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公開番号2024095390
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022212663
出願日2022-12-28
発明の名称金属加工油組成物
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C10M 169/04 20060101AFI20240703BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】動粘度が一定値以下に低く調整されつつも、極圧性に優れるとともに、油煙の発生の抑制性能に優れる金属加工油組成物を提供する。
【解決手段】基油(A)と、硫黄系極圧剤(B)と、塩基価が300mgKOH/g以上であるカルシウム系清浄剤(C)とを含有し、下記要件(1)、(2)、(3)、及び(4)を満たす、金属加工油組成物とした。
・要件(1):クリーブランド開放式測定法による引火点が260℃以上である。
・要件(2):前記硫黄系極圧剤(B)由来の硫黄含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、0.45質量%以上である。
・要件(3):カルシウム含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、1.0質量%以上である。
・要件(4):40℃における動粘度が150mm2/s以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基油(A)と、硫黄系極圧剤(B)と、塩基価が300mgKOH/g以上であるカルシウム系清浄剤(C)とを含有し、下記要件(1)、(2)、(3)、及び(4)を満たす、金属加工油組成物。
・要件(1):クリーブランド開放式測定法による引火点が260℃以上である。
・要件(2):前記硫黄系極圧剤(B)由来の硫黄含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、0.45質量%以上である。
・要件(3):カルシウム含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、1.0質量%以上である。
・要件(4):40℃における動粘度が150mm

/s以下である。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
さらに、下記要件(5)を満たす、請求項1に記載の金属加工油組成物。
・要件(5):40℃における動粘度が50mm

/s以上である。
【請求項3】
前記硫黄系極圧剤(B)が、硫化油脂(B1)及び硫化脂肪酸エステル(B2)からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1又は2に記載の金属加工油組成物。
【請求項4】
前記カルシウム系清浄剤(C)が、カルシウムスルホネート(C1)、カルシウムフェネート(C2)、及びカルシウムサリシレート(C3)からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属加工油組成物。
【請求項5】
前記硫黄系極圧剤(B)由来の硫黄含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、0.75質量%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の金属加工油組成物。
【請求項6】
カルシウム含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、3.5質量%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の金属加工油組成物。
【請求項7】
前記カルシウム系清浄剤(C)が、カルシウムスルホネート(C1)を含み、
前記金属加工油組成物中の硫黄含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、0.80質量%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の金属加工油組成物。
【請求項8】
さらに、酸化防止剤及び消泡剤からなる群から選択される1種以上の添加剤を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の金属加工油組成物。
【請求項9】
塑性加工に用いられる、請求項1~8のいずれか1項に記載の金属加工油組成物。
【請求項10】
前記塑性加工が、絞り加工である、請求項9に記載の金属加工油組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属加工油組成物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
金属加工の分野においては、金属製の被加工物の加工部位を潤滑するために、金属加工油組成物が使用される。金属加工油組成物には、金属製の被加工物と工具との焼付きを抑制するために優れた極圧性が要求される。
そこで、特許文献1では、硫黄系極圧剤と、防錆剤と、カルシウム系添加剤とを、各々所定量含有する金属加工油組成物が提案されている。
また、特許文献2では、下記一般式(1)で表される化合物と硫黄系極圧剤とを含有する金属加工油組成物が提案されている。
JPEG
2024095390000001.jpg
21
92
[式(1)中、X

及びX

はそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表し、R

~R

はそれぞれ独立にアルキル基を表す。]
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-119680号公報
特開2018-080303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、金属加工油組成物には、優れた極圧性だけでなく、作業環境の悪化の抑制の観点から、油煙の発生を抑制する性能も要求され得る。
しかしながら、特許文献1及び2では、金属加工油組成物の油煙の発生を抑制することについては何ら検討されていない。
また、金属加工油組成物には、ポンプ吸引性が求められることもある。そのため、金属加工油組成物の動粘度は、ポンプ吸引性が確保できる程度に低く調整する必要がある。しかしながら、金属加工油組成物の動粘度を低くすると、油煙の発生を抑制し難くなるという問題がある。そのため、動粘度が一定値以下に低く調整されつつも、極圧性と油煙の発生の抑制性能とに優れる金属加工油組成物とすることは困難であった。
【0005】
本発明は、動粘度が一定値以下に低く調整されつつも、極圧性に優れるとともに、油煙の発生の抑制性能に優れる金属加工油組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、下記[1]~[2]が提供される。
[1] 基油(A)と、硫黄系極圧剤(B)と、塩基価が300mgKOH/g以上であるカルシウム系清浄剤(C)とを含有し、下記要件(1)、(2)、(3)、及び(4)を満たす、金属加工油組成物。
・要件(1):クリーブランド開放式測定法による引火点が260℃以上である。
・要件(2):前記硫黄系極圧剤(B)由来の硫黄含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、0.45質量%以上である。
・要件(3):カルシウム含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、1.0質量%以上である。
・要件(4):40℃における動粘度が150mm

/s以下である。
[2] 基油(A)と、硫黄系極圧剤(B)と、塩基価が300mgKOH/g以上であるカルシウム系清浄剤(C)とを、下記要件(1)、(2)、(3)、及び(4)を満たすように混合する工程を含む、金属加工油組成物の製造方法。
・要件(1):クリーブランド開放式測定法による引火点が260℃以上である。
・要件(2):前記硫黄系極圧剤(B)由来の硫黄含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、0.45質量%以上である。
・要件(3):カルシウム含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、1.0質量%以上である。
・要件(4):40℃における動粘度が150mm

/s以下である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、動粘度が一定値以下に低く調整されつつも、極圧性に優れるとともに、油煙の発生の抑制性能に優れる金属加工油組成物を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載された数値範囲の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「A~B」及び「C~D」が記載されている場合、「A~D」及び「C~B」の数値範囲も、本発明の範囲に含まれる。
また、本明細書に記載された数値範囲「下限値~上限値」は、特に断りのない限り、下限値以上、上限値以下であることを意味する。
また、本明細書において、実施例の数値は、上限値又は下限値として用いられ得る数値である。
【0009】
[金属加工油組成物の態様]
本実施形態の金属加工油組成物は、基油(A)と、硫黄系極圧剤(B)と、塩基価が300mgKOH/g以上であるカルシウム系清浄剤(C)とを含有し、下記要件(1)、(2)、(3)、及び(4)を満たす。
・要件(1):クリーブランド開放式測定法による引火点が260℃以上である。
・要件(2):前記硫黄系極圧剤(B)由来の硫黄含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、0.45質量%以上である。
・要件(3):カルシウム含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、1.0質量%以上である。
・要件(4):40℃における動粘度が150mm

/s以下である。
【0010】
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた。その結果、基油(A)と、硫黄系極圧剤(B)と、塩基価が300mgKOH/g以上であるカルシウム系清浄剤(C)とを含有し、上記要件(1)、(2)、(3)、及び(4)を満たす金属加工油組成物が、上記課題を解決し得ることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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