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公開番号2024135414
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046081
出願日2023-03-22
発明の名称セラミックス系材料の変質層形成方法、変質層形成装置、加工方法及び加工装置
出願人茨城県
代理人個人
主分類C04B 41/80 20060101AFI20240927BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】セラミックス系材料の表面の加工性を改善することを可能にする新たな方法を提供する
【解決手段】一実施形態に係るセラミックス系材料の加工方法は、セラミックス系材料の表面を500℃以下の所定温度に加熱する工程と、加熱された前記セラミックス系材料の前記表面に10W以上の所定出力のレーザーを照射する工程と、レーザーの照射により形成された表面の変質層を除去する加工を行う工程とを含む。例えばセラミック系材料は、SiC系材料である。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
セラミックス系材料の変質層形成方法であって、
前記セラミックス系材料の表面を500℃以下の所定温度に加熱する工程と、
加熱された前記セラミックス系材料の前記表面に10W以下の所定出力のレーザーを照射する工程と
を含む、
方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記セラミックス系材料は、セラミックス基複合材料又はモノリシックセラミックス材料である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セラミックス系材料は、SiC繊維強化SiC複合材料及びSiCセラミックス材料を含むSiC系材料である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セラミックス系材料は、SiC系材料であり、
前記所定温度は、100℃以上の温度であり、
前記所定出力は、2W以上7.5W以下の出力である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記所定温度は、100℃以上300℃以下の温度であり、
前記所定出力は、2.5W以上5W以下の出力であり、
前記レーザーは、波長1064nm、周波数10kHz、走査速度100mm/sの赤外線パルスレーザーである、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザーを照射する工程は、酸素含有雰囲気中で行われる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
セラミックス系材料の加工方法であって、
前記セラミックス系材料の表面を500℃以下の所定温度に加熱する工程と、
加熱された前記セラミックス系材料の前記表面に10W以下の所定出力のレーザーを照射する工程と、
前記レーザーの照射により形成された前記表面の変質層を除去する加工を行う工程と
を含む、
方法。
【請求項8】
セラミックス系材料の変質層形成装置であって、
前記セラミックス系材料の表面を500℃以下の所定温度に加熱する加熱部と、
前記加熱部により加熱された前記セラミックス系材料の前記表面に10W以下の所定出力のレーザーを照射するレーザー照射部と
を備える、
変質層形成装置。
【請求項9】
前記セラミックス系材料は、セラミックス基複合材料又はモノリシックセラミックス材料である、
請求項8に記載の変質層形成装置。
【請求項10】
前記セラミックス系材料は、SiC繊維強化SiC複合材料及びSiCセラミックス材料を含むSiC系材料である、
請求項8に記載の変質層形成装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス系材料の変質層形成方法、変質層形成装置、加工方法及び加工装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、航空機のエンジンなどにおける高温構造部材に、ニッケル基超合金(例えばInconel(登録商標))が用いられてきているが、特に航空宇宙産業では、機体の軽量化を図り、燃費改善及び長寿命化を図ることに対する強い要望がある。そこで、複合材料が研究開発され、特に、セラミックス基複合材料(CMC:Ceramic Matrix Composites)の更なる研究開発が行われている。セラミックス基複合材料には、SiC繊維強化SiC複合材料(SiC/SiC複合材料)、炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)などがある。
【0003】
セラミックス基複合材料は、セラミックスの長所である高耐熱性、高剛性、高耐摩耗性などの特徴を有していて、セラミックスマトリックスがセラミックス繊維と複合化して、セラミックスの欠点である低靭性が改善された材料である。しかし、このセラミックス基複合材料は、その硬さゆえに、切削機械加工が困難であり、これまで難削材であるが故に主に研削表面加工が行われる程度であった。そこで、セラミックス基複合材料の加工性を改善することが種々研究されている。
【0004】
そのようなセラミックス基複合材料の加工方法の一例を特許文献1は開示する。特許文献1の記載によれば、そこに開示されているセラミックスマトリックス複合材の加工方法は、被加工材の表面にレーザーの照射部を走査して照射し、この照射部における被加工材の表面に劣化層(脆化した表層部)を形成するステップと、エンドミルによって前記照射部に形成された劣化層を順に除去するステップとを有し、前記劣化層は、前記照射部を連続発振レーザーの照射により所定温度まで加熱するとともにパルス発振レーザーの照射により亀裂を形成することにより形成されるものである。そして、上記所定温度については、セラミックスマトリックス複合材の表面に熱変成層を形成しうる温度であり、例えば、ポリマー原料からなるSiC繊維やマトリックスは、耐熱性の低いグレードのものは1300℃から1400℃程度以上で熱分解を開始し、熱変成層が形成される、と記載されている。このように、特許文献1の方法は、連続発振レーザーの照射により1300℃を超えるような所定温度まで加熱するとともに、パルス発振レーザーの照射によりセラミックスマトリックス複合材の表面に亀裂を形成することにより劣化層を形成し、照射部に形成された劣化層をエンドミルで順に除去する加工に向けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-172127号公報
【非特許文献】
【0006】
安藤亮、曽我部雄二、早乙女秀丸、飯村修志、レーザー照射によるSiC表面の軟質化に関する研究、日本セラミックス協会年会講演予稿集(Web)、2022
曽我部雄二、安藤亮、早乙女秀丸、飯村修志、レーザー照射によってSiC表面に形成される変質層に関する研究、セラミックス基礎科学討論会予稿集(Web)、2022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の方法は、セラミックスマトリックス複合材つまりセラミックス基複合材料の表面へのレーザー(例えばレーザー出力は50W)の照射により物理的にそこに亀裂を生じさせるものであり、亀裂つまりクラックを有する劣化層の除去ステップの後にまで、その亀裂が残っている可能性が危惧される。それ故、そのような亀裂が残らないように劣化層を除去するステップが行われることが望まれ、機械加工性の面でなお課題を有している。
【0008】
一方、本発明者らは、例えばSiC/SiC複合材料の後加工の困難さを改善することを目指して、SiCセラミックス単体であるモノリシックSiCに、特許文献1の方法よりも低出力でレーザー照射を行い、そのレーザーが照射された表面を化学的に変質させることができることを見出し、報告している(非特許文献1、非特許文献2参照)。しかし、この報告した方法は、仕上げ加工に足りる変質層を得ることを可能にするが、例えば荒加工のためには変質できる領域の更なる拡大が望まれる。
【0009】
本開示の目的は、セラミックス系材料の表面の加工性を改善することを可能にする新たな方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1態様は、
セラミックス系材料の変質層形成方法であって、
前記セラミックス系材料の表面を500℃以下の所定温度に加熱する工程と、
加熱された前記セラミックス系材料の前記表面に10W以下の所定出力のレーザーを照射する工程と
を含む、
方法
を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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