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公開番号2024117045
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-28
出願番号2023065724
出願日2023-04-13
発明の名称マングローブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法
出願人生態環境部華南環境科学研究所(生態環境部生態環境応急研究所)
代理人個人
主分類B09C 1/08 20060101AFI20240821BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】湿地修復の技術分野に関し、具体的には、マングローブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法を提供する。
【解決手段】修復対象のマングローブ湿地堆積物の重金属汚染領域を複数の汚染単位に区画するステップS1と、各汚染単位の両側に第1バリアウォール1と第2バリアウォール2をそれぞれ設けるステップS2と、重金属修復薬剤を投入して、汚染単位内の汚染水体及び堆積物中の重金属を化学的に修復するステップS3と、水生植物を栽培して、堆積物や汚染水中の重金属を生態学的に修復するステップS4とを含むマングローブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法を開示する。検証した結果、本発明は修復効果に優れる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
修復対象のマングローブ湿地堆積物の重金属汚染領域を複数の1~20m×1~20mの
汚染単位に区画するステップS1と、
前記第1バリアウォール(1)と第2バリアウォール(2)のいずれの底端もマングロー
ブ湿地の底泥に挿入されるように、各汚染単位の両側に第1バリアウォール(1)と第2
バリアウォール(2)をそれぞれ設けるステップS2であって、
前記第1バリアウォール(1)は内部が中空であって、両側壁共に開口(11)が開けら
れ、前記開口(11)のすべてに濾過網(12)が嵌着され、第1バリアウォール(1)
の外側壁には前記濾過網(12)を介して第1バリアウォール(1)の内部に連通する水
処理タンク(4)がさらに設けられ、前記水処理タンク(4)の内部に複数の第1薬剤室
(48)が設けられ、
第2バリアウォール(2)の内側壁には湿地堆積物に重金属修復薬剤を注入するための薬
剤注入管(22)が垂直方向に複数設けられ、各薬剤注入管(22)には1つの第2薬剤
室(24)がそれぞれホースを介して1対1で対応して接続されているステップS2と、
水処理タンク(4)の内部の第1薬剤室(48)及び第2バリアウォール(2)の内部の
第2薬剤室(24)にそれぞれ重金属修復薬剤を充填するステップS3であって、
第1薬剤室(48)の内部の重金属修復薬剤が水処理タンク(4)に入ってから、第1バ
リアウォール(1)の内側壁の濾過網(12)を経て汚染単位内の水体に流れ、汚染単位
内の汚染水体中の重金属を化学的に修復し、第2薬剤室(24)の内部を通過した重金属
修復薬剤が前記薬剤注入管(22)によって汚染単位内の堆積物に注入されて、堆積物中
の重金属を化学的に修復するステップS3と、
第1バリアウォール(1)及び第2バリアウォール(2)の先端に2つの水平な緑色植物
用フロートプレート(3)を設け、緑色植物用フロートプレート(3)上に水生植物を栽
培して、水生植で物堆積物や汚染水中の重金属を生態学的に修復するステップS4と、
を含むことを特徴とするマングローブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法。
続きを表示(約 2,800 文字)【請求項2】
水処理タンク(4)の上方に水処理タンク(4)の内部に連通する揚水装置(5)を取り
付け、前記揚水装置(5)と第2バリアウォール(2)との間に導流管(6)を接続し、
前記第1バリアウォール(1)の内部と第2バリアウォール(2)の内部とを連通させる
ステップS5と、
前記揚水装置(5)を起動させて、導流管(6)を介して、処理後の水体を第2バリアウ
