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公開番号
2024097530
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-19
出願番号
2023001032
出願日
2023-01-06
発明の名称
情報処理装置、医療者端末及びプログラム
出願人
公立大学法人大阪
代理人
弁理士法人インターブレイン
主分類
G16H
10/00 20180101AFI20240711BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約
【課題】移植法などの治療法に関して、患者個別に適性が高い治療法を予測する技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、移植手術を受けた患者毎に、複数の想定移植法の各々について、機械学習された予測モデルを用いて、術後経過を予測する予測部と、患者毎に、良好な術後経過に対応する想定移植法を推奨移植法として選定する推奨部と、複数の患者を、実施移植法と推奨移植法が一致する推奨群と、実施移植法と推奨移植法が一致しない非推奨群とに分類し、推奨群の術後経過と非推奨群の術後経過とを解析して、予測モデルの評価結果を算出する評価部と、を備える。
【選択図】図16
特許請求の範囲
【請求項1】
移植手術を受けた複数の第1患者の各々について、予後因子と、実施移植法と、術後経過に係る指標とを含む教師データを記憶するための教師データ記憶部と、
前記第1患者の前記予後因子と、前記第1患者の前記実施移植法とを説明変数とし、前記第1患者の前記指標を目的変数とする予測モデルを機械学習により生成するモデル生成部と、
前記移植手術を受けた複数の第2患者の各々について、予後因子と、実施移植法と、実際の術後経過に係る指標とを含む評価データを記憶するための評価データ記憶部と、
前記第2患者毎に、複数の想定移植法の各々について、前記予測モデルを用いて、前記予後因子と当該想定移植法とから、当該想定移植法による術後経過を予測する予測部と、
前記第2患者毎に、前記想定移植法毎に予測された前記術後経過のうち良好な前記術後経過に対応する前記想定移植法を推奨移植法として選定する推奨部と、
複数の前記第2患者のそれぞれを、当該第2患者の前記実施移植法と前記推奨移植法が一致する推奨群と、当該第2患者の前記実施移植法と前記推奨移植法が一致しない非推奨群とに分類し、前記推奨群における前記実際の術後経過と前記非推奨群における前記実際の術後経過とを解析して、前記予測モデルの評価結果を算出する評価部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記予測部は、前記第2患者毎に、当該第2患者の前記実施移植法に基づいて実施不可能と推測される移植法を除く前記複数の想定移植法を選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記移植手術を受けた複数の第3患者の各々について、予後因子と、実施移植法と、術後経過に係る指標とを含む追加データを取得するデータ取得部を、更に備え、
前記モデル生成部は、前記第1患者及び前記第3患者の前記予後因子と、前記第1患者及び前記第3患者の前記実施移植法とを前記説明変数とし、前記第1患者及び前記第3患者の前記指標を前記目的変数とする予測モデルを機械学習により生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記移植手術を受ける現患者の予後因子を入力する入力部を、更に備え、
前記予測部は、前記予測モデルを用いて、前記現患者の前記予後因子と、候補移植法とから、当該候補移植法による前記現患者の術後経過を予測することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予測部は、複数の前記候補移植法について、それぞれ前記現患者の前記術後経過を予測し、
前記候補移植法毎に予測された前記現患者の前記術後経過を比較可能な態様で出力する出力部を、更に備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記移植手術を受ける現患者の予後因子を入力する入力部と、
請求項1に記載の情報処理装置で生成された前記予測モデルを用いて、前記現患者の前記予後因子と、候補移植法とから、当該候補移植法による前記現患者の術後経過を予測する予測部と、を備えることを特徴とする医療者端末。
【請求項7】
前記予測部は、複数の前記候補移植法について、それぞれ前記現患者の前記術後経過を予測し、
前記候補移植法毎に予測された前記現患者の前記術後経過を比較可能な態様で出力する出力部を、更に備えることを特徴とする請求項6に記載の医療者端末。
【請求項8】
前記予測モデルの前記評価結果を出力する出力部を、更に備えることを特徴とする請求項6に記載の医療者端末。
【請求項9】
所定治療を受けた複数の第1患者の各々について、予後因子と、実施治療法と、治療後経過に係る指標とを含む教師データを記憶する教師データ記憶部と、
前記第1患者の前記予後因子と、前記第1患者の前記実施治療法とを説明変数とし、前記第1患者の前記指標を目的変数とする予測モデルを機械学習により生成するモデル生成部と、
前記所定治療を受けた複数の第2患者の各々について、予後因子と、実施治療法と、実際の治療後経過に係る指標とを含む評価データを記憶するための評価データ記憶部と、
前記第2患者毎に、複数の想定治療法の各々について、前記予測モデルを用いて、前記予後因子と当該想定治療法とから、当該想定治療法による治療後経過を予測する予測部と、
前記第2患者毎に、前記想定治療法毎に予測された前記治療後経過のうち良好な前記治療後経過に対応する前記想定治療法を推奨治療法として選定する推奨部と、
複数の前記第2患者のそれぞれを、当該第2患者の前記実施治療法と前記推奨治療法が一致する推奨群と、当該第2患者の前記実施治療法と前記推奨治療法が一致しない非推奨群とに分類し、前記推奨群における前記実際の治療後経過と前記非推奨群における前記実際の治療後経過とを解析して、前記予測モデルの評価結果を算出する評価部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
