TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024100426
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2023004421
出願日2023-01-16
発明の名称施肥機能を有した基盤材および基盤材を用いた施肥方法
出願人戸田建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09K 17/50 20060101AFI20240719BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】河川敷や堤防の法面等の土壌面に敷設する基盤材1に透水性を有するものにおいて、肥料成分が持続的に離脱するよう付着させて施肥効果が継続するようにする。
【解決手段】ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩とが水溶液中でゲル化する等量比である1:1~1:4の範囲で複合化されたポリイオンコンプレックスに肥料成分が混合されたものを、無機質材からなる骨材をバインダーで固化形成した基盤材1に付着させたものとすることで、継続的な施肥効果のあるものとする。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
粒状の無機質材を骨材としてバインダーで固化成形され、土表面に敷設される透水性を有した基盤材であって、該基盤材に肥料成分を付着することで施肥機能を有した基盤材とするにあたり、
前記基盤材に、カチオン性セルロース、カチオン性デンプンから選択される少なくとも1種のカチオン性高分子と、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロースから選択される少なくとも1種のアニオン性高分子とが複合化されたポリイオンコンプレックスに、肥料成分が混合されたものが付着していることを特徴とする施肥機能を有した基盤材。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
ポリイオンコンプレックスは、カチオン性高分子とアニオン性高分子とが水溶液中でゲル化する等量比で複合されたものであることを特徴とする請求項1記載の施肥機能を有した基盤材。
【請求項3】
カチオン性高分子はポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アニオン性高分子はポリカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩であり、
ポリイオンコンプレックスは、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩とが水溶液中でゲル化する等量比で1:1~1:4の範囲で複合化されたものであることを特徴とする請求項2記載の施肥機能を有した基盤材。
【請求項4】
ポリイオンコンプレックスと肥料成分とが混合する水溶液に、ゲル化成分が混合されることを特徴とする請求項1記載の施肥機能を有した基盤材。
【請求項5】
ゲル化成分は、寒天、ゼラチン、膠から選択される少なくとも一種類であることを特徴とする請求項4記載の施肥機能を有した基盤材。
【請求項6】
粒状の無機質材を骨材としてバインダーで固化成形され、土表面に敷設される透水性を有した基盤材を土俵面に敷設した状態で植生する基盤材を用いた植生方法であって、
該基盤材は、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩とが水溶液中でゲル化する等量比である1:1~1:4の範囲で複合化されたポリイオンコンプレックスに肥料成分が混合されたものが付着したものであり、
該肥料成分が混合されたポリイオンコンプレックスが付着することにより、土表面に敷設された基盤材からは、肥料成分がポリイオンコンプレックスと共に経時状態で離脱して敷設下面の土壌に施肥することを特徴とする施肥機能を有した基盤材を用いた施肥方法。
【請求項7】
基盤材には、肥料成分が混合されたポリイオンコンプレックスの水溶液にゲル化成分が混合されたものが付着されたものであり、該ゲル化成分が付着成分に混合することにより、肥料成分がポリイオンコンプレックスと共に離脱して施肥することが、ゲル化成分が混合していないものよりも長期間になることを特徴とする施肥機能を有した基盤材を用いた施肥方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、敷設した土壌に施肥する施肥機能を有した基盤材および基盤材を用いた施肥方法に関するものである。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
今日、河川敷や堤防の法面等の地表面をコンクリート化することで土壌の流失等を防止して地表面の維持を図り、災害発生の予防を図ることが試みられている。しかしながらこのようにした場合、土壌自体の露出がないうえ、雨水の浸透も妨げられることになって植生の形成が損なわれ、この結果、植生のあるところを生活圏として利用してきた動植物の生活環境が悪化し、自然環境の崩壊につながる要因ともなる。
