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公開番号2024125677
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033654
出願日2023-03-06
発明の名称車載機器、車載機器制御方法、車載機器制御プログラムおよび車載機器制御装置
出願人株式会社トランストロン
代理人個人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20240911BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】バッテリーで動作する車載機器における不要な退避処理を低減する。
【解決手段】車載バッテリー100を電源として動作する車載機器1は、車載バッテリーから供給される供給電圧を取得する電圧取得部21と、車載機器に当該車載機器の不具合を回避する退避処理を行わせる退避処理部26と、供給電圧に基づいて退避処理の要否を決定する決定部25と、を備える。決定部25は、供給電圧が第1閾値より低い場合に、最初に電圧取得部21により取得された初期電圧および供給電圧の低下の速度に基づいて退避処理の要否を決定する。
【選択図】 図2


特許請求の範囲【請求項1】
車載バッテリーを電源として動作する車載機器であって、
前記車載バッテリーから供給される供給電圧を取得する電圧取得部と、
不具合を回避する退避処理を行わせる退避処理部と、
前記供給電圧に基づいて前記退避処理の要否を判定する決定部と、
を備え、
前記決定部は、前記供給電圧が第1閾値より低い場合に、最初に前記電圧取得部により取得された初期電圧および前記供給電圧の低下の速度に基づいて前記退避処理の要否を決定する
ことを特徴とする車載機器。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記電圧取得部により取得された電圧に基づいて、前記供給電圧の低下の要因を判定する要因判定部と、
前記第1閾値より小さい第2閾値を設定する閾値設定部をさらに備え、
前記第1閾値は、クランキング動作中における最低電圧より高く、
前記閾値設定部は、前記供給電圧が前記第1閾値より低くなった場合に、前記初期電圧と前記供給電圧の低下の速度に基づいて要因を判定し、
前記閾値設定部は、前記要因判定部による判定結果に基づいて前記第2閾値を設定し、
前記決定部は、前記供給電圧が前記第2閾値より低い場合に前記退避処理を行うことを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記閾値設定部は、前記供給電圧が前記第1閾値より低い場合に、前記供給電圧の低下の速度と傾き閾値とを比較した結果に基づいて前記第2閾値を異ならせる
ことを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項4】
前記初期電圧と前記供給電圧の低下の速度と前記最低電圧との対応関係を示すマトリクス表が記憶された記憶部を備え、
前記閾値設定部は、前記マトリクス表に基づいて前記最低電圧を推定し、当該推定した結果に基づいて前記第2閾値を設定する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の車載機器。
【請求項5】
前記マトリクス表には、前記供給電圧の最低値が前記最低電圧として、前記初期電圧及び前記供給電圧の低下の速度と対応付けて格納される
ことを特徴とする請求項4に記載の車載機器。
【請求項6】
車載バッテリーを電源として動作する車載機器を制御する車載機器制御方法であって、
前記車載バッテリーから供給される供給電圧を取得する電圧取得ステップと、
前記車載機器に当該車載機器の不具合を回避する退避処理を行わせる退避処理ステップと、
前記供給電圧に基づいて前記退避処理の要否を決定する決定ステップと、
を含み、
前記決定ステップは、前記供給電圧が第1閾値より低い場合に、前記電圧取得ステップにより最初に取得された初期電圧および前記供給電圧の低下の速度に基づいて前記退避処理の要否を決定する
ことを特徴とする車載機器制御方法。
【請求項7】
車載バッテリーを電源として動作する車載機器を制御する車載機器制御プログラムであって、
コンピュータを、
少なくとも
前記車載バッテリーから供給される供給電圧を取得する電圧取得部と、
前記車載機器に当該車載機器の不具合を回避する退避処理を行わせる退避処理部と、
前記供給電圧に基づいて前記退避処理の要否を判定する決定部と、
として機能させ、
前記決定部は、前記供給電圧が第1閾値より低い場合に、最初に前記電圧取得部により取得された初期電圧および前記供給電圧の低下の速度に基づいて前記退避処理の要否を決定する
ことを特徴とする車載機器制御プログラム。
【請求項8】
車載バッテリーを電源として動作する車載機器を制御する車載機器制御装置であって、
前記車載バッテリーから供給される供給電圧を取得する電圧取得部と、
前記車載機器に当該車載機器の不具合を回避する退避処理を行わせる退避処理部と、
前記供給電圧に基づいて前記退避処理の要否を決定する決定部と、
を備え、
前記決定部は、前記供給電圧が第1閾値より低い場合に、最初に前記電圧取得部により取得された初期電圧および前記供給電圧の低下の速度に基づいて前記退避処理の要否を決定する
