートまたはポリ(メチルメタクリレート)のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物に対する添加量がハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物1モル当たり0.05mgから1.00mgであるペロブスカイト化合物溶液でインクジェット印刷により形成した光電変換機能層の表面粗さ(Ra)は、0.2μm未満である。光電変換機能層は、ペロブスカイト溶液調製工程、インクジェット印刷工程、塗膜乾燥工程により形成される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)に示すハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物を単独又は2以上混合して構成されたハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物と、メチルメタクリレートまたはポリ(メチルメタクリレート)と、溶媒を含むペロブスカイト化合物溶液であって、
前記ポリ(メチルメタクリレート)は、平均分子量15000以下であり、かつ、前記メチルメタクリレートまたはポリ(メチルメタクリレート)の前記ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物に対する添加量が前記ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物1モル当たり0.05mgから1.00mgであることを特徴とするペロブスカイト化合物溶液。
[A][B][X]
3
(1)
ここで、[A]は、メチルアンモニウム(CH

NH


),ホルムアミジニウム(CH(NH
3

2

),R

(NH
3

2

;R

は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基から選択される有機カチオンまたは、Cs

,Rb

,K

若しくはNa

から選択される1以上の無機カチオンであり、
[B]は、Pb
2+
,Sn
2+
から選択される1以上の2価の無機カチオンであり、
[X]は、F

,Cl

,Br

,I

から選択されるハロゲン化物アニオンである。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
上記一般式(1)に示すハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物を構成する[A]において、有機カチオン構成比が0.95以上であることを特徴とする請求項1に記載するペロブスカイト化合物溶液。
【請求項3】
導電性基板間に、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物で構成される光電変換層を有する光電変換素子の光電変換機能層の製造方法であって、
前記光電変換機能層がペロブスカイト化合物溶液をインクジェット印刷方式により形成した塗膜であり、
前記ペロブスカイト化合物溶液が下記一般式(1)に示すハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物を単独又は2以上混合して構成されたハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物と、メチルメタクリレートまたはポリ(メチルメタクリレート)と、溶媒を含み、
前記ポリ(メチルメタクリレート)は、平均分子量15000以下であり、かつ、前記メチルメタクリレートまたはポリ(メチルメタクリレート)の前記ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物に対する添加量が前記ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物1モル当たり0.05mgから1.00mgであるであることを特徴とするハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物で構成される光電変換層を有する光電変換素子の光電変換機能層の製造方法。
[A][B][X]
3
(1)
ここで、[A]は、メチルアンモニウム(CH

NH


),ホルムアミジニウム(CH(NH
3

2

),R

(NH
3

2

;R

は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基から選択される有機カチオンまたは、Cs

,Rb

,K

若しくはNa

からから選択される1以上の無機カチオンであり、
[B]は、Pb
2+
,Sn
2+
から選択される1以上の2価の無機カチオンであり、
[X]は、F

,Cl

,Br

,I

から選択されるハロゲン化物アニオンである。
【請求項4】
前記インクジェット印刷方式により形成した塗膜のJIS0601-2001に準拠して計測された最大高さRaが0.2μm未満であることを特徴とする請求項3に記載するハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物で構成される光電変換層を有する光電変換素子の光電変換機能層の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、ペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子およびその製造方法に関し、特にペロブスカイト化合物を光電変換機能層とする光電変換素子において、光電変換機能層をインクジェット印刷により形成する方法およびインクジェット印刷に供するペロブスカイト溶液に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
持続可能な社会を実現するエネルギー源として、環境負荷が少なく低コストで製造可能な光電変換素子の実用化研究が広く行われている。特に、光電変換層を構成する光吸収材料としてペロブスカイト型結晶構造を有する有機無機混成ペロブスカイト化合物(以下、「ペロブスカイト化合物」という。)を用いた光電変換素子(PSC)が、比較的高い光電変換効率を達成できるとの研究成果が報告されて注目を集めている。
【0003】
ペロブスカイト化合物による光電変換層の形成方法としては、スピンコーティング法が採用されていが、連続生産や大規模生産に向かないという問題がある。このため、ドクターブレード法、グラビアコーティング法、インクジェット印刷法が採用されている(特許文献1)。特に、デジタルインクジェット印刷法は、連続生産や大規模生産に向くため、コスト効率の高いペロブスカイト薄膜を幅広い基板上に任意形状で塗膜形成できるため注目されている(非特許文献1)。
【0004】
インクジェット印刷法により光電変換層を塗膜形成することは開示されている(特許文献2,3)。しかしながら、インクジェット印刷法により塗膜形成したペロブスカイト化合物による光電変換機能層は、縞状塗膜であるため、その塗膜粗さが光電変換素子の光電変換効率に影響を及ぼすという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開2020/243287
特開2011-124467号公報
国際公開2019/045508
【非特許文献】
【0006】
Eggers, Helge, et al. "Inkjet-Printed Micrometer-Thick Perovskite Solar Cells with Large Columnar Grains." Advanced Energy Materials (2020), 10, 1903184.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は、インクジェット印刷法により塗膜形成したペロブスカイト化合物による光電変換機能層の塗膜粗さを低減するインクジェット印刷用ペロブスカイト化合物溶液を提供することにある。また、塗膜粗さの小さいペロブスカイト化合物による光電変換層を形成する方法を提供し、インクジェット印刷法による光電変換機能層を有する光電変換効率の高い光電変換素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、下記記載の(態様1)乃至(態様4)で実施できる。
【0009】
(態様1) 下記一般式(1)に示すハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物を単独又は2以上混合して構成されたハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物と、メチルメタクリレートまたはポリ(メチルメタクリレート)と、溶媒を含むペロブスカイト化合物溶液であって、
前記ポリ(メチルメタクリレート)は、平均分子量15000以下であり、かつ、前記メチルメタクリレートまたはポリ(メチルメタクリレート)の前記ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物に対する添加量が前記ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物1モル当たり0.05mgから1.00mgであることを特徴とするペロブスカイト化合物溶液である。
[A][B][X]
3
(1)
ここで、[A]は、メチルアンモニウム(CH

NH


),ホルムアミジニウム(CH(NH
3

2

),R

(NH
3

2

;R

は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基から選択される有機カチオンまたは、Cs

,Rb

,K

若しくはNa

から選択される1以上の無機カチオンであり、[B]は、Pb
2+
,Sn
2+
から選択される1以上の2価の無機カチオンであり、[X]は、F

,Cl

,Br

,I

から選択されるハロゲン化物アニオンである。
【0010】
(態様2) 上記一般式(1)に示すハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物を構成する[A]において、有機カチオン構成比が0.95以上であることを特徴とする態様1に記載するペロブスカイト化合物溶液である。
(【0011】以降は省略されています)

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