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公開番号2024131674
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023042088
出願日2023-03-16
発明の名称高周波磁場印加装置および磁気センサ
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類G01R 33/20 20060101AFI20240920BHJP(測定;試験)
要約【課題】窒素-空孔中心を含有する磁気共鳴素子を備えた磁気センサにおいて、基板表面に設けた平面パターン状の導波路を用いて基板表面に沿った沿面方向の高周波磁場を磁気共鳴素子に印加しつつ、沿面方向と垂直な面直方向の外部磁場の検出感度をよりいっそう高めることを可能とする構成を提供すること。
【解決手段】高周波磁場印加装置(3)は、誘電体基板(300)とアンテナ素子部(301)とを備えている。アンテナ素子部は、給電によりマイクロ波の高周波磁場を発生するように誘電体基板の一面(300a)上に形成された導体膜からなり、磁気共鳴素子に対向配置されている。アンテナ素子部は、誘電体基板の一面に沿った沿面方向について磁気共鳴素子に対応する位置にて、導体膜が形成されていない欠損部(308)を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
窒素-空孔中心を含有する磁気共鳴素子(2)を備えた磁気センサ(1)に用いられる高周波磁場印加装置(3)であって、
誘電体基板(300)と、
高周波電流の給電によりマイクロ波の高周波磁場を発生するように前記誘電体基板の一面(300a)上に形成された導体膜からなり、前記磁気共鳴素子に対向配置されるアンテナ素子部(301)と、
を備え、
前記アンテナ素子部は、前記一面に沿った沿面方向について前記磁気共鳴素子に対応する位置にて、前記導体膜が形成されていない欠損部(308)を有する、
高周波磁場印加装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記アンテナ素子部は、伝送線路共振器としての構成を有し、
前記欠損部は、線路幅における中央であって、前記高周波電流における振動の腹の位置に設けられた、
請求項1に記載の高周波磁場印加装置。
【請求項3】
前記磁気共鳴素子にて発生した熱を吸収するように、前記磁気共鳴素子と前記アンテナ素子部との間に設けられた放熱基板(32)をさらに備えた、
請求項1に記載の高周波磁場印加装置。
【請求項4】
前記アンテナ素子部は、コプレーナ導波路共振器としての構成を有する、
請求項1に記載の高周波磁場印加装置。
【請求項5】
磁気センサ(1)であって、
窒素-空孔中心を含有する、磁気共鳴素子(2)と、
前記磁気共鳴素子に対してマイクロ波の高周波磁場を印加するように、前記磁気共鳴素子に対向配置された高周波磁場印加装置(3)と、
前記磁気共鳴素子に励起光を照射するように設けられた照射装置(4)と、
前記磁気共鳴素子にて発生した蛍光を検出するように設けられた検出装置(5)と、
を備え、
前記高周波磁場印加装置は、
誘電体基板(300)と、
高周波電流の給電により前記高周波磁場を発生するように前記誘電体基板の一面(300a)上に形成された導体膜からなり、前記磁気共鳴素子に対向配置されるアンテナ素子部(301)と、
を備え、
前記アンテナ素子部は、前記一面に沿った沿面方向について前記磁気共鳴素子に対応する位置にて、前記導体膜が形成されていない欠損部(308)を有する、
磁気センサ。
【請求項6】
前記アンテナ素子部は、伝送線路共振器としての構成を有し、
前記欠損部は、線路幅における中央であって、前記高周波電流における振動の腹の位置に設けられた、
請求項5に記載の磁気センサ。
【請求項7】
前記磁気共鳴素子にて発生した熱を吸収するように、前記磁気共鳴素子と前記アンテナ素子部との間に設けられた放熱基板(32)をさらに備えた、
請求項5に記載の磁気センサ。
【請求項8】
前記アンテナ素子部は、コプレーナ導波路共振器としての構成を有する、
請求項5に記載の磁気センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素-空孔中心を含有する磁気共鳴素子を備えた磁気センサ、および、これに用いられる高周波磁場印加装置に関するものである。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
ODMRすなわち光検出磁気共鳴を利用して磁場を検出する手法が、従来種々提案されている。ODMRはOptically Detected Magnetic Resonanceの略である。ここで、窒素-空孔対を含む磁気共鳴素子であるダイヤモンド結晶を用いることで、常温大気中で高感度な磁場検出を行うことが可能となる。このような、窒素-空孔対を含むダイヤモンド素子のODMRを用いた磁気センサは、例えば、脳磁気検出や、ICが発生する磁場の検出や、車載磁気センサ等に、好適に適用される。ICはIntegrated Circuitの略である。この種の磁気センサは、ダイヤモンド素子の位置における外部磁場(すなわち検出対象である磁場)の強度を検出するというものであって、ダイヤモンド素子に印加される高周波磁場の方向と直交する方向にのみ外部磁場の感度を有する特徴を有する。
【0003】
