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公開番号2024130594
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040425
出願日2023-03-15
発明の名称表面被覆切削工具
出願人三菱マテリアル株式会社
代理人個人
主分類B23B 27/14 20060101AFI20240920BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】Ti合金等の難削材の切削加工でも優れた耐久性を有する被覆工具の提供。
【解決手段】被覆層は、基材側の第1層で、基材からもっとも離れた層の第2層の交互積層を有し、第1層の平均組成は、(AlaCrbXc)N(XはSi、Bの少なくとも一種。a、bおよびcは原子比。0.40≦a≦0.75、0.20≦b≦0.50、0.01≦c≦0.20、a+b+c=1)であり、第2層の平均組成は、(AldCreVf)N(d、eおよびfは原子比。0.40≦d≦0.75、0.05≦e≦0.40、0.05≦f≦0.40、d+e+f=1)であって、0.05<|a/(a+b)-d/(d+e+f)|<0.30であり、交互積層の基材側の層からi番目(1≦i≦n、nは積層数)となる第1層の平均厚さをαi(nm)、i番目となる第2層の平均厚さをβi(nm)とするとき、αi/βiは、iの増加に従って減少する表面被覆切削工具。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と該基材上の被覆層を有する表面被覆切削工具であって、
前記被覆層は、前記基材側の層が第1層で、前記基材からもっとも離れた層が第2層となる前記第1層と前記第2層の交互積層を有し、
前記第1層の平均組成は、(Al

Cr



)N(XはSi、Bの少なくとも一種。a、bおよびcは原子比。0.40≦a≦0.75、0.20≦b≦0.50、0.10≦c≦0.20、a+b+c=1)であり、
前記第2層の平均組成は、(Al

Cr



)N(d、eおよびfは原子比。0.40≦d≦0.75、0.50≦e≦0.40、0.50≦f≦0.40、d+e+f=1)であって、
0.05<|a/(a+b)-d/(d+e+f)|<0.30であり、
前記交互積層の前記基材側の層からi番目(1≦i≦n、nは積層数)となる前記第1層の平均厚さをαi(nm)、前記i番目となる前記第2層の平均厚さをβi(nm)とするとき、αi/βiは、iの増加に従って減少する
ことを特徴とする表面被覆切削工具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は表面被覆切削工具(以下、被覆工具ということがある)に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、切削工具の寿命を向上させるために、炭化タングステン(以下、WCという)基超硬合金等の基材の表面に、被覆層を形成した被覆工具が知られている。
そして、被覆工具のより一層の切削性能を向上させるために、被覆層の組成や構造について、種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、基材表面にCrおよびAlと、C、N、O、Bから選択される少なくとも1種以上の元素とから構成される被覆層を1層以上被覆し、該被覆層の少なくとも1層はSiを含有し、該Siを含む被覆層は固溶体相で結晶構造はfccである被覆工具が記載され、前記被覆層はナノ粒子の分散強化により耐酸化性に優れ高温強度が高いため、前記被覆工具は耐アブレッシブ摩耗性に優れるとされている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、被覆層は第1層と第2層とを交互に各2層以上積層してなり、前記第1層は、Al(100-x-y-z)Cr(x)V(y)B(z)(20≦x≦40,2≦y≦15,5≦z≦15)であって、Nと不可避不純物を含み、前記第2層は、Al(100-u-v-w)Cr(u)V(v)B(w)(20≦u≦40,0≦v≦5,0≦w≦5)あって、Nと不可避不純物を含み、y≧v、z-5≧wである被覆工具が記載され、該被覆層は高い硬度と潤滑性を有するため、前記被覆工具は耐摩耗性に優れるとされている。
【0005】
さらに、例えば、特許文献3には、被覆層が(Alb,[Cr1-αVα]c)(C1-dNd)(0.5≦b≦0.8、0.2≦c≦0.5、b+c=1、0.05≦α≦0.95、0.5≦d≦1)を有する被覆工具が記載され、前記被覆層がVの添加により乾式切削において潤滑性を与えるため、前記被覆工具は耐摩耗性が向上しているとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-106183号公報
特開2009-56549号公報
特開2003-34859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記事情や前記提案を鑑みてなされたものであって、オーステナイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、Ti合金、Ni合金等の難削材の切削加工であっても、優れた耐久性を有する被覆工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る表面被覆切削工具は、
基材と該基材上の被覆層を有し、
前記被覆層は、前記基材側の層が第1層で、前記基材からもっとも離れた層が第2層となる前記第1層と前記第2層の交互積層を有し、
前記第1層の平均組成は、(Al

Cr



)N(XはSi、Bの少なくとも一種。a、bおよびcは原子比。0.40≦a≦0.75、0.20≦b≦0.50、0.01≦c≦0.20、a+b+c=1)であり、
前記第2層の平均組成は、(Al

Cr



)N(d、eおよびfは原子比。0.40≦d≦0.75、0.05≦e≦0.40、0.05≦f≦0.40、d+e+f=1)であって、
0.05<|a/(a+b)-d/(d+e+f)|<0.30であり、
前記交互積層の前記基材側の層からi番目(1≦i≦n、nは積層数)となる前記第1層の平均厚さをαi(nm)、前記i番目となる前記第2層の平均厚さをβi(nm)とするとき、αi/βiは、iの増加に従って減少する。
【発明の効果】
【0009】
前記表面被覆切削工具は、オーステナイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、Ti合金、Ni合金等の難削材の切削加工であっても、優れた耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る表面被覆切削工具の縦断面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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