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公開番号
2024119386
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-03
出願番号
2023026251
出願日
2023-02-22
発明の名称
ジオポリマー組成物及びこれを用いたコンクリート構造物
出願人
株式会社IHI
,
株式会社IHI建材工業
,
アドバンエンジ株式会社
代理人
弁理士法人アテンダ国際特許事務所
主分類
C04B
28/26 20060101AFI20240827BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】コンクリートの厚さを大きくすることなく十分な中性子線遮蔽効果を得ることのできるジオポリマー組成物及びこれを用いたコンクリート構造物を提供する。
【解決手段】原料に活性フィラーとアルカリ活性剤と骨材とを含むジオポリマー組成物において、骨材の少なくとも一部を硼素含有物質に置換するようにしたので、ジオポリマーは、アルカリ溶液(GP溶液)と活性フィラーとの縮重合反応により硬化し、強度が得られる固化体であるため、硼素含有物質を混ぜることによる強度、固化に対する阻害は生じないことがなく、構造物として十分な耐荷力性能を有するとともに中性子遮蔽にも優れたジオポリマーコンクリートが製造可能となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
原料に活性フィラーとアルカリ活性剤と骨材とを含むジオポリマー組成物において、
前記骨材の少なくとも一部を硼素含有物質に置換した
ことを特徴とするジオポリマー組成物。
続きを表示(約 530 文字)
【請求項2】
前記硼素含有物質として硼酸塩鉱物を用いた
ことを特徴とする請求項1記載のジオポリマー組成物。
【請求項3】
前記活性フィラーとして、カルシウム成分を有しない活性フィラーを用いた
ことを特徴とする請求項1記載のジオポリマー組成物。
【請求項4】
前記活性フィラーは、メタカオリン及びシリカヒュームを含む
ことを特徴とする請求項1記載のジオポリマー組成物。
【請求項5】
前記活性フィラーは、メタカオリン、フライアッシュ及びシリカヒュームを含む
ことを特徴とする請求項1記載のジオポリマー組成物。
【請求項6】
ジオポリマー組成物全体におけるナトリウム及びカリウムの合計とアルミニウムとのモル比((Na+K)/Al)が0.6以上であり、
ジオポリマー組成物全体におけるケイ素とアルミニウムとのモル比(Si/Al)が1.8以上である
ことを特徴とする請求項5記載のジオポリマー組成物。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のジオポリマー組成物を用いた
ことを特徴とするコンクリート構造物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば土木、建築等における構造物の形成に用いられるジオポリマー組成物及びこれを用いたコンクリート構造物に関するものである。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、土木、建築等における構造物はコンクリートやモルタルによって形成されるのが一般的であるが、近年、コンクリートやモルタルに代わる材料としてジオポリマー組成物が注目されており、ジオポリマーコンクリートとして鉄道用まくら木、建築物の壁材等への適用が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ジオポリマー組成物は、フライアッシュ(石炭灰)、メタカオリン、高炉スラグ等、アルカリに活性な非晶質粉体(活性フィラー)とそれを活性化させるアルカリ溶液を混合させ、反応させることにより得られる硬化体である。ジオポリマーコンクリートは、例えばアルカリに活性な非晶質粉体とアルカリ溶液に、更に細骨材、粗骨材等を加えることにより、セメントコンクリートと同等の強度を発現する組成体を実現している。
【0004】
ところで、2011年3月の福島第一原子力発電所の事故以来、放射線の遮蔽に対する技術開発が進み、放射線を遮蔽する構造物等がいくつか提案されている。放射線の中でも中性子線は透過性が高いため、構造物(主にコンクリート)の壁厚さを大きくすることで現状は対応している。
【0005】
一方、中性子線は硼素により吸収されることが知られており、コンクリート中にこの元素が含まれていれば、壁厚さの薄い中性子遮蔽構造物の実現が可能となる。中性子線を吸収する硼素を含む物質としては、コレマナイト、サッソライト、硼砂等の硼酸塩鉱物があり、これらをコンクリートに混ぜて固めることで中性子遮蔽構造物を製造する試みがなされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5091519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コンクリートが硬化して所定の強度を有するためには水とセメントによる水和反応が起こることで、結晶構造を形成して骨材と強固に結合されることが重要であるが、硼素含有物質の成分が水和反応を阻害してしまうため、十分な硼素含有物質を混ぜることが困難になり、結果として十分な遮蔽率を確保するためにはコンクリートの厚さを大きくしなければならないということが現状の課題となっている。
【0008】
また、硼素含有物質の成分が水和反応を阻害しないように、樹脂等で硼酸塩鉱物を覆うことも考えられるが、これらの労力は多大であり、コスト面から考えると構造物への適用は困難な状況となっている。
【0009】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンクリートの厚さを大きくすることなく十分な中性子線遮蔽効果を得ることのできるジオポリマー組成物及びこれを用いたコンクリート構造物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記目的を達成するために、原料に活性フィラーとアルカリ活性剤と骨材とを含むジオポリマー組成物において、前記骨材の少なくとも一部を硼素含有物質に置換している。
(【0011】以降は省略されています)
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