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公開番号2023172956
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-06
出願番号2023084969
出願日2023-05-23
発明の名称イネの再生二期作栽培方法
出願人国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類A01G 22/22 20180101AFI20231129BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】食味の低下を生じにくい、より多収なイネ栽培方法の提供。
【解決手段】食用米のイネ品種を用いて、1回目のイネの早期栽培を行い、1回目の収穫を行った後、刈取り株から発生するひこばえを生育させて2回目のイネを栽培し、2回目の収穫を行うことを含み、1回目の収穫で得られる米と比較した2回目の収穫で得られる米における食味の低下が抑制されている、イネの再生二期作栽培方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
食用米のイネ品種を用いて、1回目のイネの早期栽培を行い、1回目の収穫を行った後、刈取り株から発生するひこばえを生育させて2回目のイネを栽培し、2回目の収穫を行うことを含み、1回目の収穫で得られる米と比較した2回目の収穫で得られる米における食味の低下が抑制されている、イネの再生二期作栽培方法。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記イネ品種が、早生~中生の良食味多収イネ品種である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イネ品種が、品種「にじのきらめき」、「さんさんまる」、「ちほみのり」、「ゆみあずさ」、「萌えみのり」、「しふくのみのり」、「つきあかり」、「とよめき」、「やまだわら」、「えみだわら」、「ほしじるし」、「あきだわら」、「日本晴」、又は「コシヒカリ」である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記イネ品種が、品種「にじのきらめき」、「ちほみのり」、「ゆみあずさ」、「萌えみのり」、「しふくのみのり」、「つきあかり」、「ほしじるし」、又は「あきだわら」である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記イネ品種の苗を日本において4月から田で生育させて1回目のイネの早期栽培を行うことを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記イネ品種の苗を日本において4月に田に移植することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記イネ品種の苗を4月上旬又は中旬に田に移植する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記イネ品種が、品種「にじのきらめき」、「さんさんまる」、「ちほみのり」、「ゆみあずさ」、「しふくのみのり」、「つきあかり」、「とよめき」、「えみだわら」、「日本晴」、又は「コシヒカリ」である、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記イネ品種の苗を日本において5月から田で生育させて1回目のイネの早期栽培を行うことを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記イネ品種の苗を日本において5月に田に移植することを含む、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、イネの再生二期作栽培方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
日本では水稲栽培の多くは一期作で行われているが、これは日本におけるイネ(Oryza sativa L.)の生育可能期間が2回の田植えを行う通常の二期作を行うには比較的短いためである。近年、水稲栽培の収量を増加させるために、水稲再生二期作栽培が注目されている。多年生の性質を有する水稲は、収穫後、刈取り株から芽(ひこばえ)が発生(再生)し、それを引き続き栽培することにより、2回目の収穫を行うことができる。水稲のこの性質を利用して1回の田植えで2回の収穫を行う再生二期作栽培(株出し栽培)は、比較的短い生育可能期間を有効活用でき、2回の収穫により収量を増やすことができる。特に温暖化で生育可能期間が延びる傾向がある近年では、再生二期作栽培は水稲栽培の効率化への貢献が期待されている。
【0003】
一方で、水稲再生二期作栽培で通常用いる、生育期間が短いイネ品種は、一般的に、もともと収量性が高くなく、再生二期作栽培の合計収量でも多収品種の一期作の収量に及ばないことも多い。さらに、水稲再生二期作栽培では2回目の収穫で得られる米の食味が低下しやすいことが知られている(例えば、非特許文献1)。特に良食味品種の場合、イネ生育可能期間がより短い地域、例えば日本における福岡県を含む九州北部以北では、再生二期作栽培を実施しても、ひこばえ由来の再生イネ(2回目のイネ)を十分に登熟させて、良食味を保持した米を多収量で得ることは困難と考えられてきた。
【0004】
非特許文献2は、ジャポニカ品種「べこあおば」とインディカ品種「北陸193号」(いずれも飼料用米として主に利用されているイネ品種)を交配して得られたF1イネを「北陸193号」と再度交配して得られた後代系統の苗を用いて再生二期作栽培を行い、1回目の収穫時に50cmの収穫高さで遅刈することにより、合計収量を大きく増加させることができたことを報告している。しかし非特許文献2で超多収を示した供試イネ系統は食味が悪く、主食用米の生産には適していない。良食味と多収を両立できる水稲栽培方法がなおも望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