このようなことを避けるため、近時、小石、軽石等の礫状材を骨材とし、これら骨材を透水性が維持される状態でバインダーで固化成形した基盤材を地表面に敷設するようにし、これによって地表面の土壌の流失等を防止しながら雨水の浸透ができるようにして植生の形成が促されるようにするものが提唱されている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6830123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが前記従来の基盤材は、単純に無機材質の骨材をバインダーで所定形状に固化形成したものであるため、透水性を有することにより敷設土壌への雨水の浸透は期待できるものの、無機材質で構成されるため養分(肥料)供給能力がなく、このため敷設土壌の植生を積極的に発育させることがなく、長期に亘って殆ど植生がないままの状態になってしまう等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、粒状の無機質材を骨材としてバインダーで固化成形され、土表面に敷設される透水性を有した基盤材であって、該基盤材に肥料成分を付着することで施肥機能を有した基盤材とするにあたり、前記基盤材に、カチオン性セルロース、カチオン性デンプンから選択される少なくとも1種のカチオン性高分子と、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロースから選択される少なくとも1種のアニオン性高分子とが複合化されたポリイオンコンプレックスに、肥料成分が混合されたものが付着していることを特徴とする施肥機能を有した基盤材である。
請求項2の発明は、ポリイオンコンプレックスは、カチオン性高分子とアニオン性高分子とが水溶液中でゲル化する等量比で複合されたものであることを特徴とする請求項1記載の施肥機能を有した基盤材である。
請求項3の発明は、カチオン性高分子はポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アニオン性高分子はポリカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩であり、ポリイオンコンプレックスは、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩とが水溶液中でゲル化する等量比で1:1~1:4の範囲で複合化されたものであることを特徴とする請求項2記載の施肥機能を有した基盤材である。
請求項4の発明は、ポリイオンコンプレックスと肥料成分とが混合する水溶液に、ゲル化成分が混合されることを特徴とする請求項1記載の施肥機能を有した基盤材である。
請求項5の発明は、ゲル化成分は、寒天、ゼラチン、膠から選択される少なくとも一種類であることを特徴とする請求項4記載の施肥機能を有した基盤材である。
請求項6の発明は、粒状の無機質材を骨材としてバインダーで固化成形され、土表面に敷設される透水性を有した基盤材を土俵面に敷設した状態で植生する基盤材を用いた植生方法であって、該基盤材は、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩とが水溶液中でゲル化する等量比である1:1~1:4の範囲で複合化されたポリイオンコンプレックスに肥料成分が混合されたものが付着したものであり、該肥料成分が混合されたポリイオンコンプレックスが付着することにより、土表面に敷設された基盤材からは、肥料成分がポリイオンコンプレックスと共に経時状態で離脱して敷設下面の土壌に施肥することを特徴とする施肥機能を有した基盤材を用いた施肥方法である。
請求項7の発明は、基盤材には、肥料成分が混合されたポリイオンコンプレックスの水溶液にゲル化成分が混合されたものが付着されたものであり、該ゲル化成分が付着成分に混合することにより、肥料成分がポリイオンコンプレックスと共に離脱して施肥することが、ゲル化成分が混合していないものよりも長期間になることを特徴とする施肥機能を有した基盤材を用いた施肥方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、何れも植物由来のカチオン性高分子、アニオン性高分子同士が複合化されたポリイオンコンプレックスに肥料成分が混合されたものが、無機質材の骨材を用いて透水性のある状態で固化成形された基盤材に付着したものとなる結果、該付着した基盤材を地表面に敷設した場合に、該敷設された地表面に継続的な施肥ができることになって植生の生育に寄与できることになる。
請求項2の発明とすることにより、カチオン性高分子、アニオン性高分子同士のポリイオンコンプレックスは、ゲル化する等量比で複合化されたものとなって凝集力が高く、基盤材に対する付着量が増加すると共に、該付着した肥料成分が基盤材から離脱して施肥することが長期間に及ぶことになって敷設された地表面に対する施肥機能が向上する。
