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公開番号
2024122828
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-09
出願番号
2023106164
出願日
2023-06-28
発明の名称
ポリイミド系フィルム
出願人
住友化学株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B32B
27/34 20060101AFI20240902BHJP(積層体)
要約
【課題】高い突刺強度を有するポリイミド系積層フィルム、及び該積層フィルムを含む積層シート、並びにフレキシブルプリント回路基板を提供すること。
【解決手段】ポリイミド系樹脂含有層を3層以上含む積層フィルムであって、
前記積層フィルムを構成するポリイミド系樹脂含有層のうち、互いに最も離れた位置関係にある2つのポリイミド系樹脂含有層と、前記2つのポリイミド系樹脂含有層の間に位置する層とからなる積層体(L)の、波長465nm~550nmの範囲の直線透過率の傾きが0.38(%/nm)以下である、積層フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリイミド系樹脂含有層を3層以上含む積層フィルムであって、
前記積層フィルムを構成するポリイミド系樹脂含有層のうち、互いに最も離れた位置関係にある2つのポリイミド系樹脂含有層と、前記2つのポリイミド系樹脂含有層の間に位置する層とからなる積層体(L)の、波長465nm~550nmの範囲の直線透過率の傾きが0.38(%/nm)以下である、積層フィルム。
続きを表示(約 2,800 文字)
【請求項2】
前記積層体(L)の波長400nm~800nmの全範囲における最大直線透過率は70%以下である、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
前記積層体(L)の波長600nmにおける直線透過率は50%以下である、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項4】
前記積層体(L)の厚みは20~100μmである、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項5】
少なくとも1層のポリイミド系樹脂含有層はテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)を有するポリイミド系樹脂を含み、
前記構成単位(A)は、式(A1):
JPEG
2024122828000031.jpg
30
38
[式(A1)中、R
a1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
kは、0~2の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A1)、及び/又は、式(A2):
JPEG
2024122828000032.jpg
30
55
[式(A2)中、R
a2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、lは、互いに独立に、0~3の整数である]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A2)を含む、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項6】
少なくとも1層のポリイミド系樹脂含有層はジアミン由来の構成単位(B)を有するポリイミド系樹脂を含み、
前記構成単位(B)は、式(B1):
JPEG
2024122828000033.jpg
25
67
[式(B1)中、R
b1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
Wは、互いに独立に、-O-、-CH
2
-、-CH
2
-CH
2
-、-CH(CH
3
)-、-C(CH
3
)
2
-、-C(CF
3
)
2
-、-COO-、-OOC-、-SO-、-SO
2
-、-S-、-CO-、-N(R
c
)-及び-CONH-からなる群から選択される2価の連結基、又は、単結合(但し、mは2以上であり、少なくとも1つのWは前記2価の連結基である)を表し、R
c
は水素原子、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基を表し、
mは1~4の整数を表し、
qは互いに独立に、0~4の整数を表す]
で表されるジアミン由来の構成単位(B1)を含む、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項7】
前記積層体(L)が、ポリイミド系樹脂含有層(PI-2)、ポリイミド系樹脂含有層(PI-1)及びポリイミド系樹脂含有層(PI-3)をこの順に含み、前記ポリイミド系樹脂含有層(PI-1)、ポリイミド系樹脂含有層(PI-2)及びポリイミド系樹脂含有層(PI-3)が、それぞれ、式(A1):
JPEG
2024122828000034.jpg
30
38
[式(A1)中、R
a1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
kは、0~2の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A1)、及び/又は、式(A2):
JPEG
2024122828000035.jpg
30
55
[式(A2)中、R
a2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、lは、互いに独立に、0~3の整数である]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A2)と、ジアミン由来の構成単位(B)とを有するポリイミド系樹脂を含む、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項8】
前記積層体(L)は、ポリイミド系樹脂含有層(PI-2)、ポリイミド系樹脂含有層(PI-1)及びポリイミド系樹脂含有層(PI-3)からなる積層体(L1)である、請求項7に記載の積層フィルム。
【請求項9】
前記積層体(L1)の厚みが20~100μmであり、かつ、前記ポリイミド系樹脂含有層(PI-2)及び前記ポリイミド系樹脂含有層(PI-3)の厚みが、それぞれ、前記ポリイミド系樹脂含有層(PI-1)の厚みの0.05~0.3倍である、請求項8に記載の積層フィルム。
【請求項10】
前記構成単位(B)は、式(B1):
JPEG
2024122828000036.jpg
25
67
[式(B1)中、R
b1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
Wは、互いに独立に、-O-、-CH
2
-、-CH
2
-CH
2
-、-CH(CH
3
)-、-C(CH
3
)
2
-、-C(CF
3
)
2
-、-COO-、-OOC-、-SO-、-SO
2
-、-S-、-CO-、-N(R
c
)-及び-CONH-からなる群から選択される2価の連結基、又は、単結合(但し、mは2以上であり、少なくとも1つのWは前記2価の連結基である)を表し、R
c
は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基を表し、
mは1~4の整数を表し、
qは互いに独立に、0~4の整数を表す]
