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公開番号2024108343
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023012655
出願日2023-01-31
発明の名称耐火物レンガ原料の製造方法およびその製造設備、ならびに耐火物レンガ表層スラグの分離方法およびその分離設備
出願人JFEスチール株式会社
代理人弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類B09B 3/35 20220101AFI20240805BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】耐火物レンガ表面の付着スラグをはがれやすい状態にして瞬間的な力を加え、耐火物レンガから表層付着スラグを分離するリサイクル用耐火物レンガ原料の製造方法およびその製造設備、耐火物レンガ表層スラグの分離方法およびその分離装置について提案することを目的とする。
【解決手段】使用済み耐火物レンガを所定以下の粒径に破砕する破砕工程と、所定範囲の粒径の耐火物レンガを得る第1篩工程と、耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン工程と、所定範囲の粒径の耐火物レンガ原料を得る第2篩工程と、を含むリサイクル用耐火物レンガ原料の製造方法又は耐火物レンガの分離方法である。ケレン工程では、整粒機の回転ドラムは内刃を有する内ドラムと外刃を有する外ドラムを備え、内ドラムと外ドラムは、逆方向に回転し、内ドラムの回転数が外ドラムの回転数より多くすることが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リサイクル用耐火物レンガ原料を製造する方法であって、
使用済み耐火物レンガを所定以下の粒径に破砕する破砕工程と、
前記所定以下の粒径に破砕された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の粒径の耐火物レンガを得る第1篩工程と、
前記所定範囲の粒径の耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン工程と、
ケレン工程で処理された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の粒径の耐火物レンガ原料を得る第2篩工程と、
を含むことを特徴とする耐火物レンガ原料の製造方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
使用済み耐火物レンガを粒径50mm以下に破砕する破砕工程と、
粒径50mm以下に破砕された耐火物レンガを篩に掛けて、粒径20~50mmの耐火物レンガを得る第1篩工程と、
粒径20~50mmの耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン工程と、
ケレン工程で処理された耐火物レンガを篩に掛けて、粒径20~40mmの耐火物レンガ原料を得る第2篩工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐火物レンガ原料の製造方法。
【請求項3】
前記破砕工程で、耐火物レンガを粒径50~40mmまで破砕することを特徴とする請求項2に記載の耐火物レンガ原料の製造方法。
【請求項4】
前記ケレン工程で、軸線に沿って伸びる円筒状をなす回転ドラムは、内ドラムと回転軸が偏心する位置にある外ドラムとを有し、前記内ドラムの外周面に設けられた内刃と前記外ドラムの内周面に設けられた外刃により、耐火物レンガを整粒し、かつ耐火物レンガから表層スラグを分離することを特徴とする請求項2又は3に記載の耐火物レンガ原料の製造方法。
【請求項5】
前記回転ドラムの内ドラムと外ドラムは、逆方向に回転し、前記内ドラムの回転数が前記外ドラムの回転数の1.1~1.3倍であることを特徴とする請求項4に記載の耐火物レンガ原料の製造方法。ここで、回転数とは、単位時間あたりの回転数(Hz)をいう。
【請求項6】
前記外ドラムの回転数を75Hz超え125Hz未満とすることを特徴とする請求項5に記載の耐火物レンガ原料の製造方法。
【請求項7】
使用済み耐火物レンガを所定以下の粒径に破砕する破砕装置と、
前記所定以下の粒径に破砕された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の耐火物レンガを得る第1篩装置と、
前記所定範囲の粒径の耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン装置と、
ケレン装置で処理された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の粒径の耐火物レンガ原料を得る第2篩装置と、を備え、
前記ケレン装置は、
