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公開番号2024127543
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036759
出願日2023-03-09
発明の名称放熱性及び鋳造性に優れたマグネシウム合金及びそれを用いた放熱部材
出願人国立大学法人富山大学
代理人個人,個人
主分類C22C 23/02 20060101AFI20240912BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】熱伝導性及び鋳造性に優れたマグネシウム合金の提供を目的とする。
さらに、上記マグネシウム合金を用いた赤外線領域での放射率向上、及び耐食性に優れた放射部材の提供を目的とする。
【解決手段】以下質量%にて、Al:5.5~6.5%、Ca:3.5~5.0%、残部がMg及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
以下質量%にて、Al:5.5~6.5%、Ca:3.5~5.0%、残部がMg及び不可避的不純物からなることを特徴とする放熱性及び鋳造性に優れたマグネシウム合金。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
以下質量%にて、Al:5.5~6.5%、Ca:3.5~5.0%、Mn:0.1~0.3%、希土類元素:0.1~0.8%、残部がMg及び不可避的不純物からなることを特徴とする放熱性及び鋳造性に優れたマグネシウム合金。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマグネシウム合金を用いた鋳造材の表面に黒色層が形成されていることを特徴とする放熱部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱性、鋳造性に優れたマグネシウム合金及びそれを用いた放熱部材に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
輸送機器、通信機器、電子機器等の分野では、航続距離の長距離化、使用時間の延長、高出力等の要求から、電動モーターの高効率化、蓄電池の高出力化が求められている。
例えば、ドローンのような無人輸送機器においては、リチウムイオン電池等の二次電池が搭載されているが、この二次電池を収容する電池ケース等には、高い放熱性や軽量化が要求され、マグネシウム合金が注目されている。
【0003】
特許文献1には、優れた耐熱性を有する以下質量%で、Mg-3.0%Al-3.0%Ca合金が開示されている。
特許文献2には、鋳造割れのない優れた耐熱性を有するMg-6.0%Al-2.95%Ca合金が開示されている。
非特許文献1には、優れた熱伝導性を有するMg-(x+2)at%Al-xat%Ca合金が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-8160号公報
特開平9-291332号公報
【非特許文献】
【0005】
Yoshihito Kawamura1 et.al 「Materials Transactions」 Vol. 63, No. 2 (2022) pp. 118 - 127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、ドローンに採用されている二次電池は、高い負荷のもとで使用することが前提の設計になっているため、発熱量も大きい。
したがって、このような条件の下で電池の収容に用いられる電池ケースには、優れた放熱性が要求される。
放熱性を向上させるには、熱伝導性及び赤外線領域の放射率の向上が必要となる。
また、電池ケースには軽量化も求められ、薄肉化を図るには高い鋳造性が要求されるとともに、絶縁性や耐食性も必要となる。
そこで本発明は、熱伝導性及び鋳造性に優れたマグネシウム合金の提供を目的とする。
さらに、上記マグネシウム合金を用いた赤外線領域での放射率向上、及び耐食性に優れた放射部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマグネシウム合金は、以下質量%にて、Al:5.5~6.5%、Ca:3.5~5.0%、残部がMg及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
詳細は後述するが、MgにAl又はCaを単独で添加すると熱伝導率が低下するが、AlとCaとを複合的に添加すると、優れた熱伝導率を示す領域があることが明らかになった。
【0008】
マグネシウム合金を例えば電池ケースに適用する場合に、平均肉厚が1mm程度の薄肉で箱状の複雑な形状を想定すると、それにはAl成分が5.5%以上であるのが好ましい。
その一方でAlが過剰になると、逆に熱伝導率が低下するので、Al:5.5~6.5%の範囲に設定した。
Alの含有量をこの範囲に設定すると、最適なCa成分の範囲は3.5~5.0%であり、さらに好ましくは3.5~4.5%の範囲である。
【0009】
Mgに所定のAlとCaとを複合的に添加することで熱伝導率が向上するが、例えばダイカスト鋳造等にて肉厚1mm以下の電池ケース等を製造する場合には、離型性や耐食性の向上を目的に、Mnを0.1~0.3%程度添加される場合がある。
AlとCaの合金であってもMnを添加すると、熱伝導率が下がる。
その場合に、希土類元素を添加すると、熱伝導率が向上する。
そこで、以下質量%にて、Al:5.5~6.5%、Ca:3.5~5.0%、Mn:0.1~0.3%、希土類元素:0.1~0.8%、残部がMg及び不可避的不純物からなるようにしてもよい。
より好ましくは、希土類元素0.1~0.4%である。
ここで、希土類元素はミッシュメタルであってもよい。
希土類元素は、熱伝導率を低下させることなく、強度や耐食性の向上が期待できる。
また、本発明において不可避的不純物は、トータルとして0.1%未満である。
【0010】
上記マグネシウム合金を用いて電池ケース等の放熱部材を得るには、重力鋳造法、低圧鋳造法、ダイカスト鋳造法等にて製造した鋳造材の表面に、黒色層が形成されているのが好ましい。
表面を黒色層にすることで、赤外線領域の放射率が向上する。
黒色層は塗装や化成処理でもよいが、例えばプラズマによる陽極酸化等の陽極酸化皮膜で形成すると、耐食性とともに絶縁性も向上する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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