前記所定治療を受ける現患者の予後因子を入力する入力部と、
請求項9に記載の情報処理装置で生成された前記予測モデルを用いて、前記現患者の前記予後因子と、候補治療法とから、当該候補治療法による前記現患者の治療後経過を予測する予測部と、を備えることを特徴とする医療者端末。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療法の予後を予測する技術に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
他人からの造血幹細胞を移植する同種造血幹細胞移植は、白血病をはじめとした難治性血液疾患の唯一の根治療法である。以下、同種造血幹細胞移植を単に「造血幹細胞移植」という。
【0003】
近年、前処置や移植片対宿主病(以下、「GVHD」と記す)の予防法の改良、ドナー選択肢の増加により、多岐に渡る移植法が開発され、治療成績も向上してきた。その結果、移植を受ける患者は増加の一途にある。一方、どのような患者に対してどの移植法が最適かという選択は複雑化しており、移植医や移植施設の主観や経験に依存するところが大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-119383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療分野において、人工知能や機械学習の活用が広がっているが、そのほとんどは、診断又は単に予後予測に関するものである。機械学習モデルに患者個別の移植法を推奨させ、その推奨移植法が予後改善に寄与することを示した報告はない。
【0006】
特許文献1には、学習機を用いて特定のドナーに関して移植予後の結果を含む移植候補情報を生成する技術が開示されているが、移植法を推奨する仕組みは無い。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、移植法などの治療法に関して、患者個別に適性が高い治療法を予測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様の情報処理装置は、移植手術を受けた複数の第1患者の各々について、予後因子と、実施移植法と、術後経過に係る指標とを含む教師データを記憶するための教師データ記憶部と、第1患者の予後因子と、第1患者の実施移植法とを説明変数とし、第1患者の上記指標を目的変数とする予測モデルを機械学習により生成するモデル生成部と、移植手術を受けた複数の第2患者の各々について、予後因子と、実施移植法と、実際の術後経過に係る指標とを含む評価データを記憶するための評価データ記憶部と、第2患者毎に、複数の想定移植法の各々について、予測モデルを用いて、予後因子と当該想定移植法とから、当該想定移植法による術後経過を予測する予測部と、第2患者毎に、想定移植法毎に予測された術後経過のうち良好な術後経過に対応する想定移植法を推奨移植法として選定する推奨部と、複数の第2患者のそれぞれを、当該第2患者の実施移植法と推奨移植法が一致する推奨群と、当該第2患者の実施移植法と推奨移植法が一致しない非推奨群とに分類し、推奨群における実際の術後経過と非推奨群における実際の術後経過とを解析して、予測モデルの評価結果を算出する評価部と、を備える。
【0009】
本発明の別の態様の情報処理装置は、所定治療を受けた複数の第1患者の各々について、予後因子と、実施治療法と、治療後経過に係る指標とを含む教師データを記憶する教師データ記憶部と、第1患者の予後因子と、第1患者の実施治療法とを説明変数とし、第1患者の上記指標を目的変数とする予測モデルを機械学習により生成するモデル生成部と、所定治療を受けた複数の第2患者の各々について、予後因子と、実施治療法と、実際の治療後経過に係る指標とを含む評価データを記憶するための評価データ記憶部と、第2患者毎に、複数の想定治療法の各々について、予測モデルを用いて、予後因子と当該想定治療法とから、当該想定治療法による治療後経過を予測する予測部と、第2患者毎に、想定治療法毎に予測された治療後経過のうち良好な治療後経過に対応する想定治療法を推奨治療法として選定する推奨部と、複数の第2患者のそれぞれを、当該第2患者の実施治療法と推奨治療法が一致する推奨群と、実施治療法と推奨治療法が一致しない非推奨群とに分類し、推奨群における実際の治療後経過と非推奨群における実際の治療後経過とを解析して、予測モデルの評価結果を算出する評価部と、を備える。
【0010】
本発明のある態様のプログラムは、移植手術を受けた複数の第1患者の各々について、予後因子と、実施移植法と、術後経過に係る指標とを含む教師データを記憶するための教師データ記憶部と、移植手術を受けた複数の第2患者の各々について、予後因子と、実施移植法と、実際の術後経過に係る指標とを含む評価データを記憶するための評価データ記憶部と、を備えるコンピュータに、第1患者の予後因子と、第1患者の実施移植法とを説明変数とし、第1患者の上記指標を目的変数とする予測モデルを機械学習により生成する機能と、第2患者毎に、複数の想定移植法の各々について、予測モデルを用いて、予後因子と当該想定移植法とから、当該想定移植法による術後経過を予測する機能と、第2患者毎に、想定移植法毎に予測された術後経過のうち良好な術後経過に対応する想定移植法を推奨移植法として選定する機能と、複数の第2患者のそれぞれを、当該第2患者の実施移植法と推奨移植法が一致する推奨群と、当該第2患者の実施移植法と推奨移植法が一致しない非推奨群とに分類し、推奨群における実際の術後経過と非推奨群における実際の術後経過とを解析して、予測モデルの評価結果を算出する機能と、を発揮させる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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