この点、例えば、筒形状のループギャップ共振器にて磁場発生装置が構成される場合、コイルの軸方向をZ方向とし、Z方向と垂直な平面をXY面とすると、高周波磁場はZ軸方向に生成され、外部磁場の感度軸はそれに直交するXY面となる。ここで、微小な外部磁場を検出したい場合には、その発生源と磁気センサとの距離を近付ける必要がある。よって、円筒状のループギャップ共振器であれば、その筒内に検出対象を近付けることが必要になる。しかしながら、XY面には、ループコイルや共振器、さらにはそれらが備えられる基板が存在するため、距離を近付けるには限界がある。一方、筒形状の磁場発生装置の直上もしくは直下、つまり軸方向のいずれかに外部磁場の発生源を配置すると距離は近くなるが、軸方向には感度がないため、外部磁場を測定できない。軸方向に感度を出すためには、XY面内に高周波磁場を発生させることが必要である。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の磁場発生装置は、上層コイルと、下層コイルと、基板とを有している。上層コイルは、第1導電性材料で構成され、コイル部を有したループ回路を構成する。下層コイルは、第2導電性材料で構成され、上層コイルのコイル部に対して所定距離離れて対向配置されるコイル部を有したループ回路を構成する。基板は、上層コイルと下層コイルとを支持し、上層コイルと下層コイルとの間が誘電材料で構成されている。そして、上層コイルと下層コイルには、それぞれ逆位相の高周波電流が流され、上層コイルにおけるコイル部と下層コイルの1周当たりの長さが高周波電流の1波長に合わせられている。また、基板には、上層コイルおよび下層コイルの内部を通るように形成された貫通孔が形成されている。貫通孔は、基板の表裏面を貫通するように形成されている。貫通孔内には、窒素-空孔中心を含有する磁気共鳴素子であるダイヤモンド素子が配置される。かかる構成によれば、基板のうち上層コイルが備えられている上層部分のうちの下層コイル側と、下層コイルが備えられている下層部分のうちの上層コイル側とで、磁界の向きが同方向となる。これにより、上層コイルと下層コイルとの間において、XY面を磁場方向とする高周波磁場を発生させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-128554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者は、この種の磁気センサにおける、さらなる高感度化を含む性能向上を企図して、鋭意検討している。具体的には、例えば、発明者は、コプレーナ導波路やマイクロストリップ線路のような、基板表面に設けた平面パターン状の導波路を用いて、窒素-空孔中心を含有する磁気共鳴素子に高周波磁場を印加する方式を検討している。この種の導波路によっても、基板の沿面方向に高周波磁場を発生させることができ、これにより、沿面方向と垂直な面直方向の外部磁場を検出することが可能となる。但し、この種の導波路においては、その近傍の磁場が強く、面直方向について導波路から離れるほど磁場が弱くなる。このため、面直方向についての磁場の均一性を高めることで、面直方向磁場の検出感度を高くすることができる。
【0007】
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、例えば、窒素-空孔中心を含有する磁気共鳴素子を備えた磁気センサにおいて、基板表面に設けた平面パターン状の導波路を用いて基板表面に沿った沿面方向の高周波磁場を磁気共鳴素子に印加しつつ、沿面方向と垂直な面直方向の外部磁場の検出感度をよりいっそう高めることを可能とする構成を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の高周波磁場印加装置(3)は、窒素-空孔中心を含有する磁気共鳴素子(2)を備えた磁気センサ(1)に用いられるものであって、
誘電体基板(300)と、
高周波電流の給電によりマイクロ波の高周波磁場を発生するように前記誘電体基板の一面(300a)上に形成された導体膜からなり、前記磁気共鳴素子に対向配置されるアンテナ素子部(301)と、
を備え、
前記アンテナ素子部は、前記一面に沿った沿面方向について前記磁気共鳴素子に対応する位置にて、前記導体膜が形成されていない欠損部(308)を有する。
請求項5に記載の磁気センサ(1)は、
窒素-空孔中心を含有する、磁気共鳴素子(2)と、
前記磁気共鳴素子に対してマイクロ波の高周波磁場を印加するように、前記磁気共鳴素子に対向配置された高周波磁場印加装置(3)と、
前記磁気共鳴素子に励起光を照射するように設けられた照射装置(4)と、
前記磁気共鳴素子にて発生した蛍光を検出するように設けられた検出装置(5)と、
を備え、
前記高周波磁場印加装置は、
誘電体基板(300)と、
高周波電流の給電により前記高周波磁場を発生するように前記誘電体基板の一面(300a)上に形成された導体膜からなり、前記磁気共鳴素子に対向配置されるアンテナ素子部(301)と、
を備え、
前記アンテナ素子部は、前記一面に沿った沿面方向について前記磁気共鳴素子に対応する位置にて、前記導体膜が形成されていない欠損部(308)を有する。
【0009】
なお、出願書類の各欄において、各要素に括弧付きの参照符号が付される場合がある。しかしながら、かかる参照符号は、同要素と後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の単なる一例を示すものにすぎない。よって、本発明は、上記の参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る磁気センサの概略構成図である。
図1に示された高周波磁場印加装置の第一実施形態に係る概略構成を示す平面図である。
図2におけるIII-III断面の一部を拡大して示す側断面図である。
図3に示された磁気共鳴素子における励起光の入射状態の概要を示す側面図である。
比較例における磁場分布の計算機シミュレーション結果を示す図である。
図5における磁気共鳴素子の内部の磁場強度分布を示す図である。
図2におけるIII-III断面での磁場分布の計算機シミュレーション結果を示す図である。
図7における磁気共鳴素子の内部の磁場強度分布を示す図である。
欠損部の寸法を変化させた場合における磁気共鳴素子の内部の磁場強度分布の計算機シミュレーション結果を示す図である。
図9にて破線で示された中心線に沿った磁場強度の変化態様を示すグラフである。
図2に示された第一実施形態における貫通孔の位置を示す平面図である。
一変形例に係る構成における貫通孔の位置を示す平面図である。
他の一変形例に係る構成における貫通孔の位置を示す平面図である。
第二実施形態に係るアンテナ素子部の概略構成を示す平面図である。
第一実施形態と第二実施形態とで磁気共鳴素子の内部の磁場強度分布の計算機シミュレーション結果を比較しつつ示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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