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公開番号2024104703
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-05
出願番号2023009062
出願日2023-01-24
発明の名称地盤注入工法
出願人強化土エンジニヤリング株式会社
代理人個人,個人
主分類E02D 3/12 20060101AFI20240729BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】軟弱地盤などにおける複雑な地盤状況に応じて、全体的に一体化された、均質で、止水の完全な、しかも高強度な固結地盤を形成する地盤注入工法を提供する。
【解決手段】地盤中にシリカグラウトを注入するにあたり、A液とB液の合流液を地盤に注入する地盤注入工法である。A液は水ガラス溶液であって、B液は反応剤であって、A液とB液をそれぞれA液ポンプとB液ポンプで送液する複数の駆動装置とインバータと複数の駆動装置を一括管理する制御装置とを用いて、インバータを制御して、地盤状況に応じてA液とB液の合流液の流量と合流比率を連続的に可変制御することによって、A液とB液の合流液の反応生成物または組成分の濃度を連続的に変化させて、地盤改良領域における反応生成物または組成分の濃度を所定の濃度内にして地盤を固結させる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
地盤中にシリカグラウトを注入する地盤注入工法において、A液とB液の合流液を地盤に注入する地盤注入工法であって、
前記A液は水ガラス溶液であって、前記B液は反応剤であって、該A液とB液をそれぞれA液ポンプとB液ポンプで送液する複数の駆動装置とインバータと該複数の駆動装置を一括管理する制御装置とを用いて、前記インバータを制御して、地盤状況に応じて前記A液と前記B液の合流液の流量と合流比率を連続的に可変制御することによって、前記A液と前記B液の合流液の反応生成物または組成分の濃度を連続的に変化させて、地盤改良領域における該反応生成物または組成分の濃度を所定の濃度内にして地盤を固結させることを特徴とする地盤注入工法。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
あらかじめ前記A液と前記B液の合流液の流量と合流比率の連続的変化に対する前記反応生成物または組成分の濃度の変化の関係を把握しておくことにより、地盤改良領域における該反応生成物または組成分の濃度が所定の濃度内になるように、注入時にインバータ制御によりA液流量・B液流量と合流液の流量と合流比率を設定して地盤に注入する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項3】
あらかじめ前記A液と前記B液の合流液の流量と合流比率をインバータにより制御して、該A液と該B液の流量と該合流液の流量と合流比率の連続的変化に対する前記反応生成物または組成分の濃度の変化を把握しておくことにより、改良地盤中における該反応生成物または組成分の濃度が所定の濃度内におさまっているか否かをリアルタイムで把握して地盤中に注入する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項4】
地盤中における前記反応生成物または組成分の濃度として、地盤改良領域の地盤状況および地下水状況から、地盤中に溶出した該反応生成物または組成分の残存濃度が所定の濃度となるように合流液と合流比率を設定して、地盤に注入する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項5】
シリカ濃度が1~40w/vol%、pHが1~10である非アルカリシリカグラウトを地盤注入材として注入して地盤改良領域を形成するにあたり、
前記地盤改良領域の地盤状況および地下水状況から、地盤内に溶出した硫酸イオンの該地盤中における挙動に基づき、注入地盤を下記の(1)開放系、(2)停滞系または(3)濃縮系のいずれかに分類し、
(1)開放系:地下水が前記コンクリート構造物よりも外方向に流れており、硫酸イオン濃度が低減していく地盤
(2)停滞系:地下水流が停滞しており、硫酸イオン濃度がほとんど変化しない地盤
(3)濃縮系:硫酸イオンが前記コンクリート構造物の表面から浸透して濃縮され、硫酸イオン濃度が増大していく地盤
前記分類された注入地盤のタイプに応じ、該注入地盤における硫酸イオンの低減要因(Y)として、下記△1~△7のうちから選ばれるいずれかまたは複数を設定し、
△1:前記地盤改良領域内に非注入部分を設け、非注入部分の比率を硫酸イオンの溶出率α

