TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024080160
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022193105
出願日2022-12-01
発明の名称バイオガス利用設備の運転方法、およびバイオガス利用設備
出願人株式会社神鋼環境ソリューション
代理人弁理士法人ATEN
主分類B09B 3/65 20220101AFI20240606BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】メタン発酵槽で発生したバイオガスを無駄なく有効に利用することができるバイオガス利用設備の運転方法およびバイオガス利用設備を提供すること。
【解決手段】メタン発酵槽(消化槽1)で発生したバイオガスを用いてガス発電機3にて発電し、ガス発電機3で当該発電の際に得られた発電廃熱を用いて第1熱媒および第2熱媒を加熱する、バイオガス利用設備の運転方法であって、熱エネルギー需要量Aと、発電廃熱量Q1と、発電廃熱量Q2との大小関係に応じて、ガス発電機3の負荷率、バイオガスとは別の燃料のガス発電機3への追加供給、バイオガスとは別の燃料を用いた第1熱媒ボイラにての第1熱媒の加熱、およびバイオガスとは別の燃料を用いた第2熱媒ボイラにての第2熱媒の加熱、のうちの少なくとも1つを切り替える運転を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機性廃棄物を嫌気性発酵処理するメタン発酵槽と、
前記メタン発酵槽の中で嫌気性発酵処理された後の有機性廃棄物の処理物を加熱処理する加熱処理装置と、
前記メタン発酵槽で発生したバイオガスを用いて発電するガス発電機と、
前記メタン発酵槽を加温するための第1熱媒を加熱する第1熱媒ボイラと、
前記加熱処理装置へ供給する第2熱媒を加熱する第2熱媒ボイラと、
を備え、
前記バイオガスを用いて前記ガス発電機にて発電し、前記ガス発電機で当該発電の際に得られた発電廃熱を用いて前記第1熱媒および前記第2熱媒を加熱する、
バイオガス利用設備の運転方法であって、
熱エネルギー需要量Aと、発電廃熱量Q1と、発電廃熱量Q2との大小関係に応じて、前記ガス発電機の負荷率、前記バイオガスとは別の燃料の前記ガス発電機への追加供給、前記バイオガスとは別の燃料を用いた前記第1熱媒ボイラにての前記第1熱媒の加熱、および前記バイオガスとは別の燃料を用いた前記第2熱媒ボイラにての前記第2熱媒の加熱、のうちの少なくとも1つを切り替える運転を行う、
バイオガス利用設備の運転方法。
熱エネルギー需要量A:前記第1熱媒の加熱に必要な1日当たりの熱量の予測値と、前記第2熱媒の加熱に必要な1日当たりの熱量の予測値と、の合計
発電廃熱量Q1:前記ガス発電機に燃料として前記バイオガスのみを供給することとし、前記ガス発電機に供給する前記バイオガスの総量を、1日当たり発生する前記バイオガスの総量の予測値として、前記ガス発電機の負荷率を100%に固定して発電したときに得られる発電廃熱の熱量の総量の予測値
発電廃熱量Q2:前記ガス発電機に燃料として前記バイオガスのみを供給することとし、前記ガス発電機に供給する前記バイオガスの総量を、1日当たり発生する前記バイオガスの総量の予測値として、前記ガス発電機の負荷率を、1日当たり発生する前記バイオガスの総量の予測値の量で前記ガス発電機をちょうど24時間連続運転できる負荷率に固定して発電したときに得られる発電廃熱の熱量の総量の予測値
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、
前記熱エネルギー需要量A≦前記発電廃熱量Q1の場合、前記ガス発電機の負荷率を100%に固定して前記ガス発電機を運転する、
バイオガス利用設備の運転方法。
【請求項3】
請求項1に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、
前記発電廃熱量Q1<前記熱エネルギー需要量A≦前記発電廃熱量Q2の場合、前記ガス発電機の負荷率を変動させながら前記ガス発電機を連続運転する、
バイオガス利用設備の運転方法。
【請求項4】
請求項1に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、
前記発電廃熱量Q2<前記熱エネルギー需要量Aの場合、
前記バイオガスのみを用いて前記ガス発電機を運転するとともに、
前記バイオガスとは別の燃料を用いて前記第1熱媒ボイラにて前記第1熱媒を加熱する、および/または、前記バイオガスとは別の燃料を用いて前記第2熱媒ボイラにて前記第2熱媒を加熱する、
バイオガス利用設備の運転方法。
【請求項5】
請求項1に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、
