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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024126464
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2023034848
出願日
2023-03-07
発明の名称
-SH基含有化合物検出型ラマンプローブ
出願人
国立大学法人東京工業大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
21/65 20060101AFI20240912BHJP(測定;試験)
要約
【解決課題】
新規な-SH基含有化合物(例えば、グルタチオン)検出型ラマンプローブを提供すること。
【解決手段】
-SH基を含有する化合物を検出する方法であって、
(a)以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩を、-SH基を含有する化合物と接触させる工程、及び
(b)一般式(I)で表される化合物又はその塩が-SH基を含有する化合物と反応することにより変化するラマン散乱光を測定する工程
を含む、当該方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
-SH基を含有する化合物を検出する方法であって、
(a)以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩を、-SH基を含有する化合物と接触させる工程、及び
(b)一般式(I)で表される化合物又はその塩が-SH基を含有する化合物と反応することにより変化するラマン散乱光を測定する工程
を含む、
当該方法。
TIFF
2024126464000021.tif
55
157
(式中、
R
1
は、芳香族環上に任意に存在する一価の置換基を表し、当該一価の置換基が2以上存在する場合は、同一又は異なっていてもよく;
R
2
及びR
3
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
4
及びR
5
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
6
及びR
7
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
R
8
及びR
9
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
Xは、酸素原子、Si(R
a
)(R
b
)、C(R
a
)(R
b
)又はP(=O)R
c
から選択され、
ここで、R
a
及びR
b
は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基であり、
R
c
は、炭素数1~6個の置換又は無置換のアルキル基、又は置換又は無置換のフェニル基である。)
続きを表示(約 2,900 文字)
【請求項2】
R
1
の一価の置換基は、芳香族環における2位又は6位の位置に置換基を有しないか、あるいは、2位及び6位の位置に置換基を有しない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R
1
の一価の置換基は、ベンゼン環における2位及び6位の位置に置換基を有しない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
一般式(I)のキサンテン骨格の3位、6位の窒素原子の少なくとも一方の窒素原子上で環構造が形成されている、請求項1に記載の検出方法。
【請求項5】
(a)の工程において、一般式(I)で表される化合物又はその塩、以下の一般式(II)で表される化合物又はその塩、及び-SH基を含有する化合物を接触させる、請求項1に記載の方法。
TIFF
2024126464000022.tif
45
161
(式中、
R
1
は、芳香族環上に任意に存在する一価の置換基を表し、当該一価の置換基が2以上存在する場合は、同一又は異なっていてもよく;
R
2
及びR
3
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
4
及びR
5
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
6
及びR
7
は、それぞれ独立に、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
R
8
及びR
9
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
R
a
は、芳香族環上の2位及び6位の少なくとも1つの位置に結合している一価の置換基であり;
Yは、酸素原子、Si(R
d
)(R
e
)、C(R
d
)(R
e
)又はP(=O)R
f
から選択され、
ここで、R
d
及びR
e
は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり、
R
f
は、炭素数1~6個の置換又は無置換のアルキル基、又は置換又は無置換のフェニル基である。)
【請求項6】
-SH基を含有する化合物の濃度を定量的に検出することができる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
-SH基を含有する化合物がシステイン残基を有する化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
-SH基を含有する化合物がグルタチオンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩を含む、-SH基を含有する化合物検出用ラマンプローブ。
TIFF
2024126464000023.tif
55
155
(式中、
R
1
は、芳香族環上に任意に存在する一価の置換基を表し、当該一価の置換基が2以上存在する場合は、同一又は異なっていてもよく;
R
2
及びR
3
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
4
及びR
5
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
6
及びR
7
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
R
8
及びR
9
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
Xは、酸素原子、Si(R
a
)(R
b
)、C(R
a
)(R
b
)又はP(=O)R
c
から選択され、
ここで、R
a
及びR
b
は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基であり、
R
c
は、炭素数1~6個の置換又は無置換のアルキル基、又は置換又は無置換のフェニル基である。
【請求項10】
以下の一般式(II)で表される化合物又はその塩を更に含む、請求項9に記載のラマンプローブ。
TIFF
2024126464000024.tif
45
153
(式中、
R
1
は、芳香族環上に任意に存在する一価の置換基を表し、当該一価の置換基が2以上存在する場合は、同一又は異なっていてもよく;
R
2
及びR
3
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
4
及びR
5
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
6
及びR
7
は、それぞれ独立に、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
R
8
及びR
9
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
R
a
は、芳香族環上の2位及び6位の少なくとも1つの位置に結合している一価の置換基であり;
Yは、酸素原子、Si(R
d
)(R
e
)、C(R
d
)(R
e
)又はP(=O)R
f
から選択され、
ここで、R
d
及びR
e
は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり、
R
f
は、炭素数1~6個の置換又は無置換のアルキル基、又は置換又は無置換のフェニル基である。)
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な-SH基含有化合物検出型ラマンプローブに関わる。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
生体内の酸化還元レベルを調節する分子としてグルタチオン(glutathione、GSH)が知られている。GSHは細胞内に0.5-10mMで存在しており、生きた細胞でその濃度を迅速に定量する手法が望まれてきた。
【0003】
本発明者らは、これまでに、特定のローダミン誘導体がGSHと可逆的に反応して吸収・蛍光特性を変化させる特性を見出し、生きた細胞で迅速にGSH濃度を定量可能なQGプローブの開発に成功してきた(非特許文献1)。しかしながら、GSH濃度を定量するために2つの蛍光色素の蛍光ratio値を測定する必要があり、細胞イメージングに汎用される可視光領域を大きく占有してしまうことが課題の1つであった。
【0004】
一方で、分子振動を検出するラマンイメージングは、蛍光イメージングと比べて多色イメージングに秀でたイメージング手法として注目を浴びている。本発明者らが所属する研究室ではこれまでに、silent region(1800―2800cm
-1
)で強いラマン信号を示す9CN-pyronin(非特許文献2,3)の誘導体がGSHとの反応性を示すことを見出したため、これらがGSHプローブとして利用可能かどうかを評価してきた。その結果,先述したローダミン類のようなGSHとの可逆的な反応が起こるものの、一部不可逆的な分解も起こることが明らかとなり、9CN-pyronin誘導体を用いて可逆的にGSH濃度を定量するのは困難であることが示唆されていた(図1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Umezawa, K.; Yoshida, M.; Kamiya, M.; Yamasoba, T.; Urano, Y. Rational Design of Reversible Fluorescent Probes for Live-Cell Imaging and Quantification of Fast Glutathione Dynamics. Nat. Chem. 2017, 9 (3), 279-286.
