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公開番号2024134021
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044094
出願日2023-03-20
発明の名称廃棄物処理設備及び廃棄物処理方法
出願人株式会社神鋼環境ソリューション
代理人個人,個人
主分類F23L 15/00 20060101AFI20240926BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】ガスと熱交換して得られる熱交換気体の温度を高くしながら、排ガス経路上に配置された熱交換器における腐食の発生を防止するとともに、排ガス経路上における上流側の熱交換器の位置の制限が厳しくなるのを防ぎ、且つ、焼却炉の運転条件が厳しくなるのを防ぐ。
【解決手段】廃棄物処理設備1は、排ガス経路4上において湿式洗煙装置14の上流側に配置され、湿式洗煙処理前の排ガスと熱交換気体としての空気とを熱交換させることによりその空気を加熱する白煙防止予備熱交換器12と、白煙防止予備熱交換器12の上流側に配置され、白煙防止予備熱交換器12において加熱された空気を排ガスとの熱交換によりさらに加熱する白煙防止主熱交換器8と、を備え、白煙防止予備熱交換器12は、予備熱交換器排ガス流路47を画定する部分の腐食を防止する腐食防止機能部15を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
廃棄物を処理する廃棄物処理設備であって、
前記廃棄物を焼却する焼却炉と、
前記焼却炉から排出される排ガスが流れる排ガス経路と、
前記排ガス経路に配置され、前記排ガスの湿式洗煙処理を行う湿式洗煙装置と、
前記排ガス経路上において前記湿式洗煙装置の上流側に配置され、前記湿式洗煙処理前の前記排ガスと熱交換気体とを熱交換させることにより前記熱交換気体を加熱する予備熱交換器と、
前記排ガス経路上において前記予備熱交換器の上流側に配置され、前記予備熱交換器において加熱された前記熱交換気体が導入されてその導入された熱交換気体を前記排ガスとの熱交換によりさらに加熱する主熱交換器と、を備え、
前記主熱交換器は、前記排ガスが導入されて流れる主熱交換器排ガス流路を有し、
前記予備熱交換器は、前記排ガスが導入されて流れる予備熱交換器排ガス流路を有するとともに、当該予備熱交換器のうち前記予備熱交換器排ガス流路を画定する部分の腐食を防止する腐食防止機能部を有する、廃棄物処理設備。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記腐食防止機能部は、前記主熱交換器及び前記予備熱交換器のうちの前記予備熱交換器にのみ設けられている、請求項1に記載の廃棄物処理設備。
【請求項3】
前記腐食防止機能部は、前記予備熱交換器のうち前記予備熱交換器排ガス流路を画定する部分の材料によって当該部分の腐食を防止するものであり、当該部分の材料は、前記主熱交換器のうち前記主熱交換器排ガス流路を画定する部分よりも耐食性の高い材料である、請求項2に記載の廃棄物処理設備。
【請求項4】
前記予備熱交換器のうち前記予備熱交換器排ガス流路を画定する部分の材料は、ニッケルを40質量%以上含むニッケル合金、純チタン、チタンを50質量%以上含むチタン合金、のうちのいずれかである、請求項3に記載の廃棄物処理設備。
【請求項5】
加熱気体経路をさらに備え、
前記加熱気体経路は、前記主熱交換器で加熱されてその主熱交換器を通過した前記熱交換気体を前記排ガス経路の下流側の端部へ導いてその下流側の端部における前記排ガスに当該熱交換気体が添加されるように前記主熱交換器と前記排ガス経路の下流側の端部とを繋いでいる、請求項1に記載の廃棄物処理設備。
【請求項6】
前記主熱交換器で加熱されてその主熱交換器を通過した前記熱交換気体の熱エネルギを利用して発電を行う発電設備をさらに備える、請求項1に記載の廃棄物処理設備。
【請求項7】
前記排ガスに含まれる塵を捕集する集塵装置をさらに備え、
前記集塵装置は、前記排ガス経路上において前記予備熱交換器の上流側に配置されている、請求項1に記載の廃棄物処理設備。
【請求項8】
前記集塵装置は、前記排ガス経路上において前記主熱交換器の下流側に配置されている、請求項6に記載の廃棄物処理設備。
【請求項9】
前記腐食防止機能部は、前記予備熱交換器排ガス流路内の洗浄を行う洗浄装置を有する、請求項1に記載の廃棄物処理設備。
【請求項10】
前記洗浄装置は、前記主熱交換器及び前記予備熱交換器のうちの前記予備熱交換器についてのみ設けられている、請求項9に記載の廃棄物処理設備。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理設備及び廃棄物処理方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、焼却炉において廃棄物を焼却し、その廃棄物の焼却によって発生する排ガスから熱回収を行うように構成された廃棄物処理設備が知られている。下記特許文献1には、このような廃棄物処理設備の一例が開示されている。
【0003】
下記特許文献1に開示された廃棄物処理設備は、焼却炉と、燃焼用空気予熱器と、2段の高温熱交換器と、湿式排煙処理装置と、低温熱交換器と、を備えている。焼却炉のガス出口には一連の複数のガスダクトからなる排ガス経路が接続され、焼却炉から排出された排ガスは、この排ガス経路に流れるようになっている。焼却炉、燃焼用空気予熱器、2段の高温熱交換器、湿式排煙処理装置、及び、低温熱交換器は、この順番で排ガス経路上において上流側から下流側に向かって配置されている。
