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公開番号2024130276
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023039910
出願日2023-03-14
発明の名称半導体装置
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H01L 29/739 20060101AFI20240920BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 中間領域での電流集中を抑制する。
【解決手段】 半導体装置であって、半導体基板が素子領域と中間領域と外周領域を有する。素子領域内に、ゲート型のゲート電極と、エミッタ電極が設けられている。素子領域が、n型のエミッタ領域と、エミッタ電極にオーミック接触しているp型のコンタクト領域と、p型のボディ領域を有する。中間領域が、半導体基板の上面からボディ領域の下端よりも下側の位置まで伸びており、外周側からボディ領域に接するp型のディープ領域を有する。半導体基板が、素子領域、中間領域、及び、外周領域に跨って伸びるn型のドリフト領域及びp型のコレクタ領域を有する。エミッタ電極が、ディープ領域に対するコンタクト部を有していない。ディープ領域が、ボディ領域に対して外周側から接する低濃度領域と、低濃度領域に対して外周側から接する高濃度領域、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
半導体装置であって、
絶縁ゲートバイポーラトランジスタが設けられている素子領域(20)と、前記素子領域の外周側に配置されている中間領域(50)と、前記中間領域の外周側に設けられている外周領域(60)を有し、前記素子領域内の上面にトレンチ(22)が設けられている半導体基板と、
前記トレンチの内面を覆うゲート絶縁膜(24)と、
前記トレンチ内に配置されており、前記ゲート絶縁膜によって前記半導体基板から絶縁されているゲート電極(26)と、
前記素子領域内の前記上面に接するエミッタ電極(72)、
を有し、
前記素子領域が、
前記トレンチの側面で前記ゲート絶縁膜に接し、前記エミッタ電極にオーミック接触しているn型のエミッタ領域(30)と、
前記エミッタ電極にオーミック接触しているp型のコンタクト領域(32)と、
前記コンタクト領域よりも低いp型不純物濃度を有するp型領域であり、前記エミッタ領域と前記コンタクト領域に接しており、前記エミッタ領域よりも下側の前記トレンチの前記側面で前記ゲート絶縁膜に接するボディ領域(34)、
を有し、
前記中間領域が、前記半導体基板の前記上面から前記ボディ領域の下端よりも下側の位置まで伸びており、外周側から前記ボディ領域に接するp型のディープ領域(50)を有し、
前記半導体基板が、
前記素子領域、前記中間領域、及び、前記外周領域に跨って伸び、前記ボディ領域と前記ディープ領域に対して下側から接しているn型のドリフト領域(36)と、
前記素子領域、前記中間領域、及び、前記外周領域に跨って伸び、前記ドリフト領域の下側に配置されているp型のコレクタ領域(40)、
を有し、
前記エミッタ電極が、前記ディープ領域に対するコンタクト部を有しておらず、
前記ディープ領域が、
前記ボディ領域に対して外周側から接するp型の低濃度領域(52a)と、
前記低濃度領域に対して外周側から接し、前記低濃度領域よりも高いp型不純物濃度を有するp型の高濃度領域(52b)、
を有する、
半導体装置。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記コンタクト領域が、前記トレンチと前記ディープ領域の間の位置に設けられており、
前記素子領域から前記外周領域に向かう方向における前記コンタクト領域と前記ディープ領域の間の間隔が16μm以上であり、
前記方向における前記低濃度領域の幅が155μm以上であり、
前記低濃度領域のp型不純物濃度が5×10
16
cm
-3
以下である、
請求項1の半導体装置。
【請求項3】
前記高濃度領域の下端が前記低濃度領域の下端よりも下側に位置しており、
前記低濃度領域の下面の外周部に前記高濃度領域が接している、
請求項1または2の半導体装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、半導体装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【0002】
特許文献1には、絶縁ゲート電界効果トランジスタを有する半導体装置が開示されている。以下では、絶縁ゲート電界効果トランジスタをIGBT(insulated gate bipolar transistor)という場合がある。この半導体装置は、IGBT設けられた素子領域と、耐圧構造が設けられた外周領域と、これらの間に設けられた中間領域を有する。中間領域には、p型ウェル領域(以下、ディープ領域という)が設けられている。ディープ領域は、素子領域内のボディ領域(すなわち、IGBTのボディ領域)に外周側から接している。エミッタ電極は、素子領域の近傍においてディープ領域の上面に接するコンタクト部を有している。ボディ領域の下部、ディープ領域の下部及び外周領域に跨ってn型のドリフト領域が分布している。また、ドリフト領域の下部にp型のコレクタ領域が設けられている。
【0003】
