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公開番号2024130688
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040549
出願日2023-03-15
発明の名称焼成用具
出願人シチズンファインデバイス株式会社,シチズン時計株式会社
代理人
主分類C04B 35/64 20060101AFI20240920BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】 焼成時の加熱温度、加熱時間に起因する課題を抑制し、信頼性の高い焼成体を製造できる焼成用具を提供することを目的とする。
【解決手段】 不活性ガス雰囲気下で成形体を焼成するための焼成用具10であって、成形体を搭載する板状の保持部材12と、保持部材12を支持する支持部材11とを備え、支持部材11は、保持部材12から少なくとも一部が露出する露出部を有し、支持部材11の露出部と保持部材12とによって成形体を包囲する焼成用具10とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
不活性ガス雰囲気下で成形体を焼成するための焼成用具であって、
前記成形体を搭載する板状の保持部材と、前記保持部材を支持する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記保持部材から少なくとも一部が露出する露出部を有し、
前記支持部材の前記露出部と前記保持部材とによって前記成形体を包囲することを特徴とする焼成用具。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記支持部材は凹部を備え、前記凹部の底面に前記保持部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の焼成用具。
【請求項3】
前記支持部材は、前記凹部の開口を覆う蓋体を備えることを特徴とする請求項2に記載の焼成用具。
【請求項4】
前記支持部材を複数備え、一つの前記支持部材の底部を他の前記支持部材の前記蓋体として積み重ねたことを特徴とする請求項3に記載の焼成用具。
【請求項5】
前記保持部の厚みは、前記支持部の底部の厚みより薄いことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の焼成用具。
【請求項6】
前記支持部材は、前記保持部材より高い熱伝導率を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の焼成用具。
【請求項7】
前記支持部材は、前記保持部材より曲げ強度が高いことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の焼成用具。
【請求項8】
前記支持部材は、炭素からなり、前記保持部材は窒化硼素、炭化珪素、または窒化珪素で複合化された窒化硼素からなることを特徴とする請求項1に記載の焼成用具。
【請求項9】
前記成形体は、窒化珪素またはサイアロンであることを特徴とする請求項1に記載の焼成用具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、不活性ガス雰囲気下で成形体を焼成するための焼成用具に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
焼成体の製造は、成形体を焼成用具に載置しガス雰囲気下で加熱処理することで行われる。例えば、窒化ケイ素などの窒化物や、窒化物に酸化物、炭素物などを複合化した複合化窒化物の窒化物系セラミックスの焼成は、窒化物系セラミックスの粉体を圧縮成形した成形体を1700℃以上の高温かつ窒素ガスやアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下において、常圧、もしくは加圧することで行われる。
【0003】
このような雰囲気下での焼成では、一般的に高熱伝導率、高放射率であり機械的強度の高い黒鉛材料などの炭素材からなる焼成用具が用いられている。しかしながら窒化物系セラミックスなどの材料は、高温で炭素成分と反応し炭化物を生じてしまうため、炭素材の焼成用具と成形体との間に成形体と反応しない物質を介在させ、炭素材と成形体とが直接接触しない構成としたり、焼成用具自体を両者と反応性が低い材料により構成したりすることが行われている。このような窒化物系セラミックスなどの成形体と反応性の低い材料としては、例えば窒化硼素が挙げられる。特許文献1には、炭素基材上に窒化硼素粉を敷いた焼成用具上に、窒素及び酸素を含む成形体を載置し焼成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-167834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように炭素基材からなる焼成用具上に窒化硼素粉を敷いた場合、窒化硼素粉の間には隙間が存在し窒化硼素粉に流動性があるため、成形体が球体の場合などは粉の隙間に成形体が進入してしまい、成形体と炭素基材とが接触し成形体と焼成体とが反応してしまう恐れがある。
【0006】
また、窒化物系セラミックスと反応性の低い材料である窒化硼素によって焼成用具の全体を構成した場合、炭素基材の曲げ強度が約40MPaであるのに対し窒化硼素は約30MPaと低いため、焼成用具には破損防止からある程度の厚みが必要となる。ここで、窒化硼素の比熱は炭素とほぼ同等、密度はわずかに小さいが、熱伝導率が約60W/(m・K)と炭素の約100W/(m・K)より低いため、破損防止できる程度に焼成用具の厚みを増すと、炭素で構成された焼成用具より、焼成用具が所定の温度に到達するのに時間を要する。そのため、焼成を確実に進行するためには、炭素で構成した焼成用具を用いた場合より、加熱温度を高くするか、加熱時間を長くする必要があり、加熱温度や加熱時間の増加により窒化物系セラミックスの分解が生じることで、焼成体の品質悪化が起こりやすい。
【0007】
なお、強度を高めるため窒化珪素や炭化珪素を複合化した複合化窒化硼素も提案されているが、その熱伝導率は30~70W/(m・K)で炭素よりも劣り、また、複合化窒化硼素で構成した焼成用具を繰り返し使用した場合、複合化窒化硼素に含まれている窒化珪素や炭化珪素の分解による製品の汚染が起こる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決しようとするもので、焼成時の加熱温度、加熱時間に起因する上記課題を抑制し、信頼性の高い焼成体を製造できる焼成用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
不活性ガス雰囲気下で成形体を焼成するための焼成用具であって、前記成形体を搭載する板状の保持部材と、前記保持部材を支持する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記保持部材から少なくとも一部が露出する露出部を有し、前記支持部材の前記露出部と前記保持部材とによって前記成形体を包囲する焼成用具とする。
前記支持部材は凹部を備え、前記凹部の底面に前記保持部が配置してもよい。
また、前記支持部材は、前記凹部の開口を覆う蓋体を備えていてもよい。
また、前記支持部材を複数備え、一つの前記支持部材の底部を他の前記支持部材の前記蓋体として積み重ねてもよい。
また、前記保持部の厚みは、前記支持部の底部の厚みより薄くしててもよい。
また、前記支持部材は、前記保持部材より高い熱伝導率を有していてもよい。
また、前記支持部材は、前記保持部材より曲げ強度が高くしてもよい。
また、前記支持部材は、炭素からなり、前記保持部材は窒化硼素、炭化珪素、または窒化珪素で複合化された窒化硼素から構成してもよい。
さらに、前記成形体は、窒化珪素またはサイアロンとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の焼成用具を利用して成形体を焼成することで、信頼性の高い焼成体を製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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