前記発電廃熱量Q2<前記熱エネルギー需要量Aの場合、
前記バイオガスおよび前記バイオガスとは別の燃料を用いて、前記ガス発電機を運転するとともに、
前記ガス発電機で得られた発電廃熱のみを用いて、前記第1熱媒を加熱し且つ前記第2熱媒を加熱する、
バイオガス利用設備の運転方法。
【請求項6】
請求項5に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、
前記ガス発電機の負荷率を100%に固定して前記ガス発電機を運転する、
バイオガス利用設備の運転方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、
前記ガス発電機の停止時は、前記バイオガスまたは前記バイオガスとは別の燃料を用いて前記第1熱媒ボイラにて前記第1熱媒を加熱する、および/または、前記バイオガスまたは前記バイオガスとは別の燃料を用いて前記第2熱媒ボイラにて前記第2熱媒を加熱する、
バイオガス利用設備の運転方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、
前記メタン発酵槽の立ち上げ時は、前記バイオガスとは別の燃料を用いて前記第1熱媒ボイラにて前記第1熱媒を加熱する、
バイオガス利用設備の運転方法。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載の運転を行う、バイオガス利用設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオガス利用設備の運転方法、およびバイオガス利用設備に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
バイオガス利用設備に関する技術として、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、有機性廃棄物スラリーを嫌気性消化処理する嫌気性消化槽と、消化処理スラリーを加熱処理する可溶化設備と、嫌気性消化槽で発生したバイオガスを用いて発電する発電装置と、可溶化設備を構成する第二熱交換器に蒸気を供給する加温用ボイラであって、上記バイオガスを燃料として用いる加温用ボイラと、を備える有機性廃棄物の処理設備が記載されている。また、特許文献1には、発電装置を構成する原動機冷却水用熱交換器で得られた温水を用いて嫌気性消化槽を加温することが記載されている。
【0003】
上記からわかるように、特許文献1に記載の設備では、嫌気性消化槽で発生したバイオガスを、ガス発電、嫌気性消化槽の加温(発電廃熱で加温)、および可溶化設備における加熱処理に利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3651836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
嫌気性消化槽でのバイオガスの発生量は、多かったり少なかったりする。バイオガスの発生量が多いときは、ガス発電を優先させて、バイオガスの多くを発電装置に供給しても特に問題はない。しかしながら、バイオガスの発生量が少ないときに、ガス発電を優先させると、嫌気性消化槽の加温や、可溶化設備における加熱処理に用いるバイオガス量が不足して、バイオガスを利用した嫌気性消化槽の加温などを適切に行うことができないことがある。すなわち、バイオガスを有効に利用できないことがある。
【0006】
本発明の目的は、メタン発酵槽で発生したバイオガスを無駄なく有効に利用することができるバイオガス利用設備の運転方法およびバイオガス利用設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本願で開示するバイオガス利用設備の運転方法は、有機性廃棄物を嫌気性発酵処理するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽の中で嫌気性発酵処理された後の有機性廃棄物の処理物を加熱処理する加熱処理装置と、前記メタン発酵槽で発生したバイオガスを用いて発電するガス発電機と、前記メタン発酵槽を加温するための第1熱媒を加熱する第1熱媒ボイラと、前記加熱処理装置へ供給する第2熱媒を加熱する第2熱媒ボイラと、を備え、前記バイオガスを用いて前記ガス発電機にて発電し、前記ガス発電機で当該発電の際に得られた発電廃熱を用いて前記第1熱媒および前記第2熱媒を加熱する、バイオガス利用設備の運転方法である。熱エネルギー需要量Aと、発電廃熱量Q1と、発電廃熱量Q2との大小関係に応じて、前記ガス発電機の負荷率、前記バイオガスとは別の燃料の前記ガス発電機への追加供給、前記バイオガスとは別の燃料を用いた前記第1熱媒ボイラにての前記第1熱媒の加熱、および前記バイオガスとは別の燃料を用いた前記第2熱媒ボイラにての前記第2熱媒の加熱、のうちの少なくとも1つを切り替える運転を行う。
