発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 開示の技術は、通信システム及び通信方法に関する。 続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】 【0002】 光信号を用いる通信の中でも、光空間通信(あるいは光無線通信)は、光信号の伝送媒体として光ファイバではなく空間を用いるため、柔軟性に優れている。これは、電波を用いる無線通信の代替技術でもあり、周波数資源の逼迫が課題となっている昨今、IoTなどにおける活用が期待されている。従来のレーザなどを用いた光空間通信に加えて、近年ではLEDを用いた可視光通信が盛んに検討されるようになった。LEDのような可視光を用いることで、低コスト化のほか、天井照明などの照明用途との複合的な利用など、柔軟な運用が可能になるメリットがある。 【0003】 可視光による光空間通信の一手法として、光カメラ通信(Optical Camera Communication:OCC)がある。OCCとは、送信機にLEDやディスプレイのような光源、受信機にカメラを用いた可視光通信のことである。送信機として3色LEDを用い、データを光信号へ変調して送信するのが、最も一般的な適用形態である。受信側の動作としては、カメラで撮影した動画像の中から光源の占めるピクセルを抽出し、当該領域のRGB値などから信号を復調する。 【0004】 OCCの適用により、スマートフォン等をはじめとしたLEDライトやカメラを搭載したスマートデバイスのほか、照明やWebカメラなど既存のデバイスを用いて通信を行えるようになる。すなわち、スマートフォン等を用いた日常生活での簡易的な通信に加え、室内灯などを用いた照明機能と通信機能の両立、自動運転などをサポートするV2X通信など、様々な場面での応用が可能である。 【0005】 OCCの関連技術として、Blooming effectと呼ばれる光の拡散による干渉を回避する手法(非特許文献1)がある。OCCでは、CMOSイメージセンサを用いて光信号を受光し、画像内で光源に該当する領域の画素ごとのRGB値を用いて信号の復調を行う。このとき、複数の光源が画像上で重なっていれば光の重なり、あるいは光源そのものの遮蔽により干渉が起こる。そして機種や環境によってはさらに、Blooming effectと呼ばれる光の拡散現象による干渉が生じる。この課題に対して非特許文献1の技術では、カメラと物体の座標と近似的なサイズに加えて、画素数やCMOSイメージセンササイズ、画角などカメラのパラメータを考慮し、透視変換などの数学的手法により画像上での干渉条件を理論的に定式化している。 【0006】 さらに、Blooming effectを考慮した画像上での光の減衰を表す近似式を用いて、光源間の干渉を回避することが可能である。 【0007】 またOCCの通信レート向上技術として、ローリングシャッターを用いた手法(非特許文献2)がある。スマートフォンなどのカメラを含めて、近年はローリングシャッターを採用したカメラデバイスが多く存在する。ローリングシャッターは、イメージセンサを構成する画素について、縦または横方向に順番に露光及び読み取りを行う手法である。OCCに対してローリングシャッターを適用することで、グローバルシャッターを用いた場合と比較して、大幅な伝送レート向上が可能となる。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0008】 Yukito Onodera, Hiroki Takano, Daisuke Hisano, Yu Nakayama, "Avoiding Inter Light Sources Interference in Optical Camera Communication", IEEE Global Telecommunications Conference (GLOBECOM), Madrid, Spain, Dec. 2021. T. Nguyen, C. H. Hong, N. T. Le, and Y. M. Jang, "Highspeed asynchronous optical camera communication using LED and rolling shutter camera," in 2015 Seventh International Conference on Ubiquitous and Future Networks. IEEE, 2015, pp. 214-219. 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 ローリングシャッターでは、1フレームの間に画素の列を順番に露光し、読み取り処理を行うことで画像を生成する。ただし、あるフレームと次のフレームとの間には、露光を行わない待機時間が存在する。そのため、ローリングシャッターをOCCに適用し、送信側が連続的に光信号を送信した場合には、この待機時間にあたった信号は受信されず消失するという課題があった。また、これを解決するための送受信ノード間での時刻同期に係る技術はこれまでになかった。 【0010】 開示の技術は、ローリングシャッター方式を用いた高速な可視光通信において、送信情報の消失を回避することができる通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する