内ドラムと回転軸が偏心する位置にある外ドラムとを有する軸線に沿って伸びる円筒状をなす回転ドラムであって、
前記内ドラムの外周面に設けられた内刃と、
前記外ドラムの内周面に設けられた外刃と、
前記内ドラムと前記外ドラムは、逆方向に回転し、かつ前記内ドラムの回転数が前記外ドラムの回転数より多い機構と、
を持つことを特徴とする耐火物レンガ原料の製造設備。
【請求項8】
使用済み耐火物レンガを粒径50mm以下に破砕する破砕装置と、
粒径50mm以下に破砕された耐火物レンガを篩に掛けて、粒径20~50mmの耐火物レンガを得る第1篩装置と、
粒径20~50mmの耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン装置と、
ケレン装置で処理された耐火物レンガを篩に掛けて、粒径20~40mmの耐火物レンガ原料を得る第2篩装置と、
前記内ドラムと前記外ドラムは、前記内ドラムの回転数が前記外ドラムの回転数の1.1~1.3倍とする機構と、
を持つことを特徴とする請求項7に記載の耐火物レンガ原料の製造設備。
【請求項9】
前記外ドラムの回転数を75Hz超え125Hz未満とすることを特徴とする請求項8に記載の耐火物レンガ原料の製造設備。
【請求項10】
使用済み耐火物レンガを所定以下の粒径に破砕する破砕工程と、
前記所定以下の粒径に破砕された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の粒径の耐火物レンガを得る第1篩工程と、
前記所定範囲の粒径の耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン工程と、
ケレン工程で処理された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の粒径の耐火物レンガ原料を得る第2篩工程と、
を含むことを特徴とする耐火物レンガ表層スラグの分離方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み耐火物レンガに付着したスラグを分離する、リサイクル用耐火物レンガ原料の製造方法およびその製造設備、リサイクル用耐火物レンガ表層スラグの分離方法およびその分離設備に関するものである。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、製銑工程特に製鉄におけるリサイクル効率を高めるために、製銑プロセスで使用される耐火物レンガを再利用することが提案されている。耐火物レンガとは、トピードレンガ、転炉レンガ等があり、一般的に耐火物レンガの稼働面(溶鋼やスラグと接触する面)側には、耐火物中の気孔を通して鉄やスラグが付着し、一部それ以外の面にもモルタルが付着している場合がある。耐火物をリサイクルする場合、これらが混入すると耐火物として耐用性が著しく低下して使えなくなるため取り除く必要がある。
現在は、手作業の打撃で、一つ一つの耐火物レンガ表面に付着したスラグを分離した後に破砕することで、耐火物レンガの一部しか再利用されていない。耐火物レンガのリサイクルを効率的に実施するためには、耐火物レンガからの付着スラグの分離を自動化かつ大量に実施できるようにする必要がある。
【0003】
特許文献1に記載されるドラム式ケレン装置や、特許文献2に記載されるウォータージェットケレン装置のように、金属ワークの表面に付着したセメント、モルタル、塗料等を自動的にケレン(除去)できるようにする装置はすでに提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-131400号公報
特開2001-9390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術には以下のような問題がある。
上記のような耐火物レンガの表面に付着したスラグの分離を行う場合、耐火物レンガの硬度が9.6MPa、スラグが14.0MPaとなり、母材であるレンガの方が付着スラグよりも硬度が低い。このため、表面付着スラグのみをケレンする必要があるが、必要以上のケレンを行うとレンガの歩留まりが低下するため、特許文献1又は2に開示されたケレン装置をそのまま使用することが出来ない。したがって、表面付着スラグがはがれやすい状態にしたうえで、瞬間的な力を加え、表面付着スラグをレンガからはがして分離することが必要となる。
【0006】
また、従来の手作業でケレン作業を行った場合には、作業の能率及びランニングコスト等の面で満足のいくものではなかった。また、すでに提案されている自動ケレン装置を用いた場合は、上記で述べたように、母材であるレンガの方が付着スラグよりも硬度が低いため、耐火物レンガを大きく削ってしまい歩留まりが低下する問題があった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、表面付着スラグがはがれやすい状態にしたうえで、瞬間的な力を加え、表面付着スラグとレンガをはがして分離することを可能とする、耐火物レンガからの表層付着スラグ分離方法およびその分離設備、耐火物レンガ原料の製造方法およびその製造設備について提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意、実験及び検討を行った。その結果、耐火物レンガを整粒する際に、事前に破砕を行うことによって付着スラグをはがれやすくし、この破砕後に整粒することで、耐火物レンガに付着したスラグを効率よく除去できることを見出した。
