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公開番号
2024099296
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-25
出願番号
2023003138
出願日
2023-01-12
発明の名称
コンクリート供給システムとコンクリート供給方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
E04G
21/04 20060101AFI20240718BHJP(建築物)
要約
【課題】作業員の常時監視や操作を不要にしながら、ホッパ内のコンクリートの貯留量の特定に際してコンクリートの高さを精度よく特定でき、ホッパ内のコンクリートの貯留量を適正に自動管理することのできるコンクリート供給システムとコンクリート供給方法を提供する。
【解決手段】コンクリート供給システム100であり、コンクリート圧送装置10は、ホッパ18内にあるコンクリートCの高さを連続的に検出自在なセンサ30、制御装置40、第1通信部50を備え、ミキサー車20は、ドラム21、ドラム21を回転させる油圧モータ66、油圧モータ66に対して作動油を供給する油圧ポンプ64、作動油の油量を調整する油量調整装置70、第2通信部80を備え、制御装置40は、センサ30による計測データに基づいてコンクリートの供給量を算定し、第1通信部50から第2通信部80に送信された供給量データに基づいて油量調整装置70を制御する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
コンクリートを圧送するコンクリート圧送装置の備えるホッパに対して、ミキサー車からコンクリートを供給する、コンクリート供給システムであって、
前記コンクリート圧送装置は、前記ホッパ内にあるコンクリートの高さを連続的に検出自在なセンサと、制御装置と、第1通信部とを備え、
前記ミキサー車は、コンクリートを撹拌して前記ホッパにコンクリートを供給するドラムと、該ドラムを回転させる油圧モータと、該油圧モータに対して油圧回路を介して作動油を供給する油圧ポンプと、該作動油の油量を調整する油量調整装置と、第2通信部とを備えており、
前記制御装置は、前記センサによる計測データに基づいて、前記ホッパへ供給するコンクリートの供給量を算定し、前記第1通信部から前記第2通信部に送信された供給量データに基づいて、前記油量調整装置が制御されることを特徴とする、コンクリート供給システム。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
コンクリートを圧送するコンクリート圧送装置の備えるホッパに対して、ミキサー車からコンクリートを供給する、コンクリート供給システムであって、
前記コンクリート圧送装置は、前記ホッパ内にあるコンクリートの高さを連続的に検出自在なセンサと、第1通信部を備え、
前記ミキサー車は、コンクリートを撹拌して前記ホッパにコンクリートを供給するドラムと、該ドラムを回転させる油圧モータと、該油圧モータに対して油圧回路を介して作動油を供給する油圧ポンプと、該作動油の油量を調整する油量調整装置と、制御装置と、第2通信部とを備えており、
前記センサによる計測データが、前記第1通信部から前記第2通信部に送信され、前記制御装置は、該第2通信部にて受信した該計測データに基づいて、前記ホッパへ供給するコンクリートの供給量を算定し、供給量データに基づいて該油量調整装置を制御することを特徴とする、コンクリート供給システム。
【請求項3】
前記油量調整装置はフロー制御バルブを含み、
前記制御装置により、前記フロー制御バルブの制御が実行されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリート供給システム。
【請求項4】
前記制御装置では、随時受信する前記計測データに基づいて、前記ホッパ内に貯留するコンクリートの変化量もしくは変化速度を算定し、算定された該変化量もしくは該変化速度に基づいて前記油量調整装置をPID制御することを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリート供給システム。
【請求項5】
前記センサが、レーザ距離計、超音波距離計のいずれか一種であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリート供給システム。
【請求項6】
山岳トンネルにおいて吹付けコンクリートを施工する際に適用され、
前記ミキサー車から前記コンクリート圧送装置に対して、コンクリートの自動供給を実行することを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリート供給システム。
【請求項7】
コンクリートを圧送するコンクリート圧送装置の備えるホッパに対して、ミキサー車からコンクリートを供給する、コンクリート供給方法であって、
前記ミキサー車は、コンクリートを撹拌して前記ホッパにコンクリートを供給するドラムと、該ドラムを回転させる油圧モータと、該油圧モータに対して油圧回路を介して作動油を供給する油圧ポンプと、該作動油の油量を調整する油量調整装置とを備え、前記コンクリート圧送装置と前記ミキサー車のいずれか一方が制御装置を備えており、
前記ホッパ内にあるコンクリートの高さを連続的に検出自在なセンサにより検出する、A工程と、
前記制御装置において、前記センサによる計測データに基づいて、前記ホッパへ供給するコンクリートの供給量を算定し、算定された供給量に基づいて前記油量調整装置を制御しながらコンクリートを供給する、B工程とを有することを特徴とする、コンクリート供給方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート供給システムとコンクリート供給方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
コンクリート打設においては、コンクリートを圧送するコンクリート圧送装置のホッパに対してミキサー車からコンクリートが供給され、コンクリートの打設が行われる。このコンクリート圧送装置には、コンクリートポンプ車や、移動手段を備えていない定置式のコンクリートポンプ、山岳トンネルの施工に供されるコンクリート吹付け機等、様々な圧送装置が含まれる。
【0003】