で表されるジアミン由来の構成単位(B1)を含む、請求項7に記載の積層フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミド系樹脂含有層を含む積層フィルム、特に、高周波帯域用のプリント回路基板やアンテナ基板に対応可能な基板材料などに利用できる積層フィルム、前記積層フィルムを含む積層シート及びフレキシブルプリント回路基板に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント回路基板(以下、FPCと記載することがある)は、薄く軽量で可撓性を有するため、立体的、高密度な実装が可能であり、携帯電話、ハードディスク等の多くの電子機器に使用され、その小型化、軽量化に寄与している。従来、FPCには、耐熱性、機械物性、電気絶縁性に優れるポリイミド樹脂が広く用いられており、例えば、FPCに使用される銅張積層板(以下、CCLと略すことがある)等の金属張積層板として、ポリイミド系フィルムの片面または両面に銅箔層を有する積層体が知られている。
近年、5Gと称される第5世代移動通信システムが本格的に普及しつつあり(例えば特許文献1)、5G以降の高速通信用途に適したポリイミド系フィルムが検討されている。
【0003】
特開2021-161285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FPCにおいて使用されるポリイミド系フィルムには、加工時等にフィルムの厚み方向に衝撃が加わる可能性があり、これに耐え得る突刺強度が求められる。しかし、誘電特性を適切な範囲に制御しながら機械物性を高めることは難しい。このため、突刺強度が高く、5G以降の高速通信用途に用い得るポリイミド系フィルムの開発が必要とされている。
【0005】
本発明の目的は、高い突刺強度を有するポリイミド系積層フィルム、及び該積層フィルムを含む積層シート、並びにフレキシブルプリント回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、積層フィルムを構成するポリイミド系樹脂含有層の特定波長帯域における直線透過率を制御することで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
【0007】
[1]ポリイミド系樹脂含有層を3層以上含む積層フィルムであって、
前記積層フィルムを構成するポリイミド系樹脂含有層のうち、互いに最も離れた位置関係にある2つのポリイミド系樹脂含有層と、前記2つのポリイミド系樹脂含有層の間に位置する層とからなる積層体(L)の、波長465nm~550nmの範囲の直線透過率の傾きが0.38(%/nm)以下である、積層フィルム。
[2]前記積層体(L)の波長400nm~800nmの全範囲における最大直線透過率は70%以下である、前記[1]に記載の積層フィルム。
[3]前記積層体(L)の波長600nmにおける直線透過率は50%以下である、前記[1]または[2]に記載の積層フィルム。
[4]前記積層体(L)の厚みは20~100μmである、前記[1]~[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[5]少なくとも1層のポリイミド系樹脂含有層はテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)を有するポリイミド系樹脂を含み、
前記構成単位(A)は、式(A1):
JPEG
2024122828000001.jpg
30
38
[式(A1)中、R
a1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
kは、0~2の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A1)、及び/又は、式(A2):
JPEG
2024122828000002.jpg
30
55
[式(A2)中、R
a2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、lは、互いに独立に、0~3の整数である]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A2)を含む、前記[1]~[4]のいずれかに記載の積層フィルム。
[6]少なくとも1層のポリイミド系樹脂含有層はジアミン由来の構成単位(B)を有するポリイミド系樹脂を含み、
前記構成単位(B)は、式(B1):
JPEG
2024122828000003.jpg
25
67
[式(B1)中、R
b1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
Wは、互いに独立に、-O-、-CH
2
-、-CH
2
-CH
2
-、-CH(CH
3
)-、-C(CH
3
)
2
-、-C(CF
3
)
2
-、-COO-、-OOC-、-SO-、-SO
2
-、-S-、-CO-、-N(R
c
)-及び-CONH-からなる群から選択される2価の連結基、又は、単結合(但し、mは2以上であり、少なくとも1つのWは前記2価の連結基である)を表し、R
c
は水素原子、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基を表し、
mは1~4の整数を表し、
qは互いに独立に、0~4の整数を表す]
で表されるジアミン由来の構成単位(B1)を含む、前記[1]~[6]のいずれかに記載の積層フィルム。
[7]前記積層体(L)が、ポリイミド系樹脂含有層(PI-2)、ポリイミド系樹脂含有層(PI-1)及びポリイミド系樹脂含有層(PI-3)をこの順に含み、前記ポリイミド系樹脂含有層(PI-1)、ポリイミド系樹脂含有層(PI-2)及びポリイミド系樹脂含有層(PI-3)が、それぞれ、式(A1):
JPEG
2024122828000004.jpg
30
38
[式(A1)中、R
a1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
kは、0~2の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A1)、及び/又は、式(A2):
JPEG
2024122828000005.jpg
30
55
[式(A2)中、R
a2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、lは、互いに独立に、0~3の整数である]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A2)と、ジアミン由来の構成単位(B)とを有するポリイミド系樹脂を含む、前記[1]~[7]のいずれかに記載の積層フィルム。
[8]前記積層体(L)は、ポリイミド系樹脂含有層(PI-2)、ポリイミド系樹脂含有層(PI-1)及びポリイミド系樹脂含有層(PI-3)からなる積層体(L1)である、前記[7]に記載の積層フィルム。
[9]前記積層体(L1)の厚みが20~100μmであり、かつ、前記ポリイミド系樹脂含有層(PI-2)及び前記ポリイミド系樹脂含有層(PI-3)の厚みが、それぞれ、前記ポリイミド系樹脂含有層(PI-1)の厚みの0.05~0.3倍である、前記[8]に記載の積層フィルム。
[10]前記構成単位(B)は、式(B1):
JPEG
2024122828000006.jpg
25
67
[式(B1)中、R
b1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
Wは、互いに独立に、-O-、-CH
2
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い突刺強度を有するポリイミド系積層フィルム、及び該積層フィルムを含む積層シート、並びにフレキシブルプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。
図2は、本発明の積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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