としたときの、改良地盤中における硫酸イオンの残存率 △1=1-α

△2:地下水中に硫酸イオンが溶出する溶出率をα

としたときの、前記地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △2=1-α

△3:前記地盤改良領域内における硫酸イオンの固定率を溶出率α

としたときの、該地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △3=1-α

△4:前記地盤改良領域内における非硫酸系注入材、または、低硫酸系注入材による硫酸系注入材の硫酸イオンの置換率を溶出率α

としたとき、該地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △4=1-α

△5:前記地盤注入材中のシリカ成分のコロイドによる置換率を溶出率α

としたとき、前記地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △5=1-α

△6:前記地盤注入材中において硫酸イオンの一部または全部を捕捉し、その捕捉率を溶出率α

としたとき、前記地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △6=1-α

△7:前記地盤改良領域内の前記地盤注入材の注入率を低減し、該注入率の低減率を溶出率α

としたとき、該地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △7=1-α

前記注入地盤に応じて設定された前記低減要因(Y)に基づき、
前記地盤注入材として、該地盤注入材由来の硫酸イオンの濃度が、前記地盤改良領域内で環境に影響を及ぼさない程度の硫酸イオンの濃度である、前記地盤改良領域に残存する硫酸イオン濃度の平均値(X)の値が8,000ppm以下になるような濃度とされ、かつ、地盤状況に対して注入目的を満たすシリカ濃度および適用する施工法に適合した配合処方からなるものを選択する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項6】
前記A液と前記B液の合流比率を連続的に変化させることにより、改良地盤中における前記反応生成物または組成分の濃度が、地盤状況、地下水状況および注入設計に応じて環境負荷を低減する値となるように注入液を注入する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項7】
前記シリカグラウトとして、相対的にゲルタイムの短いグラウトと相対的にゲルタイムの長いグラウトを連続して地盤に注入するものとし、前記ゲルタイムの短いグラウトは地盤に粗結注入する一次注入材として注入し、前記ゲルタイムの長いグラウトは2次注入材として浸透注入する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項8】
連続的にゲルタイムを変化させながら、同一シリカ濃度の前記シリカグラウトを用いる請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項9】
連続的にゲルタイムを変化させながら、地盤状況に対応したゲルタイムとシリカ濃度が得られる前記シリカグラウトを注入する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項10】
前記A液および前記B液の流量をインバータ制御により連続的に変化させることで、改良地盤中で生成する環境に影響のある前記反応生成物または組成分の濃度が、環境負荷を低減する値となるように注入液を注入する請求項1記載の地盤注入工法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はシリカグラウトを用いた軟弱地盤の環境保全型注入固結法に関し、詳細には、地盤状況に合わせて連続的にゲルタイムと環境影響イオン濃度を可変として、軟弱あるいは漏水地盤を均質かつ強固に固結あるいは止水するとともに、注入地盤中に生成される環境影響イオンの濃度の管理を行う地盤注入工法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【0002】
軟弱地盤は通常、粗粒土層と細粒土層とが相互になって形成された軟弱な地盤であるが、これは、地盤内に固結剤を注入して、均質にかつ低い環境負荷で固結することが必要である。
【背景技術】
【0003】
近年の地震の多発化や掘削工事の大規模化に伴う工事の長期化や複雑な地盤条件における安全施工が要求される工事が増大するにつれ、薬液注入において、長期耐久性に優れ、地下水面下における浸透固結性に優れ、かつ、地盤構造物や水質に対して安全な地盤改良注入技術が要求されるようになってきた。
【0004】