ォール(2)内に戻し、その自体の重力による沈降作用で第2バリアウォール(2)に沿
って堆積物に注入し、水体中の未処理の重金属を薬剤注入管(22)から放出された重金
属修復薬剤でさらに処理し、完全に処理された水体を再度堆積物の上に浮上させるステッ
プS6と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のマングローブ湿地堆積物の重
金属汚染被害の修復方法。
【請求項3】
前記水生植物は沈水植物、挺水植物及び浮葉植物のうちのいずれか又は複数であることを
特徴とする請求項1に記載のマングローブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法。
【請求項4】
前記重金属修復薬剤は市販の重金属除去剤であることを特徴とする請求項1に記載のマン
グローブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法。
【請求項5】
前記水処理タンク(4)内には垂直方向に設けられる撹拌棒(41)が複数設けられ、各
撹拌棒(41)に主傘歯車(44)が設けられ、水処理タンク(4)内の上部には第1負
荷板(42)が水平方向に設けられ、前記撹拌棒(41)の先端は前記第1負荷板(42
)を貫通して水処理タンク(4)の天面に回転可能に接続され、各撹拌棒(41)の先端
には互いに噛み合うギアホイール(43)が設けられ、前記ギアホイール(43)はすべ
て第1負荷板(42)に位置し、前記主傘歯車(44)はすべて第1負荷板(42)の下
方に位置し、撹拌棒(41)の底端に撹拌羽根が設けられ、各主傘歯車(44)には1つ
の副傘歯車(47)が噛み合うように接続され、前記水処理タンク(4)の天面に駆動モ
ータが設けられ、前記駆動モータの出力軸は水処理タンク(4)の天面を貫通して前記撹
拌棒のいずれかの先端に固定して接続され、
2つの前記濾過網(12)の間に濾過網(12)を清掃するための清掃板(13)が水平
方向に複数設けられ、各前記清掃板(13)には複数のドローバー(14)が垂直方向に
貫設され、各ドローバー(14)の先端にカムフレーム(15)が設けられ、水処理タン
ク(4)内の上部には第1負荷板(42)に互いに垂直である第2負荷板(46)が水平
方向に設けられ、前記副傘歯車(47)は前記第2負荷板(46)を貫通する伝動棒(4
5)を介してカム(16)に接続されており、前記カム(16)は前記カムフレーム(1
5)の内部に位置し、駆動モータを介してそれに接続された撹拌棒(41)を回転させ、
さらに該撹拌棒(41)における主傘歯車(44)を介して残りの各撹拌棒(41)を回
転させ、動力は主傘歯車(44)、副傘歯車(47)、伝動棒(45)、カム(16)、
カムフレーム(15)を順に経て、ドローバー(14)に伝達され、ドローバー(14)
は清掃板(13)を下上動させ、濾過網(12)に対する清掃を行い、
複数の前記第1薬剤室(48)は各撹拌棒(41)に1対1で対応して設けられ、前記第
1薬剤室(48)の底面に薬剤吐出口が設けられ、前記撹拌棒(41)には前記薬剤吐出
口の開閉を制御するための回転ディスク(49)が嵌め込まれており、前記回転ディスク
(49)には薬剤吐出口のサイズに合わせる貫通孔が設けられることを特徴とする請求項
1に記載のマングローブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法。
【請求項6】
前記揚水装置(5)は2つ設けられ、第1バリアウォール(1)には前記揚水装置(5)
を配置するための支持板が設けられ、揚水装置(5)の内部に第1ピストンが設けられ、
前記第1ピストンには少なくとも1つの第1ピストンロッドが接続されており、前記第1
ピストンロッドの底端に前記カムフレーム(15)の先端に当接するための押し板(54
)が設けられ、
前記揚水装置(51)には給水口(51)と排水口(52)が設けられ、前記給水口(5
1)は配管(53)を介して水処理タンク(4)内の底部まで伸び、給水口(51)に逆
止め弁が設けられ、前記排水口(52)は導流管(6)に突き合わせされ、給水口(51
)及び排水口(52)のいずれにも1つの逆止め弁が設けられ、
前記導流管(6)と水平面は3~5°の角をなし、導流管(6)の高い端は揚水装置(5