請求項3の発明とすることにより、ポリイオンコンプレックスが、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩が複合化したものであるため、植生に対して悪影響を与えることがないものとなる。
請求項3または6の発明とすることで、肥料成分が混合されるポリイオンコンプレックスの基盤材に対する付着が、混合するゲル化成分によって向上して多量のものとなり、p非機能のさらなる長期化が図れることになる。
請求項5または7の発明とすることにより、ゲル化成分が動植物由来のものであるため、植生に障害となることがない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
基盤材の概略図である。
各供試体のポリイオンコンプレックスの付着量を示す表図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明において採用される植生用の基盤材1は、小石、軽石、砕石、ガラス、レンガ、陶磁器(セラミックス)等の無機質材(無機物質)からなる礫状をした骨材2のなかから選択された一種類以上の骨材をバインダーで接着して固化成形したものであって、空隙率が高く透水性に優れたものが採用される。この場合に基盤材1の大きさとしては、地面(地表面)に敷設するに支障のないものであればよく、例えば厚さを5cmとして45cm四方、90cm四方、45×60cmのもの等、必要において各種の大きさ、形状にすることができる。
【0009】
また骨材2の大きさについても特に限定されるものではなく、基盤材1の空隙率、透水性を保持するため、骨材の平均粒径としては凡そ3mm~25mm程度であることが好ましい。平均粒径が3mm未満の小径となった場合には、空隙率、透水性が損なわれてしまうことになり、また25mmを超える場合には骨材同士の接着強度が損なわれ、耐久性が低下するという問題がある。因みに骨材2としては、粒径が大小異なるものを混在させることで高い空隙率、透水性を維持しながら強度の強いものにすることができる。
そしてこのような骨材を接着するバインダーとしては、エポキシ樹脂系のバインダーが一般的に知られているが、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリアミド樹脂系等、各種の樹脂系バインダーを必要において採用することができる。
【0010】
前述した無機質材からなる骨材をバインダーによって固化形成した基盤材1に、カチオン性高分子とアニオン性高分子とを混合した水溶液を母液とし、ここに植生物の養分となる肥料成分を混合することになるが、該肥料成分としては、液体肥料が母液との相溶性の観点から好ましいが、固体肥料(粉状肥料)であっても勿論よい。固定肥料としては、水溶性であって、前記母液に混合した場合に溶解するものが好ましいが、必ずしも溶解する必要はない。そして溶解しないものである場合、母液内での分散性の観点から粉状であることか好ましい。
また肥料成分としては、肥料の三大栄養素である窒素、リン、カリウム系のものの少なくとも一つ以上を含むものが選択されるが、これ以外の有効成分として、例えばカルシウム、マグネシウム等、各種の肥料成分を含むものであっても勿論よい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
粘着テープ
9日前
ベック株式会社
被膜形成方法
26日前
サンノプコ株式会社
分散剤
1か月前
株式会社日進産業
冷却部材
1か月前
個人
加工品の製造方法及び使用方法
1か月前
シヤチハタ株式会社
絵画の作製方法
2か月前
個人
油絵の描画方法及び油絵
1か月前
株式会社リンテック21
接着具
1か月前
花王株式会社
乳化組成物
17日前
JNC株式会社
ポリシロキサン接着剤
16日前
株式会社日本触媒
クリアインク組成物
1か月前
中外商工株式会社
厚膜型塗り床材
11日前
大日精化工業株式会社
顔料分散液
1か月前
サンスター株式会社
懸濁組成物の製造方法
2か月前
三商株式会社
塗料組成物およびシート成形物
1か月前
ニチバン株式会社
医療用貼付材
2か月前
デンカ株式会社
蛍光体粉末の製造方法
2か月前
日本製紙株式会社
分散体組成物
26日前
AGCセイミケミカル株式会社
分散剤
13日前
ベック株式会社
水性下塗材及び化粧仕上げ方法
1か月前
TOPPANホールディングス株式会社
印刷物
2か月前
株式会社サンエー化研
粘着積層体
2か月前
三井化学株式会社
プライマー組成物
1か月前
五洋建設株式会社
炭素貯留混合材料
6日前
日東電工株式会社
粘着シート
24日前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
12日前
日東電工株式会社
粘着シート
1か月前
ダイキン工業株式会社
耐油剤
10日前
株式会社パイロットコーポレーション
固形筆記体
2か月前
日東電工株式会社
粘着シート
2か月前
信越ポリマー株式会社
研磨用分散液
2か月前
日東電工株式会社
粘着シート
24日前
三菱鉛筆株式会社
鉛筆芯
9日前
セメダイン株式会社
バランスウエイト
2か月前
株式会社クラレ
接着性樹脂組成物
2か月前
株式会社アイセル
下地塗料、塗料および構造体
1か月前
続きを見る