秋田ら、「1994年に茨城県南部において見られた再生稲の収量および食味」(1997)、日本作物学会紀事、Vol.66、No.1、p.131-132
Nakano et al., Agronomy Journal, 112, p.3975-3992 (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、食味の低下を生じにくい、より多収なイネ栽培方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、「にじのきらめき」のような良食味イネ品種をはじめとするイネ品種を用いて早期栽培を行う再生二期作栽培により、食味の低下を生じにくい栽培に成功し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]食用米のイネ品種を用いて、1回目のイネの早期栽培を行い、1回目の収穫を行った後、刈取り株から発生するひこばえを生育させて2回目のイネを栽培し、2回目の収穫を行うことを含み、1回目の収穫で得られる米と比較した2回目の収穫で得られる米における食味の低下が抑制されている、イネの再生二期作栽培方法。
[2]前記イネ品種が、早生~中生の良食味多収イネ品種である、上記[1]に記載の方法。
[3]前記イネ品種が、品種「にじのきらめき」、「さんさんまる」、「ちほみのり」、「ゆみあずさ」、「萌えみのり」、「しふくのみのり」、「つきあかり」、「とよめき」、「やまだわら」、「えみだわら」、「ほしじるし」、「あきだわら」、「日本晴」、又は「コシヒカリ」である、上記[1]に記載の方法。
[4]前記イネ品種が、品種「にじのきらめき」、「ちほみのり」、「ゆみあずさ」、「萌えみのり」、「しふくのみのり」、「つきあかり」、「ほしじるし」、又は「あきだわら」である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記イネ品種の苗を日本において4月から田で生育させて1回目のイネの早期栽培を行うことを含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[6]前記イネ品種の苗を日本において4月に田に移植することを含む、上記[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]前記イネ品種の苗を4月上旬~中旬に田に移植する、上記[6]に記載の方法。
[8]前記イネ品種が、品種「にじのきらめき」、「さんさんまる」、「ちほみのり」、「ゆみあずさ」、「しふくのみのり」、「つきあかり」、「とよめき」、「えみだわら」、「日本晴」、又は「コシヒカリ」である、上記[3]に記載の方法。
[9]前記イネ品種の苗を日本において5月から田で生育させて1回目のイネの早期栽培を行うことを含む、上記[8]に記載の方法。
[10]前記イネ品種の苗を日本において5月に田に移植することを含む、上記[9]に記載の方法。
[11]20cm以上の収穫高さで1回目の収穫を行う、上記[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12]30cm以上の収穫高さで1回目の収穫を行う、上記[1]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]1回目のイネが日本において7月20日までに出穂するように1回目のイネの栽培を行う、上記[1]~[12]のいずれかに記載の方法。
[14]1回目の収穫を日本において8月26日までに行う、上記[1]~[13]のいずれかに記載の方法。
[15]4月上旬又は中旬に旬平均気温が初めて12.5℃以上になる地域で栽培を行う、上記[1]~[7]及びそれらに従属する[11]~[14]のいずれかに記載の方法。
[16]4月上旬又は中旬に旬平均気温が初めて12.5℃以上になる地域で栽培を行う、上記[8]~[10]及びそれらに従属する[11]~[14]のいずれかに記載の方法。
[17]前記地域が、九州地方北部である、上記[15]に記載の方法。
[18]前記地域が、九州地方北部である、上記[16]に記載の方法。
[19]1回目の収穫を、普通型コンバインで行う、上記[1]~[18]のいずれかに記載の方法。
[20]2回目の収穫を、普通型コンバインで行う、上記[1]~[19]のいずれかに記載の方法。
[21]品種「ちほみのり」、「ゆみあずさ」、「つきあかり」、「とよめき」、「やまだわら」、「えみだわら」、「ほしじるし」、又は「日本晴」における2回目の収穫を、自脱型コンバインで行う、上記[5]~[7]のいずれかに記載の方法。
[22]品種「ちほみのり」、「ゆみあずさ」、「つきあかり」、「とよめき」、又は「えみだわら」における2回目の収穫を、自脱型コンバインで行う、上記[9]又は[10]に記載の方法。
[23]1回目のイネの出穂後から出穂後積算気温900℃となる時期までに追肥を行う、上記[1]~[22]のいずれかに記載の方法。
[24]1回目のイネの出穂後から出穂後積算気温900℃となる時期までに追肥を行い、2回目のイネの生育期間中には追肥をしない、上記[23]に記載の方法。
[25]1回目のイネの出穂後積算気温600~800℃となる時期に追肥を行う、上記[23]に記載の方法。
[26]1回目のイネの出穂後積算気温600~800℃となる時期に追肥を行い、2回目のイネの生育期間中には追肥をしない、上記[25]に記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、米の食味の低下を生じにくい、米、好ましくは良食味米のより多収な生産を可能にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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