1)の排水口(52)に連通し、導流管(6)の低い端には第2バリアウォール(2)の
内部に伸びるエルボが設けられ、第2バリアウォール(2)には導流管(6)を固定する
ための係合ブロック(26)が設けられることを特徴とする請求項2に記載のマングロー
ブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法。
【請求項7】
前記第2バリアウォール(2)は内部が中空であって、上部に貯液ケース(21)が設け
られ、前記エルボは前記貯液ケース(21)に接続され、前記貯液ケース(21)の側壁
の下部に出液口が設けられ、かつ第2バリアウォール(2)の側壁に貯液ケース(21)
に突き合わせされる導液口が設けられ、
前記第2薬剤室(24)の天面の上方には貯液ケース(21)の底部に接触するための押
え板(25)が設けられ、前記押え板(25)に第2ピストンロッドが設けられ、前記第
2ピストンロッドにバネが嵌め込まれ、第2ピストンロッドの底端には第2薬剤室(24
)の内部に位置する第2ピストンが設けられ、
前記薬剤注入管(22)の一端に回転ブロック(23)が設けられ、前記回転ブロック(
23)は第2バリアウォール(2)の内側壁に設けられる溝に回転可能に接続され、薬剤
注入管(22)の側面には湿地堆積物に挿入するための挿入口が設けられることを特徴と
する請求項6に記載のマングローブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は湿地修復の技術分野に関し、具体的には、マングローブ湿地堆積物の重金属汚染
被害の修復方法に関する。
続きを表示(約 7,600 文字)【背景技術】
【0002】
産業の発展に伴い、一部のマングローブ湿地は深刻な環境汚染の問題を抱えており、その
中で重金属汚染が最も深刻であり、これらの環境汚染はマングローブの成長に与える影響
が大きく、干潟湿地の水体の流動性が比較的に強いため、重金属などの環境汚染物を効果
的に修復することが難しく、通常は囲い修復を行い、その地域の湿地に対して重金属除去
剤を注入する必要がある。
しかし、上記の囲い修復の方法は修復効果が悪く、しかも通常はこの領域にある汚染水に
対して修復処理を行わないが、これらの汚染水にも重金属汚染の問題が存在する可能性が
あり、これらの汚染水は沈降などによりマングローブ湿地堆積物に堆積し、その結果とし
て、マングローブ湿地堆積物の重金属修復作業が困難になる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。マングローブ湿地堆積物の重金属汚染被
害の修復方法であって、
修復対象のマングローブ湿地堆積物の重金属汚染領域を複数の1~20m×1~20mの
汚染単位に区画するステップS1と、
前記第1バリアウォールと第2バリアウォールのいずれの底端もマングローブ湿地の底泥
に挿入されるように、各汚染単位の両側に第1バリアウォールと第2バリアウォールをそ
れぞれ設けるステップS2であって、
前記第1バリアウォールは内部が中空であって、両側壁共に開口が開けられ、前記開口の
すべてに濾過網が嵌着され、第1バリアウォールの外側壁には前記濾過網を介して第1バ
リアウォールの内部に連通する水処理タンクがさらに設けられ、前記水処理タンクの内部
に複数の第1薬剤室が設けられ、
第2バリアウォールの内側壁には湿地堆積物に重金属修復薬剤を注入するための薬剤注入
管が垂直方向に複数設けられ、各薬剤注入管には1つの第2薬剤室がそれぞれホースを介
して1対1で対応して接続されているステップS2と、
水処理タンクの内部の第1薬剤室及び第2バリアウォールの内部の第2薬剤室にそれぞれ
重金属修復薬剤を充填するステップS3であって、第1薬剤室の内部の重金属修復薬剤が
水処理タンクに入ってから、第1バリアウォールの内側壁の濾過網を経て汚染単位内の水
体に流れ、汚染単位内の汚染水体中の重金属を化学的に修復し、第2薬剤室の内部を通過
した重金属修復薬剤が前記薬剤注入管によって汚染単位内の堆積物に注入されて、堆積物
中の重金属を化学的に修復するステップS3と、
第1バリアウォール及び第2バリアウォールの先端に2つの水平な緑色植物用フロートプ
レートを設け、緑色植物用フロートプレート上に水生植物を栽培して、水生植物で堆積物
や汚染水中の重金属を生態学的に修復するステップS4と、を含む。