【0009】
上記課題を有利に解決する本発明にかかる耐火物スラグ原料の製造方法は以下のように構成される。
[1]リサイクル用耐火物レンガ原料を製造する方法であって、使用済み耐火物レンガを所定以下の粒径に破砕する破砕工程と、前記所定以下の粒径に破砕された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の粒径の耐火物レンガを得る第1篩工程と、前記所定範囲の粒径の耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン工程と、ケレン工程で処理された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の粒径の耐火物レンガ原料を得る第2篩工程と、を含む耐火物レンガ原料の製造方法である。
[2]上記の[1]において、使用済み耐火物レンガを粒径50mm以下に破砕する破砕工程と、粒径50mm以下に破砕された耐火物レンガを篩に掛けて、粒径20~50mmの耐火物レンガを得る第1篩工程と、粒径20~50mmの耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン工程と、ケレン工程で処理された耐火物レンガを篩に掛けて、粒径20~40mmの耐火物レンガ原料を得る第2篩工程と、を含む耐火物レンガ原料の製造方法である。
[3]上記の[2]において、前記破砕工程で、耐火物レンガを粒度50~40mmまで破砕する耐火物レンガ原料の製造方法である。
[4]上記の[2]又は[3]において、前記ケレン工程で、軸線に沿って伸びる円筒状をなす回転ドラムは、内ドラムと回転軸が偏心する位置にある外ドラムとを有し、前記内ドラムの外周面に設けられた内刃と前記外ドラムの内周面に設けられた外刃により、耐火物レンガを整粒し、かつ耐火物レンガから表層スラグを分離する耐火物レンガ原料の製造方法である。
[5]上記の[4]において、前記回転ドラムの内ドラムと外ドラムは、逆方向に回転し、前記内ドラムの回転数が前記外ドラムの回転数の1.1~1.3倍である耐火物レンガ原料の製造方法である。ここで、回転数とは、単位時間あたりの回転数(Hz)をいう。
[6]上記の[5]において、前記外ドラムの回転数を75Hz超え125Hz未満とする耐火物レンガ原料の製造方法である。
【0010】
上記課題を有利に解決する本発明にかかる耐火物レンガ原料の製造設備は以下のように構成される。
[7]使用済み耐火物レンガを所定以下の粒径に破砕する破砕装置と、前記所定以下の粒径に破砕された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の粒径の耐火物レンガを得る第1篩装置と、前記所定範囲の粒径の耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン装置と、ケレン装置で処理された耐火物レンガを篩に掛けて、所定範囲の粒径の耐火物レンガを得る第2篩装置と、を備え、前記ケレン装置は、内ドラムと回転軸が偏心する位置にある外ドラムとを有する軸線に沿って伸びる円筒状をなす回転ドラムであって、前記内ドラムの外周面に設けられた内刃と、前記外ドラムの内周面に設けられた外刃と、前記内ドラムと前記外ドラムは、逆方向に回転し、かつ前記内ドラムの回転数が前記外ドラムの回転数より多い機構と、を持つ耐火物レンガ原料の製造設備である。
[8]上記の[7]において、使用済み耐火物レンガを粒径50mm以下に破砕する破砕装置と、粒径50mm以下に破砕された耐火物レンガを篩に掛けて、粒径20~50mmの耐火物レンガを得る第1篩装置と、粒径20~50mmの耐火物レンガから表層スラグを分離するケレン装置と、ケレン装置で処理された耐火物レンガを篩に掛けて、粒径20~40mmの耐火物レンガを得る第2篩装置と、を備え、前記ケレン装置は、内ドラムと回転軸が偏心する位置にある外ドラムとを有する軸線に沿って伸びる円筒状をなす回転ドラムであって、前記内ドラムの外周面に設けられた内刃と、前記外ドラムの内周面に設けられた外刃と、前記内ドラムと前記外ドラムは、逆方向に回転し、かつ前記内ドラムの回転数が前記外ドラムの回転数の1.1~1.3倍とする機構と、を持つ耐火物レンガ原料の製造設備である。
[9]上記の[8]において、前記外ドラムの回転数を75Hz超え125Hz未満とする耐火物レンガ原料の製造設備である。
(【0011】以降は省略されています)

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