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公開番号2024106277
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-07
出願番号2023010539
出願日2023-01-26
発明の名称AgAuSe系多元化合物からなる半導体ナノ粒子
出願人国立大学法人東海国立大学機構,田中貴金属工業株式会社
代理人オリジネイト弁理士法人
主分類C01B 19/00 20060101AFI20240731BHJP(無機化学)
要約【課題】好適な光半導体特性を有し、特に、近赤外線領域・短波赤外線領域といった波長領域で良好な光吸収・発光特性を発揮し得る新規な半導体ナノ粒子を提示する。
【解決手段】本発明に係る半導体ナノ粒子は、必須の構成元素としてAg、Au、Seを必須とするカルコゲン元素、及び金属Mを含む化合物で構成される。ここで、前記金属Mは、Al、Ga、In、Tl、Zn、Cd、Hg、Cuの少なくともいずれかである。本発明に係る半導体ナノ粒子を構成する化合物は、Ag、Au、Seを必須とするカルコゲン元素、及び金属Mの合計含有量が95質量%以上である。また、前記化合物中の金属Mの含有量は、1原子%以上50原子%以下であるものが好ましい。
【選択図】図4



特許請求の範囲【請求項1】
必須の構成元素としてAg、Au、Seを必須とするカルコゲン元素、及び金属Mを含む化合物からなる半導体ナノ粒子であって、
前記金属Mは、Al、Ga、In、Tl、Zn、Cd、Hg、Cuの少なくともいずれかであり、
前記化合物は、Ag、Au、Seを必須とするカルコゲン元素、及び金属Mの合計含有量が95質量%以上である半導体ナノ粒子。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記化合物中の金属Mの含有量が1原子%以上50原子%以下である請求項1記載の半導体ナノ粒子。
【請求項3】
前記化合物中のAgの原子数xとAuの原子数yとの合計に対するAgの原子数の比(x/(x+y))が0.20以上0.95以下である請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項4】
前記化合物中のSeを必須とするカルコゲン元素の含有量が25原子%以上60原子%以下である請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項5】
前記化合物中のSeを必須とするカルコゲン元素の含有量が25原子%以上60原子%以下である請求項3記載の半導体ナノ粒子。
【請求項6】
前記化合物は、Ag、Au、Seを含む化合物に金属Mがドープされてなる請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項7】
前記化合物は、
Ag、Au、Seを含むコア化合物と、
前記コア化合物の表面の少なくとも一部を被覆する、金属M及び/又は金属Mを必須的に含みAg、Au、Seの少なくともいずれかを含むシェル化合物と、からなる請求項1又は請求項2に記載の半導体ナノ粒子。
【請求項8】
平均粒径が、2nm以上20nm以下である請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項9】
保護剤として、アルキル鎖炭素数が4以上20以下のアルキルアミン、アルケニル鎖炭素数が4以上20以下のアルケニルアミン、アルキル鎖炭素数が3以上20以下のアルキルカルボン酸、アルケニル鎖炭素数が3以上20以下のアルケニルカルボン酸、アルキル鎖炭素数が4以上20以下のアルカンチオール、アルキル鎖炭素数が4以上20以下のトリアルキルホスフィン、アルキル鎖炭素数が4以上20以下のトリアルキルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシドの少なくともいずれかが、表面に結合された請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項10】
吸収スペクトルの長波長側吸収端波長が、800nm以上である請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、AgAuSe系多元化合物からなる半導体ナノ粒子に関する。詳しくは、Ag、Au、Se及び金属Mで構成される新規なAgAuSe系多元化合物であって、光半導体特性に優れた半導体ナノ粒子に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
半導体は、ナノスケールの微小粒子とすることで量子閉じ込め効果を発現し、粒径に応じたバンドギャップを示す。そのため、半導体ナノ粒子の組成と粒径を制御してバンドギャップを調節することで、発光波長や吸収波長を任意に設定することができるようになる。この特性を利用した半導体ナノ粒子は、量子ドット(QD:Quantum Dot)とも称されており、様々な技術分野での活用が期待されている。半導体ナノ粒子の応用例としては、例えば、ディスプレイ装置や生体関連物質検出用マーカー物質等に利用される発光素子、蛍光物質が検討されている。半導体ナノ粒子は、前記した粒径調整による発光波長が制御可能であることに加えて、その発光ピーク幅が有機色素に比べて十分に狭く安定的であるためである。
【0003】
また、半導体ナノ粒子は、吸収波長の制御も可能である上に、高い量子効率を有し吸光係数が高いという特性も有する。これにより半導体ナノ粒子は、太陽電池や各種の光センサ等に搭載される光電変換素子や受光素子への利用も検討されている。特に、半導体ナノ粒子は、近赤外線領域(NIR)や短波赤外線領域(SWIR)に対応する光センサの受光素子として応用が期待されている。これら長波長領域領域に対応する光センサは、LIDAR(Light Detection and Ranging)やSWIRイメージセンサに搭載されている。LIDARは、自動車自動運転・ドローン・船舶等におけるリモートセンシングシステムであり、近年の自動運転技術の発展において重要なデバイスとなっている。また、SWIRイメージセンサは、食品検査、農業分野、ドローン等の分野において、今後需要が高まることが予測されるデバイスである。これまでの光センサの受光素子には、Si薄膜の適用例が多い。しかし、Si薄膜によるセンサは、900nm以上の波長域で感度が大きく低下するので、上記のアプリケーションには適合できない。このことから、半導体ナノ粒子を利用した受光素子の開発が期待されている。
【0004】
これまで検討されている半導体ナノ粒子の具体的な構成としては、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、Ag

