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公開番号2024136048
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047002
出願日2023-03-23
発明の名称キナクリドン固溶体顔料の製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09B 67/20 20060101AFI20240927BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】発色性に優れたキナクリドン固溶体顔料を製造することが可能なキナクリドン固溶体顔料の製造方法を提供する。
【解決手段】2種以上のキナクリドン顔料で構成されるキナクリドン固溶体顔料の製造方法である。このキナクリドン固溶体顔料の製造方法は、前記2種以上のキナクリドン顔料からキナクリドン固溶体粒子を得る第1の工程を含む。また、このキナクリドン固溶体顔料の製造方法は、前記キナクリドン固溶体粒子を加熱することによって、前記キナクリドン固溶体粒子の粒子径を大きくしてキナクリドン固溶体顔料を得る第2の工程を含む。そして、前記第2の工程において、前記キナクリドン固溶体粒子を、無機塩及び非プロトン性極性溶媒の存在下で加熱することを特徴とする。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
2種以上のキナクリドン顔料からキナクリドン固溶体粒子を得る第1の工程と、
前記キナクリドン固溶体粒子を加熱することによって、前記キナクリドン固溶体粒子の粒子径を大きくしてキナクリドン固溶体顔料を得る第2の工程と、を含み、
前記第2の工程において、前記キナクリドン固溶体粒子を、無機塩及び非プロトン性極性溶媒の存在下で加熱することを特徴とするキナクリドン固溶体顔料の製造方法。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記第2の工程は、前記キナクリドン固溶体粒子、前記無機塩、及び前記非プロトン性極性溶媒を含有する混合液を加熱することを含む請求項1に記載のキナクリドン固溶体顔料の製造方法。
【請求項3】
前記第2の工程における、前記混合液中の前記無機塩の含有量が、前記混合液の全質量を基準として、1200質量ppm以上である請求項2に記載のキナクリドン固溶体顔料の製造方法。
【請求項4】
前記第2の工程において、加熱された前記混合液の粘度が50000mPa・s以下である請求項2に記載のキナクリドン固溶体顔料の製造方法。
【請求項5】
前記第2の工程において、前記混合液の温度を50℃以上に加熱する請求項2に記載のキナクリドン固溶体顔料の製造方法。
【請求項6】
前記2種以上のキナクリドン顔料が、C.I.ピグメントバイオレット19及びC.I.ピグメントレッド122の組み合わせである請求項1に記載のキナクリドン固溶体顔料の製造方法。
【請求項7】
前記非プロトン性極性溶媒の沸点が120℃以上である請求項1に記載のキナクリドン固溶体顔料の製造方法。
【請求項8】
前記第1の工程は、ソルトミリング、又はソルベントソルトミリングによって、前記キナクリドン固溶体粒子を得る工程である請求項1に記載のキナクリドン固溶体顔料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、キナクリドン固溶体顔料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット記録装置により、一般家庭においても比較的容易かつ安価に、銀塩写真やオフセット印刷で実現されているような高精細で高発色性を有する画像を記録することが可能になってきている。また、記録物の発色向上のため、色材として使用できる顔料として、キナクリドン固溶体顔料の製造方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平11-049998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らの検討の結果、特許文献1で提案されたキナクリドン固溶体顔料を用いた場合であっても、発色性の高い記録物を得ることが困難であることが判明した。
【0005】
したがって、本発明の目的は、発色性に優れたキナクリドン固溶体顔料を製造することが可能なキナクリドン固溶体顔料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明によれば、2種以上のキナクリドン顔料からキナクリドン固溶体粒子を得る第1の工程と、前記キナクリドン固溶体粒子を加熱することによって、前記キナクリドン固溶体粒子の粒子径を大きくしてキナクリドン固溶体顔料を得る第2の工程と、を含み、前記第2の工程において、前記キナクリドン固溶体粒子を、無機塩及び非プロトン性極性溶媒の存在下で加熱することを特徴とするキナクリドン固溶体顔料の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発色性に優れたキナクリドン固溶体顔料を製造することが可能なキナクリドン固溶体顔料の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
インクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。
インクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、「粒子径」とは、動的光散乱法により測定される体積基準の粒度分布における累積50%粒子径(D
50
)のことを指す。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。さらに、樹脂に関する「ユニット」とは、樹脂を構成する最小の繰り返し単位のことで、一つの単量体の(共)重合により形成される構造のことを指す。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
【0010】
「固溶体」とは、複数の異なる分子が溶け合った混合状態で、均一の固相状態で存在する固体のことであり、複数の異なる化合物を単純に混ぜたものではない。キナクリドン顔料は固溶体化すると、単なる混合物の発色と比較して、発色がさらに向上する。その一方で、固溶体顔料が小さな粒子であると、粒子としての安定性が低下するため、発色と安定性とを両立できるように固溶体顔料の粒子径を大きく成長させる必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

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