説明:第1バリアウォールは主としてバリアして濾過を行う役割を果たすものであり、濾
過網を介して汚染水をスクリーニングして水処理タンクに入れ、水処理タンクにおいて重
金属修復薬剤と協働して汚染水中の重金属イオンを除去し、揚水装置と協働して重金属修
復薬剤で処理後の汚染水を第2バリアウォールに循環させ、第1バリアウォールと第2バ
リアウォールとの間での循環により汚染水について重金属除去修復が複数回行われる。
第2バリアウォールは主として湿地堆積物に重金属修復薬剤を施用する役割を果たすもの
であり、戻った汚染水を水処理タンクを利用して輸送し、重力沈降の作用により、湿地堆
積物に断続的に注入し、これによって、1回大量投入の場合、蓄積や凝集まりが生じ、薬
剤投入コストが増えるだけではなく、マングローブ湿地環境の二次汚染も引き起こされや
すいことを回避する。
改良形態としては、上記の方法は、
水処理タンクの上方に水処理タンクの内部に連通する市販品の揚水装置を取り付け、前記
揚水装置と第2バリアウォールとの間に導流管を接続し、前記第1バリアウォールの内部
と第2バリアウォールの内部とを連通させるステップS5と、
前記揚水装置を起動させて、導流管を介して、処理後の水体を第2バリアウォール内に戻
し、その自体の重力による沈降作用で第2バリアウォールに沿って堆積物に注入し、水体
中の未処理の重金属を薬剤注入管から放出された重金属修復薬剤でさらに処理し、完全に
処理された水体を再度堆積物の上に浮上させるステップS6と、をさらに含む。
本発明の一態様では、前記水生植物は沈水植物、挺水植物又は浮葉植物のうちのいずれか
の1種又は複数種であり、例えば、沈水植物は苦草、クロモ、金魚藻などを含み、挺水植
物はショウブ、ミズアオイ、ヨシなどを含み、浮葉植物はコウキクサ、スイレンなどを含
むが、これらに限定されるものではない。
説明:水生植物を栽培することにより重金属汚染を生態学的に修復処理するとともに、所
定の囲い作用を果たし、これによって、第1バリアウォールと第2バリアウォールとの間
の汚染水の循環効率を高め、水処理タンク内の薬剤の処理効果を確保する。
本発明の一態様として、前記重金属修復薬剤は市販の重金属除去剤であり、当業者であれ
ば、検出しようとする重金属種類に応じて対応する重金属除去剤を選択することができる
【発明の効果】
【0004】
本発明の修復方法は、マングローブ湿地堆積物の重金属汚染を持続的に修復処理すること
ができ、薬剤施用量が制御されやすく、薬剤コストを節約するとともに、大量の投薬によ
る蓄積や凝集等の問題を回避し、湿地堆積物、汚染水の重金属を同期して除去処理するこ
とによって、マングローブ湿地堆積物の重金属汚染を安定的に修復する。
本発明の修復方法は、重金属修復薬剤と水生植物とを組み合わせる修復方式を採用するこ
とで、化学薬剤修復により処理するとともに、水生植物を利用して補助として生体学的な
修復を行い、これによって、マングローブ湿地堆積物の重金属汚染に対する処理効果を高
める。
本発明の修復方法は、少量で複数回投入する修復手段と第1バリアウォール及び第2バリ
アウォールの構造とを組み合わせることで修復を行うことができ、使用する駆動設備が少
なく、点検やメンテナンスが実施されやすく、省エネ化と環境保護が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の第1バリアウォール、第2バリアウォール及び緑色植物用フロートプレートの初期構造の概略図である。
本発明の第1バリアウォール、第2バリアウォール及び緑色植物用フロートプレートのレイアウト構造概略図である。
本発明の第1バリアウォールの構造概略図である。
本発明の第1バリアウォールの内部構造概略図である。
本発明の水処理タンクの内部構造の一例の概略図である。
本発明の水処理タンクの内部構造の別の概略図である。
本発明の撹拌棒及びその関連部材の接続関係の概略図である。
本発明の第2バリアウォールの内部構造概略図である。
本発明の貯液ケース及びその関連部材の接続関係の概略図である。
本発明の緑色植物用フロートプレートの構造概略図である。
本発明の実施例2の揚水装置及びその関連部材の接続関係の概略図である。
本発明の実施例2の揚水装置の内部構造概略図である。
【0006】
[符号の説明]
1 第1バリアウォール
11 開口