IGBTのオン状態においては、ドリフト領域内にホールが存在している。IGBTがターンオフするときに、ドリフト領域内のホールがエミッタ電極へ排出される。このとき、外周領域及び中間領域内のドリフト領域に存在するホールは、ディープ領域を通ってエミッタ電極のコンタクト部へ流れる。特許文献1では、コンタクト部の抵抗を高くすることで、ホールによる電流がディープ領域に集中して流れることを防止している。これにより、半導体装置のアバランシェ耐量が向上される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-087730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術を用いた場合でも、中間領域内での電流集中を十分に抑制できない場合があった。本明細書では、中間領域内での電流集中をより効果的に抑制する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する半導体装置は、半導体基板と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、エミッタ電極、を有する。前記半導体基板が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタが設けられている素子領域と、前記素子領域の外周側に配置されている中間領域と、前記中間領域の外周側に設けられている外周領域を有しする。前記素子領域内の前記半導体基板の上面にトレンチが設けられている。前記ゲート絶縁膜は、前記トレンチの内面を覆っている。前記ゲート電極は、前記トレンチ内に配置されており、前記ゲート絶縁膜によって前記半導体基板から絶縁されている。前記エミッタ電極は、前記素子領域内の前記上面に接している。前記素子領域が、エミッタ領域と、コンタクト領域と、ボディ領域、を有する。前記エミッタ領域は、前記トレンチの側面で前記ゲート絶縁膜に接し、前記エミッタ電極にオーミック接触しているn型領域である。前記コンタクト領域は、前記エミッタ電極にオーミック接触しているp型領域である。前記ボディ領域は、前記コンタクト領域よりも低いp型不純物濃度を有するp型領域であり、前記エミッタ領域と前記コンタクト領域に接しており、前記エミッタ領域よりも下側の前記トレンチの前記側面で前記ゲート絶縁膜に接している。前記中間領域が、前記半導体基板の前記上面から前記ボディ領域の下端よりも下側の位置まで伸びており、外周側から前記ボディ領域に接するp型のディープ領域を有している。前記半導体基板が、ドリフト領域とコレクタ領域を有する。前記ドリフト領域は、前記素子領域、前記中間領域、及び、前記外周領域に跨って伸び、前記ボディ領域と前記ディープ領域に対して下側から接しているn型領域である。前記コレクタ領域は、前記素子領域、前記中間領域、及び、前記外周領域に跨って伸び、前記ドリフト領域の下側に配置されているp型領域である。前記エミッタ電極が、前記ディープ領域に対するコンタクト部を有していない。前記ディープ領域が、前記ボディ領域に対して外周側から接するp型の低濃度領域と、前記低濃度領域に対して外周側から接するとともに前記低濃度領域よりも高いp型不純物濃度を有するp型の高濃度領域、を有する。
【0007】
この半導体装置では、エミッタ電極がディープ領域に対するコンタクト部を有していない。したがって、IGBTのターンオフ時にディープ領域へのホールの流入が抑制される。ホールは、ドリフト領域からディープ領域とボディ領域を通ってコンタクト領域へ流れる第1経路と、ディープ領域を迂回してドリフト領域からボディ領域を通ってコンタクト領域へ流れる第2経路に分岐して流れる。ディープ領域が低濃度領域を有するので、第1経路の抵抗が高い。このため、ホールが第1経路と第2経路に分散して流れ易く、中間領域内での電流集中が抑制される。また、この半導体装置では、低濃度領域の外周側に高濃度領域が設けられている。したがって、IGBTのターンオフ時に高濃度領域から外周領域へ空乏層が伸び易い。すなわち、ディープ領域に低濃度領域を設けても、外周領域へ空乏層を十分に伸展させることができる。したがって、この構成によれば、外周領域において高い耐圧を確保できる。この構成によれば、信頼性が高い半導体装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
半導体装置10の平面図。
図1のII-II線における半導体装置の断面図。
間隔Wcと電流密度Cdの関係を示すグラフ。
幅W52aと電流密度Cdの関係を示すグラフ。
第1変形例の半導体装置の断面図。
第2変形例の半導体装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書が開示する一例の半導体装置では、前記コンタクト領域が、前記トレンチと前記ディープ領域の間の位置に設けられていてもよい。前記素子領域から前記外周領域に向かう方向における前記コンタクト領域と前記ディープ領域の間の間隔が16μm以上であってもよい。前記方向における前記低濃度領域の幅が155μm以上であってもよい。前記低濃度領域のp型不純物濃度が5×10
16
cm
-3
以下であってもよい。
【0010】
この構成によれば、中間領域内での電流集中をより効果的に抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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