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公開番号2024100976
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2024084799,2022503597
出願日2024-05-24,2021-02-22
発明の名称成型用ガラス素材
出願人HOYA株式会社
代理人前田・鈴木国際特許弁理士法人
主分類C03C 3/062 20060101AFI20240719BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】 再加熱時の安定性に優れる、成型用ガラス素材を提供すること。
【解決手段】 線膨張係数の最大値αmaxと、質量%表示でのSiO2およびZrO2の合計含有量[SiO2+ZrO2]とが、下記式(1)を満たす、成形用ガラス素材。αmax×[SiO2+ZrO2]≦27900 ・・・(1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
線膨張係数の最大値α
max
と、質量%表示でのSiO
2
およびZrO
2
の合計含有量[SiO
2
+ZrO
2
]とが、下記式(1)を満たす、成形用ガラス素材。
α
max
×[SiO
2
+ZrO
2
]≦27900 ・・・(1)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用ガラス素材に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
光学ガラスは、屈折率やアッベ数といった特定の光学常数を有するだけでなく、高い光線透過率や光学特性の均質性も有するという点で窓ガラスや瓶ガラスといった従来のケイ酸塩系ガラスとは異なる。
【0003】
近年は、映像機器の高精細化に対応するため、撮像機器に対する高性能化要求も高まると共に、光学素子自体の低背化要求も大きい。そこで、比較的屈折率が高く、また安定性に優れる光学ガラスが求められている。
【0004】
ここで、光学ガラスの製造方法として、ガラスを再加熱して成形する、リヒートプレス製法や丸棒成形法、押出成形法などが挙げられる。これらのような製法において、例えばNb
2

5
、TiO
2
、またはLa
2

3
といった、光学特性を高める成分が多く導入されたケイ酸塩系光学ガラスでは、ガラスの安定性が低下しやすく、特に再加熱の際に結晶化が進行しやすいという問題があった。
【0005】
結晶化しやすい無機化合物の融液は、急冷することで、ガラス化が可能となることが知られている。したがって、本発明が対象とする無機ガラスは、熔融状態にある無機化合物を結晶化の進行速度よりも早い速度で冷却することによって、その熔融状態における無秩序な原子配置を室温においても保持・凍結させたものである。
【0006】
しかし、少なくとも可視光に吸収を持たない光学ガラスは熔融状態にあっても熱伝導率が高くないため、ガラス全体の冷却速度はガラスの厚みが大きくなるほど低下し、その急冷効果は限定される。例えば非特許文献1に示すとおり、厚さ0.5mmのガラス融液を金属板でプレス成形すれば10
2
~10
3
℃/秒の冷却速度が得られるとしても、厚さ5mmのガラス融液を金属板でプレス成形した際の冷却速度は10~20℃/秒に留まる。このような理由のため、急冷により得られるガラスは、非特許文献2に示す「薄片」であるといわれている。
【0007】
そして、光学素子を成形するための厚みを持つガラスは、およそ10mm程度、大きいもので30mmや40mmの厚みのガラスを連続的に熔融して製造される。そして、ガラスの内部に結晶が存在すると光を散乱する原因となるので、そのようなガラスは、光学素子として使用できない。仮に、このような厚みを持つガラス表面を急冷することによってガラスを得ようとしても、ガラスの内部は十分に急冷されないため、ガラスの内部に結晶が生じてしまうことがある。また、このようなガラス内部の結晶化を避けようとして冷却条件を強くしすぎると、ガラス内部よりも先にガラス表面が固化して、その結果、クラックが発生する、あるいはガラスが割れるなどの問題が生じる。
【0008】
このように、ある程度の厚みを有するガラスを製造する場合に、通常の急冷の操作によって、結晶化せずにガラス化できるのは表面近傍のみである。さらに、一度内部に結晶が生じたガラスを再加熱しても、結晶化の傾向は消失することはなく、成形時にはふたたびガラスの結晶化が進行する可能性が大きい。それゆえ、このようにして得られたガラス素材は、加熱軟化して所望の形状を得ることもできないことから、一般的に産業界で用いられる光学ガラスとしては使用できないものであった。
【0009】
他方で特許文献1には、光学ガラスにおいて通常と異なる冷却条件を提案した先行技術が開示されている。すなわちTiO
2
を多く含有するケイ酸塩系ガラスについて、熔融ガラスを室温まで冷却し、その後ガラス転移温度Tgよりも低い温度でアニールして除歪することで、再加熱時における結晶の生成を抑制できるガラス素材が得られることが開示されている。
【0010】
しかしながら、特許文献1のガラス素材から得られる光学ガラスでは、可視光の短波長域とりわけ青色の光線透過率が低く、部分分散比Pg,Fの値が大きいなど、近年の光学設計の要求を満たすことができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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