12 濾過網
13 清掃板
14 ドローバー
15 カムフレーム
16 カム
2 第2バリアウォール
21 貯液ケース
22 薬剤注入管
23 回転ブロック
24 第2薬剤室
25 押え板
26 係合ブロック
3 緑色植物用フロートプレート
4 水処理タンク
41 撹拌棒
42 第1負荷板
43 ギアホイール
44 主傘歯車
45 伝動棒
46 第2負荷板
47 副傘歯車
48 第1薬剤室
49 回転ディスク
5 揚水装置
51 給水口
52 排水口
53 配管
54 押し板
6 導流管
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施例1
マングローブ湿地堆積物の重金属汚染被害の修復方法であって、以下のステップを含む。
S1、修復対象のマングローブ湿地堆積物の重金属汚染領域を複数の10m×10mの汚
染単位に区画する。
S2、図1に示すように、前記第1バリアウォール1と第2バリアウォール2のいずれの
底端もマングローブ湿地の底泥まで挿入されるように、各汚染単位の両側に第1バリアウ
ォール1と第2バリアウォール2をそれぞれ設ける。
前記第1バリアウォール1は内部が中空であって、両側壁共に開口11が開けられ、前記
開口11のすべてに濾過網12が嵌着され、第1バリアウォール1の外側壁には前記濾過
網12を介して第1バリアウォール1の内部に連通する水処理タンク4がさらに設けられ
、前記水処理タンク4の内部に複数の第1薬剤室48が設けられる。
第2バリアウォール2の内側壁には湿地堆積物に重金属修復薬剤を注入するための薬剤注
入管22が垂直方向に複数設けられ、各薬剤注入管22に1つの第2薬剤室24がそれぞ
れホースを介して1対1で対応して接続される。
S3、水処理タンク4の内部の第1薬剤室48及び第2バリアウォール2の内部の第2薬
剤室24にそれぞれ重金属修復薬剤を充填し、第1薬剤室48の内部の重金属修復薬剤が
水処理タンク4に入ってから、第1バリアウォール1の内側壁の濾過網12を経て汚染単
位内の水体に流れ、汚染単位内の汚染水体中の重金属を化学的に修復し、第2薬剤室24
の内部を通過した重金属修復薬剤が前記薬剤注入管22によって汚染単位内の堆積物に注
入されて、堆積物中の重金属を化学的に修復し、前記重金属修復薬剤は市販の重金属除去
剤である。
S4、第1バリアウォール1及び第2バリアウォール2の先端に2つの水平な緑色植物用
フロートプレート3を設け、緑色植物用フロートプレート3上に水生植物を栽培して、水
生植物で堆積物や汚染水中の重金属を生態学的に修復する。
ここで、前記水生植物は沈水植物、挺水植物及び浮葉植物を含み、沈水植物はクロモ、挺
水植物はミズアオイ、浮葉植物はコウキクサであり、これらは1:1:1の栽培量で緑色
植物用フロートプレート3中に栽培される。
【0008】
実施例2
実施例1と比べて、本実施例では、ステップS5とステップS6をさらに含む点は相違す
る。
S5、水処理タンク4の上方に水処理タンク4の内部に連通する揚水装置5を取り付け、
前記揚水装置5と第2バリアウォール2との間に導流管6を接続し、前記第1バリアウォ
ール1の内部と第2バリアウォール2の内部とを連通させ、前記揚水装置5はウォーター
ポンプを内蔵しており、ウォーターポンプの給水端は水管を介して第1バリアウォール1
内の下部に伸び、ウォーターポンプの排水端は導流管6に突き合わせされる。
S6、前記揚水装置5を起動させて、導流管6を介して、処理後の水体を第2バリアウォ
ール2内に戻し、その自体の重力による沈降作用で第2バリアウォール2に沿って堆積物
に注入し、水体中の未処理の重金属を薬剤注入管22から放出された重金属修復薬剤でさ
らに処理し、完全に処理された水体を再度堆積物の上に浮上させる。
【0009】
実施例3
実施例2と比べて、本実施例では、以下の点は相違する。
図1~7に示すように、前記水処理タンク4内に垂直方向に設けられる撹拌棒41が複数
設けられ、各撹拌棒41に主傘歯車44が設けられ、水処理タンク4内の上部には第1負
荷板42が水平方向に設けられ、前記撹拌棒41の先端は前記第1負荷板42を貫通して
水処理タンク4の天面に回転可能に接続され、各撹拌棒41の先端には互いに噛み合うギ
アホイール43が設けられ、前記ギアホイール43はすべて第1負荷板42に位置し、前