ことを特徴とする車載機器制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器、車載機器制御方法、車載機器制御プログラムおよび車載機器制御装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、バッテリーで動作する車載機器において、バッテリー電圧を監視し、バッテリー電圧が閾値以下になった場合にリセット等の退避処理を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、エンジン始動時のバッテリー電圧低下時においてもCPUのリセットを適切に実行する車載電子機器の制御システムであって、CPUをリセットするためのリセット閾値電圧を、エンジン始動期間において低く設定する車載機器の制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-088921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
閾値電圧を下回る場合と言っても、一度閾値電圧を下回るとそのまま低い電圧のままとなる場合(例えば、バッテリーラインの切断、外れ)や、一時的に電圧が低下しても時間の経過とともに回復する場合(例えば、エンジン始動時の電圧低下)があり得る。しかしながら、特許文献1に記載の制御システムにおいては、閾値電圧を下回ると全て退避処理(例えば、CPUのリセット)を行うため、一時的に電圧が低下しても時間の経過とともに回復する場合にも退避処理を行ってしまい、処理が中断されて正常動作ができなかったり、システムの再起動が必要になる等のおそれがある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、バッテリーで動作する車載機器における不要な退避処理を軽減することができる車載機器制御装置、車載機器制御方法、車載機器制御プログラム、および車載機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る車載機器は、例えば、車載バッテリーを電源として動作する車載機器であって、前記車載バッテリーから供給される供給電圧を取得する電圧取得部と、前記車載機器に当該車載機器の不具合を回避する退避処理を行わせる退避処理部と、前記供給電圧に基づいて前記退避処理の要否を判定する決定部と、を備え、前記決定部は、前記供給電圧が第1閾値より低い場合に、最初に前記電圧取得部により取得された初期電圧および前記供給電圧の低下の速度に基づいて前記退避処理の要否を決定することを特徴とする。
【0007】
本発明の他態様に係る車載機器制御方法は、例えば、車載バッテリーを電源として動作する車載機器を制御する車載機器制御方法であって、前記車載バッテリーから供給される供給電圧を取得する電圧取得ステップと、前記車載機器に当該車載機器の不具合を回避する退避処理を行わせる退避処理ステップと、前記供給電圧に基づいて前記退避処理の要否を決定する決定ステップと、を含み、前記決定ステップは、前記供給電圧が第1閾値より低い場合に、前記電圧取得ステップにより最初に取得された初期電圧および前記供給電圧の低下の速度に基づいて前記退避処理の要否を決定することを特徴とする。
【0008】
本発明の他態様に係る車載機器制御プログラムは、例えば、車載バッテリーを電源として動作する車載機器を制御する車載機器制御プログラムであって、コンピュータを、少なくとも前記車載バッテリーから供給される供給電圧を取得する電圧取得部と、前記車載機器に当該車載機器の不具合を回避する退避処理を行わせる退避処理部と、前記供給電圧に基づいて前記退避処理の要否を判定する決定部と、として機能させ、前記決定部は、前記供給電圧が第1閾値より低い場合に、最初に前記電圧取得部により取得された初期電圧および前記供給電圧の低下の速度に基づいて前記退避処理の要否を決定することを特徴とする。
なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【0009】
本発明の他態様に係る車載機器制御装置は、例えば、車載バッテリーを電源として動作する車載機器を制御する車載機器制御装置であって、前記車載バッテリーから供給される供給電圧を取得する電圧取得部と、不具合を回避する退避処理を行わせる退避処理部と、前記供給電圧に基づいて前記退避処理の要否を判定する決定部と、を備え、前記決定部は、前記供給電圧が第1閾値より低い場合に、最初に前記電圧取得部により取得された初期電圧および前記供給電圧の低下の速度に基づいて前記退避処理の要否を決定することを特徴とする。
【0010】
本発明の上記いずれかの態様では、初期電圧および供給電圧の低下の速度(グラフにしたときの傾き)に基づいて電圧低下がクランキング動作によるものか否かを判定し、その結果に基づいて退避処理の要否を決定するため、バッテリーで動作する車載機器における不要な退避処理を低減し、必要な場合にのみ退避処理を行わせることができる。なお、クランキング動作はエンジンを始動させる時の動作であり、エンジン始動時は大きな電力が必要となるため、バッテリー電圧の低下が発生する。
(【0011】以降は省略されています)

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