S等の第11族-第16族化合物半導体といった二元化合物半導体や、AgInTe

等の第11族-第13族-第16化合物半導体のような三元化合物半導体で構成された半導体ナノ粒子が知られている(特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-243507号公報
特開2004-352594号公報
特開2017-014476号公報
国際公開WO2020/054764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように各種組成の半導体ナノ粒子が知られているが、半導体ナノ粒子はいまだ研究段階にあり、実用性を考慮した上で最適なものが見出されているわけではない。特に、上述した近赤外線領域(NIR)や短波赤外線領域(SWIR)に対応して好適な応答特性を有する半導体ナノ粒子は少ない。
【0007】
上記した従来の半導体ナノ粒子に関してみると、PbSのナノ粒子が近赤外線領域(NIR)及び短波赤外線領域(SWIR)に対応可能である。しかしながら、Pbは、欧州のRoHS指令(Restriction of the use of certain Hazardous Substances
in electrical and electronic equipment)で電気・電子機器への使用制限が規定される特定有害物質に含まれており、環境負荷の観点から今後多用されるべき金属元素とは言い難い。
【0008】
更に、光センサ等の受光素子以外の用途についてみても、従来の半導体ナノ粒子は、Pb以外にもCdを含むものもあり、生体親和性(低毒性組成)等の要求によって使用可能なものは少ない。
【0009】
そこで、本発明は、これまでの報告例にはない新規な構成の半導体ナノ粒子であって、好適な光半導体特性を有すると共に生体親和性等の実用性にも配慮されたものを提案する。特に、近赤外線領域(NIR)及び短波赤外線領域(SWIR)に対応可能であり、これらの波長領域で好適な光吸収・発光特性を発揮し得る半導体ナノ粒子を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、新たな半導体ナノ粒子としてAg及びAuの2種の金属(貴金属)の双方を含むカルコゲナイド化合物からなる半導体ナノ粒子について着目した。上記従来技術で示したように、Agのカルコゲナイド化合物(Ag

S)のナノ粒子は、光半導体特性を示すことが知られている。また、Auにも同様の可能性がある。そして、Ag及びAuの貴金属は、いずれも化学的に比較的安定な金属であり、生体親和性を有する金属として古くから知られている。よって、Ag及びAuの双方を含む三元系のカルコゲナイド化合物の半導体ナノ粒子についての具体的な検討には技術的意義があると考えるべきである。
(【0011】以降は省略されています)

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