記主傘歯車44はすべて第1負荷板42の下方に位置し、撹拌棒41の底端に撹拌羽根が
設けられ、各主傘歯車44には1つの副傘歯車47が噛み合うように接続され、前記水処
理タンク4の天面に駆動モータが設けられ、前記駆動モータの出力軸は水処理タンク4の
天面を貫通して前記撹拌棒のいずれかの先端に固定して接続され、
2つの前記濾過網12の間に濾過網12を清掃するための清掃板13が水平方向に複数設
けられ、各前記清掃板13にはドローバー14が垂直方向に貫設され、各ドローバー14
の先端にカムフレーム15が設けられ、水処理タンク4内の上部には第1負荷板42に互
いに垂直である第2負荷板46が水平方向に設けられ、前記副傘歯車47は前記第2負荷
板46を貫通する伝動棒45を介してカム16に接続されており、前記カム16は前記カ
ムフレーム15の内部に位置し、駆動モータを介してそれに接続された撹拌棒41を回転
させ、さらに該撹拌棒41における主傘歯車44を介して残りの各撹拌棒41を回転させ
、動力は主傘歯車44、副傘歯車47、伝動棒45、カム16、カムフレーム15を順に
経て、ドローバー14に伝達され、ドローバー14は清掃板13を下上動させ、濾過網1
2に対する清掃が行われる。
複数の前記第1薬剤室48は各撹拌棒41に1対1で対応して設けられ、前記第1薬剤室
48の底面に薬剤吐出口が設けられ、前記撹拌棒41には前記薬剤吐出口の開閉を制御す
るための回転ディスク49が嵌め込まれており、前記回転ディスク49には薬剤吐出口の
サイズに合わせる貫通孔が設けられる。
上記の第1バリアウォール1及び第2バリアウォール2の作動原理は以下のとおりである

駆動モータを起動させて、駆動モータによって撹拌棒41を回転させ、ギアホイール43
による噛み合う伝動の作用により残りの各撹拌棒41を回転させる。撹拌棒41の回転中
に、撹拌棒41は主傘歯車44を回転させ、これにより、副傘歯車47は伝動棒45を回
転させ、伝動棒45がカム16を回転させる過程において、カムフレーム15と協働して
各ドローバー14を昇降させることにより、各ドローバー14は清掃板13を上下に往復
させ、清掃板の両側に貼り付けられた刷毛は濾過網12を清掃する。撹拌棒41は回転デ
ィスク49を回転させ、回転ディスク49の貫通孔が第1薬剤室48の薬剤吐出口を周期
的に通過し、このようにして、薬剤吐出口が貫通孔に突き合わせされた間に水処理タンク
4に重金属修復薬剤が付与される。
【0010】
実施例4
実施例3と比べて、本実施例では、以下の点は相違する。
図11、12に示すように、前記揚水装置5は2つ設けられ、第1バリアウォール1には
前記揚水装置5を配置するための支持板が設けられ、揚水装置5の内部に第1ピストンが
設けられ、前記第1ピストンには少なくとも1つの第1ピストンロッドが接続されており
、前記第1ピストンロッドの底端に前記カムフレーム15の先端に当接するための押し板
54が設けられる。
前記揚水装置51には給水口51と排水口52が設けられ、前記給水口51は配管53を
介して水処理タンク4内の底部まで伸び、給水口51に逆止め弁が設けられ、前記排水口
52は導流管6に突き合わせされ、給水口51及び排水口52のいずれにも1つの逆止め
弁が設けられる。
前記導流管6と水平面は3~5°の角をなし、導流管6の高い端は揚水装置51の排水口
52に連通し、導流管6の低い端には第2バリアウォール2の内部に伸びるエルボが設け
られ、第2バリアウォール2には導流管6を固定するための係合ブロック26が設けられ
る。
上記の揚水装置5の作動原理は以下のとおりである。
実施例1の作動原理と比べて、本実施例では、ウォーターポンプを設ける必要がなく、カ
ムフレーム15が上下に往復移動する間に、カムフレーム15は押し板54を持続的に上
下動させることで、揚水装置5内の第1ピストンを往復運動させ、逆止め弁及びピストン
の負圧の作用により、水処理タンク4内の汚染水は絶えずに吸引されて導流管6内に導入
され、導流管6は汚染水を第2バリアウォール2の貯液ケース21内に輸送する点は相違
した以外、残りの作動原理は実施例1と同じであり、ここでは、第2薬剤室24及び上記
の揚水装置5の配置及び原理は同じである。
(【0011】以降は省略されています)

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