コンクリート圧送装置の後方にあるホッパに対して、ミキサー車の後方に設けられているシュートを近接させて位置合わせし、ミキサー車のドラムを逆転させることにより、ホッパに対してコンクリートが吐出される。ここで、ドラムの内部には螺旋状ブレードが設けられており、コンクリート撹拌時はドラムを正転させ、コンクリート吐出時はドラムを逆転させる回転切替制御が実行されるようになっている。ホッパには、ピストン式では油圧式ピストンポンプ等が装備されており、ホッパ内に貯留されているコンクリートがピストンポンプにより圧送され、スクイーズ式ではポンピングチューブが復元する際に発生する負圧により圧送され、コンクリート圧送装置の備えるノズル等に供給されることにより、コンクリートの打設が実施される。
【0004】
上記するコンクリート圧送装置によるコンクリートの圧送の際には、コンクリート圧送装置によるコンクリートの圧送量や圧送速度の変化に応じて、ホッパ内にあるコンクリートの貯留量を作業員が都度確認し、ホッパ内の貯留量を適正な状態に維持するようにドラムの回転制御を行っている。すなわち、ホッパ内の貯留量が少な過ぎると、コンクリート圧送装置に対するコンクリートの供給不足の恐れがあり、ホッパ内の貯留量が多過ぎると、ホッパからコンクリートが溢れ出てしまう恐れがあることから、これらの課題を解消するためにドラムの回転制御が実行される。そのため、ミキサー車からコンクリート圧送装置のホッパ等に対してコンクリートが供給される際には、ホッパ内のコンクリートの貯留量を常時監視してドラムの回転速度を制御する作業員が必要になる。
【0005】
ここで、特許文献1,2には、ミキサー車からコンクリートポンプ車への自動的なコンクリート供給を実行するシステムやコンクリートポンプ車が提案されている。特許文献1に記載のコンクリートミキサー車とコンクリートポンプ車との連係システムは、コンクリートミキサー車の排出操作系統とコンクリートポンプ車の移送操作系統を連係して、排出量と移送量を同時調整可能にしたシステムである。このコンクリートポンプ車には、ホッパ内のコンクリート量を検出するためのセンサが設けられている。
一方、特許文献2に記載のコンクリートポンプ車は、コンクリートポンプの運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手段によって検出されたコンクリートポンプの運転状態から、ホッパ内への生コンクリートの要求供給量を求める要求供給量演算手段と、要求供給量演算手段によって求められた要求供給量にて生コンクリート供給装置からホッパへ生コンクリートを供給させるべく、生コンクリート供給装置へ運転指令を発信する発信手段とを有している。ここで、運転状態検出手段は、ホッパ内における生コンクリートの貯留量を検出するセンサである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭59-161561号公報
特開2002-206343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の連係システムと特許文献2に記載のコンクリートポンプ車を適用することにより、ホッパ内のコンクリートの貯留量を常時監視する作業員を不要にできる。ところで、いずれの技術もセンサにてコンクリートの貯留量を計測することとしているが、具体的なセンサに関する記載はない。
また、コンクリート圧送の作業環境が例えばトンネル内である場合は、トンネル内におけるコンクリート吹付け作業が高濃度粉塵環境下で行われ、屋外の場合は高温や低温の作業環境下で行われることから、上記する作業員による常時監視の際に作業員の受ける負担は極めて大きい。
【0008】
本発明は、コンクリートを圧送するコンクリート圧送装置の備えるホッパに対して、ミキサー車からコンクリートを供給する、コンクリート供給システムと方法に関し、作業員の常時監視や操作を不要にしながら、ホッパ内のコンクリートの貯留量の特定に際してコンクリートの高さを精度よく特定でき、ホッパ内のコンクリートの貯留量を適正に自動管理することのできる、コンクリート供給システムとコンクリート供給方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明によるコンクリート供給システムの一態様は、
コンクリートを圧送するコンクリート圧送装置の備えるホッパに対して、ミキサー車からコンクリートを供給する、コンクリート供給システムであって、
前記コンクリート圧送装置は、前記ホッパ内にあるコンクリートの高さを連続的に検出自在なセンサと、制御装置と、第1通信部とを備え、
前記ミキサー車は、コンクリートを撹拌して前記ホッパにコンクリートを供給するドラムと、該ドラムを回転させる油圧モータと、該油圧モータに対して油圧回路を介して作動油を供給する油圧ポンプと、該作動油の油量を調整する油量調整装置と、第2通信部とを備えており、
前記制御装置は、前記センサによる計測データに基づいて、前記ホッパへ供給するコンクリートの供給量を算定し、前記第1通信部から前記第2通信部に送信された供給量データに基づいて、前記油量調整装置が制御されることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、コンクリート圧送装置が、ホッパ内にあるコンクリートの高さを連続的に検出自在なセンサを備えていることにより、作業員の常時監視や操作を不要にしながら、ホッパ内のコンクリートの高さを高精度に測定することができ、このことによってホッパ内のコンクリートの貯留量を高精度に特定することができる。従って、例えば作業環境がトンネル内である場合においても、作業員の常時監視や操作が不要であることから、作業員が大きな負担を受けるといった課題は解消される。
さらに、ホッパ内にあるコンクリートの高さを連続的に検出自在なセンサにて計測することにより、トンネル内の高粉塵環境下にあっても、ホッパ内のコンクリートの高さを高精度に測定することができ、このことによってホッパ内のコンクリートの貯留量を高精度に特定することができる。このセンサには、レーザ距離計や超音波距離計等が適用できる。尚、プローブ等を用いた測定では、粉塵の影響を受け易く、高精度な高さ測定は困難となる。
さらに、制御装置において、受信したホッパ内のコンクリートの高さに関する計測データに基づいて、ホッパへ供給するコンクリートの供給量を算定し、算定された供給量に基づいて油圧回路を形成する油量調整装置を制御することにより、様々に変化するコンクリート圧送装置からのコンクリートの圧送量や圧送速度に応じながら、ホッパ内のコンクリートの貯留量を適正に自動管理することができる。このようなコンクリートの貯留量の適正な自動管理により、ミキサー車のドラムの回転操作を行う作業員を不要にできる。
(【0011】以降は省略されています)
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