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公開番号2024104513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-05
出願番号2023008764
出願日2023-01-24
発明の名称空気二次電池及びその製造方法
出願人FDK株式会社
代理人弁理士法人相原国際知財事務所
主分類H01M 12/08 20060101AFI20240729BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 充電受入性の低下が抑制される水素空気二次電池及びその製造方法を提供する
【解決手段】 空気二次電池1は、空気中の酸素を正極活物質とする空気極40と、水素吸蔵合金を負極活物質として含む負極60とを備える。負極は、空気極と対向する第1領域61と、負極の厚み方向において空気極に対し第1領域よりも離れて位置する第2領域62とを有する。第2領域の水素吸蔵平衡圧が、第1領域の水素吸蔵平衡圧よりも低くなるように負極は形成されている。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
空気中の酸素を正極活物質とする空気極と、
水素吸蔵合金を負極活物質として含む負極と、
を備える空気二次電池であって、
前記負極は、前記空気極と対向する第1領域と、前記負極の厚み方向において前記空気極に対し第1領域よりも離れて位置する第2領域とを有し、
前記第2領域の水素吸蔵平衡圧は、前記第1領域の水素吸蔵平衡圧よりも低い、ことを特徴とする空気二次電池。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記負極は、厚み方向に積層された近位負極板及び遠位負極板を有し、
前記近位負極板は前記第1領域を含み、前記遠位負極板は前記第2領域を含む、請求項1記載の空気二次電池。
【請求項3】
さらに、前記負極に対し前記空気極の反対側に前記空気極とは別の第2空気極を有し、
前記負極は、さらに、前記負極の厚み方向において前記第2領域に対し前記第1領域とは反対側に、前記第2空気極と対向する第3領域を有し、
前記第3領域の水素吸蔵平衡圧は、前記第1領域の水素吸蔵平衡圧と等しい、請求項1記載の空気二次電池。
【請求項4】
空気二次電池を製造する方法であって、
第1水素吸蔵合金を含む第1負極板を形成する工程と、
第2水素吸蔵合金を含む第2負極板を形成する工程と、
前記第2負極板に前記第1負極板を重ね合わせて負極を形成する工程と、
空気極に対し、前記第1負極板が前記第2負極板よりも近接するように前記負極を配置して電極群を作製する工程と、
を含み、
前記第2負極板の水素吸蔵平衡圧は、前記第1負極板の水素吸蔵平衡圧よりも低い、ことを特徴とする方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、空気二次電池及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
空気電池において、負極に水素吸蔵合金を用いる水素空気二次電池は、正極活物質が空気中の酸素であることから、正極活物質を電池容器内に充填する必要が無く、その結果、電池容器内により多くの負極活物質を充填できるため、高エネルギー密度を実現される。水素吸蔵合金を負極活物質として用いる負極は、単位面積当たりの電気容量を高めると共に、水素ガス発生による負極活物質の負極芯体からの粉落ちを抑制するために、水素吸蔵合金は発泡金属からなる負極板に充填される。例えば、水素吸蔵合金粉末、ケッチェンブラック及び結着剤を含むスラリーをニッケルフォームに充填して負極板を作製し、乾燥後に負極板を圧延して負極板内における負極活物質の密度を高めて使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-187862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電気容量を増やすために負極板の厚みを増加させると、水素空気二次電池の充電時に副反応として水素ガスが発生しやすくなるので充電受入性が低下する。これらは、電池容量の低下や、負極板の膨張又は粉落ちによる劣化、充放電サイクル寿命の短縮につながる。また、厚みの厚い負極板は、曲げ半径が大きくなるため、電池の製造にも影響を与えていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、負極の全領域に亘りその厚みに拘らず充電受入性の低下が抑制される水素空気二次電池及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の空気二次電池は、空気中の酸素を正極活物質とする空気極と、水素吸蔵合金を負極活物質として含む負極と、を備える空気二次電池であって、前記負極は、前記空気極と対向する第1領域と、前記負極の厚み方向において前記空気極に対し第1領域よりも離れて位置する第2領域とを有し、前記第2領域の水素吸蔵平衡圧は、前記第1領域の水素吸蔵平衡圧よりも低い、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の空気二次電池によれば、充電時に水の電気化学的還元反応で生成した水素原子は、負極板において拡散され、水素吸蔵平衡圧の高い第1領域よりも、空気極から離れて位置する水素吸蔵平衡圧の低い第2領域から先に吸蔵される。このように、充電反応が進みにくい空気極から離れた領域から水素を吸収させることによって、吸蔵されなかった水素原子が水素ガスとして電池の外に抜けてしまうことで容量が低下することを抑制でき、充電受入性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態に係る空気二次電池を示す断面図である。
図1に示す空気二次電池の電極群の断面図である。
(a)は水素吸蔵合金AのPCT特性曲線を示し、(b)は水素吸蔵合金BのPCT特性曲線を示すグラフである。
空気二次電池の負極の製造工程を示すフローチャートである。
第2実施形態に係る空気二次電池を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る水素空気二次電池(以下、電池と称す場合も含む)を、図面を参照して説明する。
1.水素空気二次電池の構成
図1に、第1実施形態に係る水素空気二次電池の断面図を示す。水素空気二次電池1は、空気二次電池セルからなり、電池ケース10に収容されている。電池ケース10では、正極側から負極側に向けて、順に、流路板20、撥水膜30、空気極(正極)40、セパレータ50、負極60が配列される。空気極40は、セパレータ50を介して負極60と対向する。
【0010】
流路板20は、導電性を呈する矩形の平板からなり、空気極40に対向する一方の主面21に、空気極40と反応する空気が面内方向に沿って流れる通気路22と、通気路22に外部から空気を導入する導入路23と、通気路22を流れた空気を外部に導出する導出路24とが形成されている。導入路23及び導出路24は、それぞれ流路として、流路板20を厚み方向に貫通する。
(【0011】以降は省略されています)

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