Miao, Y.; Qian, N.; Shi, L.; Hu, F.; Min, W. 9-Cyanopyronin Probe Palette for Super-Multiplexed Vibrational Imaging. Nat. Commun. 2021, 12 (1), 4518.
Fujioka, H.; Shou, J.; Kojima, R.; Urano, Y.; Ozeki, Y.; Kamiya, M. Multicolor Activatable Raman Probes for Simultaneous Detection of Plural Enzyme Activities. J. Am. Chem. Soc. 2020, 142 (49), 20701-20707.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新規な-SH基含有化合物(例えば、グルタチオン)検出型ラマンプローブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのような中、本発明者らは前期共鳴(electronic pre-resonance、EPR)ラマン条件下におけるキサンテン色素の指紋(fingerprint、FP)領域の振動が比較的シャープなsingleピークとして検出できることを見出した。さらに、10位元素の置換を行った誘導体間で当該ピークのラマンシフト値が大きく変化することが実測・計算スペクトルから明らかとなった。以上のことから、10位元素の置換などの構造展開によって、異なるrhodamine類をFP領域で分離検出可能であることが示唆された。
【0008】
本発明者らは、これらの知見も勘案して、新規GSH定量型ラマンプローブの開発をするために検討したところ、ローダミン骨格の3,6位のN原子上の置換基や9位のベンゼン環上の置換基の構造展開によって最適な吸収波長、GSH応答性を有する色素母核を得ることができるのではないかと着想して、鋭意検討した結果、GSH応答性のローダミン誘導体とGSH非応答性のローダミン誘導体を開発することができ、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明は以下の構成を有するものである。
[1]-SH基を含有する化合物を検出する方法であって、
(a)以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩を、-SH基を含有する化合物と接触させる工程、及び
(b)一般式(I)で表される化合物又はその塩が-SH基を含有する化合物と反応することにより変化するラマン散乱光を測定する工程
を含む、当該方法。
TIFF
2024126464000001.tif
55
150
(式中、
R
1
は、芳香族環上に任意に存在する一価の置換基を表し、当該一価の置換基が2以上存在する場合は、同一又は異なっていてもよく;
R
2
及びR
3
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
4
及びR
5
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
6
及びR
7
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
R
8
及びR
9
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
Xは、酸素原子、Si(R
a
)(R
b
)、C(R
a
)(R
b
)又はP(=O)R
c
から選択され、
ここで、R
a
及びR
b
は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基であり、
R
c
は、炭素数1~6個の置換又は無置換のアルキル基、又は置換又は無置換のフェニル基である。)
[2]R
1
の一価の置換基は、芳香族環における2位又は6位の位置に置換基を有しないか、あるいは、2位及び6位の位置に置換基を有しない、[1]に記載の方法。
[3]R
1
の一価の置換基は、ベンゼン環における2位及び6位の位置に置換基を有しない、[2]に記載の方法。
[4]一般式(I)のキサンテン骨格の3位、6位の窒素原子の少なくとも一方の窒素原子上で環構造が形成されている、[1]~[3]のいずれか1項に記載の検出方法。
[5](a)の工程において、一般式(I)で表される化合物又はその塩、以下の一般式(II)で表される化合物又はその塩、及び-SH基を含有する化合物を接触させる、[1]~[4]のいずれか1項に記載の方法。
TIFF
2024126464000002.tif
46
148
(式中、
R
1
は、芳香族環上に任意に存在する一価の置換基を表し、当該一価の置換基が2以上存在する場合は、同一又は異なっていてもよく;
R
2
及びR
3
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
4
及びR
5
は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子であり;
R
6
及びR
7
は、それぞれ独立に、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり;
【発明の効果】
【0010】
本発明により、新規な-SH基含有化合物検出型ラマンプローブを提供することが可能である。
また、本発明により、-SH基含有化合物、例えばグルタチオン(GSH)応答性のローダミン誘導体とGSH非応答性のローダミン誘導体とを併用することにより、グルタチオンの濃度を定量的に検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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サーボ加速度計
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