この要望に応えるため、本出願人は既に非アルカリシリカグラウト(図1)を開発し、実用化している。非アルカリシリカグラウトには、図2に示すように、水ガラスのアルカリを酸で中和したpHが1~8付近の中・酸性系シリカグラウト(シリカゾルグラウト)や水ガラスのアルカリをイオン交換法で除去して増粒して弱アルカリ性で安定したコロイドと水ガラスと酸からなるpHが1~10を示すシリカグラウト(活性複合シリカグラウト)がある。また、非アルカリシリカグラウトの地中における反応生成物の低減に関して、特許文献1に記載された技術を開発している。非アルカリシリカグラウトは、いずれもゲルタイムを数秒から数十時間に設定できるので、大量の注入液を作って置いてもゲル化の心配がないのみならず、大量の注入液を長時間かけて送液でき、かつ、地盤中に注入した後、確実にゲル化し、さらに、粘性が小さく、浸透性が良い利点がある(図1参照)。
本発明において、酸性溶液に用いる酸としては、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、スルファミン酸等の無機酸、クエン酸などの有機酸および、これらの混酸やこれらの塩を用いることができ、pHを調整できる酸であれば限定されない。また、酸として作用する塩(例えば塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等)を用いることができる。また、任意の塩やアルカリやpH調整剤を添加剤としてゲルタイムを調整したり、強度を調整することができる。
シリカ溶液としては、水ガラスや活性シリカ、コロイダルシリカ、金属シリカ、地熱水由来のシリカやこれらの一種または複数種を用いることが可能である。
本発明において、使用する水ガラスの種類や濃度、モル比も限定されない。
【0005】
しかし、非アルカリシリカグラウトは、図1、図2から判るように、pHが中性付近ではゲルタイムが短く、pHが2付近ではゲルタイムが大幅に長く、その領域では安定したゲルタイムを示すが、その中間であるpH領域ではゲルタイムが急激に変化するため、所定のpHに対応したゲルタイムを有するグラウトを注入することが不可能であった。このため、実際の注入においては、瞬結グラウトを注入するか、極めて長いゲルタイムの注入液を注入するか、または、これを組み合わせた複合注入を多用する他なかった。また、軟弱地盤の注入工法としては、従来の次の方法が公知である。
【0006】
(1)ロッド注入方法
この方法は、固結材として反応剤の水溶液あるいはセメント物質を含む懸濁液(A液)と、水ガラス水溶液(B液)とを用い、これらをY字管を用いて合流させながら地盤中に圧入する方法であるが、ボーリングロッドと地盤との間に隙間が生じ、この隙間から固結材が地表に噴出したり、また粗い層を通して注入液が逸脱してしまうため、細粒土層部分への固結や所定固結範囲の固結が困難である。
【0007】
(2)二重管注入工法
この方法は、A液として水ガラスを、B液としてゲル化反応剤を用いて、地盤中に設置された二重管の先端部で合流して、短いゲルタイムでも固結する配合のグラウトを注入する方法である。この工法によれば、ゲルタイムが短いためロッド周辺に沿ってグラウトが地上部に噴出することは防止できるが、ゲルタイムが短いため粗い層を脈状にしか固結し得ず、土粒子間に浸透させることはできない。このため掘削にあたって、湧水土砂の崩壊が生じやすい。
【0008】
(3)二重管複合注入工法
上記問題を解決するために、従来より、まずゲルタイムの短い方の注入材で注入管と地盤との隙間を充填することによりパッカー効果のあるシールを形成するとともに、粗い層や層の境界面を填充した脈状の主体とする固結層を形成し、その後、ゲルタイムの長い方の注入材を上記シールを破ってゲルタイムの短い方の注入材が既に注入してある領域に注入する地盤注入工法が開発されている。この工法は、ゲルタイムの長い方の注入材は注入管周囲や粗い層から逸脱することがないので、注入対象を確実に浸透して固結することを目的としたものである(特許文献2、図3)。
【0009】
特許文献2記載の発明は、注入材を形成するために主剤配合液に反応剤を合流するもので、A液として主剤配合液としての水ガラス配合液または水ガラスと反応剤の混合配合液を用い、それにB液として水ガラス溶液や急結剤を加えた反応剤溶液を合流する。
【0010】
具体的には、水ガラスと反応剤を合流した瞬結グラウトを注入した後、アルカリ性浸透グラウトからなる浸透性グラウトを注入する。または、酸性水ガラスに反応剤を合流して瞬結性グラウトを注入後、酸性水ガラスのみを注入する。主剤に対する反応剤の合流をオン、オフしながら瞬結グラウトを一次注入してから浸透性グラウトに切り替えて二次注入する(図3参照)。この場合、1次注入と2次注入のシリカ濃度が変わり、一定の強度が得られない。
(【0011】以降は省略されています)

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