【0004】
低温熱交換器には、湿式排煙処理装置による湿式排煙処理後の排ガスと押込送風機により送り出された空気が導入される。低温熱交換器では、その導入された空気と排ガスとの間で熱交換が行われ、その熱交換によって加熱された空気は、低温熱交換器から排出されて2段の高温熱交換器のうちの上流側の高温熱交換器に導入される。その上流側の高温熱交換器では、導入された空気と排ガスとの間で熱交換が行われ、その熱交換によってさらに加熱された空気は、当該上流側の高温熱交換器から排出されてその下流側のもう1つの高温熱交換器に導入される。下流側の高温熱交換器では、導入された空気と排ガスとの間で熱交換が行われ、その熱交換によってさらに加熱された空気は、当該下流側の高温熱交換器から排出されて、前記低温熱交換器の下流側の位置で排ガス経路に導入される。この排ガス経路に導入された加熱空気は、排ガスの温度を上昇させ、排ガス経路の下流端から大気に放出される排ガスが大気で冷却されてその排ガス中の水蒸気が凝縮して白煙となるのを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭52-74133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示された設備では、排ガスと熱交換して得られる空気(熱交換気体)の十分な温度上昇の確保と、前記2段の高温熱交換器のそれぞれにおける腐食の発生の防止のために、排ガス経路上における当該上流側の高温熱交換器の位置に著しい制限が生じるか、もしくは、焼却炉から排出される排ガスの温度について設備の運転条件が厳しくなる。
【0007】
具体的に、特許文献1に開示された設備では、湿式排煙処理装置の上流側に位置する2段の高温熱交換器のうちの下流側の高温熱交換器には、上流側の高温熱交換器での熱交換により温度が低下した排ガスが導入されるので、当該下流側の高温熱交換器では、熱交換後に得られる空気の温度は低くならざるを得ない。よって、特許文献1に開示された設備では、排ガスにて熱回収して得られる空気温度が低下する。
【0008】
また、特許文献1に開示された設備では、低温熱交換器において湿式排煙処理装置によ
る湿式排煙処理後の排ガスとの熱交換により加熱された空気が前記上流側の高温熱交換器に導入されるが、排ガスの温度は湿式排煙処理により著しく低下することから、低温熱交換器においてこの湿式排煙処理後の排ガスと熱交換した空気の温度は僅かしか上昇せず、このような温度の空気が低温熱交換器から前記上流側の高温熱交換器に導入されてその上流側の高温熱交換器で排ガスと熱交換すると、当該高温熱交換器の伝熱部の表面温度が低下し、その結果、当該高温熱交換器が腐食する可能性が高くなる。具体的には、熱交換器に腐食が発生する原因として腐食成分を含む排ガスの結露があり、上流側及び下流側の高温熱交換器において腐食の発生を確実に防止するためには、その熱交換器の伝熱面の温度(伝熱部の表面温度)が大きく低下しても排ガスの結露が生じる温度よりも高い温度域に維持される必要がある。排ガス経路上における排ガスの温度は下流側へ向かうにつれて低下することから、前記上流側及び下流側の高温熱交換器の伝熱部の表面温度を排ガスの結露が生じる温度よりも高い温度域に維持しようとすると、排ガス経路上における高温熱交換器の位置の制限が厳しくなる。特に熱回収を行う設備を複数設ける等の場合には、当該設備の設置位置や条件が制限される。もしくは、上流側の高温熱交換器において前記のように排ガスの温度が大きく低下するとしても、伝熱部の表面温度を排ガスの結露が生じる温度よりも高い温度域に維持できるように焼却炉から排出される排ガスの温度を制御する必要があり、焼却炉の運転条件が厳しくなる。
【0009】
本発明の目的は、排ガスと熱交換して得られる熱交換気体の温度を高くしながら、排ガス経路上に配置された高温熱交換器における腐食の発生を防止するとともに、排ガス経路上における上流側の高温熱交換器の位置の制限が厳しくなるのを防ぎ、且つ、焼却炉の運転条件を緩和することが可能な廃棄物処理設備、及び、その廃棄物処理設備を用いた廃棄物処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面により提供されるのは、廃棄物を処理する廃棄物処理設備である。この廃棄物処理設備は、廃棄物を焼却する焼却炉と、前記焼却炉から排出される排ガスが流れる排ガス経路と、前記排ガス経路に配置され、前記排ガスの湿式洗煙処理を行う湿式洗煙装置と、前記排ガス経路上において前記湿式洗煙装置の上流側に配置され、前記湿式洗煙処理前の前記排ガスと熱交換気体とを熱交換させることにより前記熱交換気体を加熱する予備熱交換器と、前記排ガス経路上において前記予備熱交換器の上流側に配置され、前記予備熱交換器において加熱された前記熱交換気体が導入されてその導入された熱交換気体を前記排ガスとの熱交換によりさらに加熱する主熱交換器と、を備える。前記主熱交換器は、前記排ガスが導入されて流れる主熱交換器排ガス流路を有する。前記予備熱交換器は、前記排ガスが導入されて流れる予備熱交換器排ガス流路を有するとともに、当該予備熱交換器のうち前記予備熱交換器排ガス流路を画定する部分の腐食を防止する腐食防止機能部を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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