熱エネルギー需要量A:前記第1熱媒の加熱に必要な1日当たりの熱量の予測値と、前記第2熱媒の加熱に必要な1日当たりの熱量の予測値と、の合計
発電廃熱量Q1:前記ガス発電機に燃料として前記バイオガスのみを供給することとし、前記ガス発電機に供給する前記バイオガスの総量を、1日当たり発生する前記バイオガスの総量の予測値として、前記ガス発電機の負荷率を100%に固定して発電したときに得られる発電廃熱の熱量の総量の予測値
発電廃熱量Q2:前記ガス発電機に燃料として前記バイオガスのみを供給することとし、前記ガス発電機に供給する前記バイオガスの総量を、1日当たり発生する前記バイオガスの総量の予測値として、前記ガス発電機の負荷率を、1日当たり発生する前記バイオガスの総量の予測値の量で前記ガス発電機をちょうど24時間連続運転できる負荷率に固定して発電したときに得られる発電廃熱の熱量の総量の予測値
【0008】
(2)前記(1)に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、前記熱エネルギー需要量A≦前記発電廃熱量Q1の場合、前記ガス発電機の負荷率を100%に固定して前記ガス発電機を運転してもよい。
【0009】
(3)前記(1)に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、前記発電廃熱量Q1<前記熱エネルギー需要量A≦前記発電廃熱量Q2の場合、前記ガス発電機の負荷率を変動させながら前記ガス発電機を連続運転してもよい。
【0010】
(4)前記(1)に記載のバイオガス利用設備の運転方法において、前記発電廃熱量Q2<前記熱エネルギー需要量Aの場合、前記バイオガスのみを用いて前記ガス発電機を運転するとともに、前記バイオガスとは別の燃料を用いて前記第1熱媒ボイラにて前記第1熱媒を加熱する、および/または、前記バイオガスとは別の燃料を用いて前記第2熱媒ボイラにて前記第2熱媒を加熱してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

永信商事株式会社
バッテリ材料の回収装置
2日前
トヨタ自動車株式会社
廃棄物処理装置
3か月前
日本国土開発株式会社
廃棄物埋設構造
1か月前
個人
炭素化処理装置及び炭素化処理方法
2か月前
株式会社下瀬微生物研究所
有機性廃棄物の処理装置
2か月前
株式会社下瀬微生物研究所
有機性廃棄物の処理装置
1か月前
ソーラーフロンティア株式会社
解体器具及び解体方法
1か月前
三菱重工業株式会社
廃棄物処理システム
2か月前
大陽日酸株式会社
廃棄物処理装置及び方法
1か月前
株式会社エルム
生ゴミ処理装置
9日前
清水建設株式会社
汚染土壌の原位置浄化方法
1か月前
個人
煤煙が固定化された材料及びその製造方法並びに道路の下地材
17日前
株式会社ZIVA開発協会
コンポジット材料の製造方法
3か月前
株式会社大林組
重金属の不溶化方法
2か月前
株式会社NIPPO
土壌浄化方法
2か月前
ダイハツ工業株式会社
バイオガス生成装置
2日前
生態環境部南京環境科学研究所
含油金属チップの処理装置および処理方法
2か月前
DOWAエコシステム株式会社
フロンボンベの処理方法
3か月前
ソーラーフロンティア株式会社
光電変換モジュールの解体方法及び解体用器具
2か月前
個人
乾式メタン発酵システム及び乾式メタン発酵方法
1か月前
株式会社森羊土
きのこ廃培地発酵乾燥資材の使用方法
1か月前
鴻とぅん股ふん有限公司
太陽電池パネルのリサイクル方法及びリサイクルシステム
5日前
太平洋セメント株式会社
有価金属含有廃棄物中の有価金属の回収方法
2か月前
ユニ・チャーム株式会社
使用済み衛生用品の破砕方法及び破砕装置
2か月前
清水建設株式会社
汚染土壌の原位置浄化方法及び汚染土壌の原位置浄化システム
1か月前
三菱電機株式会社
ごみ収容装置
2か月前
日本電気硝子株式会社
ガラス繊維の回収方法及びガラスの製造方法
2か月前
住友大阪セメント株式会社
都市ごみ焼却灰の処理方法及びセメント原料の製造方法
1か月前
国立大学法人岩手大学
汚染土壌及び/又は汚染水の浄化方法
1か月前
株式会社大林組
粉末製造方法、及び、粉末製造システム
2か月前
住友大阪セメント株式会社
バイオマス燃焼灰の処理方法及びセメント原料の製造方法
1か月前
株式会社神鋼環境ソリューション
バイオガス利用設備の運転方法、およびバイオガス利用設備
3か月前
株式会社神鋼環境ソリューション
バイオガス利用設備の運転方法、およびバイオガス利用設備
3か月前
日本スピンドル製造株式会社
集塵システム、集塵方法、有価物の回収システム及び有価物の製造方法
3か月前
長州産業株式会社
太陽電池モジュールの解体方法及び太陽電池モジュールの解体装置
1か月前
住友大阪セメント株式会社
セメント製造プロセスから生じる廃棄物の再利用循環方法及びそのシステム
23日前
続きを見る