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公開番号2024108476
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023012868
出願日2023-01-31
発明の名称ロータ、回転電機および車両
出願人マツダ株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類H02K 1/276 20220101AFI20240805BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】増磁処理により磁力可変磁石に印加される磁束密度を高める。
【解決手段】ロータ(30)は、ロータコア(32)に設けられた複数の磁極部(33)を備える。各磁極部は、磁力固定磁石(40)と第1磁力可変磁石(51)とを含む。ロータコアには、磁力固定磁石に対して径方向における内側の位置と第1磁力可変磁石に対して径方向における内側の位置との間に広がるように第1空隙部(61)が形成され、周向における磁力固定磁石の第1磁力可変磁石側の傍らに対して径方向における外側の位置から第1磁力可変磁石側に延びるように第2空隙部(62)が形成される。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
ロータコアと、
前記ロータコアに設けられた複数の磁極部と、を備え、
前記複数の磁極部は、前記ロータコアの外周面に沿って並ぶように配置され、
前記ロータコアの径方向における外側に配置されるステータと組み合わされ、該ステータで発生する所定の磁束により前記磁極部の磁力を変更することが可能に構成されるロータであって、
前記磁極部は、
磁化方向を径方向に向けて配置される磁力固定磁石と、
前記磁力固定磁石に対して周方向における両側の前記磁力固定磁石よりも外周側の位置に磁化方向を周方向に向けてそれぞれ配置され、前記所定の磁束により磁化状態を変化させることが可能な第1磁力可変磁石と、
前記磁力固定磁石に対して径方向における内側の位置と前記第1磁力可変磁石に対して径方向における内側の位置との間に広がるように前記ロータコアに形成される第1空隙部と、
前記第1空隙部に対して径方向における外側に離間し、且つ周方向における前記磁力固定磁石の前記第1磁力可変磁石側の傍らに対して径方向における外側の位置から前記第1磁力可変磁石側に延びるように前記ロータコアに形成される第2空隙部と、を含む、ロータ。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記ロータコアにおける前記第2空隙部の前記第1磁力可変磁石側の部分と当該ロータコアの外周面との間には、前記所定の磁束により磁化状態を変化させることが可能な第2磁力可変磁石が、磁化方向を周方向に向けて配置される、ロータ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のロータにおいて、
前記ロータコアにおける前記磁力固定磁石と当該ロータコアの外周面との間には、磁化方向を前記磁力固定磁石と同じ方向に向けて補助磁力固定磁石が配置され、
前記第2空隙部は、前記補助磁力固定磁石と前記第1磁力可変磁石との間を仕切るように延びる、ロータ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のロータと、
前記ロータの径方向における外側にエアギャップを隔てて配置されるステータと、を備える、回転電機。
【請求項5】
請求項4に記載の回転電機と、
前記回転電機の動力が伝達される駆動輪と、を備える、車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ロータ、回転電機および車両に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド車や電気自動車に見られるような自動車の電動化に伴い、ロータの磁力を変更することが可能な回転電機の開発が進められている。このような回転電機として、特許文献1には、保磁力の小さい永久磁石をロータに組み込んだ磁力可変モータが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示の磁力可変モータでは、複数の磁極部がロータに設けられる。各磁極部は、磁力が実質的に変わらない磁力固定磁石と、磁力の変更が可能な磁力可変磁石とを含む。磁力固定磁石としては、第1磁力固定磁石および第2磁力固定磁石が、周方向における磁極部の中央部位に設けられる。第1磁力固定磁石は径方向における外側に配置され、第2磁力固定磁石は径方向における内側にV字状をなすように配置される。磁力可変磁石は、これら磁力固定磁石に対して周方向における両側に配置される。そして、第1磁力固定磁石は、磁力可変磁石と磁気的に直列となるような位置に設けられる一方、第2磁力固定磁石は、磁力可変磁石と磁気的に並列となるような位置に設けられる。
【0004】
磁力可変磁石には、ステータから発生する界磁磁束が印加される。磁力可変磁石の磁化方向は、印加される界磁磁束の向きに応じて、周方向における一方側と他方側とで切り換えられる。磁力可変磁石の磁化方向が磁力固定磁石側に向く方向である場合には、磁極部から発生する磁束量が増加する増磁状態になる。他方、磁力可変磁石の磁化方向が磁力固定磁石とは反対側に向く方向である場合には、磁力部から発生する磁束量が減少する減磁状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-27700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されるようなロータの構造では、減磁状態から増磁状態に切り換えたり、増磁状態で磁力可変磁石の磁力を強くしたりする際には、磁力可変磁石に対して増磁状態での磁化方向に向く界磁磁束をステータから印加する増磁処理を行う。増磁処理で磁力可変磁石に印加される界磁磁束は、ステータコアに巻き付けられたコイルに電流を流すことで発生する。
【0007】
ステータのコイルに印加することが可能な電流の制約内で磁力可変磁石の磁力を好適に変更するためには、増磁処理において、磁力可変磁石に界磁磁束を集中させ、磁力可変磁石を通る磁束密度を高める必要がある。一方、磁力固定磁石の磁力が磁力可変磁石の磁化状態の制御に係る界磁磁束に影響を受けるのを抑制するためには、磁力固定磁石を磁力可変磁石よりも径方向における内側に配置することが好ましい。
【0008】
しかし、磁力固定磁石を磁力可変磁石よりも径方向における内側に配置すると、特許文献1における第2磁力固定磁石と磁力可変磁石との関係のように磁気的に並列となるのが一般的であり、磁力固定磁石と磁力可変磁石とを磁気的に直列な関係とすることは難しい。磁力固定磁石と磁力可変磁石とが磁気的に直列な関係にないと、磁力固定磁石がN極を径方向における外側に向けて配置される磁極部では、増磁処理において、磁力可変磁石から出る高密度な磁束と磁力固定磁石を通る着磁のための界磁磁束とが反発し合う。そのため、磁力可変磁石を通る磁束密度が低下し、磁力可変磁石の磁力を好適に変更できない。
【0009】
本開示の目的は、磁力固定磁石が磁力可変磁石よりも径方向における内側に配置されるロータにおいて、増磁処理により磁力可変磁石に印加される磁束の磁束密度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の態様は、ロータを対象とする。第1の態様のロータは、ロータコアと、前記ロータコアに設けられた複数の磁極部とを備える。前記複数の磁極部は、前記ロータコアの外周面に沿って並ぶように配置される。当該ロータは、前記ロータコアの径方向における外側に配置されるステータと組み合わされ、該ステータで発生する所定の磁束により前記磁極部の磁力を変更することが可能に構成される。前記磁極部は、磁化方向を径方向に向けて配置される磁力固定磁石と、前記磁力固定磁石に対して周方向における両側の前記磁力固定磁石よりも外周側の位置に磁化方向を周方向に向けてそれぞれ配置され、前記所定の磁束により磁化状態を変化させることが可能な第1磁力可変磁石と、前記第1磁力固定磁石に対して径方向における内側の位置と前記第1磁力可変磁石に対して径方向における内側の位置との間に広がるように前記ロータコアに形成される第1空隙部と、前記第1空隙部に対して径方向における外側に離間し、且つ周方向における前記磁力固定磁石の前記第1磁力可変磁石側の傍らに対して径方向における外側の位置から前記第1磁力可変磁石側に延びるように前記ロータコアに形成される第2空隙部とを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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